JPH0764936B2 - テトラフルオロエチレン共重合体粉末の製造法 - Google Patents

テトラフルオロエチレン共重合体粉末の製造法

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JPH0764936B2 JP32942790A JP32942790A JPH0764936B2 JP H0764936 B2 JPH0764936 B2 JP H0764936B2 JP 32942790 A JP32942790 A JP 32942790A JP 32942790 A JP32942790 A JP 32942790A JP H0764936 B2 JPH0764936 B2 JP H0764936B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、コーティング剤、潤滑剤、離型剤などのほか
粉末成形(回転ライニング、回転モールディング)とし
て有用であるテトラフルオロエチレン共重合体粉末の製
造法に関するものである。
[従来の技術] テトラフルオロエチレンと少量の他のコモノマーとを共
重合して得られたテトラフルオロエチレン共重合体は耐
熱性、耐薬品性、電気的性質、機械的性質に優れ、しか
もテトラフルオロエチレンの単独重合体であるポリテト
ラフルオロエチレンとは異なり、重合体の融点以上の温
度で流動性を有するところから、溶融押出成形および射
出成形による成形品の製造のほか、ピンホールの発生の
少ない優れたコーティング剤としても広く利用されてい
る。このようなコーティング用には通常テトラフルオロ
エチレン共重合体粉末が使用される。
従来、テトラフルオロエチレン共重合体のコーティング
用粉末を製造する方法として、特公昭53−11296に凝集
されたテトラフルオロエチレン共重合体粉末をガス流と
共に該共重合体の融点以上の温度に維持された雰囲気を
有する焼成室内に個々の粉末粒子が実質的に融着しない
状態で噴霧することが記載されている。
この方法によって、粒径2−150μm、空隙率0.75以
下、表面積10m2/cm3以下のコーティングに適した粉体を
凝集粉末から直接に得られる。
しかしその製造には大型の専有設備が必要であり、品種
の切り替えには装置上多くの手間を伴った。また粉径は
原料粉末の粒径により決められるが、融点以上の温度に
なっている焼成炉中で粒子同志の融着が生じるため、コ
ーティングに適した粉末を得るには粗大粒子の取り除き
が必要となった。
また、コーティング用のテトラフルオロエチレン共重合
体粉末はしばしば他の重合体または無機フィラー等の充
填材粉末を配合させて使用するが、この方法では該重合
体の融点以上の温度の焼成炉の中に粉末粒子を噴霧する
ため、可燃性で粉塵爆発の危険がある物質(たとえばポ
リフェニレンサルファイド)を充填材として配合使用す
る場合には不活性ガスを同時に吹き込むことが必要であ
った。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、簡便な設備により、不活性ガス等を使
用せずに有機可燃性充填材をも配合させることができる
任意の粒径、空隙率および全表面積を持つコーティング
および粉末成形に適したテトラフルオロエチレン共重合
体粉末の製造法を提供することである。
[課題を解決するための手段] 本発明は融点以上の温度で流動性を有するテトラフルオ
ロエチレン共重合体のコロイド粒子を凝集させ、該共重
合体の溶解開始温度以上で、かつ融点を越えない温度で
熱融着させたのち粉砕し、さらに共重合体の融解開始温
度以上で、かつ融点を越えない温度で粉砕された粉末の
表面を溶融させて、その後再融着した粉末を分離解砕
し、比溶融粘度1×104〜106ポイズ、平均粒径5〜500
μm、空隙率0.75以下、全表面積0.2〜20m2/cm3である
テトラフルオロエチレン共重合体を得ることを特徴とす
るテトラフルオロエチレン共重合体粉末の製造法であ
る。
本発明において使用することができるテトラフルオロエ
チレン共重合体は、テトラフルオロエチレンと他のコモ
ノマーの共重合体で融点以上の温度で流動性を有する共
重合体であり、テトラフルオロエチレンとペルフルオロ
アルキルビニルエーテルとの共重合体(PFA)、テトラ
フルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重
