JPH0762086B2 - 二酸化珪素被覆アクリル樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

二酸化珪素被覆アクリル樹脂成形体の製造方法

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JPH0762086B2 JP62260161A JP26016187A JPH0762086B2 JP H0762086 B2 JPH0762086 B2 JP H0762086B2 JP 62260161 A JP62260161 A JP 62260161A JP 26016187 A JP26016187 A JP 26016187A JP H0762086 B2 JPH0762086 B2 JP H0762086B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は二酸化珪素被覆アクリル樹脂成形体の製造方法
に係り、特に表面に微細な凹凸を持った光ディスク基板
用アクリル円盤等のアクリル樹脂成形体表面に、該表面
凹凸を維持することができ、かつ、耐久性に優れた均一
厚さの二酸化珪素被膜を形成することができる二酸化珪
素被膜の製造方法に関する。
[従来の技術] 光を利用したメモリ材の使用基板には、透明性が要求さ
れる。透明なディスク素材としては、ガラス又は透明プ
ラスチックが使用される可能性が高い。ディスク材料と
してのガラス、プラスチックは、それぞれ長所、欠点を
持ち、材料選定が困難であるが、成形加工性、安全性、
製造コストの面で、プラスチックがより優れているとみ
なされる。
ただし、PMMA、PC等のプラスチックは、通気性や透水性
が良好であるため、反りの原因となったり、ディスク基
板として使用した場合、基板表面から侵入したO2,H2Oが
記録膜層に拡散し、記録層の酸化に伴なう性能低下をも
たらす。そこで、これを防ぐために、一般に基板と記録
層の間には、Si3N4,SiO,SiO2等の下地膜を設ける処理が
なされている。これら下地膜は、通常、蒸着、スパッタ
等の真空法により成膜されている。
一方、二酸化珪素被膜の製造方法としては、これら蒸
着、スパッタ等の手段の他に、二酸化珪素の過飽和状態
にある珪弗化水素酸溶液に基材を浸漬して基材表面に二
酸化珪素被膜を形成する方法(以後「析出法」と略称す
る。)が知られている(例えば特開昭62−20876)。
特に、プラスチック成形体に析出法によって二酸化珪素
被膜を形成する方法に関しては、プラスチック成形体に
有機珪素化合物、それらの加水分解物及びコロイダルシ
リカ等の珪素化合物を被覆硬化させて第1次被膜とした
後、析出法で第1次被膜上に二酸化珪素被膜を形成させ
る方法が知られている(例えば、特開昭61−12734)。
[発明が解決しようとする問題点] プラスチック成形体の表面に従来の蒸着、スパッタ等の
真空法によって二酸化珪素膜を成膜する場合、 成膜中に基板からガスが発生するため良質な膜が得
られにくい。
光ディスク基板、グレーティングレンズ等の表面に
形成されている、トラッキング用の溝状の凹凸形状に追
従した膜を成膜することが困難である。
得られた膜は樹脂基板との密着性に乏しく、温湿度
負荷により剥離しやすい。
等の問題点があった これに対し、析出法によれば、真空法による二酸化珪素
成膜法に比較して 低温成膜が可能である。
異型表面への均一成膜が可能である。
等の効果が奏され、光ディスク基板の下地膜を二酸化珪
素膜に限定した場合、先述のスパッタ或いは蒸着法の問
題点をある程度解決し得ることが期待できる。
しかしながら、光ディスク基板、グレーティングレンズ
等の微細な凹凸を有するプラスチック基板上に、有機珪
素化合物、それらの加水分解物及びコロイダルシリカ等
の珪素化合物を被覆硬化させて得られる第1次被膜は、
膜厚0.5〜30μmと厚くなりやすいために、基板表面の
凹凸が消失しやすく、該第1次被膜上に析出法によって
二酸化珪素を被覆しても、実用に適した光ディスク基
