JPH0764984B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH0764984B2
JPH0764984B2 JP62166464A JP16646487A JPH0764984B2 JP H0764984 B2 JPH0764984 B2 JP H0764984B2 JP 62166464 A JP62166464 A JP 62166464A JP 16646487 A JP16646487 A JP 16646487A JP H0764984 B2 JPH0764984 B2 JP H0764984B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規な高比重熱可塑性樹脂組成物に関するもの
である。さらに詳しくいえば、本発明は、例えば電気・
電子、機械、自動車など種々の分野における構造部品や
精密部品、あるいは一般工業部品、家具や日用雑貨など
の素材として好適な、外観が良好で、かつ機械的強度、
特に衝撃強度に優れる上に、良好な寸法安定性を有し、
反りや変形の少ない成形品を、成形性よく作製しうる金
属系充填材を配合した高比重熱可塑性樹脂組成物に関す
るものである。
[従来の技術] 熱可塑性樹脂は、金属材料に比べて加工が容易で、耐食
性に優れ、かつ軽量である上に、比較的安価であること
から、近年機械部品、精密部品、一般工業部品、家具、
日用雑貨などの素材や、構造材料などとして、多くの分
野において幅広く用いられている。
しかしながら、熱可塑性樹脂は、一般に金属材料に比べ
て、引張り強さ、耐衝撃性、硬さなどの機械的性質に劣
る上に、耐熱性や寸法安定性などについても必ずしも満
足しうるものではなく、また、その特徴である軽量であ
ることが商品としてのイメージを損なう場合もあるなど
の問題を有している。
したがって、このような問題を解決するために、これま
で熱可塑性樹脂に金属系充填を配合した種々の複合樹脂
組成物が提案されている。例えばポリプロピレン、ポリ
エチレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂に、例
えば亜鉛、酸化亜鉛、銅、鉄などの金属系充填材の粒子
を配合した複合樹脂組成物が知られている。
しかしながら、このような金属系充填材を配合した複合
樹脂組成物においては、例えば密度1.5g/ml以上、特に
2.0g/ml以上の高比重組成物の場合、成形性が悪くて、
外観の良好な成形品が得られず、しかも該成形品は機械
的強度、特に衝撃強度に劣り、かつ収縮率や縦、横方向
の収縮差が大きいなど、寸法安定性が悪くて、反りや変
形が生じ、満足しうる高比重成形品が得られないという
問題がある。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、このような従来の金属系充填材を配合して成
る高比重複合樹脂組成物が有する問題を解決し、外観が
良好で、かつ機械的強度、特に衝撃強度に優れる上に、
良好な寸法安定性を有し、反りや変形の少ない成形品
を、成形性よく作製しうる密度1.5g/ml以上の高比重熱
可塑性樹脂組成物を提供することを目的としてなされた
ものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、前記の好ましい性質を有する高比重熱可
塑性樹脂組成物を開発するために鋭意研究を重ねた結
果、熱可塑性樹脂に、特定のアスペクト比を有する繊維
系充填材所定量と、特定の粒子径を有する金属系粉末と
を配合することにより、その目的を達成しうることを見
い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。
すなわち、本発明は、(A)熱可塑性樹脂、(B)アス
ペクト比50〜2500の繊維系充填材及び(C)平均粒子径
0.2〜20μmの金属系粉末を含有する高密度化組成物で
あって、かつ(B)成分の含有量が、前記各成分の合計
重量に基づき2〜50重量%である熱可塑性樹脂組成物を
提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明組成物において、(A)成分として用いられる熱
可塑性樹脂については特に制限はなく、従来成形材料と
して慣用されているものの中から任意のものを選択して
用いることができる。この熱可塑性樹脂としては、例え
ばポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ
アミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、
ポリ芳香族エーテル又はチオエーテル系樹脂、ポリ芳香
族エステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、スチレン系樹
脂、アクリレート系樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられ
る。
該ポリオレフィン系樹脂としては、例えばエチレン、プ
ロピン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、3−メチ