合体(FEP)、テトラフルオロエチレンとエチレンとの
共重合体(ETFE)などを挙げることができる。
本発明はテトラフルオロエチレン共重合体のコロイド粒
子を凝集させた後、下記の4工程を必須工程として処理
する該共重合体粉末の製造法である。
テトラフルオロエチレン共重合体の凝集粉末を該共重
合体の融解開始温度以上で、かつ融点を越えない温度で
熱融着させる。
凝集粉末は通常平均粒径150〜5000μm、全表面積20〜6
0m2/cm3であるが、上記熱融着工程によって、全表面積
は通常凝集粉末の2/3〜1/10にまで減少する。
ついで上記熱融着された共重合体を粉砕する。この粉
砕によって共重合体粒子は通常平均粒径5〜500μmに
粉砕される。
その後再び共重合体の融解開始温度以上で、かつ融点
を越えない温度で熱処理を行ない、粉砕された粉末表面
を溶解させて形状を球状に近づける。
この再融着処理によって粒子の表面積は再び減少し、再
融着後の粉末の全表面積は、通常最初の凝集粉末の1/3
〜1/100になるようにする。
次に個々の再融着した粉砕粉末を分離解砕する。
上記4工程を逐次行なうことによって比溶融粘度1×10
4〜106ポイズ、平均粒径5〜500μm、空隙率0.75以
下、全表面積0.2−20m2/cm3であるテトラフルオロエチ
レン共重合体粉末が得られる。
本発明でいう比溶融粘度とは45Kpaの剪断応力下、372℃
における見かけの溶融粘度であり、具体的にはASTM D−
1238−52−Tに記載された溶融指数測定機を用い、樹脂
を372℃±0.5℃に保った内径0.95cmのシリンダーに仕込
み、5分間で平衡温度に達した後、5000gのピストンの
負荷のもとに直径2mm、長さ8mmのオリフィス中を押出し
た時の押出し速度(g/分)を測定し、下記式により比溶
融粘度を計算する。
比溶融粘度(ポイズ)=53150/押出し速度(g/分) 本発明でいう空隙率とは、粉体層中の空間の体積を示す
ものであって下記の式によって表される。
空隙率 =1 −(粉末の見かけ比重/粉末を構成する物質の真比重) 本発明において製造されるテトラフルオロエチレン共重
合体粉末の空隙率は0.75以下であり、特に好ましい空隙
率は0.34〜0.60である。
空隙率が0.75より大きくなると、塗膜にクラックが発生
し易くなったり、表面平滑性が得られない。
本発明でいう全表面積とは、粉末を構成する物質の単位
容積当りの該粉末の全表面を表すものであって、下記の
式によって求められる。全表面積はm2/cm3で表される。
全表面積=(粉末1g当りの全表面積) ×(粉末を構成する物質の真比重) なお上記粉末1g当りの全表面積はBET法(窒素吸着法)
によって測定される。全表面積は粉末粒子の強度を示す
一つの尺度となり、全表面積が10m2/cm3以下の粉末は、
機械的または物理的な力によって簡単には破壊されない
ことが見いだされている。
本発明方法によって得られるテトラフルオロエチレン共
重合体の全表面積は0.2〜20m2/cm3であり、本発明にお
ける熱融着処理条件は、粒子の全表面積で管理すること
ができる。
第1段の熱融着では、コロイド粒子からなる凝集粒子の
全表面積が2/3〜1/10になるように熱融着させるのが好
ましい。この熱融着処理は、共重合体の融解開始温度以
上で、かつ融点を越えない温度で凝集粉末を構成するコ
ロイド粒子を融着させて、凝集粉末に機械的または分離
的な破砕ないし解凝作用に対する強度を与えることを目
的としている。
この時全表面積が最初の凝集粉末の1/10以下になるよう
に過度に融着させてしまうと、その後の粉砕に莫大なエ
ネルギーが必要となり、また繊維上のヒゲを有する粉末
が多量に形成されるので好ましくない。
またこの凝集粉末を充分に融着させず、つまり全表面積
が充分に減少していない状態で粉砕操作に入ると凝集粉
末がほどけ易いために細かく粉砕されてしまい目的とす
る粒径が得られない。全表面積が最初の凝集粉末の2/3
以下になるように融着させるのが好ましい。
この熱融着処理は、DSCを用いて融点を測定した場合の
樹脂の融解開始温度と融点のピークを示す温度の間で行
う。特に熱融着処理温度としては、 (樹脂が融解を開始する温度)+(0.1〜0.99) ×{(融点)−(樹脂が融解を開始する温度)} の範囲で行なうのが好ましい。
ここで融解開始温度とはDSC測定において、吸熱のピー
