JPH0765615B2 - ジャーナル軸受 - Google Patents

ジャーナル軸受

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JPH0765615B2
JPH0765615B2 JP3069914A JP6991491A JPH0765615B2 JP H0765615 B2 JPH0765615 B2 JP H0765615B2 JP 3069914 A JP3069914 A JP 3069914A JP 6991491 A JP6991491 A JP 6991491A JP H0765615 B2 JPH0765615 B2 JP H0765615B2
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    • F16C2360/00—Engines or pumps
    • F16C2360/22—Internal combustion engines

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はエンジンのためのジャー
ナル軸受に関し、特に、ジャーナル軸受を通る潤滑剤の
流れを定量制御する偏心の潤滑剤供給溝を有するジャー
ナル軸受に関する。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】典型的
なエンジンはエンジンブロックにクランクシャフトを装
着するため及びクランクピンジャーナルに連接棒を接続
するためにジャーナル軸受を使用している。ジャーナル
軸受は、連接棒又はエンジンブロック内の円筒状ボア
（穴）内に保持された一対の半円形又は半円筒形のイン
サート即ち軸受シェルを有し、円筒状ボアの半分は、こ
のボア内でのジャーナル及び軸受シェルの組立てを許容
するために設けた着脱自在なキャップにより画定されて
いる。２つの半円形シェル間で分割線（スプリットライ
ン）に沿って形成したみぞは組立て期間中のシェルの僅
かな不整合に起因するシェルの過剰な摩耗や損傷を防止
する。このような分割線のみぞが無ければ、分割線での
軸受クリアランス（間隙）が少ないため、シェルの過剰
な摩耗や損傷が生じてしまう。
【０００３】また、エンジンに使用する典型的なジャー
ナル軸受は、上方軸受シェルに設けられていて、潤滑剤
供給通路を介してエンジンのオイル室に接続した潤滑剤
供給溝（グルーブ）を具備する。潤滑剤供給溝はジャー
ナルと軸受シェルの内表面との間に潤滑薄膜を形成する
のに十分なオイルを供給できるようにする。潤滑剤供給
溝は軸受シェルの全内周辺部に沿って延びているため、
分割線への潤滑剤のかなりの流れを生じさせ、エンジン
の潤滑装置全体に悪影響を及ぼすようなかなりのオイル
圧力を発生させてしまう。
【０００４】このような構造のジャーナル軸受は米国特
許第３，７４３，３６７号明細書に開示されている。
【０００５】
【課題を解決するための手段並びに作用効果】本発明の
ジャーナル軸受の特徴とするところは、軸受シェルの内
向きの軸受表面の少なくとも一部分が、この軸受シェル
の中央部におけるジャーナルと同内向きの軸受表面との
間の間隙よりも大きな間隙を軸受シェルの外端において
ジャーナルと内向きの軸受表面との間の提供するように
（ジャーナルを回転させる）中央軸線から片寄った軸線
のまわりで湾曲しており、潤滑剤供給溝が所定の長さを
有していて、潤滑剤供給溝の両端が軸受シェルの中央部
とこのシェルの外端との中間に位置していることであ
る。
【０００６】本発明の好ましい実施例においては、エン
ジンに使用するジャーナル軸受は、分割線で端部どうし
が当接した一対の半円形又は半円筒形の軸受シェルによ
り画定された円筒状開口内で回転可能なジャーナルを支
持する。軸受シェルの内向きの軸受表面はかん合軸受関
係にて（支持された）ジャーナルを取り巻き、この間の
間隙には、荷重を支持する潤滑油の薄膜（フィルム）が
存在する。少なくとも一方の軸受シェルの内向きの軸受
表面は、円周方向において、ジャーナル軸受の中央軸線
からすべての地点で等距離に位置し所定の角度距離だけ
円周方向に延びた同心の中央部分と、この中央部分の両
端から外方に延びた一対の偏心端部分とに分割され、こ
れらの偏心端部分は、支持されたジャーナルと内向き軸