板、グレーティングレンズ等が作成できないという問題
点があった。
[問題点を解決するための手段及び作用] 本発明は、上記従来の問題点を解決し、プラスチック成
形体として特にアクリル樹脂成形体に、表面凹凸を維持
し得る、かつ耐久性に優れた均一厚さの二酸化珪素被膜
を製造する方法を提供するものである。
本発明は、 アクリル樹脂成形体に有機珪素化合物を被覆硬化させて
第1次被膜とした後、該第1次被膜つきアクリル樹脂成
形体と二酸化珪素の過飽和状態の珪弗化水素酸溶液とを
接触させて第1次被膜上に二酸化珪素被膜を成形させる
二酸化珪素被覆アクリル樹脂成形体の製造方法におい
て、 該第1次被膜が一般式(I)で示されるメタクリロキシ
基を有する珪素化合物と、一般式(II)で示される珪素
化合物の加水分解物とを、該一般式(I)で示されるメ
タクリロキシ基を有する珪素化合物のR1SiO3/2換算重量
(A)と、一般式(II)で示される珪素化合物のSiO2
算重量(B)との比が0.1<B/A<0.5となるように含む
混合物を被覆硬化させて形成されることを特徴とする二
酸化珪素被覆アクリル樹脂成形体の製造方法を要旨とす
るものである。
R1Si(R2 …(I) Si(R3 …(II) (式中、R1はメタクリロキシ基を有する有機基であり、
R2及びR3は、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、
アセトキシ基及び塩素元素から選ばれる1種もしくは複
数の結合基である。) 析出法によって直接プラスチック成形体表面に二酸化珪
素膜を被覆する場合、珪弗化水素酸溶液とプラスチック
の反応性や濡れ性が悪いため、付着力が弱く、また、ム
ラのある膜しか得られないが、プラスチック成形体に予
め有機珪素化合物を被覆硬化させておけば、表面のシラ
ノール基が珪弗化水素酸溶液中の珪素成分との結合の場
となるため、析出法によって得られる二酸化珪素膜の付
着力及びムラを改善することが可能である。
しかし、有機珪素化合物を被覆硬化させて得られる第1
次被膜の膜厚を数百オングストローム以下と薄くする場
合には、析出法によってムラのない均一な膜であって、
付着力の強固な二酸化珪素被膜を得るには、プラスチッ
クの種類によって有機珪素化合物を選択する必要があ
る。
本発明者らは、アクリル樹脂成形体に対して好適な、第
1次被膜形成のための有機珪素化合物について鋭意研究
を重ねた結果、前記一般式(I)で示されるメタクリロ
キシ基を有する珪素化合物と、一般式(II)で示される
珪素化合物の加水分解物の特定割合の混合系が最適であ
ることを見出し、本発明を完成させた。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において、第1次被膜の形成に用いられる珪素化
合物のうち、前記一般式(I)で示されるメタクリロキ
シ基を有する珪素化合物としてはγ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシランが好ましい。また、一般式
(II)で示される珪素化合物としてはテトラエトキシシ
ランが挙げられ、その加水分解物とは、該珪素化合物中
のアルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アシルオキ
シ基、塩素元素の一部又は全部が水酸基に置換されたも
の、更に置換された水酸基同志が一部自然に縮合したも
のを含んでいる。これらの加水分解物は、例えば水及び
アルコールの様な混合溶媒中で酸の存在下、加水分解す
ることによって容易に得ることができる。
前記一般式(I)で示されるメタクリロキシ基を有する
珪素化合物としては、1種を単独で用いても、2種以上
を併用しても良い。また、一般式(II)で示される珪素
化合物も同様に、1種を単独で用いても、2種以上を併
用しても良い。
本発明において、一般式(I)で示されるメタクリロキ
シ基を有する珪素化合物と、一般式(II)で示される珪