クに向かってペースラインが変化し始めた温度を言い、
融点とは吸熱曲線の頂点を言う。本発明における融解開
始温度および融点の測定法は以下のとおりである。
使用装置:DuPon製DSC990型 試料 :10mg 昇温速度:10℃/min N2雰囲気中 テトラフルオロエチレン共重合体の融点および融解開始
温度は、コモノマーの含量、共重合体の分子量および分
子量分布などにより異なるが、PFAの場合融解は260℃〜
280℃の温度範囲において開始され、融点は290℃〜310
℃の範囲である。FEPの場合融解は210℃〜230℃の温度
範囲において開始され、融点は250℃〜280℃の範囲であ
る。またETFEの場合融解は200℃〜230℃の温度範囲にお
いて開始され、融点は250℃〜280℃の範囲である。
樹脂が融解を始める温度より低い温度では粉末粒子同志
は融着せず、また融点を越える温度での熱処理は、コロ
イド粒子からなる造粒物が完全に溶融して大粒径の粒子
もしくは板状となり粉砕が不可能となるため好ましくな
い。
第1段の融着処理後、最終目的の粒径にあわせてこの凝
集粉末の平均粒径を5〜500μmに粉砕するが、その方
法および装置に制限はなく目的とする粒径が得られれば
良い。
コーティング用粉末としては、平均粒径が5〜150μ
m、粉末成形用としては150〜500μmのものが好まし
い。
この粉砕処理によって、共重合体粉末は最終製品として
要求される粒径にまで粉砕されるが、得られた粉末の形
状は球状ではなく、様々な形状をしており、中には粉砕
時に強い応力により繊維状のヒゲを有する粉末も発生す
る、このような形状の粉末は空隙率が大きく、粉末成形
用には不適当である。
第2段の熱融着処理の目的は、このような粉砕時に発生
した繊維状のヒゲを丸めて、粉末と一体化させることに
より粒子形状を球に近づけて、空隙率を下げるためであ
る。熱処理温度は第1段の熱融着処理と同じく、該共重
合体の融解開始温度以上で、かつ融点を越えない温度で
あるが、第1段の熱融着より高温度で行ったほうがより
効果的である。
また、この第2段の熱処理条件としては凝集粒子の全表
面積が1/3〜1/100になるように行うのが好ましい。
熱処理が不足するとヒゲが残り、空隙率が低くならない
ため、コーティング用粉末として使用した場合には塗膜
にクラックが発生したりする。
第2段の熱処理によって、粉末は繊維状のヒゲが丸まっ
て一体化するだけでなく、互いの粉末の接点でも融着し
ているため、これらを個々の粉末に解砕分離する必要が
ある。
この粉末の解砕分離工程では、粉末粒子に対して実質的
な破壊効果に生じさせない機械的撹拌を利用する。
本発明の製造方法においてテトラフルオロエチレン共重
合体凝集粉末は充填材を含有していても差し支えない。
含有することができる充填材は、例えば、金属、カーボ
ンブラック、炭化珪素、ガラス、グラファイト、耐熱性
プラスチック(例えばポリフェニレンサルファイド等)
をあげることができる。
本発明で使用される充填材は、少なくとも200℃以上好
ましくは300℃以上の耐熱性を有することが必要であ
る。
充填材含有粉末は、充填材と共重合体との混合分散液を
共凝集して得られる凝集粉末を用いて本発明により製造
される。
本発明の方法により製造された充填材含有共重合体粉末
は、充填材粉末と樹脂粉末とが混合され、粒子中に包含
されている形態であるため樹脂粉末と充填材粉末が分離
しない、そのため従来より行なわれている樹脂粉末に充
填材粉末を添加混合する方法で製造された充填材含有粉
末と比べて、静電塗装時に均一組成の塗膜を形成するの
で静電塗装用粉末として優れている。また塗装工程にお
いて組成の変化がないため、静電塗装時に被塗装物に塗
装しなかった粉末を捕集機にて回収して使用することが
可能となる。
本発明によって製造される粉末は、非粘着用途としては
コピー機、プリンター、ファクシミリの熱転写ロール、
工業ホッパー等に使用され、防蝕用途としては化学プラ
ント用の配管、タンク、フランジ等へ使用される。
[実施例] 以下実施例をあげて本発明を具体的に説明する。なお実
施例において塗膜の性状を評価するための塗膜形成試験
の方法は次のとおりである。
(A)静電塗装による塗膜形成 静電粉体塗装機(小野田セメント(株)製GX−200T)と
静電粉体塗装ガン(小野田セメント(株)製GX−107)
