JP2021138899A - 樹脂パウダーの製造方法、塗装物品の製造方法及び成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転成形性又は粉体塗装性に優れた樹脂パウダーの製造方法、塗装物品の製造方法及び成形体の製造方法の提供。【解決手段】フッ素ポリマーの造粒物を粉砕した後、前記フッ素ポリマーの補外融解開始温度以上かつ融点以下の温度で回転しながら熱処理をする。【選択図】なし
Description
本発明は、樹脂パウダーの製造方法、塗装物品の製造方法及び成形体の製造方法に関する。
ロトライニング等の粉体塗装においては、成型加工性及び塗膜の厚膜化の点から、嵩密度が高く、流動性が高い粉体が求められている。しかし、フッ素樹脂において粉体塗装に用いられるパウダーを製造する際、粉砕工程及び添加剤との混合工程で嵩密度の低下が起こることがある。その結果、粉体塗装に適した樹脂パウダーを製造できない場合がある。
特許文献1には、フッ素系重合体の融解開始温度より100℃以上低い温度以上融点以下の温度で加熱しながら粉砕する方法が記載されている。
特許文献1に記載された方法のように、加熱及び粉砕を同時に行うと、得られた粉体の嵩密度が低くなることがある。
本発明は、回転成形性又は粉体塗装性に優れた樹脂パウダーが得られる、樹脂パウダーの製造方法、塗装物品の製造方法及び成形体の製造方法の提供を目的とする。
上記目的は以下の構成によって達成される。
[1]フッ素ポリマー造粒物を粉砕した後、フッ素ポリマーの補外融解開始温度以上かつ融点以下の温度で回転しながら熱処理をする、樹脂パウダーの製造方法。
[2]前記熱処理が、回転しながら熱処理する装置を用いた熱処理であり、前記装置の回転速度が2rpm以上であり、熱処理温度がフッ素ポリマーの補外融解開始温度以上かつ融点以下であり、熱処理時間が10分以上である、[1]に記載の樹脂パウダーの製造方法。
[3]前記樹脂パウダーの嵩密度が0.50g/mL以上かつ体積基準累積50%径が100〜800μmである、[1]又は[2]に記載の樹脂パウダーの製造方法。
[4]前記フッ素ポリマーの、372℃、荷重49Nで測定したときの溶融流れ速度が4〜40g/10分である、[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂パウダーの製造方法。
[5]前記フッ素ポリマーが、テトラフルオロエチレンに基づく単位を有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂パウダーの製造方法。
[6]前記フッ素ポリマーが、テトラフルオロエチレンに基づく単位及びペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位を有し、前記フッ素ポリマーの融点が280℃以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂パウダーの製造方法。
[7][1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂パウダーの製造方法によって樹脂パウダーを製造し、得られた樹脂パウダーを基材の表面に塗布して、前記基材の表面に前記フッ素ポリマーを含む層を形成する、塗装物品の製造方法。
[8]静電塗装法又はロトライニングによって、前記樹脂パウダーを前記基材の表面に塗布する、[7]に記載の塗装物品の製造方法。
[9][1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂パウダーの製造方法によって樹脂パウダーを製造し、得られた樹脂パウダーを回転成形する、成形体の製造方法。
[1]フッ素ポリマー造粒物を粉砕した後、フッ素ポリマーの補外融解開始温度以上かつ融点以下の温度で回転しながら熱処理をする、樹脂パウダーの製造方法。
[2]前記熱処理が、回転しながら熱処理する装置を用いた熱処理であり、前記装置の回転速度が2rpm以上であり、熱処理温度がフッ素ポリマーの補外融解開始温度以上かつ融点以下であり、熱処理時間が10分以上である、[1]に記載の樹脂パウダーの製造方法。
[3]前記樹脂パウダーの嵩密度が0.50g/mL以上かつ体積基準累積50%径が100〜800μmである、[1]又は[2]に記載の樹脂パウダーの製造方法。
[4]前記フッ素ポリマーの、372℃、荷重49Nで測定したときの溶融流れ速度が4〜40g/10分である、[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂パウダーの製造方法。
[5]前記フッ素ポリマーが、テトラフルオロエチレンに基づく単位を有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂パウダーの製造方法。