素化合物の加水分解物との混合割合は、一般式(I)で
示されるメタクリロキシ基を有する珪素化合物のR1SiO
3/2換算重量(A)と、一般式(II)で示される珪素化
合物のSiO2換算重量(B)との比が、0.1<B/A<0.5と
なるようにする。
析出法によって得られる二酸化珪素被膜の付着力に関し
ては、被膜を形成するアクリル樹脂成形体のアクリル樹
脂の平均分子量及び上記珪素化合物の混合比B/Aによっ
て大きく支配される。
本発明において、付着力の強固な二酸化珪素被膜を得る
ためには、使用するアクリル樹脂基板の平均分子量は8
万以下が好ましく、また、上記B/A比は0.1<B/Aである
必要がある。
このような珪素化合物の混合物をアクリル樹脂成形体に
被覆硬化させ第1次被膜とする方法としては、該珪素化
合物の混合物を各種溶媒に溶かしたものを塗布液とする
浸漬塗布法が好適である。
形成される第1次被膜は、塗布液中の珪素化合物の濃
度、浸漬塗布の際の引き上げ速度などの塗布条件を設定
することによって、ガラス基板(例えば通常の板ガラ
ス、ソーダライムガラス等)上に、同様な条件で被膜の
作成を行なった場合に、その膜厚が5〜50nm好ましくは
10〜30nm厚の被膜が作成されるような条件で成膜される
ことが望ましい。
即ち、第1次被膜が、ガラス基板上に50nm程度までの膜
厚の被膜が形成される条件で作成された被膜であれば、
光ディスク基板の表面凹凸形状を保持した塗膜が得られ
る。ガラス基板上に作成した場合に50nmより厚くなる条
件で第1次被膜を作成すると、形状追従性の悪化を招く
場合がある。また、ガラス基板上で膜厚が5nmより薄く
なるような条件では、析出法によって得られる二酸化珪
素被膜の付着強度の低下を招くため適当ではない。
本発明において、このような膜厚の第1次被膜を形成す
るためには、塗布液中の珪素化合物濃度が0.5〜3重量
%であることが好ましい。
なお、上記のように、第1次被膜の膜厚形成条件をガラ
ス基板をモニターとして表すのは、アクリル樹脂基板上
の第1次被膜の膜厚を直接測定する場合、 アクリル樹脂基板は表面の平滑性が悪く、接触針式
膜厚測定機での膜厚測定が困難である。
アクリル樹脂基板に塗布された珪素化合物が次第に
アクリル樹脂基板内部に拡散するため、アクリル樹脂基
板と珪素化合物との界面が不明瞭であり、電子顕微鏡等
の観察によっても膜厚測定が不可能である。
という2つの問題があるからである。
このようにして、アクリル樹脂基板上に作成された第1
次被膜は、一般式(I)で示されるメタクリロキシ基を
有する珪素化合物がアクリル樹脂基板内部に浸透するた
め、ある程度の膜厚以下であれば、光ディスク基板の形
状を保持し得る。ただし、一般式(II)で示される珪素
化合物の加水分解物は、アクリル樹脂基板内部に浸透し
難いため、メタクリロキシ基を有する珪素化合物に対す
る混合比率(B/A)が高くなると、光ディスク基板の表
面形状を損なう結果となる。このため、本発明において
は、前記混合比率B/AはB/A<0.5とする。
本発明においては、第1次被膜を形成したアクリル樹脂
基板を、次いで、二酸化珪素の過飽和状態の珪弗化水素
酸溶液と接触させて、第1次被膜上に二酸化珪素被膜を
形成させる。
二酸化珪素の過飽和状態の珪弗化水素酸溶液(以下、
「処理液」と略称する。)としては、珪弗化水素酸溶液
に二酸化珪素(シリカゲル、エアロゲル、シリカガラ
ス、その他二酸化珪素含有物など)を溶解させた後、水
又は試薬(ホウ酸、塩化アルミニウム、金属アルミニウ
ム、その他)を添加するか処理液温度を上昇させる等の
手段で、二酸化珪素の過飽和状態としたものが使用され
る。
本発明において、第1次被膜つきアクリル樹脂成形体の
基板と接触させる処理液中の珪弗化水素酸の濃度として
は、1〜3モル/が好ましく、特に3モル/より濃
い珪弗化水素酸水溶液に二酸化珪素を飽和させた後、水
で稀釈して1〜3モル/の濃度としたものが被膜形成
速度が速く、効率良く被膜形成が行なえるので望まし
い。
