JPH0765167B2 - Ito透明導電膜用スパッタリングターゲット - Google Patents

Ito透明導電膜用スパッタリングターゲット

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JPH0765167B2
JPH0765167B2 JP1179123A JP17912389A JPH0765167B2 JP H0765167 B2 JPH0765167 B2 JP H0765167B2 JP 1179123 A JP1179123 A JP 1179123A JP 17912389 A JP17912389 A JP 17912389A JP H0765167 B2 JPH0765167 B2 JP H0765167B2
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ito
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sputtering
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光一 中島
進 堀内
勝雄 桑野
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Japan Energy Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 本発明は、スパッタリングによるITO薄膜又はターゲッ
トの抵抗率の経時変化が少ないITO透明導電膜形成用ス
パツタリングターゲットに関する。
産業上の利用分野 ITO(Indium−Tin Oxide)膜やネサ膜と呼ばれているSn
O2膜、In2O3膜等の酸化物透明導電膜は、通常化学量的
組成からの「ずれ」によりn型の導電性を示す半導体特
性を利用し、これに必要に応じてドーパントを添加して
10-3〜10-4Ω・cmの低い抵抗膜としたものである。特に
ITO膜は高い導電性と可視光透過性を有するので、透明
導電膜として最も広く用いられている。
一般にITO等の透明導電膜は電卓やデジタル時計に使用
する液晶表示装置、薄膜エレクトロルミネセンス(EL)
表示装置、放射線検出素子、端末機器の透明タブレッ
ト、窓ガラスの結露防止用発熱膜、帯電防止膜あるいは
太陽光集熱器用選択透過膜など巾広い用途がある。
従来技術及び問題点 酸化物透明導電膜を形成する方法としては、従来化合物
の熱分解を利用して加熱基板に酸化物を形成するスプレ
イ法やCVD法などの化学的製膜法あるいは物理的製膜法
として真空蒸着法やスパツタリング法などがあるが、大
面積化を可能とし低抵抗膜を再現性よく得る手段として
スパッタリングによる方法が広く採用されてきている。
スパッタリング法による薄膜形成の技術は周知である
が、それを簡単に説明するならば真空吸引された容器内
に小量のアルゴン等の不活性ガスを導入し、ターゲット
と基板を対向させて載置し、該ターゲットと基板間で放
電させる。この結果、ターゲット材料が電離したアルゴ
ンイオン衝撃によりはじき出されて飛しようし、対向す
る前記基板に堆積する、このような原理を利用したもの
である。
一般にターゲット材が単一物質では特に問題がないが、
化合物の場合には同じ化学組成の材料が基板上に析出す
るとは限らないという問題がある。
酸化インジウムと酸化錫からなるITO膜のターゲットは
これが著しく、スパッタリングされた基板上のITO膜の
抵抗率が一定にならないという問題を生じた。
この原因を究明していくと、ターゲットそのものが、イ
オン衝撃(ボンバート)及び熱影響により酸化物が解離
し、ITO膜形成のために調整した適合くるターゲットの
組成に比べ酸素含有量がスパッタリング中に減少してい
くということが分った。
このターゲット組成の酸素減少に応じてスパッタリング
条件を制御するという手法も考えられるが事実上非常に
難しく、実現できていない。
ITO膜は、酸化物組成の化学量論的なずれが導電性を著
しく増大させるものであり、酸素含有量の微少な増減が
ITO膜特性に著しい影響を与えるものであるから上記の
ようなターゲット中の酸素減少化傾向はITO膜の性能向
上に大きな障害となるものである。
発明の概要 本願発明は上記のような情況に鑑み、ITOターゲットの
酸素減少化による抵抗率の経時変化を効果的に抑制する
ことができるITO透明導電膜形成用ターゲットを提供す
るものである。
すなわち本発明は、 1)In2O3とSnO2を主成分原料とし、該原料の粉末混合
体の酸素含有量の理論計算値を重量比で100とした場
