JP3397215B2 - 親水親油性フィルム及びその製造方法 - Google Patents

親水親油性フィルム及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機能性を高めたプラス
チックフィルム及びその製造方法に関するものである。
さらに詳しくは、車のリヤウインドウの内側やヘルメッ
トのシールの内側等に貼りつける防曇フィルムとして用
いる親水親油性フィルム及びその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】親水親油性を持つためには、その表面張
力を水または油の表面張力よりも高くすることが必要に
なる。一般に親水性を持つフィルムとしては実用的には
水に対する接触角で20度程度以下が望ましい。従来の
親水親油性フィルムとしては、ポリエステルフィルムな
どの汎用フィルムの表面に親水性コーティング剤を塗装
することにより親水性を付与することが一般的に行なわ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の親
水親油性フィルムはコーティング膜と基体とは単にアン
カー効果のみで密着されているに過ぎないため、耐環境
性、表面強度(耐久性)の面で劣ってしまう。
【0004】また、本発明者等は超親水親油状態を得る
方法として、フィルム表面の形態的効果とコーティング
膜が持つ材料的親水親油性効果とを組み合わせた親水親
油性フィルムも試作したがフィルム表面強度が実用的強
度を得るまでには至らなかった。
【0005】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、フィルムの透明性を維持し、超親水性を持ち、更
に、実用強度に耐える表面強度を併せ持った低コストな
親水親油性フィルムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明の親水親油性フィルムは、プラスチックフィル
ムと前記プラスチックフィルム上の少なくとも片面に
微小な凹凸を形成したシリコンを含む酸化膜及び窒化膜
から選ばれる少なくとも一つの無機硬質膜と前記無機
硬質膜上の微小な凹凸上にシロキサン結合を介して形成
れ、メチレン基を含み、かつ水酸基が末端に固定され
化学吸着単分子膜とから構成されている。
【0007】前記構成においては、前記化学吸着単分子
膜の上にシロキサン結合を介して別の化学吸着単分子膜
をさらに有し 前記別の化学吸着単分子膜はメチレン基
を含み、かつ水酸機基が末端に固定されていることが好
ましい。また、前記構成においては、無機硬質膜の膜厚
が0.02〜10μmの範囲であることが好ましい。
【0008】また、前記構成においては、無機硬質膜の
凹凸の粗さは、0.01〜0.3μm であることが好ま
しい。更に、前記構成においては、プラスチック裏面に
粘着剤が塗布されていることが好ましい。
【0009】次に本発明の第1番目の親水親油性フィル
ムの製造方法は、プラスチックフィルムの少なくとも片
面に無機硬質膜を形成する工程と、前記無機硬質膜の表
面をC及びFを含むガス中でプラズマ放電処理を行い、
微小な凹凸を形成する工程と、前記凹凸に形成した無機
硬質膜表面を少なくとも酸素を含むガスでプラズマ放電
処理を行い、凹凸表面を親水性にする工程と、凹凸に形
成された無機硬質膜を表面上に形成した前記プラスチッ
クフィルムを少なくとも2つのクロロシリル基を含む化
合物を非水系の溶媒に溶解した溶液に浸漬し、前記無機
硬質膜の凹凸表面に化学吸着単分子膜をシロキサン結合
を介して形成させる工程とからなるという構成を備えた
ものである。
【0010】次に本発明の第2番目の親水親油性フィル
ムの製造方法は、プラスチックフィルムの少なくとも片
面に無機硬質膜を形成する工程と、前記無機硬質膜の表
面をC及びFを含むガス中でプラズマ放電処理を行い、
微小な凹凸を形成する工程と、前記凹凸に形成した無機
硬質膜表面を少なくとも酸素を含むガスでプラズマ放電
処理を行い、凹凸表面を親水性にする工程と、凹凸に形
成した無機硬質膜を表面上に形成した前記プラスチック
フィルムを少なくとも2つのクロロシリル基を含む化合
物、もしくは、前記化合物を溶剤で希釈した溶液をガス
状にし、そのガス状雰囲気中で気相により前記無機硬質
膜の凹凸表面に化学吸着膜をシロキサン結合を介して形
成させる工程とからなるという構成を備えたものであ
る。
【0011】
【作用】本発明の構成によれば、フィルム表面上を直接
微小な凹凸にあらすのではなく、フィルム上に無機硬質
膜を形成し、その表面を微小に凹凸にすることにより、
無機硬質膜がフィルム表面強度の弱さを補い、かつ、無
機硬質膜の微小な凹凸が優れた親水親油性効果を発揮さ
せることができる。また、微小な凹凸は0.01〜0.
