JPH07657Y2 - エア−ブロ−用サイレンサ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈考案の目的〉 産業上の利用分野 本考案は、エアーブロー用サイレンサーに係り、詳しく
は、エアーシリンダーの排気管、真空吸着器の排気系な
どの如きエアーブロー端から排気が大気中に吐出される
際に発生する騒音を吸収低減するサイレンサーに係る。

従来の技術 従来、エアーブロー端から大気中に排出される排気は、
上流側に曲管部やジョイント部が存在するため、乱流に
なって大気中に吐出される。このように乱流状態の排気
が静止気体の大気中に突出すると、高周波数の騒音が発
生する。

しかしながら、この種の騒音低減のために、第３図や第
４図に示すサイレンサーを用いても、その目的が達成で
きない。

例えば、第３図に示すサイレンサーは、エアーブロー端
を成す吐出管１に多孔質材から成る円筒状内筒３を接続
し、この内筒３の周囲を間隔をおいて外筒２で包囲し、
排気は大気中に吐出するようにしたものである。しかし
ながら、このサイレンサーにおいては、内筒３が第４図
に示す有孔外筒４のように単に貫通された孔が穿孔され
た有孔板から成るものでなく金属、セラミックなどの多
孔質板から成るため、排気の一部が内筒３を通る間に孔
隙の端部で風切り音が発生することなく消音される。排
気は上流側の曲管部などで乱流状態にあって、そのまま
では十分に消音されない。

また、第４図に示すサイレンサーは、吐出管１に連結す
る内筒３は多孔質材から構成し、その上、内筒３をおお
う外筒４をパンチングメタルのような有孔板から構成
し、先端を栓部材５で閉塞している。従って、排気は全
て側壁の内筒３の多孔質板と外筒４の有孔板とを経て放
出される。このため、排気は相当消音され、乱流状態は
相当緩和されて大気中に放出される。しかし、内筒３
は、金属、セラミックなどの多孔質材から成って、この
多孔質材は第３図ならびに第４図に示すように通常金属
などの締結材から成って孔がきわめて細かいことから、
排気の全てを通過させると、構造上目詰りが起し易く、
このことが大きな問題になっている。

考案が解決しようとする問題点 本考案はこれらの問題点の解決を目的とし、具体的に
は、吐出管のエアーブロー端から大気中に排出される際
に生じる騒音を効果的に消音できこのときの圧力損失も
小さく目詰りも起しにくいエアーブロー用サイレンサー
を提供する。

〈考案の構成〉 問題点を解決するための手段ならびにその作用 すなわち、本考案に係るサイレンサーは、上流に曲管部
やジョイント部を有するエアーブローの一端に一端が接
続され、他端が大気中に開放される円筒状内筒と、この
円筒状内筒の周囲に間隔をおいて設けられる外筒と、こ
の外筒と円筒状内筒との間に形成される閉鎖環状空間と
を具え、円筒状内筒を金属、セラミック等の多孔質材か
ら構成すると共に、円筒状内筒内にその全長にわたって
十字状断面を持つよう板状材が組合された整流部材を介
挿して排気が円筒状内筒の中心軸と平行に流れる整流通
路を構成して成ることを特徴とする。

なお、この多孔質内筒の多孔質材はその孔隙が表側から
裏側に連通しているものであれば、特に材質を限定する
ものではない。

以下、図面によってこの手段たる構成ならびにその作用
について説明すると、次の通りである。

なお、第１図（ａ）は本考案の一つの実施例に係るエア
ーブロー用サイレンサーの縦断面図であり、第１図
（ｂ）は第１図（ａ）の矢印Ａ−Ａ方向からの断面図で
あり、第２図は第１図に示すエアーブロー用サイレンサ
ーにおける整流機能の説明図である。まず、本考案はエ
アーブロー端からの吐出流を乱流状態から第２図に示す
如く、整流することが必要であるところに着目して成立
したものである。

すなわち、第１図において符号１はエアーブロー端を成
す吐出管を示し、この吐出管１においては上流側に曲管
部やジョイントがあることもあって、排気は乱流状態で
排気吐出される。この吐出管１の先端に本考案に係るサ
イレンサーの円筒状内筒３が継手５を介して装着され
る。この内筒３は第４図に示す内筒４と同様に全ての排
気を通過させると目詰りが起きるほどの細かい孔を持つ
もので、金属、セラミックなどから構成される多孔質材
から構成される。このため、後記のように、排気の一部
は内筒４を通過するが、他は内筒３の軸方向に沿って流
動する。

