JPH0762305B2 - いせ込み可能な不織布芯地及びその製法 - Google Patents

いせ込み可能な不織布芯地及びその製法

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JPH0762305B2
JPH0762305B2 JP60094065A JP9406585A JPH0762305B2 JP H0762305 B2 JPH0762305 B2 JP H0762305B2 JP 60094065 A JP60094065 A JP 60094065A JP 9406585 A JP9406585 A JP 9406585A JP H0762305 B2 JPH0762305 B2 JP H0762305B2
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    • A41WEARING APPAREL
    • A41DOUTERWEAR; PROTECTIVE GARMENTS; ACCESSORIES
    • A41D27/00Details of garments or of their making
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    • A41D27/06Stiffening-pieces

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  • Textile Engineering (AREA)
  • Details Of Garments (AREA)
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  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は衣服などに使用するいせ込み性に優れた不織布
芯地とその製造方法に関する。
(従来技術) 一般に不織布芯地は織物芯地などに比べて、保形性に優
れる、切断面のほつれがないなどの種ヾの利点を有する
が、いせ込みなどの成形性は織物芯地に比べて劣ってい
る。これは不織布芯地と織物芯地の構造的な差から生じ
る問題で、不織布芯地では繊維の交点が接着剤や接着繊
維により結合されているか、もしくは繊維が高度に絡合
されているため、保形性には優れているのであるが、繊
維の動ける範囲が小さくて成形性に欠けるのである。一
方、織物芯地では糸の交点で結合されていないため、織
物のバイヤス性を利用して糸を動かすことにより容易に
いせ込みなどの成形が可能であるが、保形性に乏しく型
くずれしやすい。
この保型性と成形性の相反する性質を両立させるため、
従来種ヾの検討がなされてきており、例えば、熱接着性
繊維を含むウエブを部分的に熱融着した不織布からなる
芯地(以下「部分熱融着芯地」という)や熱収縮性繊維
を含む不織布からなる芯地(以下「熱収縮性芯地」とい
う)が提案されている。
部分熱融着芯地は、融着部間の繊維を固定していないの
で繊維の自由度は従来の不織布より高くなっているが、
結局、融着部で繊維の動きが制限されるので、充分ない
せ込み性が得られない。また繊維の自由度をあげるため
融着部をあまり減少させると芯地自身の耐性や保形性ま
でが損なわれる。一方、熱収縮性芯地は、いせ込む部分
の繊維を収縮させることで、いせ込みを容易にすること
ができるが芯地を衣服に用いる場合には、このいせ込み
時以外にも表地との接着プレスや仕上げプレスなど加熱
加圧のかかる工程がありそれらの工程において芯地を構
成する繊維が熱収縮するので、芯地の寸法安定性の点か
ら実用上の問題がある。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は上記従来技術の欠点を解消すべくなされたもの
で、不織布芯地の保形性、耐性、寸法安定性などを損わ
ずに、いせ込みなどの成形性に優れた芯地を得ることを
目的とする。
(問題点を解決するための手段及び作用) 本発明は不織布を伸張することによって形成された細長
い小孔が分布し、かつ該小孔周辺部の繊維が相互に熱接
着してなる孔あき不織布からなり、該不織布を構成する
繊維がアイロン処理により熱セツトできる熱可塑性繊維
であることを特徴とするいせ込み可能な不織布芯地であ
る。
すなわち、本発明の不織布芯地は不織布を伸張すること
によって形成された小孔の存在によりいせ込みなどの成
形により生じる布の歪みを吸収、又は緩和し、その状態
