JPH0764527B2 - 炭素質プレカーサーの製造方法 - Google Patents

炭素質プレカーサーの製造方法

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JPH0764527B2
JPH0764527B2 JP2090179A JP9017990A JPH0764527B2 JP H0764527 B2 JPH0764527 B2 JP H0764527B2 JP 2090179 A JP2090179 A JP 2090179A JP 9017990 A JP9017990 A JP 9017990A JP H0764527 B2 JPH0764527 B2 JP H0764527B2
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政文 折田
修一 大窪
幸一郎 向井
研一 藤本
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、るつぼ等のシリコン単結晶引き上げ装置用部
材、放電加工用電極、半導体製造用治具、メカニカルシ
ール軸受等の機械用カーボン、原子炉用カーボン及び医
療用カーボン等の用途に適する高密度黒鉛材用炭素質プ
レカーサーを製造する方法に関するものである。
従来の技術 従来、高密度黒鉛材の製造は、コークスや黒鉛等の骨材
とピッチやフェノール樹脂等のバインダーと混練物を原
料とし、粉砕、成型を経て炭化した後に、ピッチ類を含
浸し、再炭化を繰り返し黒鉛化している。近年、これら
の従来法に対し、バインダーの混練、ピッチ含浸、再炭
化に至る一連の工程を省略することのできる炭素質プレ
カーサーの製造方法が試みられている。
例えば、(1)特開昭59−207822号公報においては、コ
ールタールに濃硝酸等のニトロ化剤を添加した後、減圧
下、400〜530℃で熱処理を行ない炭素質プレカーサーを
製造する方法、(2)特開昭63−242911号公報において
は、コールタール等の重質油に炭素粉及びニトロ化剤と
を混合した後、減圧下、300〜500℃で熱処理を行ない炭
素質プレカーサーを製造する方法等が提案されている。
これらの方法で得られる高密度黒鉛材は、いずれもバイ
ンダーを加えずに成型、炭化、黒鉛化を行い高密度黒鉛
材を製造できる点で優れているが、例えば前記(1)、
(2)の方法では、炭素質プレカーサーの製造に際して
疎水性のピッチ類にニトロ化剤として希硝酸や濃硝酸等
の水溶液を添加するために二相に分離し、均一分散が困
難となる等、ハンドリングの面で問題点がある。
発明が解決しようとする課題 そこで、本発明ではこれらの問題点を解決するために、
添加剤としてピッチとの相溶性を有する芳香族化合物を
用いることによって、品質が安定で、かつ高強度で電気
伝導性に優れ、より広い範囲の用途に適用できる炭素質
プレカーサーの製造方法を提供することを主目的とす
る。
さらには、本発明はプレカーサー収率の向上とその光学
的組織の微細化をも意図したものである。
課題を解決するための手段 すなわち、本発明は、コールタール等の重質油100重量
部に、重質油との相溶性を有する芳香族化合物からなる
ニトロ基含有炭素化助剤(以下、単に炭素化助剤と記
す)を1〜45重量部混合し、この混合物を不活性ガス雰
囲気下で400〜540℃に加熱処理することを特徴とする高
密度黒鉛材用プレカーサーの製造方法である。
本発明者等は、各種の高密度黒鉛材の作り分け技術を確
立するために、重質油の熱処理の研究を鋭意行なってき
た。その結果、コールタール等の重質油にジニトナフタ
リン等の炭素化助剤を添加すると、ピッチとの相溶性に
優れているために、容易に均一分散でき、かつ、加熱処
理することによって、均質な組織の炭素質プレカーサー
が得られることが分かった。
以下、本発明をさらに詳述する。
本発明における原料となる重質油とは、石炭から誘導さ
れる石炭分解抽出物やタールピッチ及び原油熱分解で生
成する重質油、エチレンボトム油、あるいはこれらを分
解重合した重質油等であり、これらを用いることができ
る。
次に、炭素化助剤とは、原料となる重質油との相溶性に
優れ、しかも、少量添加する事によって、加熱重合時の
重質油のラジカル反応性を著しく向上させられる様な芳
香族化合物のことである。
炭素化助剤は、その分解温度以下で重質油と反応する。
また、分解温度近傍において炭素化助剤の官能基が遊離
し、それに伴って急激にラジカルを発生するために、重
質油中の多環芳香族化合物の重縮合反応が促進される。
しかも、炭素化助剤の分解は重質油の重縮合反応温度よ
り低温側で起こるために、結果としてプレカーサーの高
生成収率が期待できる。
また、重質油の重縮合反応に伴うメソフェースの合体、
成長はラジカルの発生、失活に大きく左右される、そこ
で、活性種の半減期が比較的短いラジカル反応において
は、急激にメソフェースが発生しても、十分な合体成長
反応が起こりにくいためにプレカーサー組織の微細化も
可能となる。
本発明において添加する炭素化助剤としては、芳香族化
合物にニトロ基を導入したジニトロナフタリン、ジニト
ロベンゼン、ニトロベンゼン、及びそれらの誘導体、あ
るいは前述の化合物の混合物を挙げることができる。
ここで言う重質油との相溶性とは、原料となる重質油と
均一に混合し、混練可能となる状態を指すものである。
炭素化助剤の添加量は、重質油100重量部に対して、1
〜45重量部、好ましくは5〜25重量部、より好ましくは
10〜25重量部である。
炭素化助剤の添加量が45重量部を越えると、得られたプ
レカーサーを黒鉛化した際に難黒鉛化性となり、黒鉛材
としたときに電気伝導性の良好なものが得られ難くなり