受表面との間で、中央部分の両端から軸受シェルの外端
に向かって漸進的に増大する間隙を提供する。
【０００７】ジャーナルとジャーナル軸受との間に所望
の荷重支持潤滑油薄膜を確立するのに十分な潤滑剤を供
給するために、円周方向に延びた潤滑剤供給溝を内向き
軸受表面に形成する。潤滑剤供給溝はジャーナル軸受の
中央軸線から偏心した軸線上にその中心を置き、これに
より、潤滑剤供給溝は、軸受シェルの中央部における最
深部から傾斜して、同心中央部分の両端と軸受シェルの
外端との間の中間において偏心端部分内で終端してい
る。その結果、同心中央部分と偏心端部分と偏心した潤
滑剤供給溝との交差地点で、潤滑剤定量供給オリフィス
が形成されて、潤滑剤供給溝から分割線への潤滑剤の流
れを制御即ち規制し、これにより、エンジンのオイル室
内の圧力損失を減少させる。
【０００８】ジャーナル軸受を通って流れる潤滑剤の量
は同心中央部分及び潤滑剤供給溝の所定の角度寸法に依
存する。これらの寸法を変更することにより、流れ特性
を特定のエンジンの仕様に合わせることができる。
【０００９】
【実施例】図１には、シリンダブロック１４と着脱自在
な軸受キャップ１６とにより画定された円筒状ボア１２
内で回転支持されたクランクシャフトジャーナル１０を
示す。ジャーナル軸受１８は円筒状ボア１２内で固定さ
れていて、クランクシャフトジャーナル１０と回転可能
な状態で接触している。軸受ジャーナル１８は分割線２
４で端部どうしが当接した一対の半円筒形の軸受シェル
即ちインサート２０、２２を有する。ジャーナル軸受１
８とクランクシャフトジャーナル１０との間には間隙が
設けられ、この間隙内に荷重支持潤滑油薄膜（フィル
ム）を形成して、回転中のジャーナル軸受とクランクシ
ャフトジャーナルとの直接接触を阻止する。オイル
（油）供給チャンネル２６は、シリンダブロック１４の
オイル室又は他の外部オイル供給源からの潤滑油を、軸
受シェル２０の潤滑剤供給開口２８を通してジャーナル
軸受１８へ供給する。
【００１０】図４、５に示す好ましい実施例において
は、軸受シェル２０の内向きの軸受表面３０は、円周方
向において、円筒状ボア１２の中央軸線３４に中心を置
く同心の中央部分３２と、中央軸線３４から偏心した軸
線３８を有する一対の偏心端部分３６とに分割される。
同心の中央部分３２はすべての地点で中央軸線３４から
等距離に位置し、所定の角度距離だけ円周方向に延び同
心端部４０で終端している。偏心端部分３６は同心中央
部分３２の各同心端部４０から外方へ漸進的に延びて、
軸受シェル２０の外端４２で終端する。偏心端部分３６
の実際の曲率は軸線３８の位置に依存する。軸受シェル
２０の軸方向全長にわたって延びる偏心端部分３６は分
割線２４での半径方向のリリーフ（逃がし手段）を提供
し、変動荷重又は組立て期間中の外端４２の僅かな不整
合による円筒状ボア１２の変形に起因する分割線での軸
受シェル２０、２２の不整合による軸受欠陥を防止す
る。
【００１１】クランクシャフトジャーナル１０とジャー
ナル軸受１８との間に必要な潤滑剤薄膜を確立するのに
十分な潤滑剤を供給するためには、図２、３に示す潤滑
剤供給溝４４は軸受シェル２０の内向きの軸受表面３０
に形成される。潤滑剤供給溝４４は中央軸線３４から偏
心した軸線４６（図４）上にその中心を置く。その結
果、潤滑剤供給溝４４はその最深部（同心中央部分３２
の中心に位置するのが好ましい）から傾斜して、軸受シ
ェル２０の中心とその外端４２との中間の位置で終端す
る。それ故、潤滑剤供給溝４４は所定の長さを有する。
内向きの軸受表面３０とクランクシャフトジャーナル１
０との間にごみや汚物が溜まるのを阻止するためにジャ
ーナル軸受１８を通る潤滑剤の十分な流れを提供するた
め、（偏心した）軸線４６は、潤滑剤供給溝４４が各偏
心端部分３６内で終端し、同心中央部分３２と偏心端部
分３６と（偏心した）潤滑剤供給溝４４との交差点で潤
滑剤定量供給オリフィス４８を形成するように、位置し
ている。この結果、分割線へ延びる潤滑剤供給溝を有す
るジャーナル軸受に通常関連するオイル圧力損失を減少
でき、（オイル圧力を維持するためのエンジンパワーが
少なくて済むので）エンジン効率を向上させることがで
きる。また、潤滑剤定量供給オリフィス４８が提供され
るので、潤滑油の制御された流れ即ち定量流れをジャー
ナル軸受１８に流通させ、ジャーナル軸受内での有害な