[6]前記フッ素ポリマーが、テトラフルオロエチレンに基づく単位及びペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位を有し、前記フッ素ポリマーの融点が280℃以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂パウダーの製造方法。
[7][1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂パウダーの製造方法によって樹脂パウダーを製造し、得られた樹脂パウダーを基材の表面に塗布して、前記基材の表面に前記フッ素ポリマーを含む層を形成する、塗装物品の製造方法。
[8]静電塗装法又はロトライニングによって、前記樹脂パウダーを前記基材の表面に塗布する、[7]に記載の塗装物品の製造方法。
[9][1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂パウダーの製造方法によって樹脂パウダーを製造し、得られた樹脂パウダーを回転成形する、成形体の製造方法。
本発明によれば、フッ素ポリマーの造粒物から、回転成形性又は粉体塗装性に優れた樹脂パウダーが得られる、樹脂パウダーの製造方法、塗装物品の製造方法及び成形体の製造方法を提供できる。
本発明における以下の用語の定義は、下記のとおりである。
「フッ素ポリマー」は、フッ素原子を含む単位を有するポリマーであって、融点を有するものをいう。
「フッ素ポリマーの造粒物」は、フッ素ポリマーを造粒したものであって、造粒後、上記フッ素ポリマーの補外融解開始温度以上の温度で熱処理したことがないものをいう。
「樹脂パウダー」は、フッ素ポリマーの造粒物を粉砕した後、上記フッ素ポリマーの補外融解開始温度以上かつ融点以下の温度で熱処理したものをいう。
「補外融解開始温度」は、JIS K 7121:2012で規定される、示差走査熱量計(DSC)測定法により測定される、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、融解ピークの低温側の曲線にこう配が最大になる点で引いた接線の交点の温度である。
「嵩密度」は、A.B.D.粉体特性測定機(ABD−100型、筒井理化学器械社製)を用い、容量100mLの試料容器を用いて測定した疎充填嵩密度である。100mLの試料容器に、樹脂パウダーを30〜60秒で上記試料容器がいっぱいになるように供給し、試料容器の上端を超えて山になった部分の樹脂粒子をヘラですり切り、試料容器の周りに付着した樹脂パウダーを払い落とし、試料容器の質量を電子天秤にて測定する。試料容器及び樹脂パウダーの合計質量と、樹脂パウダーを供給する前に測定しておいた試料容器の質量から、試料容器内の樹脂パウダーの質量を算出し、その値から疎充填嵩密度(g/mL)を算出する。
「体積基準累積50%径」は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(LA−920堀場製作所社製)を用い、イソプロピルアルコール中に分散させた粒子の粒度分布を体積基準で求め、その粒子の集団の全体積を100%として累積カーブを求めたとき、その累積カーブが50%となる点の粒径である。「体積基準累積50%径」は、「D50」ともいう。
「溶融流れ速度」は、JIS K 7210−1:2014(対応国際規格 ISO 1133−1:2011)の試験方法によって求められるメルトマスフローレート(MFR)である。
「TFE」は、テトラフルオロエチレンを表す。
「PPVE」は、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(CF2=CFOCF2CF2CF3)を表す。
「PFA」は、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーを表す。
「フッ素ポリマー」は、フッ素原子を含む単位を有するポリマーであって、融点を有するものをいう。
「フッ素ポリマーの造粒物」は、フッ素ポリマーを造粒したものであって、造粒後、上記フッ素ポリマーの補外融解開始温度以上の温度で熱処理したことがないものをいう。
「樹脂パウダー」は、フッ素ポリマーの造粒物を粉砕した後、上記フッ素ポリマーの補外融解開始温度以上かつ融点以下の温度で熱処理したものをいう。
「補外融解開始温度」は、JIS K 7121:2012で規定される、示差走査熱量計(DSC)測定法により測定される、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、融解ピークの低温側の曲線にこう配が最大になる点で引いた接線の交点の温度である。
「嵩密度」は、A.B.D.粉体特性測定機(ABD−100型、筒井理化学器械社製)を用い、容量100mLの試料容器を用いて測定した疎充填嵩密度である。100mLの試料容器に、樹脂パウダーを30〜60秒で上記試料容器がいっぱいになるように供給し、試料容器の上端を超えて山になった部分の樹脂粒子をヘラですり切り、試料容器の周りに付着した樹脂パウダーを払い落とし、試料容器の質量を電子天秤にて測定する。試料容器及び樹脂パウダーの合計質量と、樹脂パウダーを供給する前に測定しておいた試料容器の質量から、試料容器内の樹脂パウダーの質量を算出し、その値から疎充填嵩密度(g/mL)を算出する。