3μmの粗さであるために、光透過性に優れており、フ
ィルムの透明性を妨げることもない。さらには、無機硬
質膜表面とフッ素を含む化学吸着膜とがシロキサン結合
を介して形成されているので、優れた親水親油性、耐候
性、表面強度を持った、透明性のある親水親油性フィル
ムとすることができる。
【0012】また、無機硬質膜の膜厚が、0.02〜1
0μmという本発明の好ましい構成によれば、膜の可視
光域での光透過性を妨げることもない。また、無機硬質
膜がシリコンを含む酸化膜、または、窒化膜である本発
明の好ましい構成によれば、微小な凹凸を比較的簡単に
形成することができる。
【0013】さらに、フィルム裏面に粘着剤が塗布され
ているという本発明の好ましい構成によれば、粘着する
べき基材に簡単に張り付けることができる。次本発明の
第1〜2番目の製造方法によれば、前記本発明の親水親
油性フィルムを効率よく合理的に製造できる。
【0014】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の第1の実施例について図面
を参照しながら説明する。図1は本発明の親水親油性フ
ィルムの構成図である。図2は第1図の一部Bを分子レ
ベルまで拡大した図である。
【0015】図1において、11は100μm厚みのポ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルム、12は
PETフィルム11上に形成された厚さ2μm酸化シリ
コン膜、13は酸化シリコン12上に形成された微小な
凹凸、14は化学吸着単分子膜である。
【0016】最初に、親水親油性フィルムの作製手順に
ついて述べる。まずPETフィルム11を真空容器内に
いれ、0.4Paに保持したアルゴンガス中で、RF放
電電力400WでSiO2 ターゲットをスパッタし、P
ETフィルム11上に2μm厚の酸化シリコン膜12を
形成した。
【0017】次に、酸化シリコン膜12表面をC及びF
を含むガスをPET11の表面にシャワー状に供給しな
がら、放電電力150Wのプラズマ放電を用いて酸化シ
リコン12上をエッチングし、微小な凹凸13を形成し
た。この時エッチング時間3分で微小な凹凸13の粗さ
は0.2μmであり、フィルムの透明性は失われなかっ
た。次に、微小な、凹凸13上の表面を活性(親水)化
させるため,5Paに保持した酸素を含むガス中で、R
F放電電力100Wで、5分のプラズマ処理を行った。
このようにして処理されたフィルムを容器から取り出
し、シクロヘキサンの溶媒で希釈した1×10-2Mol
/l濃度の両末端にクロロシラン基を含む化合物(化
1)の溶液中に10分浸漬した。
【0018】
【化1】
【0019】すると、微小な凹凸13が形成されている
酸化シリコン膜12表面は酸素を含んだプラズマ処理に
よって親水化されているため、表面での(化2)の結合
が形成され、化合物(化1)による化学吸着単分子膜1
4が形成された(図2)。
【0020】
【化2】
【0021】すなわち、化学吸着剤として例えば主鎖に
メチレン基、両末端にトリクロロシラン基を有する分子
を用いると、無機硬質膜表面の−OH基と一方の分子の
シリル基とが脱塩化水素反応し、共有結合によって固定
される。他方のシリル基は空気中の水分などによって加
水分解され、末端が水酸基となって親水性が発揮され
る。一方化学吸着分子の主鎖はメチレン基であるため、
親油性が発揮される。また、化学吸着膜はオングストロ
ームないしナノメーターレベルの厚さであるので、透明
性にも優れる。
【0022】このようにしてできた親水親油性フィルム
の親水性、親油性、透明性の評価を行うため、水・ヘキ
サデカンに対する接触角、透過率について測定した。比
較サンプルとして、親水性コーティング剤{”Siコー
トT2”(大八化学工業製シリコン系ハードコート
剤)}を塗布したPETフィルム、無処理のPETフィ
ルム、化学吸着膜のみを形成したPETフィルム、微小
凹凸が形成されたフィルム表面に化学吸着単分子膜を形
成させたPETフィルムにも同様に測定した。
【0023】測定結果を(表1)に示す。
【0024】
【表1】
