JP2021054928A - 樹脂パウダーの製造方法、塗装物品の製造方法及び成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フッ素ポリマーの造粒物の圧縮破壊荷重が1.0N以下であっても、回転成形性又は粉体塗装性に優れた樹脂パウダーが得られる、樹脂パウダーの製造方法、塗装物品の製造方法及び成形体の製造方法の提供。【解決手段】圧縮破壊荷重が1.0N以下であるフッ素ポリマーの造粒物を、前記フッ素ポリマーの補外融解開始温度以上かつ融点以下の温度で熱処理して、前記フッ素ポリマーを含む原料樹脂体を得た後、前記原料樹脂体を粉砕する、樹脂パウダーの製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、樹脂パウダーの製造方法、塗装物品の製造方法及び成形体の製造方法に関する。
ロトライニング等の粉体塗装においては、成型加工性及び塗膜の厚膜化の点から、嵩密度が高く、流動性が高い粉体が求められている。しかし、フッ素樹脂において粉体塗装に用いられるパウダーを製造する際、粉砕工程及び添加剤との混合工程で嵩密度の低下が起こることがある。その結果、粉体塗装に適した樹脂パウダーを製造できない場合がある。
特許文献1には、フッ素系重合体の融解開始温度より100℃以上低い温度以上融点以下の温度で加熱しながら粉砕する方法が記載されている。特許文献2には、高分子量フッ素系溶融樹脂の融点−10℃から融点+20℃の温度で加熱した後に粉砕する方法が記載されている。特許文献3には、テトラフルオロエチレン共重合体を、融解開始温度以上融点以下で加熱して融着後に粉砕する、加熱と粉砕を各2回行う方法が記載されている。特許文献4には、熱溶融性フッ素樹脂を、溶融開始温度以上融点以下の温度で加熱して融着後に粉砕する方法が記載されている。
特許文献1に記載された方法のように、加熱及び粉砕を同時に行うと、得られた粉体の嵩密度が低くなることがある。特許文献2に記載の方法は、高分子量フッ素系溶融樹脂が対象である。特許文献4に記載の方法も、高分子量の熱溶融性フッ素樹脂を対象としている。高分子量のフッ素樹脂の場合には、融点以下の加熱であっても融着が不十分となり、粉砕後の粒子サイズが小さくなる。
より低分子量のフッ素樹脂では、融点以上の加熱では樹脂粒子間の融着が起きてしまい、粉砕が困難になる。
特許文献3に記載の方法は、工程数が多いが、これを減らすと嵩密度が低くなる。
より低分子量のフッ素樹脂では、融点以上の加熱では樹脂粒子間の融着が起きてしまい、粉砕が困難になる。
特許文献3に記載の方法は、工程数が多いが、これを減らすと嵩密度が低くなる。
本発明は、フッ素ポリマーの造粒物の圧縮破壊荷重が1.0N以下であっても、回転成形性又は粉体塗装性に優れた樹脂パウダーが得られる、樹脂パウダーの製造方法、塗装物品の製造方法及び成形体の製造方法の提供を目的とする。
前記目的は以下の構成によって達成される。
[1] 圧縮破壊荷重が1.0N以下であるフッ素ポリマーの造粒物を、前記フッ素ポリマーの補外融解開始温度以上かつ融点以下の温度で熱処理して、前記フッ素ポリマーを含む原料樹脂体を得た後、前記原料樹脂体を粉砕する、樹脂パウダーの製造方法。
[2] 前記原料樹脂体の圧縮破壊荷重が3.0N以上である、[1]に記載の樹脂パウダーの製造方法。
[3] 前記樹脂パウダーの嵩密度が0.50g/mL以上かつ体積基準累積50%径が100〜800μmである、[1]又は[2]に記載の樹脂パウダーの製造方法。
[4] 前記フッ素ポリマーの、372℃、荷重49Nで測定したときの溶融流れ速度が4〜40g/10分である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の樹脂パウダーの製造方法。
[5] 前記フッ素ポリマーが、テトラフルオロエチレンに基づく単位を有する、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の樹脂パウダーの製造方法。
[6] 前記フッ素ポリマーが、テトラフルオロエチレンに基づく単位及びペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位を有し、前記フッ素ポリマーの融点が280℃以上である、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の樹脂パウダーの製造方法。
[7] [1]〜[4]のいずれか1つに記載の樹脂パウダーの製造方法によって樹脂パウダーを製造し、得られた樹脂パウダーを基材の表面に塗布して、前記基材の表面に前記フッ素ポリマーを含む層を形成する、塗装物品の製造方法。
[8] 静電塗装法又はロトライニングによって、前記樹脂パウダーを前記基材の表面に塗布する、[7]に記載の塗装物品の製造方法。
[9] [1]〜[4]のいずれか1つに記載の樹脂パウダーの製造方法によって樹脂パウダーを製造し、得られた樹脂パウダーを回転成形する、成形体の製造方法。