「体積基準累積50%径」は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(LA−920堀場製作所社製)を用い、イソプロピルアルコール中に分散させた粒子の粒度分布を体積基準で求め、その粒子の集団の全体積を100%として累積カーブを求めたとき、その累積カーブが50%となる点の粒径である。「体積基準累積50%径」は、「D50」ともいう。
「溶融流れ速度」は、JIS K 7210−1:2014(対応国際規格 ISO 1133−1:2011)の試験方法によって求められるメルトマスフローレート(MFR)である。
「TFE」は、テトラフルオロエチレンを表す。
「PPVE」は、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(CF2=CFOCF2CF2CF3)を表す。
「PFA」は、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーを表す。
[樹脂パウダーの製造方法]
本発明の樹脂パウダーの製造方法はフッ素ポリマーの造粒物を粉砕した後、上記フッ素ポリマーの補外融解開始温度以上かつ融点以下の温度で回転しながら熱処理して、樹脂パウダーを得ることを特徴とする。
本発明の樹脂パウダーの製造方法はフッ素ポリマーの造粒物を粉砕した後、上記フッ素ポリマーの補外融解開始温度以上かつ融点以下の温度で回転しながら熱処理して、樹脂パウダーを得ることを特徴とする。
<フッ素ポリマー、フッ素ポリマーの造粒物>
フッ素ポリマーは、フッ素原子を含む単位を有するポリマーであって、融点を有するものであれば特に限定されない。
上記フッ素ポリマーの具体例は、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン及びエチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマーである。
フッ素ポリマーは、フッ素原子を含む単位を有するポリマーであって、融点を有するものであれば特に限定されない。
上記フッ素ポリマーの具体例は、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン及びエチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマーである。
上記フッ素ポリマーは、カルボニル基、ヒドロキシ基、エポキシ基又はイソシアネート基等の官能基が導入されていてもよい。フッ素ポリマーにこれらの官能基から選択される1種以上が導入されていると、樹脂パウダーを他の樹脂に分散させた際の分散性が向上する。
上記フッ素ポリマーにこれらの官能基を導入する方法としては、例えば、含フッ素モノマーとこれらの官能基を有するモノマーとを共重合する方法、フッ素ポリマーに表面処理剤(金属ナトリウムとナフタレンの錯体を含む溶液)を接触させる方法、フッ素ポリマーをプラズマ処理又はコロナ処理する方法が挙げられる。これらの方法は、いずれも周知技術又は慣用技術であり、例として、国際公開第2019/098202号の[0024]〜[0030]に記載された方法が挙げられる。
上記フッ素ポリマーにこれらの官能基を導入する方法としては、例えば、含フッ素モノマーとこれらの官能基を有するモノマーとを共重合する方法、フッ素ポリマーに表面処理剤(金属ナトリウムとナフタレンの錯体を含む溶液)を接触させる方法、フッ素ポリマーをプラズマ処理又はコロナ処理する方法が挙げられる。これらの方法は、いずれも周知技術又は慣用技術であり、例として、国際公開第2019/098202号の[0024]〜[0030]に記載された方法が挙げられる。
上記フッ素ポリマーとしては、テトラフルオロエチレンに基づく単位を有するものが好ましく、テトラフルオロエチレンに基づく単位及びペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位を有するものがより好ましい。
上記ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)の具体例は、CF2=CFOCF3、CF2=CFOCF2CF3、CF2=CFOCF2CF2CF3、CF2=CFOCF2CF2CF3、CF2=CFO(CF2)8である。上記ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)としては、CF2=CFOCF2CF2CF3が好ましい。
ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記フッ素ポリマーの融点は、通常、260℃以上であり、280℃以上が好ましく、295℃以上がより好ましい。また、上記フッ素ポリマーの融点は、320℃以下が好ましく、315℃以下がより好ましく、310℃以下がより好ましい。