合、上記粉末混合体の焼結によって得られるターゲット
に含有される酸素含有量が重量比で98.5%以下、89.9%
以上であり、かつ、焼結体ターゲットの密度が4.0〜5.8
g/cm3であることを特徴とするITO透明導電膜用スパッタ
リングターゲット。
に関する。
発明の具体的説明 ITO透明導電膜の主要成分はIn2O3であり、約70〜95%を
占める。このIn2O3は通常化学量論組成からの「ずれ」
によりn型の導電性を示す半導体で、これに同効果をも
つSnO2を添加し、その自由電子濃度N(キャリヤ濃度)
をn×1020cm-3オーダー程度に高め、抵抗率ρが10-3
10-4Ω・cm程度となる膜をつくることができる。これが
ITO膜である。
上記のようにITO膜はIn2O3にSnO2を添加することによっ
て著しい低抵抗化膜を得ることができるが、さらにこれ
にFやSe等の微量元素を添加してさらに導電性を改善す
る提案もなされている。
上記のようにITO膜形成用のターゲットはスパッタリン
グ中に適正に配合した酸化インジウムと酸化錫中の酸素
含有量が減少するという問題を解決するために、本発明
においては予め、使用するターゲットそのものから酸素
を事前に減少させておくという手法を見出したものであ
る。
ITOターゲットの原材料として基本成分となるIn2O3粉末
及びSnO2粉末は高純度の粉末を使用する。
上記SnO2は5〜30%添加するが、5%未満及び30%を超
えると添加する低抵抗化の効果がなくなるので上記の混
合割合とする。特に好ましい添加割合は5〜10%であ
る。この他導電性を向上させる添加材料としてSeO2、Sn
F2等を0.1〜3%加えることができる。
このようにして準備された原料粉をそれぞれ所定の比率
で混合し、これを板状に成形する。この段階で上記粉末
混合体の酸素含有量は理論計算値とほぼ等しく例えばIn
2O3(90wt%)+SnO2(10wt%)中の酸素含有量は17.68
3wt%となる。
成形されたものをさらに焼結を行うが、焼結条件は大気
中、酸素を調整した酸化性雰囲気中、真空又反Ar等の不
活性雰囲気中のいずれの雰囲気で行うこともできる。こ
の条件は焼結体の目的に応じて適宜選択される。
焼結温度は一般に1000〜1700℃で1〜5時間実施する
(一次焼結)が、これより低温でも可能である。上記に
おいては、成形を分けて行っているが、これを同時に行
うホットプレス法によっても製造できる。
このような状態での焼結ターゲットはスパッタリング中
に酸素含有量の低減化傾向があり、基板に被着するITO
膜の酸素含有量が経時的に変化する欠点がある。しか
し、この酸素低減化傾向も一定値に飽和してくるので、
スパッタリング操作で低減化する量だけ予めITOターゲ
ットから除いておけば、原理的にはスパッタリング中で
の酸素含有量の変化(低減化)はないわけである。
このため上記一次焼結の後、300〜1700℃で1〜10時間
(真空中、不活性ガス(例えばアルゴンガス)雰囲気
中、還元ガス(例えば水素ガス)雰囲気中又は熱分解を
起す高温加熱雰囲気中で)二次焼結を行う。
これによってITO焼結体ターゲットに含有される酸素
は、前記粉末混合体の酸素含有量(重量%)の理論計算
値を100とした場合に、それ未満(100未満)となる。例
えばIn2O390%とSnO210%が還元され、それぞれInOとSn
Oになったときの理論値は69.0となる。
好ましくは89.9以上98.5以下とするが、それは二次焼結
の条件の選択によって達成できる。
上記数値89.9はスパッタリング中の酸素低減化による飽
和立と認められる値であり、数値98.5は抵抗率の経時変
化が顕著に緩和してくる値である。
上記の一連の工程における焼結は比較的低温の焼結であ
り、ITO焼結体ターゲットの密度は4.0〜5.8g/cm3、好ま
しくは4.8〜5.8g/cm3(一般には中密度といわれる)で
ある。
焼結ターゲットの外観は上記一次焼結ターゲットは淡い
薄緑色を呈しているが、二次焼結ターゲットは黒色化し
た。これはスパッタリング中に酸素が欠乏化した従来タ
ーゲットの外観に近似しており、二次焼結後の焼結体タ
ーゲットが理論計算値の酸素含有量よりも低減化してい
ることが分る。
上記のような低真空中での二次焼結ではIn2O3とSnO2
熱解離を生じ、理論化合物組成から塩素解離し、減少す
るという現象が生ずるためである。スパッタリング操作
中でもアルゴン雰囲気の低真空中で行われるから、ITO
ターゲットの熱解離とイオン衝撃エネルギーによるIn2O
3、SnO2の解離が必然的に行われているときと推測され
る。
本発明の如く、予め減少化する量だけITOターゲットか
ら酸素を除いておくと、スパッタリング中での解離現象
