JPH0764983B2 - 高比重複合熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

高比重複合熱可塑性樹脂組成物

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JPH0764983B2
JPH0764983B2 JP15935687A JP15935687A JPH0764983B2 JP H0764983 B2 JPH0764983 B2 JP H0764983B2 JP 15935687 A JP15935687 A JP 15935687A JP 15935687 A JP15935687 A JP 15935687A JP H0764983 B2 JPH0764983 B2 JP H0764983B2
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titanate
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隆 橋本
隆宥 平井
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規な高比重複合熱可塑性樹脂組成物に関する
ものである。さらに詳しくいえば、本発明は、例えば電
気・電子、機械、自動車などの種々の分野における構造
部品や精密部品、あるいは一般工業部品、家具や日用雑
貨などの素材として、さらには帯電防止、電磁波シール
ド、磁界シールドなどに用いられる導電性材料として好
適な、成形性が良好である上に、機械的強度に優れ、か
つ安定した導電性能を有する成形品を作製しうる、酸化
亜鉛粉末を配合した高比重複合熱可塑性樹脂組成物に関
するものである。
[従来の技術] 熱可塑性樹脂は、金属材料に比べて加工が容易で、耐食
性に優れ、かつ軽量である上に、比較的安価であること
から、近年機械部品、精密部品、一般工業部品、家具、
日用雑貨などの素材や、構造材料などとして、多くの分
野において幅広く用いられている。
しかしながら、熱可塑性樹脂は、一般に金属材料に比べ
て、引張り強さ、耐衝撃性、硬さなどの機械的性質に劣
る上、耐熱性や寸法安定性などについても必ずしも満足
しうるものではなく、また、その特徴である軽量である
ことが商品としてのイメージを損なう場合もあるなどの
問題を有している。
したがって、このような問題を解決するために、これま
で熱可塑性樹脂に金属系充填材を配合した種々の複合樹
脂組成物が提案されている。例えばポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂
に、例えば亜鉛、酸化亜鉛、銅、鉄などの金属系充填材
の粒子を配合した複合樹脂組成物が知られている。
しかしながら、このような金属系充填材を配合した複合
樹脂組成物においては、該金属系充填材を高配合した場
合、成形性が悪くて、精密成形部材、薄肉や大型の成形
品などの作製が困難である上に、得られた成形品の機械
的強度が低く、かつ金属害による樹脂の劣化を免れない
などの欠点がある。さらに、従来の複合樹脂組成物で
は、導電性能も十分に発揮されず、たとえ発揮されたと
しても、そのバラツキが大きく、導電性材料として必ず
しも満足しうるものではなかった。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、このような従来の金属系充填材を配合して成
る高比重複合樹脂組成物が有する欠点を改良し、成形性
が良好である上に、機械的強度に優れ、かつ安定した導
電性能を有する成形品を作製しうる高比重複合熱可塑性
樹脂組成物を提供することを目的としてなされたもので
ある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、前記の好ましい性質を有する高比重複合
熱可塑性樹脂組成物を開発するために鋭意研究を重ねた
結果、熱可塑性樹脂に、特定の粒径を有する酸化亜鉛粉
末と分解型低分子量ポリプロピレンとカップリング剤と
をそれぞれ所定の割合で配合して成る組成物が、その目
的に適合しうることを見い出し、この知見に基づいて本
発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)熱可塑性樹脂5〜50重量部
と、(B)平均粒子径0.2〜5μmの酸化亜鉛粉末95〜5
0重量部とを含有し、かつこれらの合計量100重量部に対
し、(C)酸化型低分子量ポリプロピレン0.1〜2重量
部及び(D)カップリング剤0.1〜2重量部を配合させ
たことを特徴とする高比重複合熱可塑性樹脂組成物を提
供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明組成物において、(A)成分として用いられる熱
可塑性樹脂については特に制限はなく、従来成形材料と
して慣用されているものの中から任意のものを選択して
用いることができる。この熱可塑性樹脂としては、例え
ばポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ
アミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、
ポリ芳香族エーテル又はチオエーテル系樹脂、ポリ芳香
族エステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、スチレン系樹
