JP4063962B2 - 長短複合紡績糸編物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,盛夏に使用しても優れた涼感性を有し,かつピーチスキン調の高級感に富んだ表面外観を有する衣料用の長短複合紡績糸編物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より,涼感性を有する繊維布帛の製造方法が種々考案されている。
【0003】
例えば,レーヨンや綿等の高吸水率繊維を肌側に用いて人体から発生する汗を衣服外へ放出する方法や,強撚糸を肌側に用いて人体との接触面積を小さくする方法,あるいは高熱伝導率を有する繊維を肌側に用いたり,高熱伝導率を有する物質を含有する樹脂を繊維布帛の裏面にプリントしたりして体熱を奪い取り,体外へ熱を逃がす方法等が挙げられる。
【0004】
しかしながら,盛夏に暑さを感じるのは,衣服や人体が太陽光を吸収して昇温する昇温作用による因子が大きく,上記方法では優れた涼感性を得ることができない。
【0005】
また,昨今,湿潤状態にて膨潤させた溶剤紡糸セルロース繊維に強い攪拌や繰り返し摩擦を加えることによって,繊維軸方向に沿って1〜数ミクロンの繊維直径で枝分かれ状に剥離分繊する,いわゆるフィブリル化現象を利用した溶剤紡糸セルロース繊維商品が注目され,高級衣料素材として定着しつつある。このフィブリル化現象によれば,毛羽立ちとは異なり,極細のフィブリル化した繊維群が光の乱反射作用によって微妙で独特な陰影を衣料品の表面に現出させ,ピーチスキン調の外観が得られるとともに,ソフトで反発感のある風合や肌触りのよさとが相まって,新しい感性を求めていた市場に受け入れられたものと思われる。
【0006】
しかしながら,衣料素材として用いた場合の繊維特性は,所詮セルロース系繊維であるが故,ポリエステル等の合成繊維素材と比較して弾性回復に乏しいためにシワになりやすく,また,洗濯後には縮みやすい等の課題を有しているため,広く用いられることはなく,衣料用途としてはファション性の高い一部の高級用途に限られ,実用衣料分野への展開は制限されるきらいがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は,このような現状に鑑みて行われたもので,溶剤紡糸セルロース繊維の有するピーチスキン調の高級感のあるフィブリルタッチを有しているにもかかわらず,シワになりにくく,洗濯収縮が少なく,しかも優れた涼感性を兼ね備えた長短複合紡績糸編物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は,上述の目的を達成するために,次の構成からなるものである。すなわち,本発明は,チタン酸アルカリ金属またはチタン酸アルカリ土類金属のうちの少なくとも1種のセラミック微粒子を含有してなるポリエステル系長繊維(a)が芯鞘構造糸の比較的芯側に,単繊維デニールが3d以下で,平均繊維長が64mm以下の溶剤紡糸セルロース系短繊維(b)が比較的鞘部に配列され,その混用重量比a/bが0.7<a/b<3.0の範囲にある実撚を有する長短複合紡績糸を用いて編地を製編し,得られた編地を湿潤状態にて攪拌摩擦することにより表面にフィブリルを生成せしめることを特徴とする長短複合紡績糸編物の製造方法を要旨とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明では,編地を構成する糸条として,熱線反射特性を有するポリエステル系長繊維(a)が芯鞘構造糸の比較的芯側に,単繊維デニールが3d以下で,平均繊維長が64mm以下の溶剤紡糸セルロース系短繊維(b)が比較的鞘部に配列されて,実撚を有する長短複合紡績糸を使用する。
【0011】
この複合紡績糸の芯部を構成する熱線反射特性を有するポリエステル系長繊維(a)は,チタン酸アルカリ金属またはチタン酸アルカリ土類金属のうちの少なくとも1種のセラミック微粒子をポリエステル系繊維内部に含有してなる繊維である。