ル−ペンテン−1、4−メチルペンテン−1などのα−
オレフィンの単独重合体やこれらの共重合体、あるいは
これらと他の共重合可能な不飽和単量体との共重合体な
どが挙げられる。代表例としては、高密度、中密度、底
密度ポリエチレンや、直鎖状ポリエチレン、超高分子量
ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸エチル共重合体などのポリエチレン類、
アタクチック、シンジオタクチック、アイソタクチック
ポリプロピレンや、プロピレン−エチレンブロック共重
合体又はランダム共重合体などのポリプロピレン類、ポ
リ4−メチルペンテン−1などを挙げることができる。
ポリ塩化ビニル系樹脂としては、例えば塩化ビニル単独
重合体や塩化ビニルと共重合可能な不飽和単量体との共
重合体などが挙げられる。該共重合体としては、例えば
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル
−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−エチレ
ン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデ
ン共重合体などが挙げられる。さらに、これらのポリ塩
化ビニル系樹脂を後塩素化して、塩素含量を高めたもの
も用いることができる。
ポリアミド系樹脂としては、例えば6−ナイロンや12−
ナイロンなど、環状脂肪族ラクタムを開環重合したも
の、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、6,12−ナイロン
など、脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸とを縮重合
させたもの、m−キシレンジアミンとアジピン酸との縮
重合物など、芳香族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸とを
縮重合させたもの、p−フェニレンジアミンとテレフタ
ル酸との縮重合物やm−フェニレンジアミンとイソフタ
ル酸との縮重合物など、芳香族ジアミンと芳香族ジカル
ボン酸とを縮重合させたもの、11−ナイロンなど、アミ
ノ酸を縮重合させたものなどを挙げることができる。
ポリイミド系樹脂としては、ポリイミド類及びポリアミ
ドイミド類があり、ポリイミド類の具体例としては、無
水ピロメリット酸とジアミノジフェニルエーテル、3,4,
3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物とジ
アミノジフェニルエーテル、ビスマレイミドとジアミノ
ジフェニルメタンなどの組合せから得られたものが挙げ
られ、一方、ポリアミドイミド類の具体例としては、無
水トリメリット酸とジアミノジフェニルエーテルとの組
合せなどから得られたものを挙げることができる。
ポリエステル系樹脂としては、芳香族ジカルボン酸とア
ルキレングリコールとは縮重合させたものが挙げられ、
具体例としてはポリエチレンテレフタレートやポリブチ
レンテレフタレートなどがある。
ポリアセタール系樹脂としては、例えば単独重合体のポ
リオキシメチレン及びトリオキサンとエチレンオキシド
から得られるホルムアルデヒド−エチレンオキシド共重
合体などが挙げられる。
ポリカーボネート系樹脂としては、4,4′−ジヒドロキ
シジアリールアルカン系ポリカーボネート、特にビスフ
ェノールAとホスゲンとを反応させるホスゲン法や、ビ
スフェノールAとジフェニルカーボネートなどの炭酸ジ
エステルとを反応させるエステル交換法などにより得ら
れるビスフェノールA系ポリカーボネートが好ましく用
いられる。また、ビスフェノールAの一部を2,2′−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパ
ンや、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェ
ニル)プロパンなどで置換した変性ビスフェノールA系
ポリカーボネートや難燃化ビスフェノールA系ポリカー
ボネートなども用いることができる。
ポリ芳香族エーテル又はチオエーテル系樹脂は、分子鎖
中にエーテル結合又はチオエーテル結合を有するもの
で、このような樹脂としては、例えばポリフェニレンオ
キサイド、スチレンでグラフト化されたポリフェニレン
オキサイド、ポリエーテルエーテルケン、ポリフェニレ
ンサルファイドなどが挙げられる。
ポリ芳香族エステル系樹脂としては、例えばp−ヒドロ
キシ安息香酸の縮重合で得られるポリオキシベンゾイ
ル、ビスフェノールAとテレフタル酸やイソフタル酸な
どの芳香族ジカルボン酸との縮重合で得られるポリアリ
レートなどが挙げられる。
ポリスルホン系樹脂は、分子鎖中にスルホン基を有する
もので、このようなものとしては、例えばビスフェノー
ルAと4,4′−ジクロロジフェニルスルホンとの縮重合
で得られるポリスルホン、フェニレン基がエーテル基と
スルホン基を介してp−位に連結された構造のポリエー
テルスルホン、ジフェニレン基とジフェニレンエーテル
