JP4687009B2 - 防曇性物品及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、各種基材の表面に防曇性に優れた被膜を形成した防曇性物品及びその製造方法に関するものである。
物品の表面は、細かい水滴の付着や、キズ等により表面に凹凸があると、光の散乱により曇りが発生する。本発明は、光学物品表面に細かい水滴が付着することにより発生する曇りの防止、所謂防曇性能の付与に関する。
従来、物品表面に防曇性能を付与する方法として、表面に吸水性を付与して水滴を吸収する方法、多孔質膜を用いて水滴を吸収する方法、表面の水に対する静止接触角を上げて、水滴をつきにくくする方法、光学物品を加熱して、水滴を蒸散させる、あるいは表面での露点を上げる方法等があげられる。
この中で、表面に親水性を付与し、水に対する表面の静止接触角を低下させ、水滴を広げる方法では、物品表面への界面活性剤の塗布や、表面に界面活性剤を含む膜を形成する方法(例えば、特許文献1参照)が開示されている。
また、物品表面に対して、特に薄い膜に防曇性能を持たせる場合、防曇性能を発現、維持する目的で、物品表面に親水性が高いスルホン酸基または硫酸基をもつオルガノシランまたは/及びその加水分解物を用いる方法(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)が開示されている。
特開2001−190471号公報(第2頁) 米国特許第4,325,638号明細書(第3〜第6頁) 特開2002−60692号公報(第2頁)
物品での水滴による曇りの現象は、大気中に含まれる水蒸気が露点以下になった場合に、水蒸気が物品表面に凝結することによって発生する。水蒸気の凝結は物品表面の任意で多数の場所が核となり、そこから水滴が成長し、成長する過程で隣り合う水滴が結合を繰り返しながら発生する。
物品の表面に防曇性能を付与するためには、この水滴が成長する過程で隣り合う水滴の結合を早め、水滴を広げることで曇りを発生させない方法が効果的である。つまり、表面に親水性を持たせる方法が効果的である。しかし、一般的に知られている界面活性剤の塗布や、表面に界面活性剤を含む膜を形成する構成では、初期の防曇効果は優れているが、水が付着することにより界面活性剤の脱落が起き、防曇効果の持続性に課題がある。よって、防曇効果を持続させるため、物品表面に対する親水成分の固定化が重要である。
しかし、これまでに採られている方法では、物品表面に親水成分を固定化するための部位、及び/または、膜内で架橋する部位をもたせると、膜内の親水性基の密度が低くなり、充分な防曇性能が得られなかった。また、物品表面に親水成分を固定化するための部位、及び/または、膜内で架橋する部位が充分でなければ、膜自体の耐久性がないという欠点があった。
具体的には、特許文献1で示されるような、物品表面への界面活性剤の塗布や、表面に界面活性剤を含む膜を形成する構成では、水が付着することにより界面活性剤の脱落が起き、防曇効果の持続性に課題がある。また、物品が光学用途に用いられる場合、表面に形成する膜の膜厚によっては表面の反射特性が変化して、光線反射率及び透過率が変化してしまい、光学特性が変化してしまうという課題がある。
特許文献2で示されるスルホン酸変性オルガノシランの処理により得られる親水性物品は、同時に用いている多量の界面活性剤の効果から、処理直後は充分な防曇性能が得られるものの、洗浄などによる界面活性剤の脱落により持続性がほとんどない。
特許文献3で示されるスルホン酸またはスルホン酸前駆体を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物を親水性有機溶剤に希釈した防曇コーティング液により得られる親水性物品は、親水性基の密度が不足し、処理直後においても、高い防曇性能が得られないという課題がある。
本発明は、このような従来の課題をすべて解消し、光学性能を損なうことなく防曇性能を付与し、更にいかなる使用環境でも細かい水滴による曇りが防止でき、さらに防曇性能に持続性を有する処理液を用いた防曇性物品とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは精力的に研究を重ねた結果、以下に示すように、縮合度が異なる親水性物質を用いることにより、物品表面の親水性基密度を低下させることなく充分な膜強度をもたせる、すなわち、優れた防曇特性を持ち、いかなる使用環境でも細かい水滴による曇りが防止でき、さらに防曇性能に持続性を有する防曇性物品の作製が可能であることを見出し、本発明を完成した。
以上の課題を解決するために本発明の防曇性物品は、基材表面に、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の単体及び前記単体から成る2量体以上の縮合物による防曇性能膜を形成しており、前記2量体以上の縮合物が、オルガノシラン総量の1wt%以上70wt%未満であることを特徴とする。
上記によれば、充分な防曇性能および膜自体の耐久性を持つ防曇性物品の提供が可能である。つまり、単体で存在する非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物は、基材と膜の固定化に加え、2量体以上の縮合物間、2量体以上の縮合物と単体分子間及び、単体分子間で反応し、隙間を埋める糊の役目を果たす。これにより、物品表面に親水成分を固定化するための部位、及び、膜内で架橋する部位が存在し、充分な防曇性能、及び、膜自体の耐久性を持つ膜を有する防曇性物品が得られる。
また、本発明の防曇性物品は、処理膜に界面活性剤を含むことを特徴とする。
上記によれば、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の単体及び2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した処理液が、界面活性剤を含有することにより、これを物品に処理した場合、防曇特性を阻害することなく、外観が良好である均一な膜が作製でき、さらに、防曇特性を向上させた防曇性物品が得られる。
上記によれば、充分な防曇性能および膜自体の耐久性を持つ防曇性物品の提供が可能である。つまり、単体で存在する非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物は、基材と膜の固定化に加え、2量体以上の縮合物間、2量体以上の縮合物と単体分子間及び、単体分子間で反応し、隙間を埋める糊の役目を果たす。非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランの2量体以上の縮合物が、オルガノシラン総量の1wt%以上70wt%未満、それ以外の非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランが単体である場合、物品表面に親水成分を固定化するための部位、及び、膜内で架橋する部位がバランスよく存在し、充分な防曇性能、及び、膜自体の耐久性を持つ膜を有する防曇性物品が得られる。
また、本発明の防曇性物品は、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物が、スルホン酸エステル基、チオール基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホン酸基から選ばれる1種以上の官能基を含有することを特徴とする。
上記によれば、良好な親水性を示す、スルホン酸エステル基、チオール基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホン酸基を少なくとも1種以上非カップリング部位に少なくとも1個以上含有することで、良好な性能を有する防曇性物品が得られる。
また、本発明の防曇性物品は、基材がレンズであることを特徴とする。
上記によれば、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の単体及び2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した処理液により、形成した防曇性能膜は、光学特性を損なうことなく、防曇性能を持ったレンズが作製できる。物品が光学用途に用いられる場合、表面に形成する膜の膜厚によっては表面の反射特性が変化して、光線反射率及び透過率が変化してしまい、光学特性が変化してしまうおそれがあるが、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の単体及び2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した処理液により形成した防曇性能膜は、非常に薄いため、光学特性に影響しない。よって、良好な防曇性能を持つレンズが得られる。