【0025】この(表1)から明らかなように、本実施
例1により作製した親水親油性フィルムは親水性、透明
性、表面強度の面で優れた機能性フィルムであることが
わかった。
【0026】また、本実施例1で作製した親水親油性フ
ィルムと、比較例の親水性コーティング剤を塗布したP
ETフィルムを室温(25℃)放置、高湿度雰囲気中
(40℃、95%)放置、大気暴露などの各環境試験に
かけると、本実施例品は1000時間までは親水親油性
が損なわれず、耐環境性についても十分満足行くもので
あったが、比較例品は高湿度雰囲気中放置試験、大気暴
露試験で500時間までに特性劣化があった。
【0027】(実施例2)親水親油性フィルムの作製手
順について図面を参照しながら説明する。図3は本発明
の親水親油性フィルムを作製するための化学吸着膜形成
装置の外略図である。図3において、21は酸化シリコ
ン膜が形成されたPETフィルム、25は真空容器、2
6は密閉容器、27は密閉容器26に入っている両末端
がクロロシラン基からなる化合物(化1)、28は密閉
容器のコックである。
【0028】実施例1と同様にPETフィルム21上に
2μm の酸化シリコン膜を成膜後、その酸化シリコン膜
表面に0.2μmの粗さの微小な凹凸を形成し、その表
面を酸素ガスを含んだプラズマ放電処理で活性(親水)
化する。次に、真空容器25内を1×10-3Paになる
まで排気する。密閉容器26のコック28を開き両末端
がクロロシランからなる化合物(化1)27の原液を気
化させる。
【0029】すると、プラズマ処理を行った酸化シリコ
ン膜表面が親水化されているため、気化した化合物(化
1)と酸化シリコン膜表面とで(化2)の結合が形成さ
れ、化合物(化1)を含む化学吸着単分子膜が形成され
る。
【0030】このようにして得られた親水親油性フィル
ムを実施例1で作製した親水親油性フィルムと比較した
ところ、特性的には全く差がなかった。すなわち、実施
例1と同様に撥水性、透明性、表面強度、耐環境性の面
で優れた機能性フィルムであった。
【0031】また同時に、同じ真空容器で一括して膜形
成までもできるため、工程時間の短縮、低コスト化も実
現可能となる。 (実施例3)親水親油性フィルムの作製手順について説
明する。
【0032】図4は本発明の第3の実施例であるシロキ
サン単分子膜を形成した後の酸化シリコン表面を分子レ
ベルまで拡大した断面概念図である。図5は本発明の第
3の実施例であるフッ素を含んだ化学吸着単分子膜を形
成した後の酸化シリコン表面を分子レベルまで拡大した
断面概念図である。
【0033】図4において、32はPETフィルム上に
形成された酸化シリコン膜、39はシロキサン単分子膜
である。図5において、34は化学吸着単分子膜であ
る。
【0034】実施例1と同様に、PETフィルム上に2
μmの酸化シリコン膜32を成膜後、その酸化シリコン
膜32表面に0.2μmの粗さの微小な凹凸33を形成
し、その表面を酸素ガスを含んだプラズマ処理で活性
(親水)化する。次に、シクロヘキサンの溶媒で希釈し
た2×10-2Mol/l濃度のSiCl4 の溶液中に1
0分浸漬する。
【0035】すると、酸化シリコン膜32表面は酸素を
含んだプラズマ処理によって親水化されているため、表
面で脱塩酸反応が生じ、(化3)、(化4)、のように
分子が−SiO−結合を介して表面に固定される。
【0036】
【化3】
【0037】
【化4】
【0038】その後、非水系の溶媒、例えば、シクロヘ
キサンで洗浄して、さらに水で洗浄すると、フィルムと
反応していないSiCl4 分子は除去され、図4に示す
ように下記(化5)(化6)などのシロキサン単分子膜
39が化学結合した状態で得られる。
【0039】
【化5】
【0040】
【化6】
【0041】次に、シクロヘキサンの溶媒で希釈した1
×10-2Mol/l濃度のクロロシラン基を含む化合物
(化1)の溶液中に10分浸漬する。すると、微小な凹
凸33が形成されている酸化シリコン膜表面32は、上
述の化学処理で多数の水酸基を含んでいるので、表面で
脱塩酸反応が生じ、(化2)の結合が生成され、化合物
(化2)による化学吸着単分子膜34が形成される(図