が著しく減少し、基板に析出するITO膜の抵抗値にほと
んど経時変化がなく、スパッタリングを行うことができ
る。
上記の製造工程によって得られた焼結体は機械加工によ
りターゲットとして必要な形状、例えば矩形、円盤等の
板状体に仕上げられる。
次に実施例に沿って本願発明を説明する。
実施例及び比較例 基本成分となる高純度のIn2O3粉末、SnO2粉を準備し、I
n2O390wt%、SnO210wt%の成分配合割合にて予め成形体
を作成した。そしてこれを大気中で焼結して4″φ×4t
の寸法の5.1g/cm3の密度を有するITOターゲットを作製
した。焼結温度は1500℃、焼結時間は3時間である。こ
れは一次焼結に相当し、この一次焼結したものを比較例
として呈示する。
次に本発明の実施例として一次焼結までは全く同様にし
て作製されたITOターゲット材をさらにアルゴン雰囲気1
00Pa(パスカル)、1200℃で5時間二次焼結を行った。
この時のターゲット密度は5.0g/cm3であった。酸素含有
量はITOの成分組成の理論計算値を100とすると98.5であ
った。
以上の本発明例及び比較例のターゲットについてスパッ
タリングし基板に形成された薄膜の抵抗の経時変化を調
べた。
スパッタリング条件は次の通りである。(装置、日電ア
ネルバ製SpF−210H) 投入パワー 0.5W/cm2 スパッタリングガス 純アルゴン ガス圧 0.5Pa 基板温度 室温(25℃) 一般にITO膜の電気特性すなわち抵抗率ρ(Ωcm)は次
式で表すことができる。
N(cm-3) キャリア濃度 μ(cm2/V・sec) 移動度 e(1.602×10−19c)電気素量 この結果を第1図及び第2図に示すが、図で成膜1回ご
と(約1500Å)に膜の抵抗を計った(図では黒点で示さ
れる)。全てアニール(大気中300℃×30分)後の抵抗
率(ρ)の経時変化を示す。
第1図は本発明の実施例であるが、連続してスパッタリ
ングしてもITO膜の抵抗率ρは殆ど時間的に変化が認め
られず、ほぼ一定である。これに対して第2図で示され
る比較例の一次焼結のみのITOターゲットでは、次第に
抵抗率が上昇していくのが分る。
この結果、比較例のITOターゲットは膜の抵抗率が不安
定で品質に問題を有しているが、本発明例ではこれがな
く、良好な品質のものが得られる。
ITO間の一般的光学特性としては基礎吸収端が紫外域に
あり、さらに適度の自由電子による吸収を近赤外域から
生じるためその両域に挟まれた可視域において透明とな
り、赤外域においては熱線を反射する。そして可視透過
率は80%を超え、通常90%以上である。本願発明のスパ
ッタリングターゲットを用いて形成した透明導電膜は、
いずれも可視透過率が90%を超えた。
本発明の効果 上記から明らかなように本願発明は透明導電膜としてス
パッタリングによってITO膜を形成する際、経時変化の
ない優れた特性をもつITO膜を提供するものである。
上記に述べたように本願明細書に記載するデータに留ま
らず、基板条件や熱処理さらには成膜時の酸素分圧など
をコントロールすることなどにより、上記抵抗率をさら
に改善することが可能である。本願発明のようにスパッ
タリングによるITO膜の形成において、安定した品質を
得ることができれば、歩留りが向上し、膜特性を良好に
維持することができる。液晶表示装置や、選択透過膜な
ど多くの電子機器に採用されている本発明による透明導
電膜の一層の進歩は、今後の技術及び機器の開発に著し
い貢献をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明はITOターゲットによって形成された薄
膜の抵抗率の関係を経時的に示すグラフであり、第2図
は比較例を示す同グラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】In2O3とSnO2を主成分原料とし、該原料の
    粉末混合体の酸素含有量の理論計算値を重量比で100と
    した場合、上記粉末混合体の焼結によって得られるター
    ゲットに含有される酸素含有量が重量比で98.5%以下、
    89.9%以上であり、かつ、焼結体ターゲットの密度が4.
    0〜5.8g/cm3であることを特徴とするITO透明導電膜用ス
    パッタリングターゲット。
JP1179123A 1989-07-13 1989-07-13 Ito透明導電膜用スパッタリングターゲット Expired - Lifetime JPH0765167B2 (ja)

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