上記フッ素ポリマーの融点が280℃以上であると、得られる樹脂パウダーの耐熱性がより優れる。また、上記フッ素ポリマーの融点が320℃以下であると、フッ素ポリマーの熱溶融性が向上する。
上記フッ素ポリマーの融点は、フッ素ポリマーを構成する単位の種類、割合、フッ素ポリマーの分子量等によって調整できる。例えば、テトラフルオロエチレンに基づく単位の割合が多くなるほど、フッ素ポリマーの融点が上昇する傾向がある。
上記フッ素ポリマーの融点が280℃以上であると、得られる樹脂パウダーの耐熱性がより優れる。また、上記フッ素ポリマーの融点が320℃以下であると、フッ素ポリマーの熱溶融性が向上する。
上記フッ素ポリマーの融点は、フッ素ポリマーを構成する単位の種類、割合、フッ素ポリマーの分子量等によって調整できる。例えば、テトラフルオロエチレンに基づく単位の割合が多くなるほど、フッ素ポリマーの融点が上昇する傾向がある。
上記フッ素ポリマーとしては、テトラフルオロエチレンに基づく単位及びペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位を有し、融点が280℃以上であるものが特に好ましい。
上記フッ素ポリマーの溶融流れ温度(MFR)は、372℃、荷重49Nで測定したとき、4g/10分以上が好ましく、5g/10分以上がより好ましく、10g/10分以上がさらに好ましい。また、上記フッ素ポリマーの溶融流れ温度(MFR)は、372℃、荷重49Nで測定したとき、40g/10分以下が好ましく、35g/10分以下がより好ましく、30g/10分以下がさらに好ましい。上記フッ素ポリマーの、372℃、荷重49Nで測定したときの溶融流れ速度は、4〜40g/10分が好ましい。
上記フッ素ポリマーの溶融流れ温度(MFR)が4g/10分以上であると、フッ素ポリマーの熱溶融性がより向上する。また、上記フッ素ポリマーの溶融流れ温度(MFR)が40g/10分以下であると、樹脂パウダーの機械的強度がより高まる。
MFRは、フッ素ポリマーの分子量の目安であり、MFRが大きいと分子量が小さく、MFRが小さいと分子量が大きいことを示す。フッ素ポリマーのMFRは、フッ素ポリマーの製造条件によって調整できる。例えば、モノマーの重合時に重合時間を短縮すると、フッ素ポリマーのMFRが大きくなる傾向がある。
上記フッ素ポリマーの溶融流れ温度(MFR)が4g/10分以上であると、フッ素ポリマーの熱溶融性がより向上する。また、上記フッ素ポリマーの溶融流れ温度(MFR)が40g/10分以下であると、樹脂パウダーの機械的強度がより高まる。
MFRは、フッ素ポリマーの分子量の目安であり、MFRが大きいと分子量が小さく、MFRが小さいと分子量が大きいことを示す。フッ素ポリマーのMFRは、フッ素ポリマーの製造条件によって調整できる。例えば、モノマーの重合時に重合時間を短縮すると、フッ素ポリマーのMFRが大きくなる傾向がある。
フッ素ポリマーの造粒物は、上記フッ素ポリマーを造粒したものである。
上記フッ素ポリマーを造粒する時の造粒方法は、特に限定されず、従来公知の造粒方法を用いることができる。上記造粒方法の具体例としては、重合槽内で合成したスラリー状のフッ素ポリマーを、水を仕込んだ造粒槽に投入し、撹拌下に昇温して溶媒を留出除去しながら造粒し、次いで、乾燥することにより、造粒物が得られる。
上記フッ素ポリマーを造粒する時の造粒方法は、特に限定されず、従来公知の造粒方法を用いることができる。上記造粒方法の具体例としては、重合槽内で合成したスラリー状のフッ素ポリマーを、水を仕込んだ造粒槽に投入し、撹拌下に昇温して溶媒を留出除去しながら造粒し、次いで、乾燥することにより、造粒物が得られる。
<粉砕>
上記フッ素ポリマーの造粒物を粉砕する。
上記フッ素ポリマーの造粒物を粉砕する。
上記フッ素ポリマーの造粒物を粉砕するには、機械的粉砕処理が好ましい。
上記機械的粉砕処理は、上記フッ素ポリマーの造粒物に対しては破砕するのに十分な剪断力及び破砕力のうちの少なくとも一方を作用させ得る粉砕機を用いて、フッ素ポリマーの造粒物を粉砕する処理である。
粉砕機の例は、ローターミル、ジェットミル、ハンマーミル、ピンミル、ビーズミル及びターボミルであり、これらの中では、ローターミル、ジェットミル、ビーズミル又はピンミルが好ましく、ローターミルがより好ましい。これらの粉砕機によれば、少ない機械的粉砕処理の回数で、目的とする樹脂パウダーを得やすい。結果として、最終的に得られる樹脂パウダーの生産効率がより向上する。
上記機械的粉砕処理は、上記フッ素ポリマーの造粒物に対しては破砕するのに十分な剪断力及び破砕力のうちの少なくとも一方を作用させ得る粉砕機を用いて、フッ素ポリマーの造粒物を粉砕する処理である。