[1] 圧縮破壊荷重が1.0N以下であるフッ素ポリマーの造粒物を、前記フッ素ポリマーの補外融解開始温度以上かつ融点以下の温度で熱処理して、前記フッ素ポリマーを含む原料樹脂体を得た後、前記原料樹脂体を粉砕する、樹脂パウダーの製造方法。
[2] 前記原料樹脂体の圧縮破壊荷重が3.0N以上である、[1]に記載の樹脂パウダーの製造方法。
[3] 前記樹脂パウダーの嵩密度が0.50g/mL以上かつ体積基準累積50%径が100〜800μmである、[1]又は[2]に記載の樹脂パウダーの製造方法。
[4] 前記フッ素ポリマーの、372℃、荷重49Nで測定したときの溶融流れ速度が4〜40g/10分である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の樹脂パウダーの製造方法。
[5] 前記フッ素ポリマーが、テトラフルオロエチレンに基づく単位を有する、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の樹脂パウダーの製造方法。
[6] 前記フッ素ポリマーが、テトラフルオロエチレンに基づく単位及びペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位を有し、前記フッ素ポリマーの融点が280℃以上である、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の樹脂パウダーの製造方法。
[7] [1]〜[4]のいずれか1つに記載の樹脂パウダーの製造方法によって樹脂パウダーを製造し、得られた樹脂パウダーを基材の表面に塗布して、前記基材の表面に前記フッ素ポリマーを含む層を形成する、塗装物品の製造方法。
[8] 静電塗装法又はロトライニングによって、前記樹脂パウダーを前記基材の表面に塗布する、[7]に記載の塗装物品の製造方法。
[9] [1]〜[4]のいずれか1つに記載の樹脂パウダーの製造方法によって樹脂パウダーを製造し、得られた樹脂パウダーを回転成形する、成形体の製造方法。
本発明によれば、フッ素ポリマーの造粒物の圧縮破壊荷重が1.0N以下であっても、回転成形性又は粉体塗装性に優れた樹脂パウダーが得られる、樹脂パウダーの製造方法、塗装物品の製造方法及び成形体の製造方法を提供できる。
本発明における以下の用語の定義は、下記のとおりである。
「フッ素ポリマー」は、フッ素原子を含む単位を有するポリマーであって、融点を有するものをいう。
「フッ素ポリマーの造粒物」は、フッ素ポリマーを造粒したものであって、造粒後、当該フッ素ポリマーの補外融解開始温度以上の温度で熱処理したことがないものをいう。
「原料樹脂体」は、フッ素ポリマーの造粒物を当該フッ素ポリマーの補外融解開始温度以上かつ融点以下の温度で熱処理したものであって、粉砕していないものをいう。
「樹脂パウダー」は、原料樹脂体を粉砕したものをいう。
「補外融解開始温度」は、JIS K 7121:2012で規定される、示差走査熱量計(DSC)測定法により測定される、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、融解ピークの低温側の曲線にこう配が最大になる点で引いた接線の交点の温度である。
「圧縮破壊荷重」は、JIS Z 8844:2019の圧縮方法Aに従って測定した圧縮破壊荷重である。
「嵩密度」は、A.B.D.粉体特性測定機(ABD−100型、筒井理化学器械社製)を用い、容量100mLの試料容器を用いて測定した疎充填嵩密度である。100mLの試料容器に、樹脂パウダーを30〜60秒で前記試料容器がいっぱいになるように供給し、試料容器の上端を超えて山になった部分の樹脂粒子をヘラですり切り、試料容器の周りに付着した樹脂パウダーを払い落とし、試料容器の質量を電子天秤にて測定する。試料容器及び樹脂パウダーの合計質量と、樹脂パウダーを供給する前に測定しておいた試料容器の質量から、試料容器内の樹脂パウダーの質量を算出し、その値から疎充填嵩密度(g/mL)を算出する。
「体積基準累積50%径」は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(LA−920堀場製作所社製)を用い、イソプロピルアルコール中に分散させた粒子の粒度分布を体積基準で求め、その粒子の集団の全体積を100%として累積カーブを求めたとき、その累積カーブが50%となる点の粒径である。「体積基準累積50%径」は、「D50」ともいう。
「溶融流れ速度」は、JIS K 7210−1:2014(対応国際規格 ISO 1133−1:2011)の試験方法によって求められるメルトマスフローレート(MFR)である。
「TFE」は、テトラフルオロエチレンを表す。
「PPVE」は、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(CF2=CFOCF2CF2CF3)を表す。