基とがスルホン基を介して交互に連結した構造のポリア
リルスルホンなどを挙げることができる。
スチレン系樹脂としては、例えばスチレン、α−メチル
スチレンなどの単独重合体やこれらの共重合体、あるい
はこれらと共重合可能な不飽和単量体との共重合体が挙
げられる。代表例としては、一般用ポリスチレン、耐衝
撃用ポリスチレン、耐熱用ポリスチレン(α−メチルス
チレン重合体)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−スチレン共
重合体(AS)、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン
−スチレン共重合体(ACS)、アクリロニトリル−エチ
レンプロピレンゴム−スチレン共重合体(AES)、アク
リルゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合体(AA
S)などが挙げられる。
アクリレート系樹脂としては、例えばメチクリル酸エス
テル重合体やアクリル酸エステル重合体などが挙げら
れ、これらの単量体としては、メタクリル酸及びアクリ
ル酸のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、
ブチルエステルなどが用いられるが、工業的成形材料と
してはメチルメタクリレート樹脂を代表的なものとして
挙げることができる。
フッ素系樹脂としては、例えばテトラフルオロエチレ
ン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フ
ッ化ビニルなどの単独重合体やこれらの共重合体、ある
いはこれらと他の共重合可能な不飽和単量体との共重合
体などを挙げることができる。具体的には、ポリテトラ
フルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化
ビニル、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、
テトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体、
ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン共重合
体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
ン−フッ化ビニリデン共重合体などを挙げることができ
る。
これらの熱可塑性樹脂の中で、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリ
カーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ABSなどが
好適である。
本発明組成物においては、これらの熱可塑性樹脂は1種
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
本発明組成物においては、(B)成分として用いられる
繊維系充填材としては、例えばガラス繊維、炭素繊維、
硫酸マグネシウム繊維などの無機繊維、ステンレス、黄
銅、アルミニウム、ニッケルなどを素材とする金属繊維
や金属ウイスカー、チタン酸カリウムや炭化ケイ素など
を素材とするセラミックウィスカー、芳香族ポリアミド
繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊
維、ポリプロピレン繊維などの有機繊維などを挙げるこ
とができる。
これらの繊維系充填材の中で、ガラス繊維、炭素繊維、
ステンレス繊維、黄銅繊維、単結晶チタン酸カリウム、
芳香族ポリアミド繊維などが好適である。これらの繊維
系充填材は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
本発明組成物においては、前記繊維系充填材は、そのア
スペクト比が50〜2500、好ましくは100〜2000の範囲に
あることが必要である。このアスペクト比が50未満のも
のでは、得られる成形品の機械的性質が劣り、一方2500
を超えると成形品は収縮が大きく、反りや変形が生じる
など、寸法安定性が悪くなる傾向がある。
本発明組成物において(C)成分として用いられる金属
系粉末としては、例えば亜鉛、鉄、銅、ニッケル、コバ
ルト、クロム、マンガン、スズ、鉛、アルミニウムなど
の金属元素やこれらの金属の酸化物、あるいはステンレ
ス鋼、ハンダ、真鍮などの合金の粉末を挙げることがで
きる。
これらの金属系粉末の中で、亜鉛、鉄、酸化亜鉛、フェ
ライト(酸化鉄)、ステンレス鋼、真鍮などの粉末が好
適である。これらの金属系粉末は1種用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明組成物においては、前記金属系粉末は、その平均
粒子径が0.2〜20μm、好ましくは0.4〜10μmの範囲に
あることが必要である。この平均粒子径が0.2μm未満
ものでは、成形性が悪く、一方20μmを超えると成形品
は耐衝撃性に劣り、かつ反りや変形が生じるおそれがあ
る。
本発明組成物においては、前記(B)成分の繊維系充填