好ましくない。また、炭素化助剤を多量に添加すると経
済的にも不利になる。
一方、1重量部未満では添加効果が認められない。重質
油100重量部に、炭素化助剤を1〜45重量部添加し、撹
拌、混合後、不活性雰囲気下で400〜540℃の反応温度
で、1〜10時間の反応を行なうことで、本発明の炭素質
プレカーサーを製造することができる。
反応温度が、400℃未満であると、反応が非常に遅く、
かつ炭素化助剤が重合促進剤としての機能を充分に果た
さないため実質上添加効果が期待できず、540℃を越え
ると、プレカーサーの炭素化反応が過度に進み、プレカ
ーサー自体の接着成分量が低下する。
不活性雰囲気下で反応を行なうのは、重質油等の原料の
酸化を防ぐためであり、雰囲気ガスとしては窒素、アル
ゴン等を用いることができる。
反応温度及び反応時間の組合せは、炭素化助剤の種類及
び添加量にもよるが、例えばコールタールピッチ100重
量部に対して、ジニトロナフタリンを11重量部添加した
場合には、400℃以上460℃以下の反応温度では、コーク
ス化させるために5〜10時間、460℃以上540℃以下の反
応温度では、1〜5時間程度を目安にすればよい。
本発明の方法によって得られる炭素質プレカーサーは、
ピッチ類やフェノール樹脂等のバインダー成分を使用す
ることなく成型が可能である。また、成型方法も通常の
型込めプレス或はラバープレス等のいずれも採用でき、
炭化及び黒鉛化前の成型体はハンドリングに充分耐える
強度を有している。そして、成型体は常法通りに不活性
ガス或は粉コークス中で加熱することにより炭化、さら
に黒鉛化して黒鉛材とすることができる。
実施例 実施例1〜5 コールタールピッチに表1に示す種々の炭素化助剤を添
加した後、表1の条件で熱処理し、炭素質プレカーサー
を得た。また、この炭素質プレカーサーの原料のコール
タールピッチに対する収率を表1に示した。
なお、表1中に示されるコークス組織の単位寸法は、光
学的異方性組織を有するプレカーサーの反射率をデジタ
ル化し、疑似粒子に置き変えることによって求めた。
この炭素質プレカーサーを平均粒径11μmに粉砕し、金
型で直径50mm、高さ45mmの円柱状の一次成型後、2.0t/c
m2の圧力で水圧等方加圧成型を行った。
次いで、この成型体を粉コークスを詰めた容器内でアル
ゴン雰囲気中で1100℃まで加熱して炭化し、さらに黒鉛
化炉でアルゴン気流中で2800℃にて黒鉛化を行った。得
られた黒鉛材の物性を表2に示す。
比較例1〜3 コールタールピッチ単味、及びコールトールピッチに黒
鉛粉、ジニトロナフタリンを各々添加した後、表1の条
件で熱処理し、炭素質プレカーサーを得た。また、この
炭素質プレカーサーのコールタールピッチに対する収率
も併せて表1に示した。
この炭素質プレカーサーを実施例と同一条件で、粉砕、
成型、炭化、黒鉛化した時に得られた黒鉛材の物性を表
2に示す。
実施例1〜5と比較例1との比較から、炭素化助剤とし
て様々な官能基の導入された芳香族化合物を用いること
によって、組織サイズの小さな炭素質プレカーサーが収
率よく得られることが分かる。
さらに、これらの炭素質プレカーサーを粉砕、成型、炭
化、黒鉛化することによって、比較例より機械特性及び
電気特性の優れた黒鉛材の得られることも分かる。
実施例1〜5と比較例2との比較から、炭素化助剤とし
て黒鉛粉を添加しても、組織サイズの小さな炭素質プレ
カーサーは得られるが、本発明の炭素化助剤を用いた方
が収率の面で優れていることが分かる。
さらに、これらの炭素質プレカーサーを粉砕、成型、炭
化、黒鉛化することによって、比較例より機械特性及び
電気特性の優れた黒鉛材の得られることも分かる 実施例1〜3と比較例3の比較から、炭素化助剤の添加
量の増加に伴って、炭素質プレカーサーの組織サイズが
微細化し、かつ、収率の向上することが分かる。しか
し、炭素化助剤の添加量にも最適値があり、添加量が多
すぎると炭化時に収縮割れを生じ、高品位の黒鉛材が得
られないことも分かる。
発明の効果 本発明によれば、コールタール等の重質油に炭素化助剤
を添加して熱処理することによって、容易に高収率、高
品質で広い範囲の炭素材用途に適応し得る炭素質プレカ
ーサーを提供することができる。
また、本発明の方法によって得られる炭素質プレカーサ
ーを用いることによって品質が安定で、かつ高密度、高
強度で電気伝導性に優れた黒鉛材を製造することができ
る。
フロントページの続き (72)発明者 向井 幸一郎 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式會社第1技術研究所内 (72)発明者 藤本 研一 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式會社第1技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−283187(JP,A) 特開 昭63−15885(JP,A) 特開 昭63−135487(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重質油100重量部に、重質油との相溶性を
    有する芳香族化合物からなるニトロ基含有炭素化助剤を
    1〜45重量部混合し、この混合物を常圧、不活性ガス雰
    囲気下で400〜540℃にて熱処理することを特徴とする炭
    素質プレカーサーの製造方法。
JP2090179A 1990-04-06 1990-04-06 炭素質プレカーサーの製造方法 Expired - Lifetime JPH0764527B2 (ja)

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