また、本発明の防曇性物品の製造方法は、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の単体及び前記単体から成る2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した、前記2量体以上の縮合物が、オルガノシラン総量の1wt%以上70wt%未満である処理液を基材表面に塗布する工程と、前記処理液が塗布された基材を加熱処理して乾燥硬化する工程と、を含み、加熱処理して乾燥硬化する工程が、50℃以上300℃以下の温度範囲で、1分以上24時間以下であることを特徴とする。
上記によれば、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の単体及び前記単体から成る2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した、前記2量体以上の縮合物が、オルガノシラン総量の1wt%以上70wt%未満である処理液を基材表面に塗布し、これを加熱処理して塗布された処理液中の溶媒を除去し、乾燥硬化することで、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物のカップリング部位の反応を完結させ、充分な防曇性能、及び、膜自体の耐久性を有する防曇性物品が得られる。
また、本発明の防曇性物品の製造方法は、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の、単体及び前記単体から成る2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した、前記2量体以上の縮合物が、オルガノシラン総量の1wt%以上70wt%未満である処理液に含有されるスルホン酸エステル基、チオール基、スルフィド基、ジスルフィド基から選ばれる1種以上の官能基をスルホン酸基に転化する工程と、前記官能基をスルホン酸基に転化する工程後の前記処理液を基材表面に塗布する工程と、前記処理液を塗布した基材を加熱処理して乾燥硬化する工程と、を含み、加熱処理して乾燥硬化する工程が、50℃以上300℃以下の温度範囲で、1分以上24時間以下であることを特徴とする。
上記によれば、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の、スルホン酸エステル基、チオール基、スルフィド基、ジスルフィド基は、更に良好な親水性を示すスルホン酸基に置換することで、更に良好な防曇性能を持たせることができる。さらに、この処理液を基材表面に塗布し、これを加熱処理して塗布された処理液中の溶媒を除去し、乾燥硬化することで、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物のカップリング部位の反応を完結させ、充分な防曇性能、及び、膜自体の耐久性を有する防曇性物品が得られる。
また、本発明の防曇性物品の製造方法は、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の単体及び前記単体から成る2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した、前記2量体以上の縮合物が、オルガノシラン総量の1wt%以上70wt%未満である処理液を基材表面に塗布する工程と、前記処理液を塗布した基材を加熱処理して乾燥硬化する工程と、非カップリング部位に含有される、スルホン酸エステル基、チオール基、スルフィド基、ジスルフィド基から選ばれる1種以上の官能基をスルホン酸基に転化する工程と、を含み、加熱処理して乾燥硬化する工程が、50℃以上300℃以下の温度範囲で、1分以上24時間以下であることを特徴とする。
上記によれば、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の単体及び前記単体から成る2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した、前記2量体以上の縮合物が、オルガノシラン総量の1wt%以上70wt%未満である処理液を基材表面に塗布し、これを加熱処理して塗布された処理液中の溶媒を除去し、乾燥硬化することで、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物のカップリング部位の反応を完結させ、防曇性能、及び、膜自体の耐久性を持つ膜を作製し、さらに、非カップリング部位に含有される、スルホン酸エステル基、チオール基、スルフィド基、ジスルフィド基から選ばれる1種以上の官能基をスルホン酸基に変換することで、更に良好な防曇性能を有する防曇性物品が得られる。
また、本発明の防曇性物品の製造方法は、前記処理液を基材表面に塗布する方法がディップコーティング法であることを特徴とする。
上記によれば、ディップコーティング法を用いることにより、外観が良好である均一な膜を有する防曇性物品が得られる。
また、本発明の防曇性物品の製造方法は、前記処理液を基材表面に塗布する方法がスピンコーティング法であることを特徴とする。
上記によれば、スピンコーティング法を用いることにより、外観が良好である均一な膜を有する防曇性物品が得られる。
以下、本発明の防曇処理液および防曇性物品の製造方法の実施形態について説明する。先ず、本発明において用いる語句の意義、本発明の概要、および防曇性能膜を形成するために使用される処理液について説明する。
本発明に用いる処理液中の非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランは、単体及び2量体以上の縮合物を含有する。2量体以上の縮合物は、膜内の親水性基の密度を向上させる。また、単体で存在するオルガノシランは、基材と膜の固定化に加え、2量体以上の縮合物間、2量体以上の縮合物と単体分子間及び、単体分子間で反応し、隙間を埋める糊の役目を果たす。これにより、膜強度及び、物品表面との高い密着性を発現する作用がある。さらに、糊として働く単体には親水性基が含有されるため、膜における親水性基の密度を低下させず、優れた防曇特性を示すことが可能である。
また、本発明に用いる処理液中の非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランの2量体以上の縮合物は、2量体以上であれば充分な親水性基の密度が得られる。より高い親水性基の密度を得るため、2量体以上の様々な縮合度の縮合物を含むことが望ましく、さらに好ましくは、様々な2量体以上の縮合物のうち、縮合度の小さいものを大きいものよりも多く含み、膜内の充填率が低下しないことが好ましい。
本発明に用いる処理液で用いられる適当な親水性有機溶剤とは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、グリセリン、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、水などである。親水性有機溶剤は、1種のみでも、2種以上を混合溶媒でも良い。
非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシラン含有量は0.1wt%以上25wt%以下とすることが好ましい。0.1wt%以下では、防曇性能膜が薄くなり、耐久性に問題がある。25wt%以上の濃度で用いても、防曇性能膜の膜厚、性能に変化が見られず、経済的にもデメリットとなってしまう。物品が光学用途に用いられる場合、表面に形成する膜の膜厚によっては表面の反射特性が変化して、光線反射率及び透過率が変化してしまい、光学特性が変化してしまうことのない膜でなければならず、この場合、含有量は0.1wt%以上2wt%以下とすることが好ましい。
さらに、本発明に用いる処理液は、防曇性能膜の均一性、外観向上のため、界面活性剤を混合することが可能である。アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両面界面活性剤などの界面活性剤類、およびその反応性誘導体などがあげられるが、オルガノシラン側の硫黄を含む基との相互作用から、好ましくはアニオン性のものが良く、更に好ましくはアニオン性基が硫酸または硫酸塩またはスルホン酸またはスルホン酸塩であるアニオン性界面活性剤が好ましい。用いられる界面活性剤は特定の一種または二種類以上を混合して使用しても良い。界面活性剤は、防曇性能膜強度を阻害しない範囲で混合可能である。よって、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物に対して、1wt%以上50wt%以下の範囲で混合が可能である。
