JPH0753739A - 防曇性薄膜及びその製造方法 - Google Patents

防曇性薄膜及びその製造方法

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JPH0753739A
JPH0753739A JP20488893A JP20488893A JPH0753739A JP H0753739 A JPH0753739 A JP H0753739A JP 20488893 A JP20488893 A JP 20488893A JP 20488893 A JP20488893 A JP 20488893A JP H0753739 A JPH0753739 A JP H0753739A
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JP20488893A
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Yasuo Takebe
安男 武部
Tadashi Otake
忠 大竹
Norihisa Mino
規央 美濃
Kazufumi Ogawa
小川  一文
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オングストロームオーダーの成膜および膜厚
制御が可能で、そのため透明性が良好でピンホールフリ
ー、かつ強固に基体と結合している防曇性薄膜およびそ
の製造方法を提供する。 【構成】 膜構成分子が基体と直接または内層膜を介し
て間接的にSi、Ge、Sn、Ti、Zr、S、Cから
選ばれる少なくとも1つの原子を介して共有結合してお
り、前記膜内にエーテル結合、スルフィド結合、エステ
ル結合、ホスフォニル結合(−PO2 −)、ホスフィニ
ル結合(−PO−)、スルフォニル結合(−SO
2 −)、スルフィニル結合(−SO−)、アミノ基、リ
ン酸基、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、スル
フォン酸基、第4級アンモニウム基、第4級ホスフォニ
ウム基から選ばれる少なくとも1つの結合または官能基
を含み、極めて高い親水性を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防曇性薄膜およびその
製造方法に関するものである。さらに詳しくは、基体上
に設けた化学吸着膜が、特定の親水性基を含み、かつ防
曇性を有する防曇性薄膜及びその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、基材に親水性を付与する方法とし
て、化学的に表面改質を行う方法がある。例えば、オゾ
ン雰囲気でエキシマレーザー等の高エネルギー光を照射
するという非常に強い反応条件下での酸化というのも1
つの方法であった。この酸化により、新たにカルボキシ
ル基や水酸基がつくり出される。
【0003】また、他の方法として、特開平3−989
18号公報にある通り、膜表面に親水性基が露出した化
学吸着単分子膜を作成するという方法がある。クロロシ
リル基は非常に反応活性の高い官能基なため、親水性基
とクロロシリル基を同一の分子内に存在させることは不
可能である。そのため、そのような化学吸着剤はないの
で親水性基の導入は、一旦作成した化学吸着膜の膜表面
の官能基を化学反応により行うという方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、強烈な
酸化による化学的な表面改質という方法では、親水性は
たとえ向上しても、基材のある程度の損傷は避けられ
ず、場合によっては、改質どころか炭化を含めての硬化
や変色等が起こってしまう。
【0005】また、化学反応による化学吸着膜表面の親
水性基への変換という方法では、最表面に親水性基が作
り出されるだけである。そのため、直径1mm程度以上
の水滴であれば、自重も手伝って即座に薄く広がり、い
わゆる「濡れる」という状態になることができる。しか
し、直径が上述程度以下になると、その水滴の表面張力
の方が勝り広がるという状態にはならなくなってしま
う。微小粒が無数に残り、いわゆる「曇る」という状態
になってしまう。
【0006】本発明は、前記従来の課題を解決するた
め、透明性、耐久性の保持は勿論、さらに基材表面に損
傷を与えることなく、優れた親水性を付与した防曇性化
学吸着膜及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の防曇性薄膜は、基体上に設けた化学吸着膜
が、エーテル結合、スルフィド結合、エステル結合、、
ホスフォニル結合(−PO2 −)、ホスフィニル結合