で熱セットすることで繊維を固定できるので、成形性と
保形性を同時に満足することができ、更には小孔周辺部
の繊維が相互に熱接着されているので十分な耐性が得ら
れるのである。
本発明の不織布芯地に設ける小孔の形状は布をいせ込む
方向を横方向とするならば、縦方向の長さが横方向の長
さより長いような細長い形状のものであり、この様な形
状にすれば、いせ込みの際に生じる歪みを小孔で吸収す
るのに抵抗となる横方向の辺の長さが短くなるのでよ
い。上記小孔の形状としては、例えば縦長の四角形、楕
円形、レンズ形などが適している。また、この小孔の分
布は、横方向に平行な直線上に少なくとも1つの小孔が
存在する様な分布とするのがよい。言いかえると、この
様な分布にすれば、布地が横方向の直線上に連続した状
態で存在することはなくなるので、いせ込んだ際に生じ
る布地の横方向の歪みは必らずいずれかの小孔で吸収さ
れることになる。
上記小孔を形成している小孔周辺部の繊維は相互に熱接
着されていることが必要で、不織布芯地の強度はこの部
分によって得られる。これに対して、小孔周辺部以外の
繊維は実質的に接着されていない方が、成形の際に繊維
の融通性があり、風合もソフトになるので好ましい。
この小孔の面積が芯地の面積に占める割合は、いせ込み
量に応じて大きく変化するが、大略5〜50%であること
が望ましい。これは5%未満ではいせ込みを行うのに十
分な歪みの吸収が行えないので、シワや凹凸が出やす
く、また、強度面からみても5%未満では熱融着した部
分が少なすぎるため十分な強度が得られず、逆に50%を
超えると空隙が多くなりすぎて、構造的に強度が低下す
るからである。
本発明の不織布芯地を構成する繊維はアイロン処理によ
り熱セツト可能な熱可塑性繊維である必要がある。これ
は、上記小孔によりいせ込みなどの成形による歪みを吸
収もしくは緩和できるとはいえ、外力を取り去れば、不
織布芯地はもとの形状に復元しようとするので、いせ込
んだ状態で加熱加圧して繊維を再固定し、保形性を持た
せなければならないからである。このいせ込み状態で加
熱加圧するのは一般にアイロンなどで行なわれるので、
使用する繊維はアイロン処理で熱セツトできる熱可塑性
繊維に限定されるわけである。ここでいうアイロン処理
とは乾熱または湿熱下の温度100〜180℃の条件で20〜15
0g/cm2程度の押圧で行われることが望ましく、故に、使
用する熱可塑性繊維もこの条件で熱セツトできるものが
よい。この不織布芯地を構成する繊維としてとくに望ま
しい繊維はアクリル繊維である。これはアクリル繊維が
上記のアイロン処理温度100〜180℃においてわずかな応
力で非常に変形しやすいからであり、この事はアクリル
繊維のヤング率が20℃で501Kg/mm2であるのに、100℃で
は195Kg/mm2、150℃では25Kg/mm2と急激に低下すること
からもわかる。言い換えると、アクリル繊維は上記温度
範囲での成形性が高いので、本発明の不織布芯地に利用
した場合、小孔で吸収、緩和しきれない歪みがあっても
繊維の成形性により解消することができるのである。従
って、本発明の不織布芯地にアクリル繊維を用いると非
常に良い仕上りのいせ込みを行うことができ、美しいシ
ルエットの衣服を作成できるのである。
次に本発明の不織布芯地の製法について述べると、本発
明の不織布芯地は、単繊維強度1・0〜4・0g/dの熱可
塑性繊維からなるウエブを、線状凸部の分布したパター
ンを有するエンボスロールで加熱加圧処理して、該ウエ
ブに線状小孔を形成すると同時に、該小孔周辺部の繊維
を相互に熱接着させて孔あき不織布を形成し、次いで該
不織布をいせ込み率に応じて伸張し、熱セツトすること
により製造される。
この製法で使用する繊維は上述のアイロン処理により熱
セツトできる熱可塑性繊維であることに加えて、単繊維
強度が1.0〜4.0g/dのものでなければならない。これは
加熱加圧処理の条件を孔周辺部以外の繊維が劣化を受け
ない様な範囲で孔あき不織布を形成するためで、単繊維
強度4.0g/dを越える繊維を使用すると、下記の様な加熱
加圧処理の条件で、ロール間に働く剪断力では繊維がう
まく切断できず、逆に単繊維強度が1.0g/d未満であると
得られる不織布の強度が弱く、耐摩耗性に問題が生じ
る。好ましい繊維の単繊維強度は2.0〜3.0g/dである。
上記繊維を公知の乾式法または湿式法によりウエブ形成
し、これを線状凸部の分布したパターンを有するエンボ
スロールとフラットロールからなる一対のロールで加熱
加圧処理する。このときの加熱加圧条件は、孔周辺部以