具体的には、アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、高級アルコール硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸エステル塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩;ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸塩;アルキルジフエニルエーテルジスルホン酸ナトリム等のアルキルジフエニルエーテルジスルホン酸塩;アルキルリン酸カリウム等のアルキルリン酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルフエニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキル(またはアルキルアリル)硫酸エステル塩;特殊反応型アニオン界面活性剤;特殊カルボン酸型界面活性剤;β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、特殊芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩等のナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;特殊ポリカル;ボン酸型高分子界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル等がある。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ポリオキシエチレン誘導体;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート、自己乳化型グリセロールモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル:ポリオキシエチレンアルキルアミン;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;アルキルアルカノールアミド等がある。
カチオン性界面活性剤および両面界面活性剤としては、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルペンジルジメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩:ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のアルキルベタイン;ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイドがある。
また、本発明に用いる処理液中の非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の2量体以上の縮合物は、オルガノシラン総量の1wt%以上70wt%未満である。1wt%未満である場合、膜内の親水性基密度が低くなり、充分な防曇特性が得られない。また、70wt%以上である場合、単体のオルガノシランが糊としての充分な役割を果たせず、充分な膜強度が得られない。より高い防曇性能及び膜強度を得るためには、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物単体と、2量体以上の縮合物の存在比が重要である。しかし、用いるオルガノシランの種類によって、最適比率が存在するため、限定はできないが、2量体以上の縮合物が5wt%以上50wt%未満であることがなお好ましい。
また、本発明に用いる処理液中には、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物は、スルホン酸エステル基、チオール基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホン酸基から選ばれる1種以上の官能基を含有する。スルホン酸エステル基、チオール基、スルフィド基、ジスルフィド基は、酸化してスルホン酸基または硫酸基とすることが好ましい。
スルホン酸エステル基、チオール基、スルフィド基、ジスルフィド基はオルガノシランまたは/及びその加水分解物のどの位置に存在しても良いが、親水性が発現し易いためには、スルホン酸または硫酸基に変換したときに末端にあることが好ましい。オルガノシランの反応部位は、クロロシランやアルコキシシラン、シラザンの様にシラノールに変換し、縮合及び、物品表面の活性基と反応することが可能な基である。
非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の例として、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、2−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、2−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルメチルジメトキシシラン、2−メルカプトエチルジメチルメトキシシラン、2−(2−クロロエチルチオエチル)トリエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、ジメトキシ−3−メルカプトプロピルメチルシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチル−3−(3−フェノキシプロピルチオプロピル)シラン、3−(2−アセトキシエチルチオプロピル)ジメトキシメチルシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロパンスルホン酸イソプロピルエステル、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィド、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]スルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルスルホン酸などがあげられる。
また、本発明に用いる処理液中の非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランのカップリング部位は、親水性有機溶剤中で低温ではゆっくりと、高温になるほどはやく加水分解および縮合が進む。0℃未満では縮合が非常に遅く、2量体以上の縮合物を作製するのに非常に長い時間がかかり、作業性が良くない。70℃を超える温度では縮合が非常に速く進むため、制御が難しい。よって、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物を親水性有機溶剤に希釈した後、0℃以上70℃以下で0.1時間以上200時間以下保持することが好ましい。さらに、より縮合度の制御を安定的に行うためには、0℃以上40℃以下で2時間以上200時間以下保持するのが好ましい。
非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランの2量体以上の縮合物を作製する際、保管環境によって制御する方法とともに、酸触媒、アルカリ触媒、アミン系触媒、金属化合物触媒から選ばれる1種以上の触媒を用いる方法を組み合わせても良い。
また、本発明に用いる処理液中の非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物のカップリング部位の縮合および加水分解を酸触媒、アルカリ触媒、アミン系触媒、金属化合物触媒から選ばれる1種以上の触媒によって制御することで、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランの2量体以上の縮合物が、オルガノシラン総量の1wt%以上70wt%未満である防曇処理液の作製が更に容易に行うことが可能である。
酸触媒として、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、蟻酸、酒石酸、クエン酸、炭酸があげられる。塩酸、硫酸、硝酸、炭酸等のカルボキシル基を持たない酸については、オルガノシランの加水分解を促進する効果があり、カルボキシル基を持つ酸は、オルガノシランに対し、配位するため、縮合を抑える効果がある。よって、カルボキシル基を持たない酸と、カルボキシル基を混合して用いると、より縮合度の制御が容易に行うことが可能である。
アルカリ触媒として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニウム化合物等があげられる。アミン系触媒は、具体的には、エチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、グアニジンなどのアミン、グリシンなどのアミノ酸、2−メチルイミダゾール、2,4−ジエチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどのイミダゾールのいずれでもよいが、加水分解、及び縮合物に対し、水素結合を作り、縮合反応を制御する効果から、ヒドロキシル基を含有するアミンが好ましい。
金属化合物触媒として、アルミニウムアセチルアセトネート、チタンアセチルアセトネート、クロムアセチルアセトナートなどの金属アセチルアセトネート、酢酸ナトリウム、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸スズなどの有機酸金属塩、SnCl4、TiCl4、ZnCl2などのルイス酸、過塩素酸マグネシウムなどがあげられる。3級アミン、有機錫化合物触媒については、その効果を高めるために混合して用いても良いことが一般的に知られている。触媒の量は、それぞれの触媒によって効果が異なるため、一概にはいえないが、膜の防曇特性を阻害しないで用いるのが望ましく、具体的には、処理液中の固形分に対して、75%以下で混合するのが好ましい。