「PFA」は、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーを表す。
「フッ素ポリマー」は、フッ素原子を含む単位を有するポリマーであって、融点を有するものをいう。
「フッ素ポリマーの造粒物」は、フッ素ポリマーを造粒したものであって、造粒後、当該フッ素ポリマーの補外融解開始温度以上の温度で熱処理したことがないものをいう。
「原料樹脂体」は、フッ素ポリマーの造粒物を当該フッ素ポリマーの補外融解開始温度以上かつ融点以下の温度で熱処理したものであって、粉砕していないものをいう。
「樹脂パウダー」は、原料樹脂体を粉砕したものをいう。
「補外融解開始温度」は、JIS K 7121:2012で規定される、示差走査熱量計(DSC)測定法により測定される、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、融解ピークの低温側の曲線にこう配が最大になる点で引いた接線の交点の温度である。
「圧縮破壊荷重」は、JIS Z 8844:2019の圧縮方法Aに従って測定した圧縮破壊荷重である。
「嵩密度」は、A.B.D.粉体特性測定機(ABD−100型、筒井理化学器械社製)を用い、容量100mLの試料容器を用いて測定した疎充填嵩密度である。100mLの試料容器に、樹脂パウダーを30〜60秒で前記試料容器がいっぱいになるように供給し、試料容器の上端を超えて山になった部分の樹脂粒子をヘラですり切り、試料容器の周りに付着した樹脂パウダーを払い落とし、試料容器の質量を電子天秤にて測定する。試料容器及び樹脂パウダーの合計質量と、樹脂パウダーを供給する前に測定しておいた試料容器の質量から、試料容器内の樹脂パウダーの質量を算出し、その値から疎充填嵩密度(g/mL)を算出する。
「体積基準累積50%径」は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(LA−920堀場製作所社製)を用い、イソプロピルアルコール中に分散させた粒子の粒度分布を体積基準で求め、その粒子の集団の全体積を100%として累積カーブを求めたとき、その累積カーブが50%となる点の粒径である。「体積基準累積50%径」は、「D50」ともいう。
「溶融流れ速度」は、JIS K 7210−1:2014(対応国際規格 ISO 1133−1:2011)の試験方法によって求められるメルトマスフローレート(MFR)である。
「TFE」は、テトラフルオロエチレンを表す。
「PPVE」は、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(CF2=CFOCF2CF2CF3)を表す。
「PFA」は、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーを表す。
[樹脂パウダーの製造方法]
本発明の樹脂パウダーの製造方法は、圧縮破壊荷重が1.0N以下であるフッ素ポリマーの造粒物を、前記フッ素ポリマーの補外融解開始温度以上かつ融点以下の温度で熱処理して、前記フッ素ポリマーを含む原料樹脂体を得た後、前記原料樹脂体を粉砕することを特徴とする。
本発明の樹脂パウダーの製造方法は、圧縮破壊荷重が1.0N以下であるフッ素ポリマーの造粒物を、前記フッ素ポリマーの補外融解開始温度以上かつ融点以下の温度で熱処理して、前記フッ素ポリマーを含む原料樹脂体を得た後、前記原料樹脂体を粉砕することを特徴とする。
<フッ素ポリマー、フッ素ポリマーの造粒物>
フッ素ポリマーは、フッ素原子を含む単位を有するポリマーであって、融点を有するものであれば特に限定されない。
前記フッ素ポリマーの具体例は、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン及びエチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマーである。
フッ素ポリマーは、フッ素原子を含む単位を有するポリマーであって、融点を有するものであれば特に限定されない。
前記フッ素ポリマーの具体例は、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン及びエチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマーである。
前記フッ素ポリマーは、カルボニル基、ヒドロキシ基、エポキシ基又はイソシアネート基等の官能基が導入されていてもよい。フッ素ポリマーにこれらの官能基から選択される1種以上が導入されていると、樹脂パウダーを他の樹脂に分散させた際の分散性が向上する。
前記フッ素ポリマーにこれらの官能基を導入する方法としては、例えば、含フッ素モノマーとこれらの官能基を有するモノマーとを共重合する方法、フッ素ポリマーに表面処理剤(金属ナトリウムとナフタレンの錯体を含む溶液)を接触させる方法、フッ素ポリマーをプラズマ処理又はコロナ処理する方法が挙げられる。これらの方法は、いずれも周知技術又は慣用技術であり、例として、国際公開第2019/098202号の[0024]〜[0030]に記載された方法が挙げられる。
