JPH0763791B2 - クラッチディスク芯板の製造方法 - Google Patents

クラッチディスク芯板の製造方法

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JPH0763791B2
JPH0763791B2 JP2276640A JP27664090A JPH0763791B2 JP H0763791 B2 JPH0763791 B2 JP H0763791B2 JP 2276640 A JP2276640 A JP 2276640A JP 27664090 A JP27664090 A JP 27664090A JP H0763791 B2 JPH0763791 B2 JP H0763791B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、多板クラッチのクラッチディスクに用いら
れる金属製のクラッチディスク芯板の製造方法に関す
る。
従来の技術及び課題 クラッチディスク(1)は、第7図に示されるように、
薄肉環状の金属製芯板(2)の両面に、摩擦係数の大き
い摩擦材(3)を固着して構成されたもので、この芯板
(2)の外周側の周縁部にはその周方向に間隔的に複数
個、肉厚を大とした耳部(2a)…が一体に形成されたも
のとなされている。
従来、かかるクラッチディスク芯板(2)は最も一般的
にはダイカスト法によって製造されていた。
しかしながら、ダイカスト法による場合は、製品の肉厚
が薄いことにより成形材料の湯まわりが悪くなる傾向が
あるので、これを良くするため、湯溜り等、製品形状と
は関係のない空間部を金型に多く設定する必要があり、
そのため鋳造後に製品から多くの不要部分を除去するこ
とが行われ、材料に多くの無駄を生じて、製造歩溜りが
悪いという欠点があった。
また、クラッチディスク芯板(2)は、その外周縁部に
肉厚を大とした耳部(2a)…を一体に有するものである
ため、ダイカスト用の金型形状も複雑になり、製造コス
トの上昇を招くものであった。
また、ダイカスト法は、その実施に手間がかかり、生産
性の面で、必ずしも万全の方法とはいえないものであっ
た。
この発明は、上記のような従来の欠点を解消し、クラッ
チディスク芯板を歩留り良く製造することができると共
に、コスト的に有利にかつ生産性良く製造することがで
きる、クラッチディスク芯板の製造方法を提供すること
を目的とする。
課題を解決するための手段 上記目的において、この発明は、一側縁部に耳用厚肉部
を有する金属製帯板状材料を押出加工により形成し、次
いで、この帯板状材料を、その耳用厚肉部側を外周側と
するように幅方向に曲げ加工を施していくことによっ
て、螺旋状に成形し、次いで、これを周回単位に切断し
て端部突合わせ状の環状曲げ成形品にし、次いで、該成
形品の端部同士を接合し、 前記金属製帯板状材料、螺旋状曲げ成形品、環状曲げ成
形品及び端部接合品のいずれかの耳用厚肉部に対しその
長手方向に間隔的に切欠き加工を施して厚肉耳部を形成
することを特徴とするクラッチディスク芯板の製造方法
を要旨とする。
実施例 以下に、本発明方法の実施例を説明する。
製造対象は、第7図に示されるようなクラッチディスク
(1)の構成部品である芯板(2)である。
芯板(2)の製造に用いる材料(4)は、第1図に示さ
れるように、一側縁部に耳用厚肉部(4a)を有する帯板
状のAl合金製押出型材による。まず、この材料(2)を
押出加工により一体成形する。
次いで、この帯板状材料(4)を用い、これを、第3図
に示されるように、耳用厚肉部(4a)側を外周側とした
所定曲率半径の螺旋状曲げ成形品(8)に曲げ加工す
る。
この曲げ加工はいわゆる圧縮曲げによって行うのが好ま
しい。この圧縮曲げを実施するため、本実施例では、マ
ルチベンダーと称される形式の3次元曲げ加工機を用い
る。
この曲げ加工機は、一般に、第2図に示されるように、
ワークの外周形状に沿う導通孔(5a)を有する固定金型
(5)と、該固定金型(5)の前方に配置され、同じく
ワーク導通孔(6a)を有し、かつ三次元方向に転向及び
変位可能に指示された可動ジャイロ金型(6)と、前記
固定金型(5)の後方位置に配置された駆動ローラー装
置等によるワークフィーダー(7)とによるもので、フ
ィーダー(7)による両金型導通孔(5a)(6a)へのワ
ークの導通と、可動ジャイロ金型(6)の動作との協働
作用によりワークに圧縮曲げを施すものとなされてい
る。
即ち、上記帯板状材料(4)は、この曲げ加工機を用
い、これをフィーダー(7)にて両金型(5)(6)の
導通孔(5a)(6a)に導通移送せしめつつ、可動ジャイ
ロ金型(6)を所定の変位、転向位置に位置保持するこ
とにより、第3図に示されるような螺旋状曲げ成形品
(8)に曲げ成形される。
そして次に、この螺旋状曲げ成形品(8)を周回単位に
切断し、それにより第4図に示されるような端部突合わ
せ状の環状曲げ成形品(9)を製作する。