また、本発明に用いる処理液中の非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の単体及び2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した処理液により、表面に防曇性能膜を形成した防曇性物品は、ガラス、プラスチック、酸化物、金属、木材、セラミック、セメント、コンクリート、繊維、紙、石、及び皮革等の素材から選ばれたものであれば何でもよい。カップリング成分との反応を鑑みた場合、ガラスを含む酸化物表面であることがより好ましい。
また、防曇性物品が光学用途に用いられる場合、表面に形成する膜の膜厚によっては表面の反射特性が変化して、光線反射率及び透過率と共に光学特性が変化してしまうおそれがある。しかし、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の単体及び2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した処理液により形成した防曇性能膜は、非常に薄いため、光学特性に影響しない。よって、基材はガラスを含む酸化物表面をもつレンズであることがさらに好ましい。
本発明における防曇性物品の作製方法は、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の単体及び2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した処理液を基材表面に塗布する工程と、前記処理液を塗布した基材を加熱処理して乾燥硬化する工程とを含む。なお、この防曇性物品の製造工程フロー図を図1(a)に示す。
塗布工程において、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の単体及び2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した処理液を基材表面に塗布する。塗布方法はディップコーティング法、スピンコーティング法、バーコードコーティング法、スプレーコーティング法等があげられるが、生産性、塗布後の均一性を重視した場合、ディップコーティング法、スピンコーティング法が好ましい。
非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の単体及び2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した処理液を 物品表面に塗布する前に、処理液に含まれるオルガノシランと物品表面の反応性を高める工程を行っても良い。具体的には、プラズマ処理、アルカリ処理等で、物品表面を活性化する。
処理液を塗布した基材を加熱処理して乾燥硬化する工程は、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物を親水性有機溶剤に希釈した処理液内の溶媒を除去し、オルガノシランの反応を完結させるために行う。
加熱処理の条件については、溶媒が蒸散し、オルガノシランの反応が好適に起こる条件で、かつ、物品自体に影響がない範囲で有れば、特に限定しない。好ましくは、50℃以上300℃以下の温度範囲で1分以上24時間以下の加熱処理を行う。反応速度が温度に依存することから、加熱温度が低いほど長時間の処理が好ましい。加熱温度が300℃を越える場合、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物が分解するなどの影響があるため、避けた方が良い。50℃以上150℃以下で1分以上12時間以下の加熱処理であれば、工程を設計する上でなお好ましい。
また、本発明における第2の防曇性物品の作製方法は、図1(b)の防曇性物品の製造工程フロー図に示すように、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物を親水性有機溶剤に希釈した処理液の、非カップリング部位に含有される、スルホン酸エステル基、チオール基、スルフィド基、ジスルフィド基から選ばれる1種以上の官能基をスルホン酸基に変換する工程と、スルホン酸エステル基、チオール基、スルフィド基、ジスルフィド基から選ばれる1種以上の官能基をスルホン酸基に変換した処理液を基材表面に塗布する工程と、前記処理液を塗布した基材を加熱処理して乾燥硬化する工程とを含んでもよい。
本発明に用いる処理液中の非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の、スルホン酸エステル基、チオール基、スルフィド基、ジスルフィド基は、更に良好な親水性を示すスルホン酸基に変換することで、更に良好な防曇性能をたせることが可能である。酸化は、一般的に用いられている、酸化反応(過マンガン酸ナトリウム、過酸化水素水、塩酸、臭化水素、オゾン含有ガス等による酸化)によって行われる。
また、本発明における第3の防曇性物品の作製方法は、図1(c)の防曇性物品の製造工程フロー図に示すように、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の単体及び2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した処理液を基材表面に塗布する工程と、前記処理液を塗布した基材を加熱処理して乾燥硬化する工程と、物品表面に形成された、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランの非カップリング部位に含有される、スルホン酸エステル基、チオール基、スルフィド基、ジスルフィド基から選ばれる1種以上の官能基をスルホン酸基に変換する工程とを含んでもよい。
本発明における防曇性物品の表面に、さらに防曇特性を向上する目的で、界面活性剤を塗布しても良い。塗布する界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両面界面活性剤などがあげられる。具体的には、前述に記載した界面活性剤を用いることが可能である。界面活性剤は特定の一種または二種類以上を混合して使用しても良い。界面活性剤は、防曇性物品表面に付与される方法で有ればいかなる塗布方法を用いても良い。
スルホン酸エステル基、チオール基、スルフィド基、ジスルフィド基の酸化は、オルガノシランまたは/及びその加水分解物を縮合する前でも、縮合した後でも構わないが、より効率的に酸化を行うため、オルガノシランまたは/及びその加水分解物を縮合する前に行うことが好ましい。
次に、本発明への理解を更に容易にすべく、本発明の特徴を以下に説明する。
まず、本発明の第1の特徴は、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の単体及び2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した処理液を物品表面に処理することにより、充分な親水性基の密度が得られ、優れた防曇性能膜が形成された防曇性物品の作製が可能である。
さらに、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の2量体以上の縮合物は、オルガノシラン総量の0.5wt%以上70wt%未満であることにより、膜内に効率的に親水性基を配置し、膜強度および物品表面との密着性が向上された防曇性物品の作製が可能である。さらに、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の単体及び2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した処理液は、界面活性剤を含んでも良い。
第2の特徴は、前記基材がレンズである、防曇性物品である。非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の単体及び2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した処理液により、形成した防曇性能膜は、非常に薄いため、光学特性を損なうことなく、防曇性能を持ったレンズが作製できる。
第3の特徴は、防曇性物品の製造方法が、図1(a)の防曇性物品の製造工程フロー図に示すように、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の単体及び2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した処理液を基材表面に塗布する工程と、前記処理液を塗布した基材を加熱処理して乾燥硬化する工程と、を含む。
また、図1(b)の防曇性物品の製造工程フロー図に示すように、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の単体及び2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した処理液に含有される、スルホン酸エステル基、チオール基、スルフィド基、ジスルフィド基から選ばれる1種以上の官能基をスルホン酸基に転化する工程と、前記処理液を基材表面に塗布する工程と、前記処理液を塗布した基材を加熱処理して乾燥硬化する工程と、を含む。