脂、アクリレート系樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられ
る。
該ポリオレフィン系樹脂としては、例えばエチレン、プ
ロピン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、3−メチ
ルペンテン−1、4−メチルペンテン−1などのα−オ
レフィンの単独重合体やこれらの共重合体、あるいはこ
れらと他の共重合可能な不飽和単量体との共重合体など
が挙げられる。代表例としては、高密度、中密度、低密
度ポリエチレンや、直鎖状ポリエチレン、超高分子量ポ
リエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−アクリル酸エチル共重合体などのポリエチレン類、ア
タクチック、シンジオタクチック、アイソタクチックポ
リプロピレンや、プロピレン−エチレンブロック共重合
体又はランダム共重合体などのポリプロピレン類、ポリ
4−メチルペンテン−1などを挙げることができる。
ポリ塩化ビニル系樹脂としては、例えば塩化ビニル単独
重合体や塩化ビニルと共重合可能な不飽和単量体との共
重合体などが挙げられる。該共重合体としては、例えば
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル
−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−エチレ
ン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデ
ン共重合体などが挙げられる。さらにこれらのポリ塩化
ビニル系樹脂を後塩素化して、塩素含量を高めたものも
用いることができる。
ポリアミド系樹脂としては、例えば6−ナイロンや12−
ナイロンなど、環状脂肪族ラクタムを開環重合したも
の、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、6,12−ナイロン
など、脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸とを縮重合
させたもの、m−キシレンジアミンとアジピン酸との縮
重合物など、芳香族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸とを
縮重合させたもの、p−フェニレンジアミンとテレフタ
ル酸との縮重合物やm−フェニレンジアミンとイソフタ
ル酸との縮重合物など、芳香族ジアミンと芳香族ジカル
ボン酸とを縮重合させたもの、11−ナイロンなど、アミ
ノ酸を縮重合させたものなどを挙げることができる。
ポリイミド系樹脂としては、ポリイミド類及びポリアミ
ドイミド類があり、ポリイミド類の具体例としては、無
水ピロメリット酸とジアミノジフェニルエーテル、3,4,
3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物とジ
アミノジフェニルエーテル、ビスマレイミドとジアミノ
ジフェニルメタンなどの組合せから得られたものが挙げ
られ、一方、ポリアミドイミド類の具体例としては、無
水トリメリット酸とジアミノジフェニルエーテルとの組
合せなどから得られたものを挙げることができる。
ポリエステル系樹脂としては、芳香族ジカルボン酸とア
ルキレングリコールとは縮重合させたものが挙げられ、
具体例としてはポリエチレンテレフタレートやポリブチ
レンテレフタレートなどがある。
ポリアセタール系樹脂としては、例えば単独重合体のポ
リオキシメチレン及びトリオキサンとエチレンオキシド
から得られるホルムアルデヒド−エチレンオキシド共重
合体などが挙げられる。
ポリカーボネート系樹脂としては、4,4′−ジヒドロキ
シジアリールアルカン系ポリカーボネート、特にビスフ
ェノールAとホスゲンとを反応させるホスゲン法や、ビ
スフェノールAとジフェニルカーボネートなどの炭酸ジ
エステルとを反応させるエステル交換法などにより得ら
れるビスフェノールA系ポリカーボネートが好ましく用
いられる。また、ビスフェノールAの一部を2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン
や、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニ
ル)プロパンなどで置換した変性ビスフェノールA系ポ
リカーボネートや難燃化ビスフェノールA系ポリカーボ
ネートなども用いることができる。
ポリ芳香族エーテル又はチオエーテル系樹脂は、分子鎖
中にエーテル結合又はチオエーテル結合を有するもの
で、このような樹脂としては、例えばポリフェニレンオ
キサイド、スチレンでグラフト化されたポリフェニレン
オキサイド、ポリエーテルエーテルケン、ポリフェニレ
ンサルファイドなどが挙げられる。
ポリ芳香族エステル系樹脂としては、例えばp−ヒドロ
キシ安息香の縮重合で得られるポリオキシベンゾイル、
ビスフェノールAとテレフタル酸やイソフタル酸などの
芳香族ジカルボン酸との縮重合で得られるポリアリレー
トなどが挙げられる。
ポリスルホン系樹脂は、分子鎖中にスルホン基を有する
もので、このようなものとしては、例えばビスフェノー
ルAと、4,4′−ジクロロジフェニルスルホンとの縮重
合で得られるポリスルホン、フェニレン基がエーテル基
とスルホン基を介してp−位に連結された構造のポリエ
ーテルスルホン、ジフェニレン基とジフェニレンエーテ