また、該処理液は (イ) 該成形体との接触時においても、連続的に硼
酸や塩化アルミニウム等の添加剤水溶液が添加、混合さ
れている、アルミニウム等の金属が溶解混合されてい
る、温度を一時冷却して二酸化珪素を飽和させ、その
後再び温度を上昇させる等の手段によって常時過飽和度
が維持されている処理液であり、 (ロ) 1分間あたり処理液全量の3%以上の処理液が
フィルターで濾過され戻される処理液である、 ことが好ましい。
ここで、接触時において、連続的に硼酸等の水溶液を
添加混合したり、アルミニウム等の金属を溶解混合す
るのは、被膜の形成速度を向上させるために好ましい。
硼酸の場合、その添加量は、処理液中の珪弗化水素酸1
モルに対して5×10-4モル/Hr〜1.0×10-3モル/Hrの範
囲が好ましく、また、金属アルミニウムを溶解させる場
合その溶解量は、処理液中の珪弗化水素酸1モルに対し
て1×10-3モル/hr〜4×10-3モル/hrの範囲が好まし
い。
また、3%以上の処理液を循環させることは均質な被膜
を連続的に得るために効果的であり、フィルターで処理
液を濾過することは凹凸形状のない被膜を得るために好
ましい。
処理液を浸漬槽に入れて該成形体と接触させる場合に
は、浸漬中の該成形体表面において該処理液が層流とな
って流れるようにすることがムラのない均質な被膜を得
るために効果的である。
なお、このような析出法によって得られる二酸化珪素被
膜中には、吸着水やシラノール基が含まれており、これ
らを除去するためには、該被膜に高周波等による加熱処
理を施すことが好ましい。
[実施例] 以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例
に限定されるものではい。
実施例1 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.5gと
CSGL−0803P(チッソ(株)製、固形分濃度8%(テト
ラエトキシシランの加水分解物))3gの混合物(B/A=
0.22)をエタノール:イソプロピルアルコール:n−ブチ
ルアルコール=5:3:2(体積比)の混合溶媒250mlに溶解
した溶液(珪素化合物濃度約0.9重量%)に、縦、横100
mm、厚さ1.5mmのアクリル樹脂平板(押出板、数平均分
子量57000)を浸漬し、15cm/minの速度で引き上げた
後、室温で1時間放置した。上記操作と全く同様の条件
でガラス基板に第1次被膜を成形したところ、その膜厚
はおよそ10nmであった。
得られた第1次被膜付きアクリル平板に、第1図に示す
二酸化珪素被膜製造装置を用いて、二酸化珪素被膜を作
成した。
第1図において、浸漬槽は外槽1と内槽2から成り、内
槽2と外槽1の間には水3が満たしてある。この水は温
度40℃となるようヒーター4で加熱され、かつ、温度分
布均一化のため撹拌されている。内槽2は前部6、中部
7、後部8、から成り、各部には工業用シリカゲル粉末
を二酸化珪素の供給源として、二酸化珪素を溶解・飽和
させた2.5mol/の珪弗化水素酸水溶液6.5が満たして
ある。
このような装置により、まず循環ポンプ10を作動させて
内槽後部8の反応液を一定量づつ汲出して、フィルター
11で濾過し、内槽前部6へ戻す処理液循環を開始した。
その後、縦、横50mm、厚さ3mmのAl板12 3枚を内槽後
部8に浸漬し、10時間保持した。この状態で反応液は適
度なSiO2過飽和度を有する処理液となった。ここでフィ
ルター11の絶対除去率を1.5μm、処理液循環流量を520
ml/min(処理液全量が約6.5であるので、循環流量は
8%/minである)に調整した。そして、前記珪素化合物
により第1次被膜を形成したアクリル平板9を内槽中部
7に垂直に浸漬し、前記条件、(即ち、Al板3枚を浸漬
したまま8%/minの循環を行ない、1.5μmのフィルタ
ーで濾過する)で、120分間保持した。
上記処理で得られた二酸化珪素被膜の膜厚は、約100nm
であった。この成膜部を、ESCA(Electron Spectrosco