さらに、図1(c)の防曇性物品の製造工程フロー図に示すように、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の単体及び2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した処理液を基材表面に塗布する工程と、前記処理液を塗布した基材を加熱処理して乾燥硬化する工程と、非カップリング部位に含有される、スルホン酸エステル基、チオール基、スルフィド基、ジスルフィド基から選ばれる1種以上の官能基をスルホン酸基に転化する工程と、を含む。
以下、本発明の実施例を説明する。なお、各実施例は、処理液の作製から防曇性物品の製造方法までを一貫して示す。
(処理液の作製)
3−トリメトキシシリルプロパンスルホン酸イソプロピルエステル0.01molを氷酢酸60mlに溶解し、ここに、30%過酸化水素水35gを、液温を25〜30℃に保った状態で1時間かけて滴下した。滴下終了後、25℃で一昼夜攪拌した。この液をFT−NMRにて分析したところ、スルホン酸エステル基が酸化、メトキシ基が加水分解され、トリシロキシプロパンスルホン酸が合成されていることがわかった。また、トリシロキシプロパンスルホン酸溶液の固形分濃度を測定したところ、4wt%であった。
このトリシロキシプロパンスルホン酸溶液をエタノールにて0.2%に希釈し、150gとした。ここにN−アミノエチルエタノールアミン0.1gを混合し、30℃で2時間攪拌した(A−1液)。このA−1液の一部を純水で20倍に希釈し、LC/MSで分析したところ、2量体以上の縮合物の存在が確認され、その比率は全化合物量中の40wt%であることを確認した。次にA−1液にラウリル硫酸ナトリウムを処理液総量に対し、50ppm加え、処理液Aとした。
(ディップコーティングにより基材表面に塗布する工程)
40℃の1.6N水酸化カリウム液に3分浸漬し、純水で充分に洗浄したプロジェクター用光学部品を処理液Aに浸漬し、等速引き上げ装置を用いて10cm/分の引き上げ速度で塗工した。
(加熱処理して乾燥硬化する工程)
処理液Aを塗布したプロジェクター用光学部品を熱風循環式恒温槽内で、120℃で1時間保持し、基材との反応を完結させ、防曇プロジェクター用光学部品を得た(試料1)。得られた防曇プロジェクター用光学部品の純水に対する接触角は5°以下であり、白濁等の外観上の不具合は確認されなかった。反射率は処理前と後で変化が見られなかった。
(処理液の作製)
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン0.01molをエタノール1.19mlに溶解し、ここに、0.2N硫酸を0.238g添加し、30℃で2時間攪拌し、メトキシ基の加水分解を行った。ここに7.6%過酸化水素水77.54gを加え、60℃の環境下で24H攪拌し、チオール基の酸化反応とシラノール基の縮合反応をおこなった。
この液をFT−NMRにて分析したところ、メルカプト基が酸化、メトキシ基が加水分解され、トリシロキシプロパンスルホン酸が合成されていることがわかった。この液の一部を純水で200倍に希釈し、LC/MSで分析したところ、2量体以上の縮合物の存在が確認され、その比率は全固形分量中の42wt%であることを確認した。また、トリシロキシプロパンスルホン酸溶液の固形分濃度を測定したところ、2.4wt%であった。
このトリシロキシプロパンスルホン酸溶液をエタノールにて固形分濃度が0.15wt%となるよう希釈し、150gの希釈液を得た。この希釈液に、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム(日光ケミカルズ株式会社製ニッコールOTP−100)を処理液総量に対して100ppm加え、処理液Bとした。
(ディップコーティングにより基材表面に塗布する工程)
レンズ材料として、ハードコート膜、反射防止膜(最外層がSiO2膜)の層を有する眼鏡用プラスチックレンズ(「セイコースーパーソブリン」セイコーエプソン株式会社製)を準備した。その眼鏡用プラスチックレンズの表面を洗浄するためにプラズマ処理を行った。プラズマ処理の条件としては、処理圧力:0.1Torr、導入ガス:乾燥air、電極間距離24cm:電源出力:DC1KV、処理時間:15secとした。
プラズマ処理した眼鏡用プラスチックレンズを処理液Bに浸漬して、等速引き上げ装置で20cm/分の引き上げ速度で塗工した。
(加熱処理して乾燥硬化する工程)
処理液Bを塗布した眼鏡用プラスチックレンズを熱風循環式恒温槽内で、60℃で4時間保持し、基材との反応を完結させ、防曇メガネレンズを得た(試料2)。得られた防曇メガネレンズの純水に対する接触角は5°以下であり、白濁等の外観上の不具合は確認されなかった。また、反射率は処理前と後で変化が見られなかった。
(処理液の作製)
ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィド0.01mol(4.75g)をt−ブタノール47.5gに溶解し、0.1N硝酸1.7gを加えて25℃で2時間攪拌した。これをFT−NMRにて分析したところ、エトキシ基が加水分解され、ビス[3−(トリシロキシシリル)プロピル]ジスルフィドとなっていることがわかった。
この溶液1.5gをエタノールで100倍に希釈し、全量150gとした。さらに、ここに、1N水酸化ナトリウム溶液0.1g混合し、室温で30分攪拌した(C−1液)。このC−1液の一部を純水で20倍に希釈し、LC/MSで分析したところ、2量体以上の縮合物の存在が確認され、その比率は全化合物量中の30%であることを確認した。次にC−1液にラウリル硫酸ナトリウムを処理液総量に対し、50ppm加え、処理液Cとした。
(スピンコーティングにより基材表面に塗布する工程)
40℃の1.6N水酸化カリウム液に3分浸漬し、純水で充分に洗浄したプロジェクター用光学部品に、スピンコーターを用いて以下の方法で処理液Cを塗工した。プロジェクター用光学部品の中心部付近を真空チャックし、回転数500rpmで回転させた状態で処理液5mlを吐出し、回転数2500rpmで10秒間回転させ、余剰な処理液を振り切った。
(加熱処理して乾燥硬化する工程)
処理液Cを塗布したプロジェクター用光学部品を熱風循環式恒温槽内で、120℃で1時間保持し、基材との反応を完結させた。
(官能基をスルホン酸基に転化する工程)
オゾンガスを酸素ガスで希釈したオゾン含有ガス(オゾン含有量200g/m3)を、90℃で10分間接触させ酸化処理することにより、スルフィド基をスルホン酸基に置換し、防曇プロジェクター用光学部品を得た(試料3)。スルホン酸基の存在の確認は、メチレンブルーによる染色によって行った。メチレンブルーはスルホン酸に対し、イオン的に非常に強く結合するため、スルホン酸基が存在する場合、青く染色されることが知られている。得られた防曇プロジェクター用光学部品の一部を1mMメチレンブルー水溶液(pH4)に25℃にて1分間浸漬したあと、純水を満たした超音波洗浄機(槽容量2.6リットル、発振周波数:45kHz、出力:120W)で3分間洗浄を行ったところ、青色に染色されていることが認められ、スルホン酸基の存在が確認された。得られた防曇プロジェクター用光学部品の純水に対する接触角は5°以下であり、白濁等の外観上の不具合は確認されなかった。反射率は処理前と後で変化が見られなかった。
(処理液の作製)
ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィド0.02mol(4.75g)をt−ブタノール40.5gに溶解し、0.1N硝酸1.2gを加えて30℃で5時間攪拌した。これをFT−NMRにて分析したところ、エトキシ基が加水分解され、ビス[3−(トリシロキシシリル)プロピル]ジスルフィドとなっていることを確認した。
この溶液2.25gをエタノールで100倍に希釈し、全量150gとしたものを処理液Dとした。この液の一部を純水で20倍に希釈し、LC/MSで分析したところ、2量体以上の縮合物の存在が確認され、その比率は全化合物量中の29wt%であることを確認した。
(スピンコーティングにより基材表面に塗布する工程)
このようにして得られた処理液Dを、40℃の1.6N水酸化カリウム液に3分浸漬し、純水で充分に洗浄したプロジェクター用光学部品を準備した。そのプロジェクター用光学部品にスピンコーターを用いて処理液Dを塗工した。スピンコーターを用いた処理液の塗工は、プロジェクター用光学部品の中心部付近を真空チャックし、回転数500rpmで回転させた状態で処理液3mlを吐出し3秒間回転を保持し、さらに回転数2500rpmで10秒間回転させ、余剰な処理液を振り切った。
(加熱処理して乾燥硬化する工程)
処理液Dを塗布したプロジェクター用光学部品を熱風循環式恒温槽内で、120℃で1時間保持し、基材との反応を完結させた。
(官能基をスルホン酸基に転化する工程)