【0012】
ここで用いられるチタン酸アルカリ金属やチタン酸アルカリ土類金属は,酸化チタンとアルカリ金属炭酸塩もしくはアルカリ土類金属炭酸塩等とを1000℃前後で焼成することにより得られる繊維状微粒子もしくは板状微粒子の形態を有する複合セラミック微粒子を使用することができ,チタン酸アルカリ金属としては,Li2 Ti6 O13,Na2 Ti4 O9 ,Na2 Ti6 O13,K2 Ti2 O5 ,K2 Ti8 O17,Rb2 Ti6 O13,Cs2 Ti4 O9 ,Fr2 Ti6 O13等を挙げることができ,チタン酸アルカリ土類金属としては,CaTiO3 ,SrTiO3 ,BaTiO3 ,BeTiO3 ,MgTiO3 等を挙げることができる。本発明では,これらのセラミックを単独で,または2種以上を併用して使用することができる。
【0013】
この繊維状もしくは板状のセラミック微粒子の粒度は,長さ方向で50ミクロン以下,好ましくは20ミクロン以下,厚み方向で5ミクロン以下,好ましくは1ミクロン以下のものを用いるとよい。一般に球状または無定形状の微粒子を繊維に含有させる場合の粒度は10ミクロン以下,好ましくは1ミクロン以下であるが,本発明で用いる上述のセラミック微粒子は,繊維に含有させる場合にセラミックの長さ方向が糸方向に配列しやすいため,球状,無定形状の微粒子に比べ比較的粒度が大きくても使用上差し支えないが,このセラミック微粒子の粒度が上記範囲を超えると,製糸工程の濾材における目詰まりや糸切れ等による可紡性の低下等の問題が生じ,たとえ紡糸を行うことができたとしても,延伸工程で糸切れ発生の問題が生じるので好ましくない。
【0014】
上記セラミック微粒子の含有量は,繊維重量に対して0.1重量%以上,20重量%以下,好ましくは1重量%以上,10重量%以下が適当である。セラミック微粒子の含有量が0.1重量%より少ない場合には,本発明の目的とする涼感が得られず,20重量%を超える場合は,涼感性の効果が飽和に達するばかりか,繊維の生産性が悪くなり,しかも糸質的に十分な強伸度が得られない。
【0015】
セラミック微粒子を繊維に含有せしめる方法としては,原料ポリマーに直接混合して紡糸する方法や,予め原料ポリマーの一部を用いて高濃度に含有せしめたマスターバッチを製造し,これを紡糸時に所定の濃度に希釈調整してから紡糸する方法等がある。
【0016】
ここで,繊維へセラミック微粒子を含有せしめた状態の一例を繊維の断面図によって説明する。
【0017】
図1はいずれも本発明の涼感性を有する繊維の断面を示すものであり,(1)は繊維1にセラミック微粒子を均一に含有せしめた状態を示し,(2)(3)はいずれも芯鞘構造糸で,(2)は芯部2に,また,(3)は鞘部4にそれぞれセラミック微粒子を均一に含有せしめた状態,(4)は断面の3箇所6に含有せしめた状態,(5)は分割糸で,16分割のうち8分割部8に含有せしめた状態,(6)は3層構造糸の中層部10に含有せしめた状態,(7)はサイドバイサイド糸の中央部12に含有せしめた状態,(8)は海島構造糸の島部14に含有せしめた状態を示す。
【0018】
これらの各断面構造の繊維のうち,(1)に示す繊維は,その断面の全面にセラミック微粒子を含有しているので,ある程度強力的に低い水準の繊維となるのはやむを得ないが,この点(2)〜(8)に示す繊維は,それぞれセラミック微粒子を含有していない部分3,5,7,9,11,13,15を有しているのでその程度に応じてセラミック微粒子を含有することによる強度低下が軽減される利点を有している。
【0019】
また,(2)(6)(8)に示す繊維は,セラミック微粒子を含有している部分2,10,14がそれぞれ繊維の内部にあって表面に露出していないので,繊維の製造時や織編物の製造時に繊維中のセラミック微粒子が紡糸機や編機のローラーやガイド等との摩擦によって損傷したりすることがないという利点もある。