5)。
【0042】また、この膜は実施例1に比べて高密度に
形成できた。本実施例と実施例1で作製した親水親油性
フィルムを比較したところ、透明性、表面強度、耐環境
性は全く同じで、親水性については、実施例1の親水親
油性フィルムよりもさらに優れたものであった。
【0043】なお実施例2において、密閉容器から気化
させる溶液を化合物(化1)の原液としたが、非水系の
溶媒、例えばシクロヘキサンなどで希釈した溶液であっ
ても何ら効果は変わらない。
【0044】また実施例2で、クロロシラン系化合物の
分子量が大きくなる、すなわち、炭素の数が大きくなる
と蒸発しにくくなるが、原液を適度に加熱することで対
応できる。しかし、直鎖状の場合では炭素の数が25程
度までが好ましい。
【0045】なお、実施例1、または、2、または、3
において、吸着させる化合物に化合物(化1)、SiC
4 を用いたが、他のクロロシラン基を含む化合物、例
えば、SiHCl3 、SiH2 Cl2 、Cl−(SiC
2 O)n −SiCl3 (nは整数)、Cl3 Si−
(CH2 n −SiCl3 (nは整数)など、またはそ
れらの混合物であっても同様の効果を得ることができ
る。
【0046】また無機硬質膜の表面の粗さは、本実施例
品は0.2μmとしたが0.01μm以下になると十分
な親水性が得られなくなり、また、0.3μmを越える
と無機硬質膜の表面の機械的強度が極力弱くなるばかり
か、透明性も悪くなるため、好ましくは0.01〜0.
3μmである。
【0047】また、本実施例で、酸化シリコン膜の厚み
を2μmとしたが、0.02μmより薄くなると十分な
微小凹凸の形成ができなくなる。すなわち十分な親水親
油性が得られなくなり、10μmを越えるとフィルムの
持つ柔軟性が失われるばかりか、膜の付着力が極端に悪
くなるので、好ましくは0.02〜10μmである。
【0048】また、本実施例では、無機硬質膜として酸
化シリコン膜を使用したが、他の無機系の酸化物、窒化
物、硫化物などでも同様の効果が得られる。しかし、膜
表面の微小突起形成の容易さから、シリコンを含む酸化
膜、及び/または窒化膜であるのが好ましい。
【0049】さらに、無機硬質膜の作製方法は、スパッ
タに限定されるものではない。また、本実施例では、P
ETフィルムを使用したが、他のプラスチックフィル
ム、例えば、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィ
ルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィル
ム、ポリカーボネートフィルム、3フッ化塩化エチレン
などでも同様の結果が得られることは言うまでもない。
【0050】さらに、本発明のフィルム裏面に粘着剤を
つけておけば、光学特性にも影響せず、粘着するべき基
材に簡単に貼つけることができる。なお、粘着剤の表面
には剥離シートを存在させてもよい。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明は、プラスチックフ
ィルムとそのフィルム上に微小な凹凸を形成した無機硬
質膜と微小な凹凸上にシロキサン結合を介して形成させ
た化学吸着単分子膜からなることにより、きわめて親水
親油効果の高い透明フィルムを得ることができる。ま
た、表面の化学吸着単分子膜が無機硬質膜と化学的に結
合しているため、剥離したり変質したりすることがな
く、耐久性、耐熱性、耐候性、耐摩耗性に優れた親水親
油性フィルムを提供でき、その実用的効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における親水親油性フィルム
の構成図である。
【図2】本発明の実施例1における図1中のB部を分子
レベルまで拡大した断面図。
【図3】本発明の実施例2における親水親油性フィルム
を作製するための化学吸着膜形成装置の概略図。
【図4】本発明の実施例3における親水親油性フィルム
表面を分子レベルまで拡大した断面図。
【図5】図4に示した親水親油性フィルム表面に化学吸
着単分子膜を形成した後の断面図。