py for Chemical Analysis)を用いて分析した結
果、殆どがSiO2からなることが確認された。
得られた二酸化珪素被膜は、セロハン粘着テープを貼り
付けて引き剥すテストでは、全く剥れない強固な付着力
を有するものであった。また、上記二酸化珪素被膜付き
アクリル樹脂基板を、沸騰水中に1時間浸漬したが、被
膜の密着性に変化はなかった。
比較例1 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2gをエ
タノール:イソプロピルアルコール:n−ブチルアルコー
ル=5:3:2(体積比)の混合溶媒250mlに溶解した溶液
に、縦、横100mm、厚さ1.5mmのアクリル平板(押出板、
数平均分子量57000)を浸漬し15cm/minの速度で引き上
げた後室温で1時間放置した。
この第1次被膜付きアクリル平板に、実施例1と同様に
して二酸化珪素被膜(100nm)を作成した。
得られた二酸化珪素被膜は白濁したムラの多いものであ
り、電子顕微鏡観察の結果、二酸化珪素が粒子状にまば
らに付着していることが判明した。
実施例2,3、比較例2,3 以下の4種類の60mmφ、厚さ1.5mmのアクリル平板(押
出板、数平均分子量57000)を用意した。
(i) 実施例1と同様な処理により二酸化珪素被膜
(50nm厚)を形成したもの(実施例2) (ii) 実施例1と同様な処理により二酸化珪素被膜
(100nm厚)を形成したもの(実施例3) (iii) スパッタ法により表裏両面に二酸化珪素被膜
(100nm厚)を形成したもの(比較例2) (iv) 未処理のもの(比較例3) これらの透湿度をJIS Z−0208(40℃90%RH)により
測定した結果を第1表に示す。
第1表より明らかなように、析出法による二酸化珪素被
膜は水蒸気を遮断する効果を充分に有しており、その効
果はスパッタ法による二酸化珪素以上であることが判明
した。
比較例4(特開昭61−12734 実施例3参照) メチルトリメトキシシラン207部、コロイダルシリカ
(日産化学工業(株)製、商品名スノーテックスC,固形
分20%)341部及び酢酸6部を混合し、外部冷却下撹拌
1時間実施後、室温で1日放置した。この様にして得ら
れた加水分解物溶液160部にエチルセロソルブ30部、塩
化アンモニウム0.5部、フローコントロール剤少々添加
し塗料とした。
予め洗浄したアクリル基板(縦100mm,横100mm,厚さ1.4m
m)に前記塗料を塗布し、熱風乾燥炉で90℃、3時間加
熱して乾燥硬化させた。アクリル基板上には約5μmの
厚みの第1次被膜が形成されていた。
比較例5 比較例4においてアクリル基板上に数百オングストロー
ムの第1次被膜を形成させるためにメチルトリメトキシ
シランの加水分解物溶液4部にエチルアルコール:イソ
プロピルアルコール:n−ブチルアルコール=5:3:2(体
積比)の混合溶媒200部、塩化アンモニウム及びフロー
コントロール剤少々添加したものを塗布液とした。
縦、横100mm,厚さ1.5mmのアクリル平板(押出板、数平
均分子量57,000)に前記塗布液を塗布し、熱風乾燥炉で
80℃、3時間加熱して乾燥硬化させた。上記操作と全く
同様の条件でガラス基板に第1次被膜を形成したとこ
ろ、その膜厚はおよそ10nmであった。
その後、得られた第1次被膜つきアクリル基板に実施例
1と同様にして、珪弗化水素酸の二酸化珪素過飽和溶液
を用い二酸化珪素被膜(150nm)を形成した。
得られた二酸化珪素被膜はセロハン粘着テープに貼りつ
けて引き剥すテストで容易に剥離する、密着性に乏しい
ものであった。
[発明の効果] 以上詳述した通り、本発明の二酸化珪素被覆アクリル樹
脂成形体の製造方法は、アクリル樹脂成形体表面に前記
一般式(I)で示されるメタクリロキシ基を有する珪素
化合物と、一般式(II)で示される珪素化合物の加水分
解物とを、特定割合で含む混合物を被覆硬化させること
により、非常に薄い、付着性良好な珪素含有被膜を第1
次被膜として被覆し、更にその上に該第1次被膜と付着