また、多孔質材から成る内筒３の内にはその全長にわた
って整流樋部材６を挿入する。整流部材６は薄い板が十
字状断面になるよう組合わされて構成され、排気がこの
間を通る間に乱流状態から平行流として整流される。

更に、内筒３の外側には間隔をおいて外筒２を設け、こ
れらの間に外気から閉ざされた閉塞環状空間を形成す
る。

このように構成すると、吐出管１からサイレンサーに導
入される排気、つまり、気流７は大きな乱れが伴って、
このままで大気中に吐出されると、大気との摩擦により
大きな騒音を生じるが、この騒音は大巾に低減できる。

すなわち、本考案に係るサイレンサーは、内筒３内に整
流部材６が全長にわたって設けられ、この整流部材６は
薄い板が十字状に組合わされて構成されている。内筒３
内には整流部材６によって仕切られた平行な整流流路が
形成されている。このため、吐出管１から乱流状態で送
られる気流は各整流通路を通る間に流速を速めて整流さ
れる（第２図参照）。

このように流速が速められた気流のうち、内筒３の内壁
面に接する一部の気流は内筒３を通って環状密閉空間の
中に入り、出口附近で再び内筒３を通って副流９として
内筒３内に戻る。この副流９によって整流部材６の各整
流通路を通る主流８を包み、この状態で大気中に吐出す
る。このため、吐出される排気は大気との間で速度差が
少なくなり、大気との摩擦も少なくなるため、騒音は大
巾に減少する。

そこで、曲管部の多い通常のエアーシリンダーの排気管
と直管部から成る排気管とからの排気について、その騒
音の消音効果についてしらべたところ、第５図ならびに
第６図に示す通りであった。

すなわち、第５図では、曲管部が多く排気が乱流状態に
あるときに全くサイレンサーをつけなかった場合（実線
で示す）、第３図に示す従来例のサイレンサーをつけた
場合（点線で示す）、第１図に示す本考案に係るサイレ
ンサーをつけた場合（一点鎖線で示す）をそれぞれ示し
ている。また、第６図では直管部から成る排気管に全く
サイレンサーをつけなかった場合（実線で示す）、第３
図に示す従来例のサイレンサーをつけた場合（点線で示
す）、第１図に示す本考案に係るサイレンサーをつけた
場合（一点鎖線で示す）をそれぞれ示している。第５図
から明らかな通り、乱流分の多いときには、本考案によ
ると、大巾に騒音が減少できることがわかる。

〈考案の効果〉 以上詳しく説明したように、本考案は、一端が気体排出
部に接続され他端が大気中に開放される内筒を金属、セ
ラミックなどの多孔質材から構成し、この内筒の周囲を
間隔をおいて外筒で包囲し、この外筒と内筒との間に閉
鎖環状空間を形成し、更に、多孔質材から成る内筒内に
十字状断面を持つよう組合された整流部材を設けて成る
ものである。

従って、整流部材により形成される複数個の整流通路を
通る間に、乱流分の多い排気流は整流される。また、排
気流は流速が整速され、整流されている各排気流は内筒
に接するところで流速を失なって内筒を通過し、この排
気流が副流として主流の排気流をつつむため、騒音は大
巾に低減できる。

【図面の簡単な説明】 第１図（ａ）は本考案の一つの実施例に係るエアーブロ
ー用サイレンサーの縦断面図、第１図（ｂ）は第１図
（ａ）の矢印Ａ−Ａ方向からの断面図、第２図は第１図
に示すエアーブロー用サイレンサーにおける整流消音作
用を説明する説明図、第３図は従来のサイレンサーの一
例の縦断面図、第４図は従来のサイレンサーの他の例の
縦断面図、第５図は曲管部の多い吐出管に本考案に係る
サイレンサーを取付けた場合の消音効果を示すグラフ、
第６図は直管部の吐出部に本考案に係るサイレンサーを
取付けた場合の消音効果を示すグラフである。 符号１……吐出管 ２……外筒 ３……円筒状内筒 ４……多孔板 ５……継手 ６……整流部材 ７……気流 ８……主流 ９……副流

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上流に曲管部やジョイント部を有するエア
   ーブローの一端に一端が接続され、他端が大気中に開放
   される円筒状内筒と、この円筒状内筒の周囲に間隔をお
   いて設けられる外筒と、この外筒と前記円筒状内筒との
   間に形成される閉鎖環状空間とを具え、 前記円筒状内筒を金属、セラミック等の多孔質材から構
   成すると共に、前記円筒状内筒内にその全長にわたって
   十字状断面を持つよう板状材が組合された整流部材を介
   挿して排気が前記円筒状内筒の中心軸と平行に流れる整
   流通路を構成して成ることを特徴とするエアーブロー用
   サイレンサー。