材は、(A)成分と、(B)成分と(C)成分との合計
重量に基づき、2〜50重量%、好ましくは3〜40重量%
特に好ましくは10〜30重量%の範囲で配合することが必
要である。この量が2重量%未満では機械的性質に劣
り、かつ寸法安定性が悪くて、反りや変形が生じやす
く、一方50重量%を超えると成形性が悪くなる傾向があ
る。(A)成分の熱可塑性樹脂は、通常(A)成分と
(B)成分と(C)成分との合計重量に基づき5〜50重
量%の範囲で選ばれる。この量が5重量%未満では成形
性が悪いし、50重量%を超えると高比重のものが得られ
なかったり、成形品の機械的強度などが劣ったりして好
ましくない。
本発明組成物においては、前記の繊維系充填材や金属系
粉末とマトリックス樹脂とのなじみ性などを向上させ、
より機械的性質や寸法安定性などに優れた成形品を得る
目的で、所望に応じ変性剤を配合することができる。こ
の変性剤としては、例えば変性ポリオレフィンやシリコ
ーンオイルなどを挙げることができる。
該変性ポリオレフィンとしては、例えば不飽和有機酸又
はその誘導体、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸、イタコン酸などの不飽和有機酸、無水マレイン
酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和有
機酸の無水物、アクリル酸メチル、マレイン酸モノメチ
ルなどの不飽和有機酸のエステル、アクリル酸アミド、
フマル酸モノアミドなどの不飽和有機酸のアミド、イタ
コン酸イミドなどの不飽和有機酸のイミドなどをエチレ
ンやプロピレン系重合体100重量部に対して、通常0.05
〜20重量部添加してグラフト法により変性したものが挙
げられる。この変性に際しては、変性重合を促進させる
ために、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキ
シド、ジクミルパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオ
キシドなどの有機過酸化物が用いられる。
また、前記以外に、エチレンやプロピレン系重合体など
をグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエー
テルなどの不飽和エポキシドなどでグラフト変性したも
のや、このようなグラフト変性の際に、末端ヒドロキシ
ル化ポリブタジエンなどの液状ゴムを添加したものも用
いることができる。
また、シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリ
コーン、メチルフェニルシリコーン、ポリエーテル変性
シリコーン、アルキル変性シリコーン、メチルハイドロ
ジエンポリシロキサンなどが挙げられ、特にジメチルシ
リコーン、メチルハイドロジエンポリシロキサンが好適
である。
これらの変性剤は1種用いてもよいし、2種以上を組み
合わせて用いてもよく、その配合量は、通常(A)成分
と(B)成分と(C)成分との合計重量に対して1〜10
重量%の範囲で選ばれる。この量が1重量%未満では変
性剤の添加効果が十分に発揮されず、一方10重量%を超
えると成形時に相分離が生じて樹脂層が剥離する場合が
あり好ましくない。
本発明組成物においては、所望に応じ、本発明の目的を
損なわない範囲で、無機充填材や有機質充填材を配合す
ることができる。これらの所望に応じて配合される充填
材の形状については、粉状、粒状、繊維状のいずれであ
ってもよい。
該無機質充填材としては、例えばシリカ、ケイ藻土、バ
リウムフェライト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルー
ンなどの酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム、塩基性炭酸マグネシウムなどの水酸化物、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、ドーソナイ
トなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸
アンモニウム、亜硫酸カルシウムなどの硫酸塩又は亜硫
酸塩、タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ガラスバ
ルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロ
ナイト、ベントナイトなどのケイ酸塩、カーボンブラッ
ク、グラファイト、炭素中空球などの炭素類や、硫化モ
リブデン、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カ
ルシウム、ホウ酸ナトリウムなどを挙げることができ
る。これらの無機質充填材は1種用いてもよいし、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、有機質充填材としては、例えばモミ殻、木粉、紙
細片、セトハン片などの非繊維系のものを挙げることが
ことができる。これらの有機質充填材は1種用いてもよ