粉砕機の例は、ローターミル、ジェットミル、ハンマーミル、ピンミル、ビーズミル及びターボミルであり、これらの中では、ローターミル、ジェットミル、ビーズミル又はピンミルが好ましく、ローターミルがより好ましい。これらの粉砕機によれば、少ない機械的粉砕処理の回数で、目的とする樹脂パウダーを得やすい。結果として、最終的に得られる樹脂パウダーの生産効率がより向上する。
<熱処理>
上記フッ素ポリマーの造粒物を粉砕した後で、上記フッ素ポリマーの補外融解開始温度以上かつ融点以下の温度で回転しながら熱処理する。
上記フッ素ポリマーの造粒物を粉砕した後で、上記フッ素ポリマーの補外融解開始温度以上かつ融点以下の温度で回転しながら熱処理する。
熱処理する際の加熱温度は、補外融解開始温度より20℃高い温度以上が好ましく、30℃高い温度以上がより好ましい。
熱処理する際の加熱時間は、処理量、温度および加熱手段によって適宜選択されるが、熱処理手段が直接加熱方式の場合、加熱時間は10〜120分が好ましく、15〜60分がより好ましい。中でも、熱風が上記フッ素ポリマーの造粒物の間を通り抜けるような熱風乾燥は、加熱温度が補外融解開始温度に近く、熱処理時間が短くても、効率的に熱処理を行うことが出来る。
熱処理する際の雰囲気は、大気下でもよく、不活性ガスを用いることもできる。また、真空状態で熱処理することもできる。
回転しながら熱処理する際の加熱手段は、直接加熱方式、間接加熱方式のどちらも用いることができる。回転しながら熱処理する装置としては、ガラスチューブオーブン、加熱撹拌機、ロータリーキルンなどを用いることが出来る。また直接加熱方式と間接加熱方式を組み合わせて使用することもできる。
上記の熱風やジャケットを介した加熱以外に赤外線ヒーターなども用いることができる。
回転しながら熱処理する装置(以下「回転炉」とも記す)中のパウダーの容積比率は50%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、20%以下がさらに好ましい。パウダーの容積比率はバッチ式回転炉の場合、回転炉へのパウダー仕込み量によって任意に決定でき、連続式回転炉の場合は原料供給速度、炉回転速度、回転炉傾斜等によって決定できる。
回転炉の回転数は、2rpm以上が好ましく、2〜20rpmが好ましく、4〜15rpmがより好ましい。回転数が上記範囲であると、パウダー排出速度が速くなりにくいため、熱処理時間が短くなりすぎず、嵩密度が高くなりやすいため好ましい。
なお、回転炉としては、外側が回転しながら熱処理するだけでなく、内側のスクリュー等が回転しながらパウダーに熱をかける装置も使用できる。このような装置としては、単軸押出機、多軸押出機等が挙げられる。内側が回転して熱処理する回転炉において、パウダー容積比率は特に限定されず。パウダー容積比率は原料供給速度、スクリュー回転速度等によって決定できる。また、内側が回転して熱処理する回転炉における回転炉の回転数は、2rpm以上が好ましく、2rpm〜50rpmがより好ましく、3rpm〜30rpmがさらに好ましく、4rpm〜20rpmが最も好ましい。回転数が上記範囲であると、パウダー排出速度が速くなりにくいため、熱処理時間が短くなりすぎず、嵩密度が高くなりやすいため好ましい。
熱処理する際の加熱時間は、処理量、温度および加熱手段によって適宜選択されるが、熱処理手段が直接加熱方式の場合、加熱時間は10〜120分が好ましく、15〜60分がより好ましい。中でも、熱風が上記フッ素ポリマーの造粒物の間を通り抜けるような熱風乾燥は、加熱温度が補外融解開始温度に近く、熱処理時間が短くても、効率的に熱処理を行うことが出来る。
熱処理する際の雰囲気は、大気下でもよく、不活性ガスを用いることもできる。また、真空状態で熱処理することもできる。
回転しながら熱処理する際の加熱手段は、直接加熱方式、間接加熱方式のどちらも用いることができる。回転しながら熱処理する装置としては、ガラスチューブオーブン、加熱撹拌機、ロータリーキルンなどを用いることが出来る。また直接加熱方式と間接加熱方式を組み合わせて使用することもできる。
上記の熱風やジャケットを介した加熱以外に赤外線ヒーターなども用いることができる。
回転しながら熱処理する装置(以下「回転炉」とも記す)中のパウダーの容積比率は50%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、20%以下がさらに好ましい。パウダーの容積比率はバッチ式回転炉の場合、回転炉へのパウダー仕込み量によって任意に決定でき、連続式回転炉の場合は原料供給速度、炉回転速度、回転炉傾斜等によって決定できる。
回転炉の回転数は、2rpm以上が好ましく、2〜20rpmが好ましく、4〜15rpmがより好ましい。回転数が上記範囲であると、パウダー排出速度が速くなりにくいため、熱処理時間が短くなりすぎず、嵩密度が高くなりやすいため好ましい。