を用いて、粉体を塗装電圧10kV(負)、吐出量約50g/mi
nにて25cm離れているアースされた2×100×100mmのア
ルミ板に静電吹付塗装を行った。
粉末重量は2.2g均一として焼成後100μmの塗膜を形成
させた。塗装環境は温度25℃、湿度60RHであった。
この塗装されたアルミ板を強制通風循環炉中で370℃×3
0分間焼成した。
室温まで空冷した後、塗膜を目視にてピンホール、発
泡、平滑度を含めて観察し、塗膜形成性の良好なものを
○、不良のものを×、きわめて不良のものを××とし、
3段階で評価した。
(B)盛置き塗装による塗膜形成 サンドブラスト処理した2×50×100mmの鉄板上に6.5g
(焼成後膜厚600μm)を盛置き強制通風循環炉で330℃
×30分間焼成した。
室温にまで空冷した後、塗膜を目視にてピンホール、発
泡、平滑度を含めて評価した。
実施例1 PFAコロイド分散液(平均粒径0.2μm、全表面積33m2/c
m3、融点309℃)に攪拌しながら硝酸を加えてエマルジ
ョンを破壊して、ついでトリクロロトリフロロエタンを
加え攪拌を続けることにより、平均粒径が2.1mmの凝集
粉末を得た。
この凝集粉末は崩壊し微粉化しやすく、例えば有機溶媒
中で超音波に曝すと容易にその凝集が壊れ溶媒に分散す
る性質を持っている。
この粉砕粉末をステンレスバットに2〜4cmの厚みに盛
って280℃で5時間熱融着処理した。
その後超遠心ミル(RETCH社製ZM−1)を使用して回転
数10000rpmで平均粒子50μm以下に粉砕した。
この粉砕粉末をステンレスバットに2〜4cmの厚みに盛
って300℃で5時間熱融着処理した。
この粉末をクッキングミキサー(松下電気社製MX−915
C)を用いて分離解砕を行った。
分離解砕条件: 粉末 200g、 カッター回転数 10500rpm×1min 得られたPFA樹脂粉末を、試験法(A)に従い塗膜を形
成し塗膜形成性を評価した。
粉末性状および製造条件を表1に示す。
実施例2〜3 実施例1で用いたPFAコロイド分散液を実施例1と同様
に凝集させて平均粒子径2.1mmの凝集粉末を得た。
この粉末を、第1段および第2段の熱融着温度を表1記
載の温度に代えた以外は実施例1の操作と同様に融着処
理等を行い、PFA粉末を得、実施例1と同じ方法で塗膜
形成性を評価した。
粉末性状および製造条件を表1に示す。
実施例4 実施例1で用いたPFAコロイド分散液に、アミノシラン
系表面処理剤(信越化学製KBM−603)にて水中で表面処
理された平均粒径4μmの炭化珪素粒子(不二見研磨剤
工業製GC#3000)をPFA樹脂分に対して5Wt%添加した
後、実施例1と同様に凝集させて平均粒径3mmの凝集粉
末を得た。
この粉末に表1に記載した温度にて実施例1の操作と同
様に融着処理等を行い、炭化珪素を含有するPFA樹脂粉
末を得た。実施例1と同じ方法で塗膜形成性を評価し、
その粉末性状および製造条件を表1に示した。
実施例5 実施例1で用いたPFAコロイド分散液に平均粒径14μm
のポリフェニレンサルファイド(東ソーサスティール製
PPS)をPFA樹脂分に対して10Wt%を添加した後、実施例
1と同様に凝集させて平均粒径2.5mmの凝集粉末を得
た。
この粉末を表1に記載した温度にて実施例1の操作と同
様に融着処理等を行いPPSを含有する粉末を得た。実施
例1と同じ方法で塗膜形成性を評価し、その粉末性状お
よび製造条件を表1に示した。
実施例6〜7 実施例1で用いたPFAコロイド分散液から得られた平均
粒径2.1mmの凝集粉末をステンレスバットに2〜4cmの厚
みに盛って表1の温度にて5時間熱融着した。
この後超遠心ミルを用いて平均粒子径500μm以下に粉
砕した。
この凝集粉末をステンレスバットに2〜4cmの厚みに盛
って、表1に記載した温度にて5時間熱融着処理した。
この粒子に実施例1の操作と同様に表1に記載した温度
にて融着処理等を行い、粉末を得た。
得られたPFA樹脂粉末を、試験法(B)に従い塗膜を形
成し塗膜形成性を評価した。
粉末性状および製造条件は、表1に示す通りであった。
実施例8 FEPコロイド分散液(平均粒径0.2μm、全表面積33m2/c
m3、融点260℃)に攪拌しながら硝酸を加えてエマルジ
ョンを破壊して、ついでトリクロロトリフロロエタンを
加え攪拌を続けることにより、平均粒径が2.5mmの凝集
粉末を得た。
この凝集粉末をステンレスバットに2〜4cmの厚みに盛