ル基とがスルホン基を介して交互に連結した構造のポリ
アリルスルホンなどを挙げることができる。
スチレン系樹脂としては、例えばスチレン、α−メチル
スチレンなどの単独重合体やこれらの共重合体、あるい
はこれらと共重合可能な不飽和単量体との共重合体が挙
げられる。代表例としては、一般用ポリスチレン、耐衝
撃用ポリスチレン、耐熱用ポリスチレン(α−メチルス
チレン重合体)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−スチレン共
重合体(AS)、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン
−スチレン共重合体(ACS)、アクリロニトリル−エチ
レンプロピレンゴム−スチレン共重合体(AES)、アク
リルゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合体(AA
S)などが挙げられる。
アクリレート系樹脂としては、例えばメタクリル酸エス
テル重合体やアクリル酸エステル重合体などが挙げら
れ、これらの単量体としては、メタクリル酸及びアクリ
ル酸のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、
ブチルエステルなどが用いられるが、工業的成形材料と
してはメチルメタクリレート樹脂を代表的なものとして
挙げることができる。
フッ素系樹脂としては、例えばテトラフルオロエチレ
ン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フ
ッ化ビニルなどの単独重合体やこれらの共重合体、ある
いはこれらと他の共重合可能な不飽和単量体との共重合
体などを挙げることができる。具体的には、ポリテトラ
フルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化
ビニル、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、
テトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体、
ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン共重合
体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
ン−フッ化ビニリデン共重合体などを挙げることができ
る。
これらの熱可塑性樹脂の中で、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリ
カーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ABSなどが
好適である。
本発明組成物においては、これらの熱可塑性樹脂は1種
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
本発明組成物においては、(B)成分として酸化亜鉛粉
末が用いられる。この酸化亜鉛粉末は平均粒子径が0.2
〜5mmの範囲にあることが必要である。この平均粒子径
が0.2μm未満のものでは成形性が悪いし、一方5μm
を超えると成形品の機械的強度が低下する傾向にある。
本発明組成物において、(C)成分として用いられる酸
化型低分子量ポリプロピレンは、例えばアイソタクチッ
クポリプロピレンを固相、溶融相又は溶液相で過酸化物
等の酸化剤により酸化分解することによって得られ、酸
素はその分子内にカルボキシル基などの形で存在する。
したがって、このような酸化型低分子量ポリプロピレン
は、分子内に若干のカルボキシル基を有しているので、
非酸化型低分子量ポリプロピレンに比べて、極性を有す
る熱可塑性樹脂、例えばポリアミドなどに対して相溶性
に優れている。該酸化型低分子量ポリプロピレンは、そ
の平均分子量が1500〜20000の範囲にあるものが好まし
い。このような酸化型低分子量ポリプロピレンを適当量
配合することにより、組成物の成形性や、成形品の機械
的強度、導電性能などが向上する。
本発明組成物において、(D)成分として用いられるカ
ップリング剤としては、例えばシラン系カップリング
剤、チタネート系カップリング剤、シリコン系カップリ
ング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミ
ネート系カップリング剤、クロム系カップリング剤など
が挙げられるが、これらの中で、特にシラン系カップリ
ング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーン系カ
ップリング剤が好適である。
前記シラン系カップリング剤については特に制限はな
く、従来公知のものの中から任意のものを選択して用い
ることができる。具体例としては、ビニルトリエトキシ
シラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシ
シラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシ
ランなどが挙げられる。これらの中でもγ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ
−アミノプロピルトリメトキシシランが好適である。
前記チタネート系カップリング剤についても特に制限は