なお、回転炉としては、外側が回転しながら熱処理するだけでなく、内側のスクリュー等が回転しながらパウダーに熱をかける装置も使用できる。このような装置としては、単軸押出機、多軸押出機等が挙げられる。内側が回転して熱処理する回転炉において、パウダー容積比率は特に限定されず。パウダー容積比率は原料供給速度、スクリュー回転速度等によって決定できる。また、内側が回転して熱処理する回転炉における回転炉の回転数は、2rpm以上が好ましく、2rpm〜50rpmがより好ましく、3rpm〜30rpmがさらに好ましく、4rpm〜20rpmが最も好ましい。回転数が上記範囲であると、パウダー排出速度が速くなりにくいため、熱処理時間が短くなりすぎず、嵩密度が高くなりやすいため好ましい。
上記フッ素ポリマーの造粒物を粉砕したものを上記条件で回転しながら熱処理することにより樹脂パウダーが得られる。
上記熱処理により得られる樹脂パウダーは、嵩密度が高く、かつ、D50が大きな、回転成形及び粉体塗装に好適な樹脂パウダーである。
上記嵩密度は、0.50g/mL以上が好ましく、0.60g/mL以上がより好ましく、0.70g/mL以上がさらに好ましい。また、上記嵩密度は、通常、0.30g/mL以下である。
上記体積基準累積50%径(D50)は、100μm以上が好ましく、130μm以上がより好ましく、150μm以上がさらに好ましい。また、D50は、800μm以下が好ましい。
上記樹脂パウダーは、嵩密度が0.50g/mL以上かつ体積基準累積50%径が100〜800μmであることが好ましい。
なお、本発明の製造方法は回転しながら熱処理をすることで、得られた樹脂パウダーは熱処理の前と比較して真球度及び嵩密度が向上する。これにより、流動性が向上し、粉体塗装の際に塗膜の表面平滑性が向上する。
上記嵩密度は、0.50g/mL以上が好ましく、0.60g/mL以上がより好ましく、0.70g/mL以上がさらに好ましい。また、上記嵩密度は、通常、0.30g/mL以下である。
上記体積基準累積50%径(D50)は、100μm以上が好ましく、130μm以上がより好ましく、150μm以上がさらに好ましい。また、D50は、800μm以下が好ましい。
上記樹脂パウダーは、嵩密度が0.50g/mL以上かつ体積基準累積50%径が100〜800μmであることが好ましい。
なお、本発明の製造方法は回転しながら熱処理をすることで、得られた樹脂パウダーは熱処理の前と比較して真球度及び嵩密度が向上する。これにより、流動性が向上し、粉体塗装の際に塗膜の表面平滑性が向上する。
上述した樹脂パウダーの製造方法において、フッ素ポリマーに熱安定剤を混合してから熱処理を行っても、熱処理を行った後に熱安定剤を混合してもよい。熱安定剤としては公知のものが使用可能である。特開2003−53261号公報の[0048]に記載のアミン系酸化防止剤、[0049]に記載の有機イオウ化合物や、特許第4442563号公報の第6頁に記載された窒素含有化合物が挙げられ、中でも2−メルカプトベンズイミダゾール亜鉛塩、フェニル−α−ナフチルアミン、ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−テトラオクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(N,N’−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、デカフェニルシクロペンタシラン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミドが好ましい。
また、得られた樹脂パウダーに熱安定剤を添加した組成物を、後述する塗装物品の製造に用いてもよい。
また、得られた樹脂パウダーに熱安定剤を添加した組成物を、後述する塗装物品の製造に用いてもよい。
上述した樹脂パウダーの製造方法において、フッ素ポリマーにその他添加剤やフィラー等を添加してもよい。フッ素ポリマーに添加剤やフィラーを混合してから熱処理を行っても、熱処理を行った後に添加剤やフィラーを混合してもよい。
添加剤としては、光安定剤、可塑剤、難燃剤、結晶核剤、顔料、抗菌剤等が挙げられる。
フィラーとしては、ガラス繊維、シリカ、カーボンブラック、カーボンファイバー、
タルク、マイカ、酸化チタン等の無機酸化物系フィラー、窒化ホウ素等のセラミクス系フィラー等が挙げられる。また、得られた樹脂パウダーに添加剤やフィラーを添加した組成物を、後述する塗装物品の製造に用いてもよい。
添加剤としては、光安定剤、可塑剤、難燃剤、結晶核剤、顔料、抗菌剤等が挙げられる。
フィラーとしては、ガラス繊維、シリカ、カーボンブラック、カーボンファイバー、
タルク、マイカ、酸化チタン等の無機酸化物系フィラー、窒化ホウ素等のセラミクス系フィラー等が挙げられる。また、得られた樹脂パウダーに添加剤やフィラーを添加した組成物を、後述する塗装物品の製造に用いてもよい。
[塗装物品の製造方法]
本発明の塗装物品の製造方法は、上述した樹脂パウダーの製造方法によって樹脂パウダーを製造し、得られた樹脂パウダー(以下「本発明の樹脂パウダー」という場合がある。)を基材の表面に塗布して、上記基材の表面に上記フッ素ポリマーを含む層を形成することを特徴とする。