前記フッ素ポリマーにこれらの官能基を導入する方法としては、例えば、含フッ素モノマーとこれらの官能基を有するモノマーとを共重合する方法、フッ素ポリマーに表面処理剤(金属ナトリウムとナフタレンの錯体を含む溶液)を接触させる方法、フッ素ポリマーをプラズマ処理又はコロナ処理する方法が挙げられる。これらの方法は、いずれも周知技術又は慣用技術であり、例として、国際公開第2019/098202号の[0024]〜[0030]に記載された方法が挙げられる。
前記フッ素ポリマーとしては、テトラフルオロエチレンに基づく単位を有するものが好ましく、テトラフルオロエチレンに基づく単位及びペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位を有するものがより好ましい。これらのフッ素ポリマーの造粒物は、圧縮破壊荷重が1.0N以下となりやすいことから、本発明の樹脂パウダーの製造方法を採用することによる利益が大きい。
前記ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)の具体例は、CF2=CFOCF3、CF2=CFOCF2CF3、CF2=CFOCF2CF2CF3、CF2=CFOCF2CF2CF3、CF2=CFO(CF2)8である。前記ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)としては、CF2=CFOCF2CF2CF3が好ましい。
ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記フッ素ポリマーの融点は、通常、260℃以上であり、280℃以上が好ましく、295℃以上がより好ましい。また、前記フッ素ポリマーの融点は、320℃以下が好ましく、315℃以下がより好ましく、310℃以下がより好ましい。
前記フッ素ポリマーの融点が280℃以上であると、得られる樹脂パウダーの耐熱性がより優れる。また、前記フッ素ポリマーの融点が320℃以下であると、フッ素ポリマーの熱溶融性が向上する。
前記フッ素ポリマーの融点は、フッ素ポリマーを構成する単位の種類、割合、フッ素ポリマーの分子量等によって調整できる。例えば、テトラフルオロエチレンに基づく単位の割合が多くなるほど、フッ素ポリマーの融点が上昇する傾向がある。
前記フッ素ポリマーの融点が280℃以上であると、得られる樹脂パウダーの耐熱性がより優れる。また、前記フッ素ポリマーの融点が320℃以下であると、フッ素ポリマーの熱溶融性が向上する。
前記フッ素ポリマーの融点は、フッ素ポリマーを構成する単位の種類、割合、フッ素ポリマーの分子量等によって調整できる。例えば、テトラフルオロエチレンに基づく単位の割合が多くなるほど、フッ素ポリマーの融点が上昇する傾向がある。
前記フッ素ポリマーとしては、テトラフルオロエチレンに基づく単位及びペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位を有し、融点が280℃以上であるものが特に好ましい。
前記フッ素ポリマーの溶融流れ温度(MFR)は、372℃、荷重49Nで測定したとき、4g/10分以上が好ましく、5g/10分以上がより好ましく、10g/10分以上がさらに好ましい。また、前記フッ素ポリマーの溶融流れ温度(MFR)は、372℃、荷重49Nで測定したとき、40g/10分以下が好ましく、35g/10分以下がより好ましく、30g/10分以下がさらに好ましい。
前記フッ素ポリマーの溶融流れ温度(MFR)が4g/10分以上であると、フッ素ポリマーの熱溶融性がより向上する。また、前記Mフッ素ポリマーの溶融流れ温度(MFR)が40g/10分以下であると、樹脂パウダーの機械的強度がより高まる。
MFRは、フッ素ポリマーの分子量の目安であり、MFRが大きいと分子量が小さく、MFRが小さいと分子量が大きいことを示す。フッ素ポリマーのMFRは、フッ素ポリマーの製造条件によって調整できる。例えば、モノマーの重合時に重合時間を短縮すると、フッ素ポリマーのMFRが大きくなる傾向がある。
前記フッ素ポリマーの溶融流れ温度(MFR)が4g/10分以上であると、フッ素ポリマーの熱溶融性がより向上する。また、前記Mフッ素ポリマーの溶融流れ温度(MFR)が40g/10分以下であると、樹脂パウダーの機械的強度がより高まる。
MFRは、フッ素ポリマーの分子量の目安であり、MFRが大きいと分子量が小さく、MFRが小さいと分子量が大きいことを示す。フッ素ポリマーのMFRは、フッ素ポリマーの製造条件によって調整できる。例えば、モノマーの重合時に重合時間を短縮すると、フッ素ポリマーのMFRが大きくなる傾向がある。
フッ素ポリマーの造粒物は、前記フッ素ポリマーを造粒したものである。