(−PO−)、スルフォニル結合(−SO2 −)、スル
フィニル結合(−SO−)から選ばれる少なくとも1つ
の結合を膜構成分子の骨格中に含み、かつ防曇性を有す
ることを特徴とする。
【0008】前記構成においては、膜構成分子の骨格中
に、アミノ基、リン酸基、水酸基、メルカプト基、カル
ボキシル基、スルフォン酸基、第4級アンモニウム基、
第4級ホスフォニウム基から選ばれる少なくとも1つの
官能基を含むことが好ましい。
【0009】また前記構成においては、化学吸着膜が、
前記式(化1)で示される官能基、前記式(化2)で示
される官能基、前記式(化3)で示されるハロゲン化ス
ルフォニル基、前記式(化4)で示されるハロゲン化ス
ルフィルニ基、シアノ基(−CN)から選ばれる少なく
とも1つの官能基を含む分子を化学吸着剤として用い、
基体とSi、Ge、Sn、Ti、Zr、C、Sから選ば
れる少なくとも1つの原子を介して結合し形成される化
学吸着膜であることが好ましい。
【0010】また前記構成においては、化学吸着膜が、
単分子膜または単分子累積膜であることが好ましい。次
に本発明の防曇性薄膜の第1番目の製造方法は、表面に
活性な水素若しくはアルカリ金属を有するかまたは付与
した基体表面に、前記式(化5)で示される官能基、前
記式(化6)で示される官能基、前記式(化7)で示さ
れるハロゲン化スルフォニル基、前記式(化8)で示さ
れるハロゲン化スルフィニル基、シアノ基(−CN)か
ら選ばれる少なくとも1つの官能基を含む分子を接触さ
せ、縮合反応させることにより、前記分子を前記基体上
に共有結合により固定させ化学吸着膜を形成し、次いで
エーテル結合、スルフィド結合、エステル結合、ホスフ
ォニル結合(−PO2 −)、ホスフィニル結合(−PO
−)、スルフォニル結合(−SO2 −)、スルフィニル
結合(−SO−)、アミノ基、リン酸基、水酸基、メル
カプト基、カルボキシル基、スルフォン酸基、第4級ア
ンモニウム基、第4級ホスフォニウム基から選ばれる少
なくとも1つの結合または官能基を含む分子を前記化学
吸着膜に接触させ、反応させることにより、前記分子を
前記化学吸着膜上に固定させることを特徴とする。
【0011】次に本発明の防曇性薄膜の第2番目の製造
方法は、表面に活性な水素若しくはアルカリ金属を有す
るかまたは付与した基体表面に、前記式(化9)で示さ
れる官能基、前記式(化10)で示される官能基、前記
式(化11)で示されるハロゲン化スルフォニル基、前
記式(化12)で示されるハロゲン化スルフィニル基、
シアノ基(−CN)から選ばれる少なくとも1つの官能
基、かつエーテル結合、スルフィド結合、エステル結
合、ホスフォニル結合(−PO2 −)、ホスフィニル結
合(−PO−)、スルフォニル結合(−SO2 −)、ス
ルフィニル結合(−SO−)、アミノ基、リン酸基、水
酸基、メルカプト基、カルボキシル基、スルフォン酸
基、第4級アンモニウム基、第4級ホスフォニウム基か
ら選ばれる少なくとも1つの結合または官能基を含む分
子を前記基体に接触させ、反応させることにより、前記
分子を前記化学吸着膜上に固定させる工程を含むことを
特徴とする。
【0012】次に本発明の防曇性薄膜の第3番目の製造
方法は、表面に活性な水素若しくはアルカリ金属を有す
るかまたは付与した基体表面に、前記式(化13)で示
される官能基、前記式(化14)で示される官能基、前
記式(化15)で示されるハロゲン化スルフォニル基、
前記式(化16)で示されるハロゲン化スルフィニル
基、シアノ基(−CN)から選ばれる少なくとも1つの
官能基を含む分子を接触させ、縮合反応させることによ
り、前記分子を前記基体上に固定させ化学吸着膜を形成
し、次いで前記化学吸着膜の官能基を化学反応によりエ
ーテル結合、スルフィド結合、エステル結合、ホスフォ
ニル結合(−PO2 −)、ホスフィニル結合(−PO
−)、スルフォニル結合(−SO2 −)、スルフィニル
結合(−SO−)、アミノ基、リン酸基、水酸基、メル
カプト基、カルボキシル基、スルフォン酸基、第4級ア
ンモニウム基、第4級ホスフォニウム基から選ばれる少
なくとも1つの結合または官能基に変換させることを特
徴とする。
【0013】前記本発明の第1〜3番目の製造方法の構
成においては、化学吸着膜が、単分子膜または単分子累
積膜であることが好ましい。
【0014】
【作用】前記本発明の構成によれば、透明性、耐久性の
保持は勿論、さらに基材表面に損傷を与えることなく、
優れた親水性を付与した防曇性化学吸着膜を実現でき
る。また本発明によれば、従来にない薄くて強固な親水
性膜を効率よく合理的に製造することができる。すなわ
ち、オングストロームオーダーの膜厚であり、そのため
良好な透明性が確保でき、さらに共有結合で基体に固定
されているので耐久性の保持も勿論でき、かつ基材表面