外の繊維を劣化させない様に温度180〜210℃、線圧10〜
100Kg/cmの範囲がよい。
この処理によりウエブには線状小孔が形成され、同時に
小孔周辺部の繊維が相互に熱接着して孔あき不織布が形
成される。次いでこの不織布をいせ込み率に応じて伸張
し、熱セツトすれば本発明の不織布芯地が得られる。こ
こでいせ込み率とは、いせ込みした辺の長さをL1、いせ
込み前のその辺の長さをL0としたとき、 で示される。そして、いせ込み率に応じて伸張すると
は、このいせ込み率以上の伸張率で基布を伸張すること
を示す。
上述の様に線状小孔を形成した孔あき不織布をいせ込み
率に応じて伸張する方法をとると、以下に示す3つの利
点が得られる。その第1点は打ち抜く孔が線状であるの
で、切り抜き片がほとんど出ず、連続生産を行い易い
点、第2点はとくに接着芯地として用いる場合、線状小
孔を形成した時点で接着樹脂を付与すれば、接着樹脂が
孔を通ってロールに付着するなどといった障害を生じな
い点、第3点はいせ込み率に応じて伸張できるので、い
せ込み率に合わせたエンボスロールを多数本用意する必
要がなく、簡便に多種のいせ込み率に応じた芯地が得ら
れる点である。
(実施例) 単繊維強度2.8g/dのアクリル繊維からなる目付100g/m2
のウエブを、線状凸部が分布したパターンを有するエン
ボスロールにより、温度195℃線圧50Kg/cmの条件で加熱
加圧処理する。これにより、ウエブに線状小孔が形成さ
れると同時に、小孔周辺部が熱接着されて、孔あき不織
布が形成される。この孔あき不織布を上記線状小孔の長
手方向と略直交する方向に30%伸張し温度150℃下で熱
セツトする。得られた不織布芯地は、小孔面積の不織布
芯地に占める割合が23%で、いせ込み率23%のいせ込み
が可能なものであった。
この不織布芯地を衿芯に用いた場合、小孔の存在によ
り、衿の内回りは容易に縮めることができ、外回りは延
ばすことができるのでアイロン処理により簡単に美しい
ラインを形成するようにいせ込むことができた。また、
いせ込み後は、型くずれなども生じず、保形性にも優れ
ていた。
(発明の効果) 以上に示すように本発明の不織布芯地は不織布を伸張す
ることによって形成された小孔が分布することにより、
いせ込みなどの成形による布の歪みを緩和、吸収するこ
とができ、かついせ込んだ状態でアイロン処理などによ
り熱セツトして繊維を固定することができるので、成形
性と保形性を同時に満足することができる。また小孔周
辺部の繊維が熱接着されていることから、ソフトな風合
が保てるにもかかわらず、芯地として十分な強度と耐性
を保持している。従って本発明の不織布芯地はいせ込み
などの成形を必要とする衿芯胸増芯、前身頃芯、ヘム芯
などに用いるのに極めて有用なものである。
また、本発明の不織布芯地の製法は、連続生産が可能
で、種ヾのいせ込み率に応じた芯地が簡便に得られる優
れた製法である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不織布を伸張することによって形成された
    細長い小孔が分布し、かつ該小孔周辺部の繊維が相互に
    熱接着してなる孔あき不織布からなり、該不織布を構成
    する繊維がアイロン処理により熱セットできる熱可塑性
    繊維であることを特徴とするいせ込み可能な不織布芯
    地。
  2. 【請求項2】小孔が芯地の横方向の直線上に少なくとも
    1つは存在するように分布してなる特許請求の範囲第1
    項記載のいせ込み可能な不織布芯地。
  3. 【請求項3】不織布を構成する繊維がアクリル繊維であ
    る特許請求の範囲第1項または第2項記載のいせ込み可
    能な不織布芯地。
  4. 【請求項4】単繊維強度1.0〜4.0g/dの熱可塑性繊維か
    らなるウェブを、線状凸部の分布したパターンを有する
    エンボスロールで加熱加圧処理して、該ウェブに線状小
    孔を形成すると同時に該小孔周辺部の繊維を相互に熱接
    着させて孔あき不織布を形成し、次いで該不織布をいせ
    込み率に応じて伸張し、熱セットすることを特徴とする
    いせ込み可能な不織布芯地の製法。
JP60094065A 1985-04-30 1985-04-30 いせ込み可能な不織布芯地及びその製法 Expired - Lifetime JPH0762305B2 (ja)

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