【符号の説明】
11 ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム 12 酸化シリコン膜 13 酸化シリコン膜上の微小な凹凸 14 化学吸着単分子膜 21 ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム 25 真空容器 26 密閉容器 27 クロロシラン基を含む化合物 28 密閉容器のコック 32 酸化シリコン膜 34 化学吸着単分子膜 39 シロキサン単分子膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 一文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−179026(JP,A) 特開 平4−288349(JP,A) 特開 平4−239633(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/00 - 7/18

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルムと 前記プラスチックフィルム上の少なくとも片面に微小な
    凹凸を形成したシリコンを含む酸化膜及び窒化膜から選
    ばれる少なくとも一つの無機硬質膜と 前記無機硬質膜上の微小な凹凸上にシロキサン結合を介
    して形成され、メチレン基を含み、かつ水酸基が末端に
    固定された化学吸着単分子膜とからなる親水親油性フィ
    ルム。
  2. 【請求項2】 前記化学吸着単分子膜の上にシロキサン
    結合を介して別の化学吸着単分子膜をさらに有し 前記別の化学吸着単分子膜はメチレン基を含み、かつ水
    酸機基が末端に固定されている 請求項1に記載の親水親
    油性フィルム。
  3. 【請求項3】 無機硬質膜の膜厚が0.02〜10μm
    の範囲である請求項1または2に記載の親水親油性フィ
    ルム。
  4. 【請求項4】 微小な凹凸の粗さが0.01〜0.3μ
    mの範囲である請求項1または2に記載の親水親油性フ
    ィルム。
  5. 【請求項5】 プラスチックフィルム裏面に粘着剤が塗
    布されている請求項1ないし4のいずれかに記載の親水
    親油性フィルム。
  6. 【請求項6】 プラスチックフィルムの少なくとも片面
    に無機硬質膜を形成する工程と、 前記無機硬質膜の表面をC及びFを含むガス中でプラズ
    マ放電処理を行い、微小な凹凸を形成する工程と、 前記凹凸に形成した無機硬質膜表面を少なくとも酸素を
    含むガスでプラズマ放電処理を行い、凹凸表面を親水性
    にする工程と、 凹凸に形成された無機硬質膜を表面上に形成した前記プ
    ラスチックフィルムを少なくとも2つのクロロシリル基
    を含む化合物を非水系の溶媒に溶解した溶液に浸漬し、
    前記無機硬質膜の凹凸表面に化学吸着単分子膜をシロキ
    サン結合を介して形成させる工程とからなる親水親油性
    フィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 プラスチックフィルムの少なくとも片面
    に無機硬質膜を形成する工程と、 前記無機硬質膜の表面をC及びFを含むガス中でプラズ
    マ放電処理を行い、微小な凹凸を形成する工程と、 前記凹凸に形成した無機硬質膜表面を少なくとも酸素を
    含むガスでプラズマ放電処理を行い、凹凸表面を親水性
    にする工程と、 凹凸に形成した無機硬質膜を表面上に形成した前記プラ
    スチックフィルムを少なくとも2つのクロロシリル基を
    含む化合物、もしくは前記化合物を溶剤で希釈した溶液
    をガス状にし、そのガス状雰囲気中で気相により前記無
    機硬質膜の凹凸表面に化学吸着膜をシロキサン結合を介
    して形成させる工程とからなる親水親油性フィルムの製
    造方法。
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