いし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また前記
無機質充填材と併用してもよい。
さらに、本発明組成物には、所望に応じ、樹脂組成物に
通常用いられている各種添加剤、例えば滑剤、着色剤、
安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃
剤、可塑剤、発泡剤などを配合することができる。
本発明の高比重熱可塑性樹脂組成物は、所要量の前記
(A)成分、(B)成分、(C)成分及び所望に応じて
用いられる各種充填材や添加剤を、常法に従って溶融混
練し複合化することによって調製することができる。溶
融混練は、例えばヘンシェルミキサー、単軸又は二軸押
出機、バンバリーミキサー、ロールなどを用いる方法や
その他常法により行うことができるが、特にヘンシェル
ミキサー、押出機、バンバリーミキサーを用いて行うこ
とが好ましい。
このようにして調製された本発明組成物は、密度が1.5g
/ml以上、好ましくは、2.0g/ml以上のものであり、この
組成物を成形することによって、高密度の成形品を得る
ことができる。
成形方法としては、従来慣用されている方法、例えば射
出成形、押出成形、プレス成形などの方法を用いること
ができる。本発明組成物は、これらの成形方法により、
所望形状の成形品とすることができるし、また、各原料
成分の配合量を適宜変更することにより、種々の用途に
適した二次加工性に優れる成形品とすることができる。
この用途としては、例えば電気・電子、機械、自動車な
どの種々の分野における構造部品や精密部品、あるいは
一般工業部品、家具や日用雑貨などが挙げられ、具体的
には、フライホール、歯車、プーリー、カムなどのすべ
ての分野における動力伝達用回転材、あるいは音響材料
分野におけるプレイヤー、ラジカセ、スピーカーボック
スなどのハウジング材やシャーシー、ターンテーブルな
どの構造材、種々の分野における遮音材、防音材、制振
材、電磁波シールド材、さらには家具、台所部品、文
具、玩具、漁具などを挙げることができる。
[発明の効果] 本発明の高比重熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂
に、繊維系充填材と金属系粉末とを配合したものであっ
て、外観が良好で、かつ機械的強度、特に衝撃強度に優
れる上に、良好な寸法安定性を有し、反りや変形の少な
い成形品を、成形性よく作製することができ、また、成
形性が良好であるので、大型製品も成形が可能であり、
さらに、成形品の二次加工性がよい、すなわち、工作機
械によって、簡単に切削加工することができるなど、優
れた特徴を有している。
特にこの二次加工性の良いことは樹脂にも金属にもない
特有の特徴である。
本発明組成物はこのような優れた特徴を有することか
ら、例えば電気・電子、機械、自動車などの種々の分野
における構造部品や精密部品、あるいは一般工業部品、
家具、日用雑貨などの素材として好適に用いられる。
[実施例] 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの例によってなんら限定されるものでは
ない。
なお、成形性及び成形品の物性は、次に示す方法に従っ
て評価した。
(1) 成形性 90×150×70mm、肉厚5mmのピンゲート(1mmφ)の箱形
状の形成品を、射出成形機(東芝機械製、IS-125)を用
いてシリンダー温度220〜300℃、金型温度75〜100℃、
射出圧力60kg/cm2、射出時間20秒の標準条件で射出成形
した際の形再現性及び射出圧力で評価した。
○・・・良好 △・・・一部にヒケが発生し、また標準条件より射出圧
力が高い。
×・・・成形品の一部が欠け、また射出圧力が100kg/cm
2(ゲージ圧)以上であることが必要である。
(2) 成形品の機械的性質 引張強さ:ASTM D-638に準拠して測定 アイゾット衝撃強さ:ASTM D-256に準拠して測定 曲げ強さ:ASTM D-790に準拠して測定 曲げ弾性率:ASTM D-790に準拠して測定 (3) 収縮率 射出成形機(日精樹脂製、FS-160S)を用いて、220〜30
0℃で、十分な成形圧力下に、76×76×3.2mmの角板状の
成形品を作製し、縦方向(MD)と横方向(TD)の寸法変
化率(%)を測定した。
(4) 反り、変形 前記と同様にして、45φ×2tmmの円板を成形し、第1
図に示すように、円板の反り具合を求めた。
○:α<0.5mm △:0.5mm≦α≦1mm ×:α>1mm また、熱可塑性樹脂は次のものを用いた。