なく、従来公知のものの中から任意のものを選択して用
いることができる。具体例としては、イソプロピルトリ
イソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシ
ルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス
(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトラ
イソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネー
ト、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)
チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1
−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネ
ート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシア
セテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェ
ート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノ
イルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステア
ロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジア
クリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホス
フェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニ
ルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミドエチル・
アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシア
セテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタ
ネートなどが挙げられる。これらの中でもイソプロピル
トリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ
(N−アミドエチル・アミノエチル)チタネートが好適
である。
シリコーン系カップリング剤としては、例えばジメチル
シリコーン、メチルフェニルシリコーン、ポリエーテル
変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、メチルハイ
ドロジエンポリシロキサンなどが挙げられ、特にジメチ
ルシリコーン、メチルハイドロジエンポリシロキサンが
好適である。
これらのカップリング剤はそれぞれ単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明組成物における各成分の配合割合については、
(A)成分の熱可塑性樹脂と(B)成分の酸化亜鉛粉末
は、重量比5:95ないし50:50の割合で用いられる。酸化
亜鉛粉末の量がこの範囲より少ないと成形品の曲げ弾性
率や導電性能が低下する傾向にあり、一方前記範囲より
多くなると成形性が著しく悪くなる。
また(C)成分の酸化型低分子量ポリプロピレンは、前
記の(A)成分と(B)成分との合計量100重量部に対
し、0.1〜2重量部の割合で配合させることが必要であ
る。この配合量が0.1重量部未満では成形品の機械的強
度や導電性能が十分ではなく、一方2重量部を超えると
成形品の機械的強度が低下したり、導電性能がバラツク
傾向がある。
さらに、(D)成分のカップリング剤は、前記の(A)
成分と(B)成分との合計量100重量部に対し、0.1〜2
重量部の割合で配合することが必要である。この量が0.
1重量部未満では成形品の機械的強度や導電性能が十分
ではなく、一方2重量部を超えると成形品の機械的強度
や導電性能が低下し、かつ導電性能がバラツクなどの傾
向がある。
本発明組成においては、所望に応じ、本発明の目的を損
なわない範囲で、無機質充填材や有機質充填材を配合す
ることができる。これらの所望に応じて配合される充填
材の形状については、粉状、粒状、繊維状のいずれであ
ってもよい。
該無機質充填材としては、例えば亜鉛、鉄、銅、鉛、ア
ルミニウム、ニッケル、クロム、マンガン、スズ、チタ
ンなどの金属粉末や、亜鉛以外のこれらの金属の酸化
物、シリカ、ケイ藻土、酸化マグネシウム、酸化アンチ
モン、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライ
ト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルーン、アルミナ繊
維などの酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム、塩基性炭酸マグネシウムなどの水酸化物、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、ドーソナイ
トなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸
アンモニウム、亜硫酸カルシウムなどの硫酸塩又は亜硫