【0020】
(4)(5)(7)の繊維はセラミック微粒子を含有している部分6,8,12がそれぞれ繊維の表面に露出しているとはいえ,露出の程度が(1)に示す繊維よりはるかに少ないので,その程度に応じて上記摩擦損傷の問題も低減される。
【0021】
(2)〜(8)に示す繊維では,セラミック微粒子を含有している部分とそうでない部分が異種のポリマーであってもいっこうに差し支えない。
【0022】
繊維へのセラミック微粒子の含有は,(1)〜(8)の形状の他にも種々の形状で可能である。
【0023】
本発明で用いる溶剤紡糸セルロース系短繊維(b)は,パルプを原料に,それらを溶解して得る溶剤,例えば,N−メチルモルホリン−N−オキシド,ジメチルスルホキシド,N−メチルピペリジン−N−オキシド,ジメチルアセトアミド等に溶解した溶液を乾湿式紡糸法にて紡糸することにより製造される繊維であって,欧米ではその繊維組成表示を“LYOCELL”としてすでに認知されている新しいタイプのセルロース系再生繊維であり,本発明における長短複合紡績糸の鞘部を形成する。
【0024】
この溶剤紡糸セルロース系短繊維の単繊維は3d以下,平均繊維長は64mm以下でなければならない。短繊維デニールが3dより太くなれば,紡績糸としての繊維構成本数が減少してしまい,紡績時にドラフト斑や糸切れを多発させ,実用性のある芯鞘構造糸の紡績が困難となるからである。また,平均繊維長が64mmより長くなれば,紡績ドラフト時における繊維のコントロールが困難となり,斑やネップを発生させたり,紡績糸表面から突出した繊維,いわゆる毛羽も長くなり,紡績糸の糸質を低下させるとともに,フィブリル化後の編物の外観を著しく損ねるからである。芯鞘構造の紡績糸の糸質を維持し,フィブリル化後の編物の表面外観の審美性を保つには,短繊維デニールが1〜2d,平均繊維長は30〜50mmの範囲にあることが好ましい。
【0025】
本発明で用いる長短複合紡績糸の糸構造は,前述の熱線反射特性を有するポリエステル系長繊維(a)を主に芯部に用い,溶剤紡糸セルロース系短繊維(b)を主に鞘部に用いて芯鞘型に複合した構造を有するものであるが,これらの長短繊維成分の重量比a/bは0.7<a/b<3.0,換言すれば,30:70〜70:30の範囲にあることが必要である。熱線反射特性を有するポリエステル系長繊維の成分が30%より少ないと,目的とする涼感性が得られず,また,その成分が70%より多いと,溶剤紡糸セルロース系短繊維の巻付き量が少なすぎて外観的にも長繊維様の風合となるので不適当である。
【0026】
本発明で用いる長短複合紡績糸は,下記式(1)における撚係数αが,4.2〜6.5の実撚を有するように設定する。
【0027】
撚数T(T/M)=α×Nm (1)
(ただし,Nmはメートル式番手)
ここで,本発明の芯鞘型長短複合紡績糸の製造方法を説明する。
【0028】
熱線反射特性を有するポリエステル系長繊維と短繊維とを合流して加撚する方法は,従来の紡績における一般的な精紡合撚方式により,綿紡,梳毛,紡毛,絹紡,麻,スフ紡いずれのリング精紡機による方法でも構わない。上述の撚係数αが4.2〜6.5の範囲になるように加撚することにより,短繊維束を長繊維の捲縮糸に巻き付けて固定し,編物にハリ,腰や反発性を与え,適度なドレープ性を付与することができるようになる。撚数が少ないほどソフトな風合が得られ,撚数が多いほどシャリ味の風合になる。
【0029】
また,フィラメント糸と短繊維を合流するに際しては,フィラメント糸の電圧負荷による開繊方式を採用してもよく,加撚法としては,交互撚糸であってもよい。本発明の長短複合紡績糸を用いて製編することにより,適度なドレープ性を有しながら優れた涼感性を有する編物を得ることができる。
【0030】