に損傷を与えることなく優れた防曇性を付与できる。
【0015】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。本発明の防曇性薄膜は、基体上に設けた化
学吸着膜が、エーテル結合、スルフィド結合、エステル
結合、ホスフォニル結合(−PO2 −)、ホスフィニル
結合(−PO−)、スルフォニル結合(−SO2 −)、
スルフィニル結合(−SO−)、アミノ基、リン酸基、
水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、スルフォン酸
基、第4アンモニウム基、第4級ホスフォニウム基、か
ら選ばれる少なくとも1つの結合または官能基を含んで
いることにより防曇性を有している。
【0016】つまり、これら結合または官能基は親水性
として知られている。親水性であれば、例えば水蒸気が
接触したとしても、表面で瞬時に広がり極薄い層を形成
するようになるため微小粒になって付着するということ
がなくなる。親水性が低い場合には微小粒を形成して付
着してしまう。この時微小粒になると、いわゆる「曇
る」という状態になってしまう。それは、その微小粒が
光を一部乱反射させるためである。
【0017】しかし、親水性基が膜表面に露出している
だけでは、水蒸気の微小水滴は薄く広がらずに「曇る」
状態になってしまう。本発明の薄膜は、含水能を有する
骨格構造を有することを最大の特徴としており、このた
めに水蒸気のような超微小粒でも吸収し、広げるという
ことを行うことが可能となる。
【0018】また、本発明の防曇性薄膜は、基体に直接
または内層膜を介して間接的に強固に固定されており、
さらにオングストロームオーダーの成膜および膜厚制御
が可能で、そのため透明性が良好でかつピンホールフリ
ーな防曇性薄膜になる。
【0019】ところで、オングストロームオーダーの成
膜および膜厚制御が可能である薄膜としては、現在ラン
グミュアー・ブロジェット(LB)法および化学吸着法
の2方法から作成される膜が有力である。
【0020】なお、化学吸着法の基本的技術は、ジャー
ナル オブ アメリカン ケミカルソサイアティ第10
2巻92ページ(J.Sagiv,J.Am.Che
m.Soc.,102,92(1980).)およびラ
ングミュアー第6巻851ページ(K.Ogawa e
t al.,Langmuir,6,851(199
0).)等に掲載されている。この化学吸着法は、クロ
ロシリル基を有する化学吸着剤と呼ばれる分子を、その
表面に水酸基を有する基体上に脱塩化水素反応を経て固
定させる方法である。
【0021】化学吸着剤としては、前記式(化1)で示
される官能基、前記式(化2)で示される官能基、前記
式(化3)で示されるハロゲン化スルフォニル基、前記
式(化4)で示されるハロゲン化スルフィニル基、シア
ノ基(−CN)から選ばれる少なくとも1つの官能基を
有する分子がなり得るが、これらに限定されないことは
勿論である。但し、ここで言うハロゲンは、Cl、Br
またはIが挙げれるが、反応性の点ではClが好ましい
が、BrやIであっても同様の化学吸着膜を得られる。
【0022】前記の化学吸着膜を固定する先の基体とし
ては、その表面に、水酸基、カルボキシル基、スルフィ
ン酸基、スルフォン酸基、リン酸基、亜リン酸基、第四
級アンモニウム基、第四級ホスフォニウム基、チオール
基、アミノ基から選ばれる少なくとも1つの官能基及び
/または水酸基、カルボキシル基、スルフィン酸基、ス
ルフォン酸基、リン酸基、亜リン酸基、第四級アンモニ
ウム基、第四級ホスフォニウム基、チオール基、アミノ
基から選ばれる少なくとも1つの官能基のHがアルカリ
金属またはアルカリ土類金属で置換された官能基から選
ばれる少なくとも1つの官能基を有するもの、および前
記した官能基を有する基体上に既に固定され、かつ前記
した官能基を膜上に有している化学吸着膜が挙げられる
が、これらに限定されないことは勿論である。
【0023】基体表面に前記した官能基がないか、また
は少ない場合にはUV/オゾン処理、酸素プラズマ処
理、過マンガン酸カリウム液等の化合物酸化剤処理等を
行って表面改質を施し、前記官能基を作り出すかまたは
増やしてやると効果的である。
【0024】また、前記化学吸着膜を前記基体に固定さ
せる方法として、液体状及び/または気体状の前記化学
吸着剤または前記化学吸着剤を溶解させた溶液に基体を
接触させる方法が挙げられるが、これらに限定されない
ことは勿論である。
【0025】ここで溶液として供する場合、用いる溶媒
としては、活性な水素が含まれていない分子から成るの
が適当である。例えば、化学吸着剤が長鎖のアルキル基
を有する場合には、炭化水素類とハロゲン化炭素類等の