前記フッ素ポリマーを造粒する時の造粒方法は、特に限定されず、従来公知の造粒方法を用いることができる。前記造粒方法の具体例としては、重合槽内で合成したスラリー状のフッ素ポリマーを、水を仕込んだ造粒槽に投入し、撹拌下に昇温して溶媒を留出除去しながら造粒し、次いで、乾燥することにより、造粒物が得られる。
前記フッ素ポリマーを造粒する時の造粒方法は、特に限定されず、従来公知の造粒方法を用いることができる。前記造粒方法の具体例としては、重合槽内で合成したスラリー状のフッ素ポリマーを、水を仕込んだ造粒槽に投入し、撹拌下に昇温して溶媒を留出除去しながら造粒し、次いで、乾燥することにより、造粒物が得られる。
前記フッ素ポリマーの造粒物の圧縮破壊荷重は、1.0N以下である。また、圧縮破壊荷重は、通常、0N超であり、0.1N以上が好ましい。
前記フッ素ポリマーの造粒物の圧縮破壊荷重が1.0N以下であると、従来の樹脂パウダーの製造方法では、本発明の樹脂パウダーの製造方法で得られるような、嵩密度が高く、かつ、D50が大きな、回転成形及び粉体塗装に好適な樹脂パウダーは得られない。
前記フッ素ポリマーの造粒物の圧縮破壊荷重が1.0N以下であると、従来の樹脂パウダーの製造方法では、本発明の樹脂パウダーの製造方法で得られるような、嵩密度が高く、かつ、D50が大きな、回転成形及び粉体塗装に好適な樹脂パウダーは得られない。
<熱処理、原料樹脂体>
前記フッ素ポリマーの造粒物を、前記フッ素ポリマーの補外融解開始温度以上かつ融点以下の温度で熱処理する。
前記フッ素ポリマーの造粒物を、前記フッ素ポリマーの補外融解開始温度以上かつ融点以下の温度で熱処理する。
熱処理する際の加熱温度は、補外融解開始温度より20℃高い温度以上が好ましく、30℃高い温度以上がより好ましい。
熱処理する際の加熱時間は、処理量、温度および加熱手段によって適宜選択されるが、熱処理手段が直接加熱方式の場合、加熱時間は30分〜5時間が好ましく、1時間〜3時間がより好ましい。中でも、熱風が前記フッ素ポリマーの造粒物の間を通り抜けるような熱風乾燥は、加熱温度が補外融解開始温度に近く、熱処理時間が短くても、効率的に熱処理を行うことが出来る。
間接加熱方式の場合、加熱温度が補外融解開始温度よりも20℃高い温度以上であれば、特定熱処理の時間は1〜20時間が好ましく、3〜10時間が好ましい。間接加熱方式の場合、直接加熱方式よりも熱処理装置のエネルギー消費が少ないという利点がある。
熱処理する際の雰囲気は、大気下でもよく、不活性ガスを用いることもできる。また、真空状態で熱処理することもできる。
熱処理する際の加熱手段は、直接加熱方式、間接加熱方式のどちらも用いることができ、直接加熱方式としては、熱風を介した棚式オーブン(熱風循環式恒温器)や、固相重合装置、流動層乾燥機を用いることができる。
間接加熱方式としては、ジャケットを介したコニカルドライヤー、パドルドライヤー、スチームチューブドライヤー、リボコーン、ナウターミキサーなどを用いることが出来る。また直接加熱方式と間接加熱方式を組み合わせて使用することもできる。
上記の熱風やジャケットを介した加熱以外に赤外線ヒーターなども用いることができる。
熱処理する際の加熱時間は、処理量、温度および加熱手段によって適宜選択されるが、熱処理手段が直接加熱方式の場合、加熱時間は30分〜5時間が好ましく、1時間〜3時間がより好ましい。中でも、熱風が前記フッ素ポリマーの造粒物の間を通り抜けるような熱風乾燥は、加熱温度が補外融解開始温度に近く、熱処理時間が短くても、効率的に熱処理を行うことが出来る。
間接加熱方式の場合、加熱温度が補外融解開始温度よりも20℃高い温度以上であれば、特定熱処理の時間は1〜20時間が好ましく、3〜10時間が好ましい。間接加熱方式の場合、直接加熱方式よりも熱処理装置のエネルギー消費が少ないという利点がある。
熱処理する際の雰囲気は、大気下でもよく、不活性ガスを用いることもできる。また、真空状態で熱処理することもできる。
熱処理する際の加熱手段は、直接加熱方式、間接加熱方式のどちらも用いることができ、直接加熱方式としては、熱風を介した棚式オーブン(熱風循環式恒温器)や、固相重合装置、流動層乾燥機を用いることができる。
間接加熱方式としては、ジャケットを介したコニカルドライヤー、パドルドライヤー、スチームチューブドライヤー、リボコーン、ナウターミキサーなどを用いることが出来る。また直接加熱方式と間接加熱方式を組み合わせて使用することもできる。
上記の熱風やジャケットを介した加熱以外に赤外線ヒーターなども用いることができる。
前記フッ素ポリマーの造粒物を前記条件で熱処理することにより、フッ素ポリマーを含む原料樹脂体が得られる。
前記原料樹脂体の圧縮破壊荷重は、3.0N以上が好ましく、4.0N以上がより好ましく、5.0N以上がさらに好ましい。また、前記原料樹脂体の圧縮破壊荷重は、通常、8.0N以下である。