酸塩、タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ガラス繊
維、ガラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウ
ム、モンモリロナイト、ベントナイトなどのケイ酸塩、
カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素中空
球などの炭素類や、硫化モリブデン、ボロン繊維、ホウ
酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ
酸ナトリウム、炭化ケイ素繊維、黄銅繊維、ステンレス
繊維、単結晶チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛
などを挙げることができる。これらの無機質充填材は1
種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
一方、有機質充填材としては、例えばモミ殻などの殻繊
維、木粉、木綿、ジュート、紙細片、セロハン片、芳香
族ポリアミド繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維、ポ
リエステル繊維、ポリプロピレン繊維などが挙げること
ができる。これらの有機質充填材は1種用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また前記無
機質充填材と併用してもよい。
さらに、本発明組成物には、所望に応じ、樹脂組成物に
通常用いられている各種添加剤、例えば滑剤、着色剤、
安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃
剤、可塑剤、発泡剤などを配合することができる。
本発明の高比重複合熱可塑性樹脂組成物は、所要量の前
記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及
び所望に応じて用いられる各種充填材や添加剤を、常法
に従って溶融混練し複合化することによって調製するこ
とができる。溶融混練は、例えばヘンシェルミキサー、
単軸又は二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールなど
を用いる方法や、その他常法により行うことができる
が、特にヘンシェルミキサー、押出機、バンバリーミキ
サーを用いて行うことが好ましい。
また、(B)成分の酸化亜鉛粉末は、(D)成分のカッ
プリング剤によって、あらかじめ表面処理したのち、用
いてもよい。
本発明の複合熱可塑性樹脂組成物は、従来慣用されてい
る成形方法、例えば射出成形、押出成形、プレス成形な
どの方法により、所望形状の成形品とすることができる
し、また、各原料成分の配合量を適宜変更することによ
り、種々の用途に適した二次加工性に優れる成形品とす
ることができる。この用途としては、例えば電気・電
子、機械、自動車など種々の分野における構造部品や精
密部品、あるいは一般工業部品、家具や日用雑貨など、
さらには帯電防止、電磁波シールド、磁界シールド用な
どの導電性部材などが挙げられ、具体的には、フライホ
ール、歯車、プーリー、カムなどのすべての分野におけ
る動力伝達用回転材、あるいは音響材料分野におけるプ
レイヤー、ラジカセ、スピーカーボックスなどのハウジ
ング材やシャーシー、ターンテーブルなどの構造材、種
々の分野における遮音材、防音材、制振材、電磁波シー
ルド材、さらには家具、台所部品、文具、玩具、漁具な
どを挙げることができる。
[発明の効果] 本発明の高比重複合熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹
脂に、酸化亜鉛粉末と酸化型低分子量ポリプロピレンと
カップリング剤とを配合したものであって、機械的強度
に優れ、かつ安定した導電性能を有する成形品を、成形
性よく作製することができ、また、成形性が良好である
ので、大型成形品や薄肉成形品などの成形が可能であ
り、さらに成形品の二次加工性がよいなど、優れた特徴
を有している。
本発明組成物はこのような優れた特徴を有することか
ら、例えば電気・電子、機械、自動車などの種々の分野
における構造部品や精密部品、あるいは一般工業部品、
家具や日用雑貨などの素材として、さらには帯電防止、
電磁波シールド、磁界シールドなどに用いられる導電性
材料などとして好適に用いられる。
[実施例] 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明にこれらの例によってなんら限定されるものでは
ない。
また、成形圧力及び成形品の各物性は、次のようにして
求めた。
(1) 成形圧力 射出成形機(日精樹脂製、FS-160S)にて、220〜250℃
の条件で、90×150×70mm、肉厚5mmのピンゲート(1mm
φ)の箱形状を成形した際の、最少充填圧力(kg/cm2
G)を求めた。
(2) 機械的強度 引張強さ(kg/cm2):ASTM D-638に準拠 曲げ強さ(kg/cm2):ASTM D-790に準拠 曲げ弾性率(kg/cm2):ASTM D-790に準拠 (3) 導電度 日本ゴム協会標準規格(SRIS-2301-1969)に準拠し、体
積固有抵抗(Ω・cm)を求めた。また、熱可塑性樹脂は