オゾンガスを溶解したオゾン水(オゾン含有量70〜80ppm)を常温で20分間接触させ酸化処理することにより、スルフィド基をスルホン酸基に置換し、防曇プロジェクター用光学部品を得た(試料4)。スルホン酸基の存在の確認は、メチレンブルーによる染色によって行った。メチレンブルーはスルホン酸に対し、イオン的に非常に強く結合するため、スルホン酸基が存在する場合、青く染色されることが知られている。得られた防曇プロジェクター用光学部品の一部を1mMメチレンブルー水溶液(pH4)に25℃にて1分間浸漬したあと、純水を満たした超音波洗浄機(槽容量2.6リットル、発振周波数:45kHz、出力:120W)で3分間洗浄を行ったところ、青色に染色されていることが認められ、スルホン酸基の存在が確認された。得られた防曇プロジェクター用光学部品の純水に対する接触角は5°以下であり、白濁等の外観上の不具合は確認されなかった。反射率は処理前と後で変化が見られなかった。
本実施形態は、処理液D(実施例4参照)を用いて、眼鏡用レンズを作製した実施例である。処理液の作製については、実施例4と同様であり説明を省略する。
(ディップコーティングにより基材表面に塗布する工程)
レンズ材料として、ハードコート膜、反射防止膜(最外層がSiO2膜)の層を有する眼鏡用プラスチックレンズ(「セイコースーパーソブリン」セイコーエプソン株式会社製)を準備した。その眼鏡用プラスチックレンズの表面を洗浄するためにプラズマ処理を行った。プラズマ処理の条件としては、処理圧力:0.1Torr、導入ガス:乾燥air、電極間距離24cm:電源出力:DC1KV、処理時間:15secとした。
プラズマ処理した眼鏡用プラスチックレンズを処理液Dに浸漬して、等速引き上げ装置で20cm/分の引き上げ速度で塗工した。
(加熱処理して乾燥硬化する工程)
処理液Dを塗布した眼鏡用プラスチックレンズを熱風循環式恒温槽内で、60℃で4時間保持し、基材との反応を完結させ、防曇メガネレンズを得た(試料5)。得られた防曇メガネレンズの純水に対する接触角は5°以下であり、白濁等の外観上の不具合は確認されなかった。また、反射率は処理前と後で変化が見られなかった。
(処理液の作製)
処理液D(実施例4参照)と同様に、ビス[3−(トリシロキシシリル)プロピル]ジスルフィド溶液をエタノール/水(50/50vol%)溶媒で10倍に希釈し、これにオゾンガスを酸素ガスで希釈したオゾン含有ガス(オゾン含有量200g/m3)を2.5l/min.で30分間通じ酸化した。この液をFT−NMRにて分析したところ、ジスルフィド基が酸化され、トリシロキシプロパンスルホン酸が合成されていることを確認した。こうして得られたトリシロキシプロパンスルホン酸溶液の固形分濃度を測定したところ2.0%であった。
このトリシロキシプロパンスルホン酸溶液をエタノールにて固形分濃度が0.15wt%となるよう希釈し、150gの希釈液を得、処理液Eとした。この液の一部を純水で20倍に希釈し、LC/MSで分析したところ、2量体以上の縮合物の存在が確認され、その比率は全固形分量中の30wt%であることを確認した。
(ディップコーティングにより基材表面に塗布する工程)
40℃の1.6N水酸化カリウム液に3分浸漬し、純水で充分に洗浄したプロジェクター用光学部品を準備した。そのプロジェクター用光学部品を処理液Eに浸漬し、等速引き上げ装置を用いて20cm/分の引き上げ速度で塗工した。
(加熱処理して乾燥硬化する工程)
処理液Eを塗布したプロジェクター用光学部品を熱風循環式恒温槽内で、120℃で1時間保持し、基材との反応を完結させ、防曇プロジェクター用光学部品を得た(試料6)。得られた防曇プロジェクター用光学部品の純水に対する接触角は5°以下であり、白濁等の外観上の不具合は確認されなかった。反射率は処理前と後で変化が見られなかった。
(処理液の作製及び官能基をスルホン酸基に転化する工程)
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン溶液(0.02molをアセトン60mlに溶解)を氷冷した0.4mol/l過酸化マンガン水溶液200ml中に氷冷したまま1時間かけて滴下した。滴下終了後、氷冷からはずし、25℃で2時間攪拌し、未反応の過マンガン酸を二酸化マンガンにした。この反応液から、二酸化マンガンを濾別し、わずかに黄みがかった濾液を得た。この濾液をFT−NMRにて分析したところ、チオール基が酸化、メトキシ基が加水分解され、トリシロキシプロパンスルホン酸カリウムが合成されていることがわかった。また、トリシロキシプロパンスルホン酸カリウム溶液の固形分濃度を測定したところ、3wt%であった。
このトリシロキシプロパンスルホン酸カリウム溶液をエタノールにて0.2%に希釈し、150gとした。ここに濃塩酸(35%)を0.05g、酢酸0.025gを混合し、0℃で72時間攪拌した(G−1液)。このG−1液の一部を純水で20倍に希釈し、LC/MSで分析したところ、2量体以上の縮合物の存在が確認され、その比率は全化合物量中の15%であることを確認した。次にG−1液にジラウリルスルホコハク酸ナトリウムを処理液総量に対し、50ppm加え、処理液Gとした。
(ディップコーティングにより基材表面に塗布する工程)
40℃の1.6N水酸化カリウム液に3分浸漬し、純水で充分に洗浄したカメラ用アイピースを処理液Gに浸漬し、等速引き上げ装置を用いて10cm/分の引き上げ速度で塗工した。
(加熱処理して乾燥硬化する工程)
処理液Gを塗布したカメラ用アイピースを熱風循環式恒温槽内で、120℃で1時間保持し、基材との反応を完結させ、防曇カメラ用アイピースを得た(試料7)。得られた防曇カメラ用アイピースの純水に対する接触角は5°以下であり、白濁等の外観上の不具合は確認されなかった。反射率は処理前と後で変化が見られなかった。
(処理液の作製及び官能基をスルホン酸基に転化する工程)
実施例7と同様に、トリシロキシプロパンスルホン酸カリウム溶液を作製し、強酸性陽イオン交換樹脂(アンバーライト IR−120Na)100ml中を通薬速度SV4にて通過させた。トリシロキシプロパンスルホン酸カリウム溶液のpHが10.5であったのに対し、イオン交換した溶液はpHが1.3であり、スルホン酸カリウムがスルホン酸にイオン交換され、トリストリシロキシプロパンルホン酸溶液となっていることが確認された。トリシロキシプロパンスルホン酸溶液の固形分濃度を測定したところ、1.5wt%であった。
このトリシロキシプロパンスルホン酸カリウム溶液をエタノールにて0.15%に希釈し、150gとした。この希釈液を0℃で72時間保管した(H−1液)。このH−1液の一部を純水で20倍に希釈し、LC/MSで分析したところ、2量体以上の縮合物の存在が確認され、その比率は全化合物量中の10%であることを確認した。次にH−1液にジラウリルスルホコハク酸ナトリウムを処理液総量に対し、100ppm加え、処理液Hとした。
(ディップコーティングにより基材表面に塗布する工程)
レンズ材料として、ハードコート膜、反射防止膜(最外層がSiO2膜)の層を有する眼鏡用プラスチックレンズ(「セイコースーパーソブリン」セイコーエプソン株式会社製)を用意し、その表面を洗浄するためにプラズマ処理を行った。プラズマ処理の条件としては、処理圧力:0.1Torr、導入ガス:乾燥air、電極間距離24cm:電源出力:DC1KV、処理時間:15secとした。
プラズマ処理したレンズを処理液Hに浸漬して、等速引き上げ装置で20cm/分の引き上げ速度で塗工した。
(加熱処理して乾燥硬化する工程)
処理液Hを塗布したレンズを熱風循環式恒温槽内で、60℃で4時間保持し、基材との反応を完結させ、防曇メガネレンズを得た(試料8)。得られた防曇メガネレンズの純水に対する接触角は5°以下であり、白濁等の外観上の不具合は確認されなかった。反射率は処理前と後で変化が見られなかった。
(処理液の作製)
アセトン60mlに3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン0.02molを溶解し、これを氷冷した0.4mol/l過マンガン酸カリウム水溶液200ml中に氷冷したまま1時間かけて滴下した。滴下終了後、25℃で2時間攪拌し、未反応の過マンガン酸カリウムを二酸化マンガンとした。この反応液を0℃で一昼夜保管し、二酸化マンガン微粒子を沈降させ、これを濾別した。この濾液をFT−NMRにて分析したところ、メルカプト基が酸化、メトキシ基が加水分解され、トリシロキシプロパンスルホン酸カリウムが合成されていることがわかった。また、トリシロキシプロパンスルホン酸カリウム溶液の固形分濃度を測定したところ、3wt%であった。
得られたトリシロキシプロパンスルホン酸カリウム溶液を、再生した強酸性陽イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製アンバーライトIR−120Na)100ml中を通薬速度SV4にて通過させた。トリシロキシプロパンスルホン酸カリウム溶液のpHが10.5であったのに対し、イオン交換した溶液はpHが1.3であり、スルホン酸カリウムがスルホン酸にイオン交換され、トリシロキシプロパンスルホン酸溶液となっていることが確認された。トリシロキシプロパンスルホン酸溶液の固形分濃度を測定したところ、1.5wt%であった。