前記原料樹脂体の圧縮破壊荷重が3.0N以上であると、粉砕によって嵩密度が高く、かつ、D50が大きな、回転成形及び粉体塗装に好適な樹脂パウダーが得られやすい。また、前記原料樹脂体の圧縮破壊荷重が6.0N以下であると、粉砕に支障がなく、樹脂パウダーを容易に製造できる。
前記原料樹脂体の圧縮破壊荷重は、3.0N以上が好ましく、4.0N以上がより好ましく、5.0N以上がさらに好ましい。また、前記原料樹脂体の圧縮破壊荷重は、通常、8.0N以下である。
前記原料樹脂体の圧縮破壊荷重が3.0N以上であると、粉砕によって嵩密度が高く、かつ、D50が大きな、回転成形及び粉体塗装に好適な樹脂パウダーが得られやすい。また、前記原料樹脂体の圧縮破壊荷重が6.0N以下であると、粉砕に支障がなく、樹脂パウダーを容易に製造できる。
<粉砕、樹脂パウダー>
前記フッ素ポリマーの造粒物を前記条件で熱処理することにより得られた原料樹脂体を粉砕する。
前記フッ素ポリマーの造粒物を前記条件で熱処理することにより得られた原料樹脂体を粉砕する。
前記原料樹脂体を粉砕するには、機械的粉砕処理が好ましい。
前記機械的粉砕処理は、前記原料樹脂体に対しては破砕するのに十分な剪断力及び破砕力のうちの少なくとも一方を作用させ得る粉砕機を用いて、原料樹脂体を粉砕する処理である。
粉砕機の例は、ローターミル、ジェットミル、ハンマーミル、ピンミル、ビーズミル及びターボミルであり、これらの中では、ローターミル、ジェットミル、ビーズミル又はピンミルが好ましく、ローターミルがより好ましい。これらの粉砕機によれば、少ない機械的粉砕処理の回数で、目的とする樹脂パウダーを得やすい。結果として、最終的に得られる樹脂パウダーの生産効率がより向上する。
前記機械的粉砕処理は、前記原料樹脂体に対しては破砕するのに十分な剪断力及び破砕力のうちの少なくとも一方を作用させ得る粉砕機を用いて、原料樹脂体を粉砕する処理である。
粉砕機の例は、ローターミル、ジェットミル、ハンマーミル、ピンミル、ビーズミル及びターボミルであり、これらの中では、ローターミル、ジェットミル、ビーズミル又はピンミルが好ましく、ローターミルがより好ましい。これらの粉砕機によれば、少ない機械的粉砕処理の回数で、目的とする樹脂パウダーを得やすい。結果として、最終的に得られる樹脂パウダーの生産効率がより向上する。
前記原料樹脂体を粉砕して得られる樹脂パウダーは、嵩密度が高く、かつ、D50が大きな、回転成形及び粉体塗装に好適な樹脂パウダーである。
前記嵩密度は、0.50g/mL以上が好ましく、0.60g/mL以上がより好ましく、0.70g/mL以上がさらに好ましい。また、前記嵩密度は、通常、0.30g/mL以下である。
前記体積基準累積50%径(D50)は、100μm以上が好ましく、130μm以上がより好ましく、150μm以上がさらに好ましい。また、D50は、800μm以下が好ましい。
前記嵩密度は、0.50g/mL以上が好ましく、0.60g/mL以上がより好ましく、0.70g/mL以上がさらに好ましい。また、前記嵩密度は、通常、0.30g/mL以下である。
前記体積基準累積50%径(D50)は、100μm以上が好ましく、130μm以上がより好ましく、150μm以上がさらに好ましい。また、D50は、800μm以下が好ましい。
[塗装物品の製造方法]
本発明の塗装物品の製造方法は、上述した樹脂パウダーの製造方法によって樹脂パウダーを製造し、得られた樹脂パウダー(以下「本発明の樹脂パウダー」という場合がある。)を基材の表面に塗布して、前記基材の表面に前記フッ素ポリマーを含む層を形成することを特徴とする。
本発明の塗装物品の製造方法は、上述した樹脂パウダーの製造方法によって樹脂パウダーを製造し、得られた樹脂パウダー(以下「本発明の樹脂パウダー」という場合がある。)を基材の表面に塗布して、前記基材の表面に前記フッ素ポリマーを含む層を形成することを特徴とする。
本発明の樹脂パウダーを基材の表面に塗布する方法は、従来公知の粉体塗装方法が好ましい。例を挙げれば、本発明の樹脂パウダーを含む粉体塗料を使用して、静電塗装法、流動浸漬法、又はロトライニングによって塗膜を形成する方法である。粉体塗装方法としては、静電塗装法又はロトライニングが好ましく、ロトライニングがより好ましい。
ロトライニングによる粉体塗装では、塗膜の最大厚みと最小厚みとの差をより小さくできる。塗膜の最大厚みと最小厚みとの差は、1.5mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、0.8mm以下がさらに好ましい。
本発明の樹脂パウダーは、嵩密度が高く、かつ、D50が大きいので、粉体塗装性に優れる。
ロトライニングによる粉体塗装では、塗膜の最大厚みと最小厚みとの差をより小さくできる。塗膜の最大厚みと最小厚みとの差は、1.5mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、0.8mm以下がさらに好ましい。
本発明の樹脂パウダーは、嵩密度が高く、かつ、D50が大きいので、粉体塗装性に優れる。
[成形体の製造方法]