次のものを用いた 6−PA…6−ナイロン (鐘渕化学製、LM-102)D=1.14 66-PA…6,6−ナイロン (旭化成製、1200S)D=1.14 MXDA…ポリアミド (三菱ガス化学製、6002)D=1.17 PP…ポリプロピレン (出光石油化学製、J−2000G、メルトイン デックス(MI)=18g/10分)D=0.90 PBT…ポリスチレンテレフタレート (三菱化成製、5010)D=1.31 PET…ポリエチレンテレフタレート (ユニチカ製、MA-2101)D=1.21 POM……ポリアセタール (旭化成製、3010)D=1.41 PE…ポリエチレン (出光石油化学製、110J、 MI=14g/10分)D=0.96 ABS……アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂 (日本合成ゴム製、JSR-35)D=1.05 PC…ポリカーボネート (出光石油化学製、N−2500)D=1.20 PSO…ポリスルホン (日産化学製、P−1700)D=1.24 (注:Dは密度(g/ml)) さらに、各添加剤は次のものを用いた。
酸化亜鉛粉末:市販品の亜鉛華 酸化型低分子量ポリプロピレン:三洋化成製 ビスコヘールTS-200 アミノシラン系カップリング剤: γ−アミノプロピルトリエトキシシラン (日本ユニカ) チタネート系カップリング剤: イソプロピルトリイソステアロイルチタネート (味の
素) シリコーン系カップリング剤: ジメチルシリコーン(信越化学工業) 実施例1〜4、比較例1、2 6−ナイロン樹脂15重量部、第1表に示す各平均粒子径
の酸化亜鉛粉末85重量部、平均分子量3500の酸化型低分
子量ポリプロピレン0.5重量部及びアミノシラン径カッ
プリング剤0.3重量部を、あらかじめ20lのヘキシェルミ
キサー内で十分に混合したのち、二軸混練機(ナカタニ
機械製、NAS-50)にて、220〜350℃で混練し、次いで射
出成形機(日精樹脂製、FS-160S)により、220〜350℃
でテストピースを成形して、各評価を行った。
その結果を第1表に示す。
実施例5〜7、比較例3、4 第2表に示す量の6−ナイロン樹脂及び平均粒径2μm
の酸化亜鉛粉末と、平均分子量3500の酸化型低分子量ポ
リプロピレン0.5重量部とアミノシラン系カップリング
剤0.3重量部とを用い、実施例1〜4と同様にしてテス
トピースを作製し、各性能を評価した。
その結果を第2表に示す。
実施例8〜10、比較例5、6 6−ナイロン樹脂15重量部、平均粒子径2μmの酸化亜
鉛粉末85重量部、第3表に示す量の平均分子量3500の酸
化型低分子量ポリプロピレン[変性剤(A)]、及びア
ミノシラン系カップリング剤0.3重量部を用い、実施例
1〜4と同様にして、テストピースを作製し、各評価を
行った。
その結果を第3表に示す。
実施例11〜14 6−ナイロン樹脂15重量部、平均粒子径2μmの酸化亜
鉛粉末85重量部、第4表に示す各平均分子量の酸化型低
分子量ポリプロピレン[変性剤(A)]0.5重量部及び
アミノシラン系カップリング剤剤0.3重量部を用い、実
施例1〜4と同様にしてテストピースを作製し、各評価
を行った。
その結果を第4表に示す。
実施例15〜17、比較例7、8 6−ナイロン樹脂15重量部、平均粒子径2μmの酸化亜
鉛粉末85重量部、平均分子量3500の酸化型低分子量ポリ
プロピレン0.5重量部及び第5表に示す各量のアミノシ
ラン系カップリング剤[変性部(B)]を用い、実施例
1〜4と同様にしてテストピースを作製し、各評価を行
った。
その結果を第5表に示す。
実施例18、19 6−ナイロン樹脂15重量部、平均粒子径2μmの酸化亜
鉛粉末85重量部、平均分子量3500の酸化型低分子量ポリ
プロピレン0.5重量部及びチタネート系カップリング剤
又はシリコーン系カップリング剤[変性部(B)]0.3
重量部を用い、実施例1〜4と同様にしてテストピース
を作製し、各性能を評価した。
その結果を第6表に示す。
実施例20〜33 第7表に示す各種の熱可塑性樹脂15重量部、平均粒子径
2μmの酸化亜鉛粉末85重量部、平均分子量3500の酸化
型低分子量ポリプロピレン0.5重量部及びアミノシラン
径カップリング剤0.3重量部を用い、実施例1〜4と同
様にしてテストピースを作製し、各性能を評価した。
その結果を第7表に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 隆 埼玉県富士見市鶴瀬西3丁目19番25−201 号 (72)発明者 平井 隆宥 埼玉県富士見市鶴瀬西3丁目19番25−302 号 (72)発明者 大川 秀夫 埼玉県東松山市和泉町7丁目4番 (56)参考文献 特開 昭59−152940(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)熱可塑性樹脂5〜50重量部、(B)
    平均粒子径0.2〜5μmの酸化亜鉛粉末95〜50重量部と
    を含有し、かつこれらの合計量100重量部に対し(C)
    酸化型低分子量ポリプロピレン0.1〜2重量部及び
    (D)カップリング剤0.1〜2重量部を配合させたこと
    を特徴とする高比重複合熱可塑性樹脂組成物。
JP15935687A 1986-10-28 1987-06-26 高比重複合熱可塑性樹脂組成物 Expired - Lifetime JPH0764983B2 (ja)

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