混合溶媒を、カルボニル基を有する場合には、ハロゲン
化炭化水素類や芳香族類を用いるのが適当であるが、こ
れらに限定されないことは勿論である。
【0026】化学吸着剤を基体上に固定させた後には、
未反応の分子を除去するという工程を加える方が単分子
膜および単分子累積膜を作成し易いので好ましい。その
洗浄除去の際用いる溶媒としては、非プロトン系溶媒が
好ましい。例えば、ハロゲン化炭素類、エーテル類、ラ
クトン類、エステル類、ニトリル類、アミド類等が挙げ
られるが、これらに限定されないことは勿論である。
【0027】また、防曇性、つまり親水性は、親水基の
密度や種類により制御可能である。以下に、本発明の防
曇性薄膜およびその製造方法について、より詳細に説明
する。但し、本発明は以下の具体的実施例に限定されな
い。
【0028】実施例1 はじめに吸着溶液Aを調製した。乾燥トルエンにカルボ
メトキシエチルトリクロロシランを約1vol.%の濃度で
溶解し、これを吸着溶液Aとした。
【0029】ガラス基板を吸着溶液Aに1時間浸漬さ
せ、続いて10分間のトルエン洗浄を行い、未反応の化
学吸着剤を除去した。この処理により、図1に示すよう
な化学吸着単分子膜1が形成できた。
【0030】なお、この化学吸着単分子膜1の形成は、
フーリエ変換赤外吸収(FTIR)スペクトル測定によ
り、2920、2860(帰属:−CH2 −)、174
0(帰属:C=O)、1080(帰属:Si−O−S
i)cm-1にこの構造に特徴的なシグナルを得たことで
確認できた。
【0031】次に、この化学吸着単分子膜1を有する基
板を平均分子量350のポリエチレングリコールモノメ
チルエーテル(略:PEO350)に極少量の硫酸を加
えたものに、100℃で5時間浸漬させた。続いて10
分間の水洗を行い、未反応のPEO350を除去した。
この処理により、図2に示すような化学吸着単分子累積
膜2が形成された。
【0032】なお、この化学吸着単分子累積膜2の形成
は、FTIRスペクトル測定により、2920、286
0(帰属:−CH2 −)cm-1のシグナルが増加し、ま
た新たに1140(帰属:C−O−C)cm-1にこの構
造に特徴的なシグナルを得たことで確認できた。
【0033】この化学吸着単分子累積膜2を有する基板
について、水に対する接触角の測定を行ったところ、ほ
とんど0゜に近く測定不能であった。次に、化学吸着単
分子累積膜2を有するガラス基板および膜の付いていな
いガラス基板を、100℃の沸騰水上にかざして曇具合
を見てみたところ、膜の付いているガラス基板は全く曇
らなかったのに比べて、膜の付いていないガラス基板は
瞬時に曇ってしまった。
【0034】実施例2 実施例1と同様にして、平均分子量750のポリエチレ
ングリコールモノメチルエーテル(略:PRO750)
を用いて化学吸着単分子累積膜を形成した。
【0035】なお、これもFTIRにより膜形成を確認
した。次に、水に対する接触角を測定したところ、やは
りほとんど0゜で測定不能であった。
【0036】次に、化学吸着単分子累積膜3を有するガ
ラス基板および膜の付いていないガラス基板を、100
℃の沸騰水上にかざして曇具合を見てみたところ、膜の
付いているガラス基板は全く曇らなかったのに比べて、
膜の付いていないガラス基板は瞬時に曇ってしまった。
【0037】実施例3 実施例1と同様にして、平均分子量1000のポリビニ
ルアルコールを用いて図3に示すような化学吸着単分子
累積膜3を形成した。
【0038】なお、これもFTIRにより膜形成を確認
した。次に、水に対する接触角を測定したところ、やは
りほとんど0゜で測定不能であった。
【0039】実施例4 実施例1と同様にして、平均分子量500のポリエチレ
ンスルフィドアルコールを用いて図4に示すような化学
吸着単分子累積膜4を形成した。
【0040】なお、これもFTIRにより膜形成を確認
した。次に、水に対する接触角を測定したところ、やは
りほとんど0゜で測定不能であった。
【0041】実施例5 実施例1と同様にして、(3−トリクロロシリル)プロ
ピルスルフォニルクロライドを化学吸着剤として用いて
化学吸着単分子膜を形成した。
【0042】次に、この化学吸着単分子膜に対して、N
2 CO3 水溶液処理、続いてNaOH処理を施した
ら、図5に示すような化学吸着単分子膜5を形成でき
た。なお、これもFTIRにより膜形成を確認した。
【0043】次に、水に対する接触角を測定したとこ
ろ、約5゜であり極めて親水性に富んでいた。次に、比
較実験として化学吸着単分子累積膜4を有するガラス基
板および膜の付いていないガラス基板を、100℃の沸
騰水上にかざして曇具合をみたところ、膜の付いている
ガラス基板は全く曇らなかったのに比べて、膜の付いて