本発明の成形体の製造方法は、上述した樹脂パウダーの製造方法によって樹脂パウダーを製造し、得られた本発明の樹脂パウダーを回転成形することを特徴とする。
本発明の成形体の製造方法は、上述した樹脂パウダーの製造方法によって樹脂パウダーを製造し、得られた本発明の樹脂パウダーを回転成形することを特徴とする。
本発明の樹脂パウダーを回転成形する方法は、従来公知の回転成形方法が好ましい。例を挙げれば、金型内に本発明の樹脂パウダーを投入し、一軸回転又は二軸回転しながら金型を加熱し、原料を金型内面に付着及び溶融させ、冷却し、固化する。フッ素ポリマーの成形体を金型から取りだして使用したり、パイプ等を金型として用いて、内面にフッ素ポリマーの成形体を有するパイプとして使用したりできる。
本発明の樹脂パウダーは、嵩密度が高く、かつ、D50が大きいので、遠心力によって型の内面に付着しやすいので、回転成形性に優れる。
本発明の樹脂パウダーは、嵩密度が高く、かつ、D50が大きいので、遠心力によって型の内面に付着しやすいので、回転成形性に優れる。
以下では、本発明を実施例によってより詳細に説明するが、本発明は後述する実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない限り、種々の変形が可能である。
例1〜4が実施例に相当し、例5が比較例に相当する。
例1〜4が実施例に相当し、例5が比較例に相当する。
[例1]
1.2Lの撹拌機付き圧力容器に、脱塩水の570g、メタノールの65.1g、CHFClCF2CF2Clの325g、PPVEの39.2gを仕込み、50℃の内温で、TFEを圧力が1.35MPaになるまで仕込んだ。次いで、開始剤溶液である(FCF2CF2CF2COO)2の0.09質量%溶液(溶媒:CHFClCF2CF2Cl)の3.8mLを仕込み、重合を開始させた。重合中に開始剤溶液は断続的に仕込み、合計22mLを仕込んだ。重合の進行にともない、圧力が低下するので、圧力が一定になるようにTFEを連続的に後仕込みした。後仕込みのTFE量が161gになったところで内温を室温まで冷却し、未反応TFEを空放し、圧力容器を開放した。圧力容器の内容物をガラスフィルタで濾過してPFAをスラリー状態で得た。この重合を5回行い、得られたスラリーを均一に混合した後、固液分離し、150℃で15時間乾燥して、フッ素ポリマーの造粒物を得た。フッ素ポリマーの造粒物の圧縮破壊荷重は0.6Nであった。含フッ素重合体はTFE/PPVE=98.5/1.5(モル比)、MFRが14.4g/10分であった。
得られたフッ素ポリマーの融点は301℃、補外融解開始温度は239℃であった。
1.2Lの撹拌機付き圧力容器に、脱塩水の570g、メタノールの65.1g、CHFClCF2CF2Clの325g、PPVEの39.2gを仕込み、50℃の内温で、TFEを圧力が1.35MPaになるまで仕込んだ。次いで、開始剤溶液である(FCF2CF2CF2COO)2の0.09質量%溶液(溶媒:CHFClCF2CF2Cl)の3.8mLを仕込み、重合を開始させた。重合中に開始剤溶液は断続的に仕込み、合計22mLを仕込んだ。重合の進行にともない、圧力が低下するので、圧力が一定になるようにTFEを連続的に後仕込みした。後仕込みのTFE量が161gになったところで内温を室温まで冷却し、未反応TFEを空放し、圧力容器を開放した。圧力容器の内容物をガラスフィルタで濾過してPFAをスラリー状態で得た。この重合を5回行い、得られたスラリーを均一に混合した後、固液分離し、150℃で15時間乾燥して、フッ素ポリマーの造粒物を得た。フッ素ポリマーの造粒物の圧縮破壊荷重は0.6Nであった。含フッ素重合体はTFE/PPVE=98.5/1.5(モル比)、MFRが14.4g/10分であった。
得られたフッ素ポリマーの融点は301℃、補外融解開始温度は239℃であった。
得られたフッ素ポリマーの造粒物900gを、株式会社カトー社製小型熱風循環式恒温器(型式TRO−52DPA)で表1に示す温度で1時間加熱した後、常温まで冷却し原料樹脂体の圧縮破壊荷重を測定した。測定結果を表1に示す。
上記造粒物について、ローターミル(フリッチュ社製、ロータースピードミルP−14)を用いて、常温において、回転数1300rpmの条件で粉砕を行った。
得られた樹脂パウダーの疎充填嵩密度とD50を表1に示す。
上記造粒物について、ローターミル(フリッチュ社製、ロータースピードミルP−14)を用いて、常温において、回転数1300rpmの条件で粉砕を行った。
得られた樹脂パウダーの疎充填嵩密度とD50を表1に示す。
[例2〜4]
熱処理の際の温度を表1に示す通り変更した点を除いて、例1と同様にして樹脂パウダーを製造した。
造粒物の圧縮破壊荷重、樹脂パウダーの嵩密度及びD50の測定結果を表1に示す。
熱処理の際の温度を表1に示す通り変更した点を除いて、例1と同様にして樹脂パウダーを製造した。
造粒物の圧縮破壊荷重、樹脂パウダーの嵩密度及びD50の測定結果を表1に示す。