本発明では上述の長短複合紡績糸を用いて編物を製編する。製編に際しては,通常の方法により製編すればよい。本発明の編物は上述の加撚された糸から構成されており,ドレープ性を有すると共に優れた熱線反射特性を示すものである。
【0031】
本発明の編物は,撚係数αが4.2〜6.5の範囲で加撚された複合糸から構成されるが,この範囲外であると,ドレープ性に劣り,品位が低下するとともに,着用したときの快適性が低下するので好ましくない。
【0032】
本発明の長短複合紡績糸編物は,前記長短複合紡績糸だけで構成したものであってもよく,他の繊維素材と交編したものであってもよいが,良好なフィブリル外観を得るためには,前記長短複合紡績糸の編物に対する重量構成比が50%以上であることが望ましい。
【0033】
製編された編物を,本発明では,湿潤状態で攪拌摩擦することにより編地の表面にフィブリルを生成せしめる。
【0034】
本発明の長短複合紡績糸編物の表面に溶剤紡糸セルロース系短繊維が枝分かれ状に剥離分繊した,いわゆるフィブリル化を生成させるためには,通常の染色加工にて湿潤状態で膨潤させた溶剤紡糸セルロース繊維に強い攪拌や繰り返し摩擦を加えることによって得ることができるが,織編物の表面にフィブリル程度を均一に斑なく生成させるには,湿潤状態での攪拌と摩擦を長時間繰り返して作用させることが可能なロータリー型のワッシャーか液流型の染色機を用いてフィブリルの生成を専用とする工程を組み入れることが好ましい。
【0035】
【作用】
本発明のごとく,熱線反射特性を有するポリエステル系長繊維を芯鞘構造糸の芯部に,溶剤紡糸セルロース系短繊維を鞘部に配した芯鞘構造の長短複合紡績糸で編物を構成し,これを湿潤状態で繰り返し攪拌,摩擦すると,編物表面に位置する溶剤紡糸セルロース系短繊維にピーチスキン調のフィブリルを容易に生成させることができるとともに,芯部の熱線反射特性を有するポリエステル系長繊維によって優れた涼感性を有し,溶剤紡糸セルロース繊維のみでは得ることができなかった優れた防シワ性や寸法安定性を芯部のポリエステル繊維の特性によって得ることができるという,それぞれの繊維が有する長所を最大限に活かすことが可能な,従来に見られない審美性と衣料機能性を兼ね備えた優れた編物が得られるようになる。
【0036】
【実施例】
次に実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが,実施例における布帛の性能の測定,評価は下記の方法で行った。
【0037】
(1)衣服温度
温度30℃,湿度60%の恒温恒湿の室内で,エネルギー源として中心波長1μmの写真用100W白色光源を用い,繊維布帛の表面に白色光源を照射して,30分照射後の繊維布帛の裏面温度をサーモビュア(赤外線センサー,日本電子株式会社製品)にて測定した。
【0038】
(2)衣服内温度
温度30℃,湿度60%の恒温恒湿の室内に図2に側断面図で示すごとき温度測定装置を設置し,エネルギー源として中心波長1μmの写真用100W白色光源16を用いて,光源16から60cmの位置にある被測定繊維布帛17の表面に白色光を10分間照射した時点で,布帛17の裏面から5mm離れた位置にあり,黒色ポリエステル織物19の手前にある温度センサー18によって温度を測定し,繊維布帛17の光遮蔽性を評価した。
【0039】
(3)フィブリル感
ピーチスキン調のフィブリル感を,目視(肉眼判定)および風合(ハンドリング)により,相対的に次の4段階で評価した。
【0040】
◎ 非常に良好 ○ 良 好 △ 普 通 × 不 良
(4)防シワ性
JISL−1018(モンサント法)により,防シワ率を算出した。
【0041】
(5)洗濯収縮性
JISL−0217(103法)に準拠処理し,吊り干し乾燥にて, 洗濯収縮率を算出した。
実施例1