って220℃で5時間熱融着処理した。
その後超遠心ミル(RETCH社製ZM−1)を使用して回転
数10000rpmで平均粒子50μm以下に粉砕した。
この粉砕粉末をステンレスバットに2〜4cmの厚みに盛
って250℃で5時間熱融着処理した。
得られたFEP樹脂粉末を、試験法(A)に従い塗膜を形
成し塗膜形成性を評価した。
粉末性状および製造条件を表1に示す。
比較例1〜4 実施例1で用いたPFAコロイド分散液から得られた平均
粒径2.1mmの凝集粉末をステンレスバットに2〜4cmの厚
みに盛って表1記載の温度にて第1段熱融着を5時間行
なったのち、超遠心ミルを用いて平均粒子50μm以下に
粉砕し、第2段の熱融着処理を行なわずに得られた粉末
から実施例1と同じ方法で塗膜を形成し、塗膜形成性を
評価した。
粉末性状および製造条件を表2に示す。
比較例5 実施例1で用いたPFAコロイド分散液から得られた平均
粒径2.1mmの凝集粉末をステンレスバットに2〜4cmの厚
みに盛って270℃にて5時間熱融着処理した。
この凝集粉末を超遠心ミルを用いて平均粒子50μm以下
に粉砕した。
この粉末をステンレスバットに2〜4cmの厚みに盛って2
60℃にて5時間熱融着処理した。
この粉末をクッキングミキサーを用いて粉末の解砕操作
を行った。実施例1と同じ方法で塗膜を形成し、塗膜形
成性を評価した。
粉末性状および製造条件を表2に示す。
比較例6 実施例1で用いたPFAコロイド分散液から得られた平均
粒径2.1mmの凝集粉末をステンレスバットに2〜4cmの厚
みに盛って270℃にて5時間熱融着処理した。
この凝集粉末の超遠心ミルを用いて平均粒子50μm以下
に粉砕した。
この粉末をステンレスバットに2〜4cmの厚みに盛って3
20℃にて5時間熱融着処理した。
粉末は粒子が全体的に融着しているためクッキングミキ
サーにて粉砕することは出来なかった。
粉末性状および製造条件は、表2に示す通りであった。
比較例7 実施例1で用いたPFAコロイド分散液から得られた平均
粒径2.1mmの凝集粉末をステンレスバットに2〜4cmの厚
みに盛って270℃にて5時間熱融着処理した。
この凝集粉末を超遠心ミルを用いて平均粒子500μm以
下に粉砕した。
この粉末をさらにステンレスバットに2〜4cmの厚みに
盛って260℃にて5時間熱融着処理した。
この粉末をクッキングミキサーを用いて粉末の解砕操作
を行った。
実施例5と同じ方法で塗膜を形成し、塗膜形成性を評価
した。粉末性状および製造条件は、表2に示すとおりで
あった。
比較例8 実施例8で用いたFEPコロイド分散液から得られた平均
粒径2.5mmの凝集粉末をステンレスバットに2〜4cmの厚
みに盛って210℃にて5時間熱融着処理した。
この後超遠心ミルを用いて平均粒子径50μm以下に粉砕
し、第2段の熱融着処理を行なわずに得られた粉末から
実施例1と同じ方法で塗膜を形成し、塗膜形成性を評価
した。
粉末性状および製造条件を表2に示す。
[発明の効果] テトラフルオロエチレン共重合体を、特定の条件下での
熱融着、粉砕、分離解砕等の手段を組み合わせて処理す
ることにより使用用途に適した粒径、表面積、空隙率を
有するテトラフルオロエチレン共重合体粉末を、きわめ
て容易かつ簡便な手段および操作で製造することができ
る。また可燃性の有機物質を充填材として配合した充填
材入り共重合体粉末の製造にも適用でき、粉末成形やコ
ーティング用樹脂の製造法として有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】融点以上の温度で流動性を有するテトラフ
    ルオロエチレン共重合体のコロイド粒子を凝集させ、該
    共重合体の融解開始温度以上で、かつ融点を越えない温
    度で熱融着させたのち粉砕し、さらに共重合体の融解開
    始温度以上で、かつ融点を越えない温度で、粉砕された
    粉末の表面を溶融させて、その後再融着した粉末を分離
    解砕し、比溶融粘度1×104〜106ポイズ、平均粒径5〜
    500μm、空隙率0.75以下、全表面積0.2〜20m2/cm3であ
    るテトラフルオロエチレン共重合体を得ることを特徴と
    するテトラフルオロエチレン共重合体粉末の製造法。
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