ごみや沈着物の蓄積を防止できる。本発明の基本的な利
点は、潤滑剤供給溝の終端地点を変えるように即ち潤滑
剤定量供給オリフィス４８の寸法を変えるように軸線４
６の偏心度を変更することにより、ジャーナル軸受１８
を通る潤滑剤の流量を調整できることである。それ故、
潤滑剤定量供給オリフィス４８及び軸受シェル２０を通
る潤滑剤の体積は潤滑剤供給溝４４の端部でのクランク
シャフトジャーナル１０と内向きの軸受表面３０との間
の間隙に依存する所定の値となる。その結果、特定のエ
ンジン仕様にジャーナル軸受を合わせることができる。
【００１２】潤滑特性を更に高めるために、潤滑剤供給
溝４４の縁部を面取りするとよい（図６参照）。面取り
した縁部は潤滑剤供給溝４４の深さが消失するときにこ
の溝の軸方向寸法を減少させる（図３参照）。このた
め、潤滑剤供給溝４４は、軸受シェル２０の中心近傍
で、かなりの量の潤滑剤を供給できる比較的大きな容積
を有し、また、潤滑剤定量供給オリフィス４８に潤滑剤
を通す各端部で、比較的小さな容積を有する。
【００１３】他方の軸受シェル２２は普通の構成のもの
でよいが、軸受シェル２０の偏心端部分３６に実質上対
応する偏心端部分７０により画定される間隙をその外端
に有するのが好ましい。
【００１４】本発明の第２実施例に係るジャーナル軸受
を図７に示す。図７において、軸受シェル５０は中央軸
線５６から偏心した軸線５４上に中心を置く湾曲断面形
状の内向き軸受表面５２を有する。この内向き軸受表面
５２が偏心しているため、クランクシャフトジャーナル
と内向き軸受表面５２との間の間隙は軸受シェル２０の
中央部からその外端５８に向かって漸進的に増大する。
このように増大する間隙のため、上述したような明確な
偏心端部分が必要でなくなる。軸受シェル５０の他の特
徴は、後述する点を除いて、軸受シェル２０のものと同
じである。
【００１５】潤滑剤供給溝６０は内向き軸受表面５２に
形成されていて、ジャーナル軸受の中央軸線５６に対し
て偏心した軸線６２上にその中心を置く。上述の実施例
と同様、潤滑剤供給溝６０は軸受シェル５０の中央部で
の最深部から傾斜し、軸受シェル５０の中央部とその外
端５８との中間の位置で終端する。この実施例において
は、内向き軸受表面の間隙が外端５８に向かって増大す
るので、この間隙は分割線への（傾斜した）潤滑剤供給
溝６０内の加圧潤滑剤のための流れ経路を提供する。潤
滑剤供給溝６０の偏心度を変更することにより、従っ
て、潤滑剤供給溝が終端する前に着実に増大する間隙内
へ延びる距離を変更することにより、ジャーナル軸受を
通る潤滑剤の流量を制御できる。その結果、ジャーナル
軸受にごみや汚物が蓄積するのを阻止するのに必要な
（ジャーナル軸受を通る）潤滑剤の流れを提供し続けた
状態で、軸受シェルの全長を延びる潤滑剤供給溝による
分割線での圧力損失を減少できる。
【００１６】以上においては、クランクシャフトジャー
ナルのためのジャーナル軸受の上方軸受シェルについて
説明したが、本発明はこのような応用のみに限定されな
い。本発明のジャーナル軸受は、ジャーナル軸受への実
質的な量の潤滑剤の供給を必要とするような軸受や分割
線へ延びる潤滑剤供給溝を有するジャーナル軸受に通常
関連する圧力損失を減少させる必要があるような軸受に
応用できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】クランクシャフトジャーナル及びこれに関連す
る本発明を具体化したジャーナル軸受の断面図である。
【図２】本発明を具体化したジャーナル軸受の軸受シェ
ルの斜視図である。
【図３】内側軸受表面を示す、図２の軸受シェルの平面
図である。
【図４】本発明を具体化したジャーナル軸受の軸受シェ
ルの側面図である。
【図５】図４の円内の部分を示す拡大図である。
【図６】図４の６ー６線における軸受シェルの断面図で
ある。
【図７】本発明の別の実施例に係るジャーナル軸受の軸
受シェルの側面図である。
【符号の説明】
１０ ジャーナル １２ 円筒状ボア １８ ジャーナル軸受 ２０、５０ 軸受シェル ２８ 潤滑剤供給開口 ３０、５２ 内向きの軸受表面 ３２ 同心中央部分 ３４、５６ 中央軸線 ３６ 偏心端部分 ３８、５４ 軸線 ４０ 同心端部 ４２、５８ 外端 ４４、６０ 潤滑剤供給溝 ４８ 潤滑剤定量供給オリフィス