性良好な二酸化珪素被膜を作成するものであって、本発
明の方法によれば、 蒸着、スパッタ法で直接アクリル樹脂成形体表面に
形成された二酸化珪素被膜に比較して、はるかに耐久性
の良い被膜を形成することができる。
第1次被膜形成のための塗布法において、使用する
塗布液として珪素化合物の希薄溶液を用いることがで
き、更に該珪素化合物がアクリル樹脂内部へ拡散するた
め微細な凹凸形状をもつ光ディスク基板へもその形状を
損なう事なく薄膜被覆する事ができる。
第1次被膜形成後、溶液と接触させることによって
二酸化珪素を析出させ膜状にするものであるため、アク
リル樹脂製光ディスク基板等の表面の凹凸形状に追従し
た二酸化珪素被膜を形成できる。
表裏両面の同時成膜が可能であり、得られた二酸化
珪素被膜は、水蒸気、酸素等の透過を遮断する効果を有
するだけでなく、光ディスクのレーザー入射側表面の耐
摩耗成を向上させる効果も備えている。
等の優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例において使用した二酸化珪素被膜製造装
置の系統説明図である。 1……外槽、2……内槽、 3……水、4……ヒーター、 5……撹拌器、6……内槽前部、 7……内槽中部、8……内槽後部、 9……アクリル樹脂成形体、 10……循環ポンプ、11……フィルター、 12……金属アルミニウム板、 13……撹拌器。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリル樹脂成形体に有機珪素化合物を被
    覆硬化させて第1次被膜とした後、該第1次被膜つきア
    クリル樹脂成形体と二酸化珪素の過飽和状態の珪弗化水
    素酸溶液とを接触させて第1次被膜上に二酸化珪素被膜
    を成形させる二酸化珪素被覆アクリル樹脂成形体の製造
    方法において、 該第1次被膜が一般式(I)で示されるメタクリロキシ
    基を有する珪素化合物と、一般式(II)で示される珪素
    化合物の加水分解物とを、該一般式(I)で示されるメ
    タクリロキシ基を有する珪素化合物のR1SiO3/2換算重量
    (A)と、一般式(II)で示される珪素化合物のSiO2
    算重量(B)との比が0.1<B/A<0.5となるように含む
    混合物を被覆硬化させて形成されることを特徴とする二
    酸化珪素被覆アクリル樹脂成形体の製造方法。 R1Si(R2 …(I) Si(R3 …(II) (式中、R1はメタクリロキシ基を有する有機基であり、
    R2及びR3は、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、
    アセトキシ基及び塩素元素から選ばれる1種もしくは複
    数の結合基である。)
  2. 【請求項2】該アクリル樹脂成形体の数平均分子量が8
    万以下である特許請求の範囲第1項に記載の二酸化珪素
    被覆アクリル樹脂成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】該第1次被膜作成の条件が、ガラス基板上
    に同様の条件で被膜の作成を行なった場合に、5〜50nm
    厚の被膜が作成される条件である特許請求の範囲第1項
    又は第2項に記載の二酸化珪素被覆アクリル樹脂成形体
    の製造方法。
  4. 【請求項4】該第1次被膜は珪素化合物を0.5〜3重量
    %含む塗布液を塗布し乾燥させることにより形成される
    特許請求の範囲第1項ないし第3項のいずれか1項に記
    載の二酸化珪素被覆アクリル樹脂成形体の製造方法。
JP62260161A 1987-10-15 1987-10-15 二酸化珪素被覆アクリル樹脂成形体の製造方法 Expired - Fee Related JPH0762086B2 (ja)

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