いないガラス基板は瞬時に曇ってしまった。
【0044】以上のことから、ガラス基板上に本発明の
膜を形成することで防曇性が向上したことが確認でき
た。なお、上述した実施例1、2および3と同様の条件
において、エーテル結合、スルフィド結合、エステル結
合、アミノ基、リン酸基、水酸基、メルカプト基、カル
ボキシル基、スルフォン酸基、第4級アンモニウム基、
第4級ホスフォニウム基、ホスフォニル基(−PO
2 −)、ホスフィニル基(−PO−)、スルフォニル基
(−SO2 −)、スルフィニル基(−SO−)から選ば
れる官能基、結合のうち実施例1から5で用いた以外の
官能基または結合、および前記式(化5)で示される官
能基、前記式(化6)で示される官能基、前記式(化
7)で示されるハロゲン化スルフォニル基、前記式(化
8)で示されるハロゲン化スルフィニル基、シアノ基
(−CN)から選ばれる少なくとも1つの官能基以外の
官能基を含む分子を用いた場合も、親水性に非常に富ん
だ同様の防曇性薄膜を製造できることを確認した。
【0045】以上説明した通り、本発明の防曇性薄膜は
実用に供するに充分な親水性を有しており、そのため表
面改質の新しい方法の1つとして本発明の防曇性薄膜の
実用性は極めて高い。
【0046】一方、本発明の薄膜は、原理的に活性な水
素、アルカリ金属及び/またはアルカリ土類金属がその
基体の表面にありさえすれば形成できるので、従来防曇
性が望まれていたにも関わらず、化学的に、また諸々の
事情によってそれが困難であった用途へも本発明の防曇
性薄膜は使用できる。例えば、生体適合材料の表面改質
には、本発明の親水性膜は他の如何なる材料を用いるよ
りも、親水性、安定性、膜厚の点で適していることは明
らかであり、利用範囲は極めて広い。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、オン
グストロームオーダーの成膜および膜厚制御が可能で、
ピンホールフリー、かつ強固に基体と結合している防曇
性薄膜を効率良く合理的に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の化学吸着単分子膜の要部拡
大図
【図2】本発明の一実施例の化学吸着単分子累積膜の要
部拡大図
【図3】本発明の一実施例の化学吸着単分子累積膜の要
部拡大図
【図4】本発明の一実施例の化学吸着単分子累積膜の要
部拡大図
【図5】本発明の一実施例の化学吸着単分子膜の要部拡
大図
【符号の説明】
1:化学吸着単分子膜 2:化学吸着単分子累積膜 3:化学吸着単分子累積膜 4:化学吸着単分子累積膜 5:化学吸着単分子膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 一文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に設けた化学吸着膜が、エーテル
    結合、スルフィド結合、エステル結合、ホスフォニル結
    合(−PO2 −)、ホスフィニル結合(−PO−)、ス
    ルフォニル結合(−SO2 −)、及びスルフィニル結合
    (−SO−)から選ばれる少なくとも1つの結合を膜構
    成分子の骨格中に含み、かつ防曇性を有することを特徴
    とする防曇性薄膜。
  2. 【請求項2】 膜構成分子の中に、アミノ基、リン酸
    基、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、スルフォ
    ン酸基、第4級アンモニウム基、及び第4級ホスフォニ
    ウム基から選ばれる少なくとも1つの官能基を含む請求
    項1に記載の防曇性薄膜。
  3. 【請求項3】 化学吸着膜が、一般式(化1)で示され
    る官能基、一般式(化2)で示される官能基、一般式
    (化3)で示されるハロゲン化スルフォニル基、一般式
    (化4)で示されるハロゲン化スルフィルニ基、及びシ
    アノ基(−CN)から選ばれる少なくとも1つの官能基
    を含む分子を化学吸着剤として用い、基体とSi、G
    e、Sn、Ti、Zr、C、Sから選ばれる少なくとも
    1つの原子を介して結合し形成される化学吸着膜である
    請求項1または2に記載の防曇性薄膜。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】
  4. 【請求項4】 化学吸着膜が、単分子膜または単分子累
    積膜である請求項1から3の何れかに記載の防曇性薄
    膜。
  5. 【請求項5】 表面に活性な水素若しくはアルカリ金属
    を有するかまたは付与した基体表面に、一般式(化5)
    で示される官能基、一般式(化6)で示される官能基、