本発明の塗装物品の製造方法は、上述した樹脂パウダーの製造方法によって樹脂パウダーを製造し、得られた樹脂パウダー(以下「本発明の樹脂パウダー」という場合がある。)を基材の表面に塗布して、上記基材の表面に上記フッ素ポリマーを含む層を形成することを特徴とする。
本発明の樹脂パウダーを基材の表面に塗布する方法は、従来公知の粉体塗装方法が好ましい。例を挙げれば、本発明の樹脂パウダーを含む粉体塗料を使用して、静電塗装法、流動浸漬法、又はロトライニングによって塗膜を形成する方法である。粉体塗装方法としては、静電塗装法又はロトライニングが好ましく、ロトライニングがより好ましい。
ロトライニングによる粉体塗装では、塗膜の最大厚みと最小厚みとの差をより小さくできる。塗膜の最大厚みと最小厚みとの差は、1.5mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、0.8mm以下がさらに好ましい。
本発明の樹脂パウダーは、嵩密度が高く、かつ、D50が大きいので、粉体塗装性に優れる。
ロトライニングによる粉体塗装では、塗膜の最大厚みと最小厚みとの差をより小さくできる。塗膜の最大厚みと最小厚みとの差は、1.5mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、0.8mm以下がさらに好ましい。
本発明の樹脂パウダーは、嵩密度が高く、かつ、D50が大きいので、粉体塗装性に優れる。
[成形体の製造方法]
本発明の成形体の製造方法は、上述した樹脂パウダーの製造方法によって樹脂パウダーを製造し、得られた本発明の樹脂パウダーを回転成形することを特徴とする。
本発明の成形体の製造方法は、上述した樹脂パウダーの製造方法によって樹脂パウダーを製造し、得られた本発明の樹脂パウダーを回転成形することを特徴とする。
本発明の樹脂パウダーを回転成形する方法は、従来公知の回転成形方法が好ましい。例を挙げれば、金型内に本発明の樹脂パウダーを投入し、一軸回転又は二軸回転しながら金型を加熱し、原料を金型内面に付着及び溶融させ、冷却し、固化する。フッ素ポリマーの成形体を金型から取りだして使用したり、パイプ等を金型として用いて、内面にフッ素ポリマーの成形体を有するパイプとして使用したりできる。
本発明の樹脂パウダーは、嵩密度が高く、かつ、D50が大きいので、遠心力によって型の内面に付着しやすいので、回転成形性に優れる。
本発明の樹脂パウダーは、嵩密度が高く、かつ、D50が大きいので、遠心力によって型の内面に付着しやすいので、回転成形性に優れる。
以下では、本発明を実施例によってより詳細に説明するが、本発明は後述する実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない限り、種々の変形が可能である。
例1〜5が実施例に相当し、熱処理前パウダーが比較例に相当する。
例1〜5が実施例に相当し、熱処理前パウダーが比較例に相当する。
[例1]
1.2Lの撹拌機付き圧力容器に、脱塩水の570g、メタノールの65.1g、CHFClCF2CF2Clの325g、PPVEの39.2gを仕込み、50℃の内温で、TFEを圧力が1.35MPaになるまで仕込んだ。次いで、開始剤溶液である(FCF2CF2CF2COO)2の0.09質量%溶液(溶媒:CHFClCF2CF2Cl)の3.8mLを仕込み、重合を開始させた。重合中に開始剤溶液は断続的に仕込み、合計22mLを仕込んだ。重合の進行にともない、圧力が低下するので、圧力が一定になるようにTFEを連続的に後仕込みした。後仕込みのTFE量が161gになったところで内温を室温まで冷却し、未反応TFEを空放し、圧力容器を開放した。圧力容器の内容物をガラスフィルタで濾過してPFAをスラリー状態で得た。この重合を5回行い、得られたスラリーを均一に混合した後、固液分離し、150℃で15時間乾燥して、フッ素ポリマーの造粒物を得た。含フッ素重合体はTFE/PPVE=98.5/1.5(モル比)、MFRが14.4g/10分であった。
得られたフッ素ポリマーの融点は301℃、補外融解開始温度は239℃であった。
1.2Lの撹拌機付き圧力容器に、脱塩水の570g、メタノールの65.1g、CHFClCF2CF2Clの325g、PPVEの39.2gを仕込み、50℃の内温で、TFEを圧力が1.35MPaになるまで仕込んだ。次いで、開始剤溶液である(FCF2CF2CF2COO)2の0.09質量%溶液(溶媒:CHFClCF2CF2Cl)の3.8mLを仕込み、重合を開始させた。重合中に開始剤溶液は断続的に仕込み、合計22mLを仕込んだ。重合の進行にともない、圧力が低下するので、圧力が一定になるようにTFEを連続的に後仕込みした。後仕込みのTFE量が161gになったところで内温を室温まで冷却し、未反応TFEを空放し、圧力容器を開放した。圧力容器の内容物をガラスフィルタで濾過してPFAをスラリー状態で得た。この重合を5回行い、得られたスラリーを均一に混合した後、固液分離し、150℃で15時間乾燥して、フッ素ポリマーの造粒物を得た。含フッ素重合体はTFE/PPVE=98.5/1.5(モル比)、MFRが14.4g/10分であった。