続いて、この環状曲げ成形品(9)の端部(9a)(9a)
同士を、第5図に符号(10a)で示されるように接合し
端部接合品(10)を製作する。この接合は、アプセット
バット溶接や、機械かしめ、圧接等の各種接合方法によ
り行えばよい。
しかるのち、該端部接合品(10)の周縁の耳用厚肉部
(4a)に切欠加工を施して、第6図に示されるような周
端厚肉耳部(2a)を形成する。
以上の工程を経て、クラッチディスク芯板(2)が製作
される。なお、この芯板(2)の両面に摩擦係数の大き
い摩擦材(3)を固着することにより、第7図のクラッ
チディスク(1)が得られる。
なお、耳用厚肉部(4a)の切欠加工は、帯板状材料
(4)、螺旋状曲げ成形品(8)あるいは環状曲げ成形
品(9)に対して行うようにしてもよい。
また、上記実施例方法では、帯板状材料(4)を螺旋状
曲げ成形品(8)に加工し、これを周回単位に切断して
環状曲げ成形品(9)を製作するものとなされている
が、帯板状材料(4)が曲げ加工により周回されるごと
に切断を行って環状曲げ成形品(9)を製作するように
してもよい。
発明の効果 上述の次第で、本発明の金属製クラッチディンク芯板の
製造方法は、金属製帯板状材料を、その幅方向に曲げ加
工を施していくことによって螺旋状に成形し、次いで、
これを周回単位に切断して端部突合わせ状の環状曲げ成
形品にし、次いで、該成形品の端部同士を接合するもの
であるから、ダイカスト法などによる場合に比べて、ク
ラッチディスク芯板を歩留り良く製造することができ
る。
加えて、一側縁部に耳用厚肉部を有する金属製帯板状材
料を用い、該耳用厚肉部に対し、その長手方向に間隔的
に切欠き加工を施すというようにして、芯板の厚肉耳部
を形成するものとしているから、芯板の厚肉耳部を、非
常に容易に、生産性良く、コスト的に安く形成すること
ができる。しかも、このような一側縁部に耳用厚肉部を
有する金属製帯板状材料を押出加工により製作するもの
としているから、耳用厚肉部を有する金属製帯板状材料
を、極めて容易に、かつ生産性良く、しかもコスト的に
非常に有利に製作することができる。従って、外周縁部
に周方向間隔的に厚肉耳部を有するクラッチディスク芯
板を、全体として、極めて容易に、かつ生産性良く、し
かもコスト的に非常に有利に、製造することができる。
また、鋳造によらないので、工場の作業環境の改善に寄
与し、また総合的な生産エネルギーの節約をも図りえて
製品のコストダウンが可能である。また、原材料の変更
も容易で、工程の自動化も図りやすいというメリットも
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第7図は本発明方法の実施例を示すもの
で、第1図は金属製帯板状材料の斜視図、第2図は帯板
状材料の曲げ加工に使用される加工機の斜視図、第3図
は螺旋状成形品の斜視図、第4図は環状切断品の斜視
図、第5図は端部接合品の斜視図、第6図はクラッチデ
ィスク芯板の斜視図、第7図はクラッチディスクの斜視
図である。 (1)……クラッチディスク、(2)……クラッチディ
スク芯板、(4)……金属製帯板状長尺材料、(9)…
…環状曲げ成形品、(10)……端部接合品。
フロントページの続き (72)発明者 稲垣 剛史 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 下位 広次 静岡県引佐郡細江町中川7000番地の46 株 式会社エフ・シー・シー技術研究所内 (72)発明者 潮田 俊太 大阪府堺市海山町6丁224番地 昭和アル ミニウム株式会社内 (72)発明者 横山 政雄 大阪府堺市海山町6丁224番地 昭和アル ミニウム株式会社内 (72)発明者 鈴木 義夫 大阪府堺市海山町6丁224番地 昭和アル ミニウム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−10380(JP,A) 特開 昭52−29464(JP,A) 特開 昭49−15673(JP,A) 実開 昭59−118812(JP,U)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一側縁部に耳用厚肉部を有する金属帯板状
    材料を押出加工により形成し、次いで、この帯板状材料
    を、その耳用厚肉部側を外周側とするように幅方向に曲
    げ加工を施していくことによって、螺旋状に成形し、次
    いで、これを周回単位に切断して端部突合わせ状の環状
    曲げ成形品にし、次いで、該成形品の端部同士を接合
    し、 前記金属製帯板状材料、螺旋状曲げ成形品、環状曲げ成
    形品及び端部接合品のいずれかの耳用厚肉部に対しその
    長手方向に間隔的に切欠き加工を施して厚肉耳部を形成
    することを特徴とするクラッチディスク芯板の製造方
    法。
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