    一般式(化7)で示されるハロゲン化スルフォニル基、
    一般式(化8)で示されるハロゲン化スルフィニル基、
    シアノ基(−CN)から選ばれる少なくとも1つの官能
    基を含む分子を接触させ、縮合反応させることにより、
    前記分子を前記基体上に共有結合により固定させ化学吸
    着膜を形成し、次いでエーテル結合、スルフィド結合、
    エステル結合、ホスフォニル結合(−PO2 −)、ホス
    フィニル結合(−PO−)、スルフォニル結合(−SO
    2 −)、スルフィニル結合(−SO−)、アミノ基、リ
    ン酸基、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、スル
    フォン酸基、第4級アンモニウム基、第4級ホスフォニ
    ウム基から選ばれる少なくとも1つの結合または官能基
    を含む分子を前記化学吸着膜に接触させ、反応させるこ
    とにより、前記分子を前記化学吸着膜上に固定させるこ
    とを特徴とする防曇性薄膜の製造方法。 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】
  6. 【請求項6】 表面に活性な水素若しくはアルカリ金属
    を有するかまたは付与した基体表面に、一般式(化9)
    で示される官能基、一般式(化10)で示される官能
    基、一般式(化11)で示されるハロゲン化スルフォニ
    ル基、一般式(化12)で示されるハロゲン化スルフィ
    ニル基、シアノ基(−CN)から選ばれる少なくとも1
    つの官能基、かつエーテル結合、スルフィド結合、エス
    テル結合、ホスフォニル結合(−PO2 −)、ホスフィ
    ニル結合(−PO−)、スルフォニル結合(−SO
    2 −)、スルフィニル結合(−SO−)、アミノ基、リ
    ン酸基、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、スル
    フォン酸基、第4級アンモニウム基、第4級ホスフォニ
    ウム基から選ばれる少なくとも1つの結合または官能基
    を含む分子を前記基体に接触させ、反応させることによ
    り、前記分子を前記化学吸着膜上に固定させる工程を含
    むことを特徴とする防曇性薄膜の製造方法。 【化9】 【化10】 【化11】 【化12】
  7. 【請求項7】 表面に活性な水素若しくはアルカリ金属
    を有するかまたは付与した基体表面に、一般式(化1
    3)で示される官能基、一般式(化14)で示される官
    能基、一般式(化15)で示されるハロゲン化スルフォ
    ニル基、一般式(化16)で示されるハロゲン化スルフ
    ィニル基、シアノ基(−CN)から選ばれる少なくとも
    1つの官能基を含む分子を接触させ、縮合反応させるこ
    とにより、前記分子を前記基体上に固定させ化学吸着膜
    を形成し、次いで前記化学吸着膜の官能基を化学反応に
    よりエーテル結合、スルフィド結合、エステル結合、ホ
    スフォニル結合(−PO2 −)、ホスフィニル結合(−
    PO−)、スルフォニル結合(−SO2 −)、スルフィ
    ニル結合(−SO−)、アミノ基、リン酸基、水酸基、
    メルカプト基、カルボキシル基、スルフォン酸基、第4
    級アンモニウム基、第4級ホスフォニウム基から選ばれ
    る少なくとも1つの結合または官能基に変換させること
    を特徴とする防曇性薄膜の製造方法。 【化13】 【化14】 【化15】 【化16】
  8. 【請求項8】 化学吸着膜が、単分子膜または単分子累
    積膜である請求項5から7の何れかに記載の防曇性薄膜
    の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005052079A1 (ja) * 2003-11-28 2005-06-09 Seiko Epson Corporation 防曇処理液及びその製造方法、防曇性物品及びその製造方法
JP2005224791A (ja) * 2004-01-16 2005-08-25 Seiko Epson Corp 防曇性物品及びその製造方法

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WO2005052079A1 (ja) * 2003-11-28 2005-06-09 Seiko Epson Corporation 防曇処理液及びその製造方法、防曇性物品及びその製造方法
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