長さ方向の最大粒子径が20ミクロン,厚み方向の最大粒子径が0.3ミクロンのNa2 Ti6 O13微粒子を3重量%含有してなるポリエステル長繊維仮撚加工糸70d/24fを用いて,通常の長短複合コアヤーンを紡績する精紡機にかけ,一方,短繊維束として溶剤紡糸セルロース短繊維(1.3d,40mm)で構成される粗糸を供給し,フロントローラーに入る前でポリエステル長繊維仮撚加工糸と合流させ,仮撚加工糸が比較的芯側に配列される構造にてデリバリーローラーから紡出し,続いてリングトラベラーにより加撚した。紡績番手はNm36番手とし,撚数は,撚係数=4.2(撚数148T/M),鞘/芯比率=64/36であった。
【0042】
得られた長短複合紡績糸は,熱線反射特性を有する長繊維が比較的芯側に,溶剤紡糸セルロース系短繊維束が比較的鞘側に配列された複合紡績糸であった。
【0043】
上記の長短複合紡績糸を用いて30″28Gの編機でピケ天竺を製編した。この生機を常法にて精練した後,オーバーマイヤーを使用して分散染料と反応染料を用いた通常の二浴法により染色を行い,次に,フィブリルを生成させるために液流型染色機を用いて,生地重量と水との重量比=1:10の条件で80℃に昇温後,60分間連続して運転することにより攪拌,揉み摩擦を加えた後,タンブル乾燥機にて乾燥し,本発明の加工編地を得た。
【0044】
本発明との比較のため,本実施例において用いたNa2 Ti6 O13微粒子を省く他は,本実施例とまったく同一の方法により比較用の加工編物(比較例1)を得た。
【0045】
また,本発明との比較のため,本実施例において用いた溶剤紡糸セルロース短繊維に代えて綿繊維(繊度1.5d,平均長33mm)を用いる他は,本実施例とまったく同一の方法により比較用の加工編物(比較例2)を得た。
【0046】
本発明および比較用の加工編物の性能を測定,評価し,その結果を合わせて表1に示した。
【0047】
【表1】
【0048】
表1より明らかなごとく,本発明方法による加工編物は,良好なフィブリル感を有しているにもかかわらず,シワになりにくく,洗濯収縮が少なく,しかも衣服温度,衣服内温度とも比較例1より低く,優れた涼感性を兼ね備えていた。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば,優れた涼感性を有し,かつフィブリルを有するピーチスキン調の高級感に富んだ表面外観を呈し,防シワ性に優れ,洗濯収縮が少ない良好な衣料用の長短複合紡績糸編物を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(1)〜(8)のいずれも本発明で用いるセラミック微粒子を含有する繊維の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の涼感繊維布帛の衣服内温度を測定する装置の要部の側断面図である。
【符号の説明】
1,2,4,6,8,10,12,14 セラミック微粒子を含有している部分
3,5,7,9,11,13,15 セラミック微粒子を含有していない部分
16 写真用100W白色光源
17 本発明の繊維布帛
18 温度センサー
19 黒色染色ポリエステル織物(経糸,緯糸ともに75d/36f,経糸密度100本/吋,緯糸密度80本/吋)
20 厚さ20mmの発砲ポリスチレン(断熱材)
Claims (1)
- チタン酸アルカリ金属またはチタン酸アルカリ土類金属のうちの少なくとも1種のセラミック微粒子を含有してなるポリエステル系長繊維(a)が芯鞘構造糸の比較的芯側に,単繊維デニールが3d以下で,平均繊維長が64mm以下の溶剤紡糸セルロース系短繊維(b)が比較的鞘部に配列され,その混用重量比a/bが0.7<a/b<3.0の範囲にある実撚を有する長短複合紡績糸を用いて編地を製編し,得られた編地を湿潤状態にて攪拌摩擦することにより表面にフィブリルを生成せしめることを特徴とする長短複合紡績糸編物の製造方法。
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