[例5]
熱処理を行わなかった点を除いて、例1と同様にして樹脂パウダーを製造した。
造粒物の圧縮破壊荷重を測定しようとしたところ、崩造粒物がれてしまい測定できなかった。圧縮破壊荷重は1N以下(「≦1」と表記)である。
樹脂パウダーの嵩密度及びD50の測定結果を表1に示す。
熱処理を行わなかった点を除いて、例1と同様にして樹脂パウダーを製造した。
造粒物の圧縮破壊荷重を測定しようとしたところ、崩造粒物がれてしまい測定できなかった。圧縮破壊荷重は1N以下(「≦1」と表記)である。
樹脂パウダーの嵩密度及びD50の測定結果を表1に示す。
本発明の実施例である例1〜4では、嵩密度が高く、D50が大きな樹脂パウダーが得られた。これらの樹脂パウダーは、回転成形性、粉体塗装性に優れる。
本発明の比較例である例5では、造粒物の圧縮破壊荷重が低く、得られた樹脂パウダーは嵩密度が低く、D50も小さいものであった。この樹脂パウダーは、回転成形性、粉体塗装性が良好とはいえない。
本発明の比較例である例5では、造粒物の圧縮破壊荷重が低く、得られた樹脂パウダーは嵩密度が低く、D50も小さいものであった。この樹脂パウダーは、回転成形性、粉体塗装性が良好とはいえない。
表面平滑性はライニング試験を行い評価した。ライニングはロックンロール方式を用いて行った。外径20mmの鋼管に粒子を投入し、直火加熱にてライニングを行った。
得られたライニング層について目視で表面のムラが観察された部分にて、円周上の厚みを1cm間隔で測定し、最小厚みと最大厚みの差を計算した。また、目視でムラが観察されなかった場合は、任意の部分の円周上の厚みを1cm間隔で測定し、最小厚みと最大厚みの差を計算した。
評価した例1〜例4では、塗膜の最大厚みと最小厚みの差が1mm以下であり、例5では1.5mm以上であった。
得られたライニング層について目視で表面のムラが観察された部分にて、円周上の厚みを1cm間隔で測定し、最小厚みと最大厚みの差を計算した。また、目視でムラが観察されなかった場合は、任意の部分の円周上の厚みを1cm間隔で測定し、最小厚みと最大厚みの差を計算した。
評価した例1〜例4では、塗膜の最大厚みと最小厚みの差が1mm以下であり、例5では1.5mm以上であった。
本発明の樹脂パウダーの製造方法によって製造した樹脂パウダーは、塗装物品の製造、成形体の製造に好適に用いることができる。
Claims (9)
- 圧縮破壊荷重が1.0N以下であるフッ素ポリマーの造粒物を、前記フッ素ポリマーの補外融解開始温度以上かつ融点以下の温度で熱処理して、前記フッ素ポリマーを含む原料樹脂体を得た後、前記原料樹脂体を粉砕する、樹脂パウダーの製造方法。
- 前記原料樹脂体の圧縮破壊荷重が3.0N以上である、請求項1に記載の樹脂パウダーの製造方法。
- 前記樹脂パウダーの嵩密度が0.50g/mL以上かつ体積基準累積50%径が100〜800μmである、請求項1又は2に記載の樹脂パウダーの製造方法。
- 前記フッ素ポリマーの、372℃、荷重49Nで測定したときの溶融流れ速度が4〜40g/10分である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂パウダーの製造方法。
- 前記フッ素ポリマーが、テトラフルオロエチレンに基づく単位を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂パウダーの製造方法。
- 前記フッ素ポリマーが、テトラフルオロエチレンに基づく単位及びペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位を有し、前記フッ素ポリマーの融点が280℃以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂パウダーの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂パウダーの製造方法によって樹脂パウダーを製造し、得られた樹脂パウダーを基材の表面に塗布して、前記基材の表面に前記フッ素ポリマーを含む層を形成する、塗装物品の製造方法。
- 静電塗装法又はロトライニングによって、前記樹脂パウダーを前記基材の表面に塗布する、請求項7に記載の塗装物品の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂パウダーの製造方法によって樹脂パウダーを製造し、得られた樹脂パウダーを回転成形する、成形体の製造方法。
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JP2019178579A JP2021054928A (ja) | 2019-09-30 | 2019-09-30 | 樹脂パウダーの製造方法、塗装物品の製造方法及び成形体の製造方法 |
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