このトリシロキシプロパンスルホン酸溶液をエタノールにて固形分濃度が0.15wt%となるよう希釈し、150gの希釈液を得た。この希釈液を0℃で72時間保管し縮合物を生成した後、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム(日光ケミカルズ株式会社製ニッコールOTP−100)を処理液総量に対して100ppm加え、処理液Iとした。
この処理液Iの一部を純水で20倍に希釈し、LC/MSで分析したところ、2量体以上の縮合物の存在が確認され、その比率は全固形分量中の15wt%であることを確認した。
(ディップコーティングにより基材表面に塗布する工程)
40℃の1.6N水酸化カリウム液に3分浸漬し、純水で充分に洗浄した白板ガラスを準備した。その白板ガラスを処理液Iに浸漬し、等速引き上げ装置を用いて20cm/分の引き上げ速度で塗工した。
(加熱処理して乾燥硬化する工程)
処理液Iを塗布した白板ガラスを熱風循環式恒温槽内で、120℃で1時間保持し、基材との反応を完結させ、防曇白板ガラスを得た(試料9)。得られた防曇白板ガラスの純水に対する接触角は5°以下であり、白濁等の外観上の不具合は確認されなかった。また、反射率は処理前と後で変化が見られなかった。
(処理液の作製)
トリシロキシプロパンスルホン酸溶液を作製し、これを固形分濃度が0.15wt%となるようエタノールで希釈し、150gの希釈液を得た。ここにN−アミノエチルエタノールアミンを0.3g混合し、40℃で2時間保持し縮合物を生成した後、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム(日光ケミカルズ株式会社製ニッコールOTP−100)を処理液総量に対して100ppm加え、処理液Jとした。
この処理液Jの一部を純水で20倍に希釈し、LC/MSで分析したところ、2量体以上の縮合物の存在が確認され、その比率は全固形分量中の62wt%であることを確認した。
(ディップコーティングにより基材表面に塗布する工程)
プラズマ処理を60秒間行ったカメラ用アイピースを基材として準備した。プラズマ処理の条件としては、処理圧力:0.1Torr、導入ガス:乾燥air、電極間距離24cm:電源出力:DC1KV、処理時間:60secとした。このプラズマ処理を行ったカメラ用アイピースを処理液Jに浸漬し、等速引き上げ装置を用いて20cm/分の引き上げ速度で塗工した。
(加熱処理して乾燥硬化する工程)
処理液Jを塗布したカメラ用アイピースを熱風循環式恒温槽内で、120℃で1時間保持し、基材との反応を完結させ、防曇カメラ用アイピースを得た(試料10)。得られた防曇カメラ用アイピースの純水に対する接触角は5°以下であり、白濁等の外観上の不具合は確認されなかった。反射率は処理前と後で変化が見られなかった。
〔比較例1〕
(処理液の作製)
処理液I(実施例9参照)を調製する際と同様に、トリシロキシプロパンスルホン酸溶液を調製し、これをエタノールにて固形分濃度が0.15wt%となるよう希釈し、150gの希釈液を得た。この希釈直後の液を、処理液Kとした。
この処理液の一部を純水で20倍に希釈し、LC/MSで分析したところ、2量体以上の縮合物の存在が確認され、その比率は全固形分量中の0.6wt%であることを確認した。
(ディップコーティングにより基材表面に塗布する工程及び加熱処理して乾燥硬化する工程)
40℃の1.6N水酸化カリウム液に3分浸漬し、純水で充分に洗浄した白板ガラスを処理液Kに浸漬し、等速引き上げ装置を用いて20cm/分の引き上げ速度で塗工した。
これを熱風循環式恒温槽内で、120℃で1時間保持することにより乾燥硬化を行い、防曇白板ガラスを得た(試料11)。また、得られた防曇白板ガラスの純水に対する接触角は10°であり、白濁等の外観上の不具合は確認されなかった。反射率は処理前と後で変化が見られなかった。
〔比較例2〕
(処理液の作製)
処理液J(実施例10参照)の調製と同様に、固形分濃度が0.15wt%のトリシロキシプロパンスルホン酸のエタノール溶液にN−アミノエチルエタノールアミンを0.3g混合し、75℃で200時間保持し縮合物を生成、処理液Lとした。
この処理液Lの一部を純水で20倍に希釈し、LC/MSで分析したところ、2量体以上の縮合物の存在が確認され、その比率は全固形分量中の79wt%であることを確認した。
(ディップコーティングにより基材表面に塗布する工程)
40℃の1.6N水酸化カリウム液に3分浸漬し、純水で充分に洗浄したプロジェクター用光学部品を処理液Jに浸漬し、等速引き上げ装置を用いて20cm/分の引き上げ速度で塗工した。
(加熱処理して乾燥硬化する工程)
処理液Jを塗布したプロジェクター用光学部品を熱風循環式恒温槽内で、120℃で1時間保持することにより乾燥硬化を行い、基材との反応を完結させ、防曇プロジェクター用光学部品を得た(試料12)。得られた防曇プロジェクター用光学部品の純水に対する接触角は12°であり、外観上若干の白濁が確認された。片面反射率は処理前5%であったのに対し、8%に増加していた。
〔比較例3〕
(処理液の作製)
処理液D(実施例4参照)でビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィドのかわりに、n−ヘキシルトリエトキシシランを4.96g用いた以外は同様に、加水分解、縮合を行い、エタノールにて固形分濃度が0.15wt%となるよう希釈し、150gの処理液Mを得た。
この処理液Mの一部を純水で20倍に希釈し、LC/MSで分析したところ、2量体以上の縮合物の存在が確認され、その比率は全化合物量中の52wt%であることを確認した。
(スピンコーティングにより基材表面に塗布する工程)
40℃の1.6N水酸化カリウム液に3分浸漬し、純水で充分に洗浄した白板ガラスに、スピンコーターを用いて以下の方法で塗工した。白板ガラスの中心部付近を真空チャックし、回転数500rpmで回転させた状態で処理液3mlを吐出し3秒間保持し、さらに回転数2500rpmで10秒間回転させ、余剰な処理液を振り切った。
(加熱処理して乾燥硬化する工程)
処理液Mを塗布した白板ガラスを熱風循環式恒温槽内で、120℃で1時間保持し、基材との反応を完結させた(試料13)。
得られた処理液Mで処理した防曇白板ガラスの純水に対する接触角は43°であり、白濁等の外観上の不具合は確認されなかった。反射率は処理前と後で変化が見られなかった。メチレンブルー染色法により、この防曇白板ガラスの染色を行ったが、染色されなかった。
〔比較例4〕
(処理液の作製及び官能基をスルホン酸基に転化する工程)
処理液M(比較例3参照)を用いた。
(スピンコーティングにより基材表面に塗布する工程)
40℃の1.6N水酸化カリウム液に3分浸漬し、純水で充分に洗浄した白板ガラスに、スピンコーターを用いて以下の方法で処理液Mを塗工した。白板ガラスの中心部付近を真空チャックし、回転数500rpmで回転させた状態で処理液3mlを吐出し3秒間回転を保持し、さらに回転数2500rpmで10秒間回転させ、余剰な処理液を振り切った。
(加熱処理して乾燥硬化する工程)
処理液Mを塗布した白板ガラスを熱風循環式恒温槽内で、120℃で1時間保持し、基材との反応を完結させた(試料14)。
(官能基をスルホン酸基に転化する工程)
オゾンガスを酸素ガスで希釈したオゾン含有ガス(オゾン含有量200g/m3)を、90℃で10分間接触させ酸化処理することにより、スルフィド基をスルホン酸基に置換し、防曇白板ガラスを得た。スルホン酸基の存在の確認は、メチレンブルーによる染色によって行った。得られた防曇白板ガラスの一部を1mMメチレンブルー水溶液(pH4)に25℃にて1分間浸漬したあと、純水を満たした超音波洗浄機(槽容量2.6リットル、発振周波数:45kHz、出力:120W)で3分間洗浄を行ったところ、青色に染色されていることが認められ、スルホン酸基の存在が確認された。得られた防曇白板ガラスの純水に対する接触角は7°以下であり、白濁等の外観上の不具合は確認されなかった。反射率は処理前と後で変化が見られなかった。
〔比較例5〕
(処理液の作製)
処理液I(実施例9参照)を用いた。
(ディップコーティングにより基材表面に塗布する工程)
プラズマ処理を60秒間行ったカメラ用アイピースを基材として準備した。プラズマ処理の条件としては、処理圧力:0.1Torr、導入ガス:乾燥air、電極間距離24cm:電源出力:DC1KV、処理時間:60secとした。このプラズマ処理を行ったカメラ用アイピースを処理液Iに浸漬し、等速引き上げ装置を用いて20cm/分の引き上げ速度で塗工した。
(加熱処理して乾燥硬化する工程)
処理液Iを塗布したカメラ用アイピースを熱風循環式恒温槽内で、40℃で1時間保持し、基材との反応を完結させ、防曇カメラ用アイピースを得た(試料15)。得られた防曇カメラ用アイピースの純水に対する接触角は5°以下であり、白濁等の外観上の不具合は確認されなかった。また、反射率は処理前と後で変化が見られなかった。
以上の各実施例及び比較例における防曇性物品(試料1〜15)の作製条件を表1に示す。
Figure 0004687009