得られたフッ素ポリマーの融点は301℃、補外融解開始温度は239℃であった。
上記造粒物について、ローターミル(フリッチュ社製、ロータースピードミルP−14)を用いて、液体窒素冷却下において、回転数1300rpmの条件で粉砕を行った。得られた熱処理前樹脂パウダーの嵩密度とD50を表1に示す。
得られた樹脂パウダー1000gを、サンアイ化熱株式会社製小型外熱炉で表1に示す条件で熱処理を行った。得られた樹脂パウダーの嵩密度とD50を表1に示す。
[例2〜5]
熱処理の際の原料供給速度、温度、回転数、熱処理時間を表1に示す通り変更した点を除いて、例1と同様にして樹脂パウダーの熱処理を行った。得られた樹脂パウダーの嵩密度とD50を表1に示す。
熱処理の際の原料供給速度、温度、回転数、熱処理時間を表1に示す通り変更した点を除いて、例1と同様にして樹脂パウダーの熱処理を行った。得られた樹脂パウダーの嵩密度とD50を表1に示す。
本発明の実施例である例1〜5では、嵩密度が高く、D50が大きな樹脂パウダーが得られた。これらの樹脂パウダーは、回転成形性、粉体塗装性に優れる。
本発明の比較例である熱処理前パウダーでは、嵩密度が低く、D50も小さいものであった。この樹脂パウダーは、回転成形性、粉体塗装性が良好とはいえない。
本発明の比較例である熱処理前パウダーでは、嵩密度が低く、D50も小さいものであった。この樹脂パウダーは、回転成形性、粉体塗装性が良好とはいえない。
表面平滑性はライニング試験を行い評価した。ライニングはロックンロール方式を用いて行った。外径20mmの鋼管に粒子を投入し、直火加熱にてライニングを行った。
得られたライニング層について目視で表面のムラが観察された部分にて、円周上の厚みを1cm間隔で測定し、最小厚みと最大厚みの差を計算した。また、目視でムラが観察されなかった場合は、任意の部分の円周上の厚みを1cm間隔で測定し、最小厚みと最大厚みの差を計算した。
評価した例1〜5では、塗膜の最大厚みと最小厚みの差が0.5mmであり、例5では2mmであった。
得られたライニング層について目視で表面のムラが観察された部分にて、円周上の厚みを1cm間隔で測定し、最小厚みと最大厚みの差を計算した。また、目視でムラが観察されなかった場合は、任意の部分の円周上の厚みを1cm間隔で測定し、最小厚みと最大厚みの差を計算した。
評価した例1〜5では、塗膜の最大厚みと最小厚みの差が0.5mmであり、例5では2mmであった。
本発明の樹脂パウダーの製造方法によって製造した樹脂パウダーは、塗装物品の製造、成形体の製造に好適に用いることができる。
Claims (9)
- フッ素ポリマー造粒物を粉砕した後、フッ素ポリマーの補外融解開始温度以上かつ融点以下の温度で回転しながら熱処理をする、樹脂パウダーの製造方法。
- 前記熱処理が、回転しながら熱処理する装置を用いた熱処理であり、前記装置の回転速度が2rpm以上であり、熱処理温度がフッ素ポリマーの補外融解開始温度以上かつ融点以下であり、熱処理時間が10分以上である、請求項1に記載の樹脂パウダーの製造方法。
- 前記樹脂パウダーの嵩密度が0.50g/mL以上かつ体積基準累積50%径が100〜800μmである、請求項1又は2に記載の樹脂パウダーの製造方法。
- 前記フッ素ポリマーの、372℃、荷重49Nで測定したときの溶融流れ速度が4〜40g/10分である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂パウダーの製造方法。
- 前記フッ素ポリマーが、テトラフルオロエチレンに基づく単位を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂パウダーの製造方法。
- 前記フッ素ポリマーが、テトラフルオロエチレンに基づく単位及びペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位を有し、前記フッ素ポリマーの融点が280℃以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂パウダーの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂パウダーの製造方法によって樹脂パウダーを製造し、得られた樹脂パウダーを基材の表面に塗布して、前記基材の表面に前記フッ素ポリマーを含む層を形成する、塗装物品の製造方法。
- 静電塗装法又はロトライニングによって、前記樹脂パウダーを前記基材の表面に塗布する、請求項7に記載の塗装物品の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂パウダーの製造方法によって樹脂パウダーを製造し、得られた樹脂パウダーを回転成形する、成形体の製造方法。
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