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 中央軸線（３４、５６）のまわりで回転
    できるようにジャーナル（１０）を収納するエンジン等
    の円筒状ボア（１２）のためのジャーナル軸受（１８）
    であって、同円筒状ボア内に収納されるようになった半
    円筒状形状を呈し，密接篏合軸受関係にて同ジャーナル
    の一部を取り巻く内向きの軸受表面（３０、５２）を有
    する軸受シェル（２０）と；同内向きの軸受表面に形成
    された潤滑剤供給溝であって、その両端部において潤滑
    剤定量供給オリフィスを画定するよう同両端部間の中間
    位置の最深部からテーパの付けられた潤滑剤供給溝（４
    ４、６０）と；該潤滑剤供給溝と交差するように同軸受
    シェルを貫通する潤滑剤供給開口（２８）とを備えたジ
    ャーナル軸受において、前記内向きの軸受表面（３０、
    ５２）の少なくとも一部分が、前記軸受シェルの中央部
    における前記ジャーナルと前記内向きの軸受表面との間
    の間隙よりも大きな間隙を同軸受シェルの外端（４２、
    ５８）において同ジャーナルと同内向きの軸受表面との
    間に形成するように、前記中央軸線から片寄った軸線
    （３８、５４）のまわりで湾曲しており；前記潤滑剤供
    給溝が所定の長さを有していて、同供給溝の両端が前記
    軸受シェルの中央部と同シェルの前記外端との間に位置
    していることを特徴とするジャーナル軸受。
  2. 【請求項２】 前記内向きの軸受表面（３０）が同心の
    中央部分（３２）と一対の偏心端部分（３６）とを有
    し、同同心中央部分が前記軸受シェル（２０）の中央部
    から同心端部（４０）まで所定の角度距離だけ円周方向
    に延びていて、すべての地点で前記中央軸線（３４）か
    ら等距離だけ離れており；前記偏心端部分が、同軸受シ
    ェルの全幅にわたって軸方向に延び、かつ、同同心端部
    から外方に延び、かつ、同同心端部から同軸受シェルの
    前記外端（４２）に向かって、同中央軸線からの同内向
    きの軸受表面の距離を漸進的に増大させるように、同内
    向きの軸受表面の前記一部分を画定しており；前記潤滑
    剤定量供給オリフィス（４８）が同同心端部に位置し同
    偏心端部分上で開いていることを特徴とする請求項１の
    ジャーナル軸受。
  3. 【請求項３】 前記内向きの軸受表面（５２）の前記一
    部分が、同内向きの軸受表面の全長にわたって延びてお
    り、前記軸受シェル（５０）の中央部から同軸受シェル
    の前記外端（５８）に向かって、前記中央軸線（５６）
    からの同内向きの軸受表面の距離を漸進的に増大させる
    ように、すべての地点で同中央軸線から片寄った軸線
    （５４）から等距離だけ離れていることを特徴とする請
    求項１のジャーナル軸受。
  4. 【請求項４】 前記潤滑剤供給溝（４４、６０）の縁部
    を面取りしたことを特徴とする請求項１ないし３のいず
    れかに記載のジャーナル軸受。
  5. 【請求項５】 前記潤滑剤供給溝（４４、６０）の最深
    部が前記軸受シェル（２０、５０）の中心に位置するこ
    とを特徴とする請求項１ないし４のいずれかに記載のジ
    ャーナル軸受。
  6. 【請求項６】 前記潤滑剤供給開口（２８）が前記潤滑
    剤供給溝（４４、６０）の最深部の位置において同潤滑
    剤供給溝と交差していることを特徴とする請求項１ない
    し５のいずれかに記載のジャーナル軸受。
JP3069914A 1990-04-02 1991-04-02 ジャーナル軸受 Expired - Lifetime JPH0765615B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US502723 1990-04-02
US07/502,723 US5009522A (en) 1990-04-02 1990-04-02 Reduced flow bearing

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JPH04219521A JPH04219521A (ja) 1992-08-10
JPH0765615B2 true JPH0765615B2 (ja) 1995-07-19

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ID=23999115

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Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3069914A Expired - Lifetime JPH0765615B2 (ja) 1990-04-02 1991-04-02 ジャーナル軸受

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US (1) US5009522A (ja)
EP (1) EP0450679B1 (ja)
JP (1) JPH0765615B2 (ja)
DE (1) DE69102094T2 (ja)

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