6−PA…6−ナイロン (鐘渕化学製、LM-102) 66-PA…6,6−ナイロン (旭化成製、1200S) MXDA…ポリアミド (三菱ガス化学製、6002) PP…ポリプロピレン (出光石油化学製、J−2000G、 メルトインデックス(MI)=18g/10分) PBT…ポリブチレンテレフタレート (三菱化成製、5010) PET…ポリエチレンテレフタレート (ユニチカ製、MA-2101) POM…ポリアセタール (旭化成製、3010) PE…ポリエチレン (出光石油化学製、110J、MI=14g/10分) ABS…アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂 (日本合成ゴム製、JSR-35) PC…ポリカーボネート (出光石油化学製、N−2500) PVC…ポリ塩化ビニル (信越ポリマー製、JZ-102F) PMMA…ポリメチルメタクリレート (旭化成製、50N) PPO…ポリフェニレンオキサイド (エンジニアリングプラスチックス製、731J) PSO…ポリスルホン (日産化学製、P−1700) PI…ポリイミド (デュポンファーイースト製、SP−1) PPS…ポリフェニレンサルファイド (信越ポリマー製、ライトンR−8) 製造例 変性ポリプロピレンの製造 撹拌翼と還流装置を備えた内容積5lの三口セパラブルフ
ラスコにポリプロピレン(メルトインデックス(MI)8g
/10分、密度0.91g/cm3商品名:J700G、出光石油化学
(株)製)100重量部に対して末端ヒドロキシル化1,4−
ポリブタジエン(数平均分子量3000、商品名:Poly bd R
45HT,ARCO Chem.Div.製)5重量部、無水マレイン酸20
重量部、ジクミルパーオキサイド1.72重量部及びキシレ
ン600重量部を装入し、油浴にて投げ込みヒーターを用
いて加熱し、撹拌下で120℃、1時間反応させ、その後1
40℃で3時間反応を継続した。反応終了後、冷却し、大
過剰のアセトン中に沈澱させ、吸引ろ過、さらに乾燥
(70℃にて50時間)して白色の粉末を得た。続いてこの
粉末をソックスレー抽出装置に入れ、アセトンによって
16時間抽出して、末反応のポリブタジエン及び無水マレ
イン酸を除去して変性ポリプロピンを得た。
実施例1〜28、比較例1〜8 第1表に示す各種繊維系充填材10重量部、平均粒子径3
μmの亜鉛粉末70重量部及び6−ナイロン樹脂20重量部
をあらかじめよく混合したのち、二軸押出機(ナカタニ
機械製、NAS-50)を用い、220〜350℃で混練し、次いで
射出成形機(日精樹脂製、FS-160S)により、220〜350
℃にてテストピースを成形し、その物性を評価した。
結果を第1表に示す。
実施例29〜39、比較例9〜18 第2表に示す配合組成のものを用い、実施例1〜28と同
様にしてテストピースを作製し、物性を求めた。
その結果を第2表に示す。
実施例40〜60、比較例19〜26 アスペクト比231のガラス繊維10重量部、第3表に示す
各種金属系粉末70重量部及び6−ナイロン樹脂20重量部
を用い、実施例1〜28と同様にしてテストピースを作製
し、物性を求めた。
その結果を第3表に示す。
実施例61〜79 アスペクト比231のガラス繊維10重量部、平均粒子径3
μmの亜鉛粉末70重量部及び第4表に示す各種熱可塑性
樹脂20重量部を用い、実施例1〜28と同様にしてテスト
ピースを作製し、物性を求めた。
その結果を第4表に示す。
実施例80〜98 アスペクト比231のガラス繊維10重量部及び第5表に示
す各種金属系粉末と熱可塑性樹脂とをそれぞれ所定量用
い、実施例1〜28と同様にしてテストピースを作製し物
性を求めた。
その結果を第5表に示す。
実施例99〜108 アスペクト比231ガラス繊維10重量部、平均粒子径3μ
mの亜鉛粉末70重量部及び第6表に示す各種熱可塑性樹
脂20重量部と変性剤所定量とを用い、実施例1〜28と同
様にしてテストピースを作製し、物性を求めた。
その結果を第6表に示す。
実施例109〜117 アスペクト比231のガラス繊維10重量部、平均粒子径3
μmの酸化亜鉛粉末70重量部、及び第7表に示す各種熱
可塑性樹脂20重量部と変性剤所定量を用い実施例1〜28
と同様にしてテストピースを作製し、物性を評価した。
その結果を第7表に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は高比重熱可塑性樹脂組成物を用いて作製された
成形体の反り程度を求めるための説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 隆 埼玉県富士見市鶴瀬西3丁目19番25−201 号 (72)発明者 平井 隆宥 埼玉県富士見市鶴瀬西3丁目19番25−302 号 (72)発明者 大川 秀夫 埼玉県東松山市和泉町7番4号 (56)参考文献 特開 昭61−200165(JP,A) 特開 昭59−152940(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)熱可塑性樹脂、(B)アスペクト比
    50〜2500の繊維系充填材及び(C)平均粒子径0.2〜20
    μmの金属系粉末を含有する高密度化組成物であって、
    かつ(B)成分の含有量が、前記各成分の合計重量に基
    づき2〜50重量%であることを特徴とする熱可塑性樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】高密度化組成物の密度が1.5g/ml以上であ
    る特許請求の範囲第1項記載の熱可塑性樹脂組成物。
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