以上の各実施例及び比較例で得られた光学物品を、以下に示す評価方法で評価した。その結果を表2に示す。評価項目は、初期防曇性、防曇耐久性、耐擦傷性、水やけ試験、染色試験とした。以下、各評価項目についての評価方法を説明する。
〔評価方法〕
初期防曇性:20℃に保管したサンプルを、温度40℃、湿度90%に保った環境中に移し、表面の曇り発生を目視観察した。この曇り方を、つぎの3段階に分けて評価した。即ち、○…ぜんぜん曇らないもの。△…2分後に曇りが消える(実用上問題あり)。×…2分たっても曇りが消えない。
防曇耐久性:物品表面を布(木綿)で500gの荷重をかけ1000回摩擦したあと、純水でよく洗浄、乾燥する。これを20℃に保管したサンプルを、温度40℃、湿度90%に保った環境中に移し、表面の曇り発生を目視観察する。この曇り方を、つぎの3段階に分けて評価する。即ち、○…ぜんぜん曇らないもの。△…2分後に曇りが消える(実用上問題あり)。×…2分たっても曇りが消えない。
耐擦傷性:光学物品表面を#0000のスチールウールで1kgの荷重をかけ50回摩擦した。キズのついた度合いを以下の3段階に分けて評価した。即ち、○…まったくキズがつかない。△…1〜10本、細かいキズがつく(実用上問題はない)。×…細かく無数に傷がつく。
水やけ試験:水道水を光学物品表面にたらし、乾燥させた後、布で残留物を拭き取った。拭き取り度合いを以下の3段階に分けて評価した。即ち、○…完全に拭き取れる。△…一部残留物が残る(実用上問題あり)。×…残留物がほとんど残る。
染色試験:スルホン酸基の存在の確認を、メチレンブルーによる染色によって行った。メチレンブルーはスルホン酸に対し、イオン的に非常に強く結合するため、スルホン酸基が存在する場合、青く染色されることが知られている。得られた防曇白板ガラスの一部を1mMメチレンブルー水溶液(pH4)に25℃にて1分間浸漬したあと、純水を満たした超音波洗浄機(槽容量2.6リットル、発振周波数:45kHz、出力:120W)で3分間洗浄を行い、青色に染色されているか確認した。染色性を以下の2段階で評価した。即ち、○…染色されている。×…染色されていない。
Figure 0004687009
表2の結果より、実施例1〜10(処理液A〜J)の初期防曇性能及び防曇耐久性、耐擦傷性は良好であり、比較例3(処理液M)及び比較例4(処理液M)の初期防曇性能及び防曇耐久性が不良であることから、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の単体及び2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した処理液を物品表面に処理することにより、充分な親水性基の密度が得られ、優れた防曇性能膜を形成する防曇処理液を得ることができる。
さらに、実施例1〜10(処理液A〜J)の初期防曇性能及び防曇耐久性、耐擦傷性は良好であり、比較例1(処理液K)及び比較例2(処理液L)の初期防曇性能及び防曇耐久性、耐擦傷性が不良であることから、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の2量体以上の縮合物は、オルガノシラン総量の1wt%以上70wt%未満であることにより、膜内に効率的に親水性基を配置し、膜強度および物品表面との密着性が向上された防曇性能膜を形成する防曇処理液が得られる。
また、実施例1〜10(処理液A〜J)の初期防曇性能及び防曇耐久性が良好であることから、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の単体及び2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した処理液は、界面活性剤を含んでも良いといえる。界面活性剤を含有することにより、物品に処理した場合、防曇特性を阻害することなく、外観が良好である均一な膜が作製でき、さらに、防曇特性を向上させることができる。
また、実施例1〜10(処理液A〜J)において外観上不具合が見られないことから非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の単体及び2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した処理液により、形成した防曇性能膜は、非常に薄いため、光学特性を損なうことなく、防曇性能を持った防曇白板ガラス(光学物品)が作製できるといえる。比較例2(処理液L)で外観上不具合が生じたのは、縮合物の含有量が多く、膜構成物質が膜内に均一に配置されなかったためと考えられる。
また、実施例1〜10(処理液A〜J)において防曇耐久性、耐水やけ性、耐擦傷性は良好であり、比較例5(処理液I、加熱処理して乾燥硬化する工程が40℃で1時間保持)の防曇耐久性、耐水やけ性、耐擦傷性が不良である。よって、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の単体及び2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した処理液を塗布した基材を、50℃以上300℃以下の温度範囲で、1分以上24時間以下で加熱処理して乾燥硬化する工程とにより、優れた防曇性能膜が形成された防曇性物品の作製が可能である。
防曇性物品の製造工程フロー図。

Claims (9)

  1. 基材表面に、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の、単体及び前記単体から成る2量体以上の縮合物による防曇性能膜を形成しており、前記2量体以上の縮合物が、オルガノシラン総量の1wt%以上70wt%未満である防曇性物品。
  2. 前記処理膜に界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1記載の防曇性物品。
  3. 前記非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物が、スルホン酸エステル基、チオール基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホン酸基から選ばれる1種以上の官能基を含有する請求項1〜2のいずれか1つに記載の防曇性物品。
  4. 前記基材がレンズである、請求項1〜3のいずれか1つに記載の防曇性物品。
  5. 非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の、単体及び前記単体から成る2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した、前記2量体以上の縮合物が、オルガノシラン総量の1wt%以上70wt%未満である処理液を基材表面に塗布する工程と、
    前記処理液が塗布された基材を加熱処理して乾燥硬化する工程と、
    を含み、前記加熱処理して乾燥硬化する工程が、50℃以上300℃
    以下の温度範囲で、1分以上24時間以下である防曇性物品の製造方法。
  6. 非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の、単体及び前記単体から成る2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した、前記2量体以上の縮合物が、オルガノシラン総量の1wt%以上70wt%未満である処理液に含有されるスルホン酸エステル基、チオール基、スルフィド基、ジスルフィド基から選ばれる1種以上の官能基をスルホン酸基に転化する工程と、
    前記官能基をスルホン酸基に転化する工程後の前記処理液を基材表面に塗布する工程と、前記処理液を塗布した基材を加熱処理して乾燥硬化する工程と、
    を含み、前記加熱処理して乾燥硬化する工程が、50℃以上300℃以下の温度範囲で、1分以上24時間以下である、防曇性物品の製造方法。
  7. 非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄を含むオルガノシランまたは/及びその加水分解物の、単体及び前記単体から成る2量体以上の縮合物を親水性有機溶剤に希釈した、前記2量体以上の縮合物が、オルガノシラン総量の1wt%以上70wt%未満である処理液を基材表面に塗布する工程と、前記処理液を塗布した基材を加熱処理して乾燥硬化する工程と、
    非カップリング部位に含有される、スルホン酸エステル基、チオール基、スルフィド基、ジスルフィド基から選ばれる1種以上の官能基をスルホン酸基に転化する工程と、
    を含み、前記加熱処理して乾燥硬化する工程が、50℃以上300℃以下の温度範囲で、1分以上24時間以下である、防曇性物品の製造方法。
  8. 前記処理液を基材表面に塗布する方法がディップコーティング法である、請求項5〜7のいずれか1つに記載の防曇性物品の製造方法。
  9. 前記処理液を基材表面に塗布する方法がスピンコーティング法である、請求項5〜7のいずれか1つに記載の防曇性物品の製造方法。
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