JP2684849B2 - 有機単分子膜の累積方法およびそれに用いる化学吸着剤 - Google Patents
有機単分子膜の累積方法およびそれに用いる化学吸着剤Info
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Description
もので、詳しくは、有機単分子膜上にさらに有機単分子
膜を累積する手法およびそのための化学吸着剤に関する
ものである。
グミュア・ブロジェット法及び化学吸着法がある。
親水性基である直鎖状炭化水素分子を、気水界面上に展
開し、気水界面に展開された分子の占有面積を最小にし
た上で任意の基板上に移す方法である。直鎖状炭化水素
分子の一端が親水性であることから、気水界面上で上記
分子は親水基を水中に向けた状態になる。分子の占有面
積を最小にするため、一般にバリアと呼ばれる治具で気
水界面の一端を押し、上記分子の展開された界面の面積
を減少させ、上記分子の密度をあげる。この操作により
上記分子は親水基を水中に向け、直鎖状炭化水素部を水
面に対して直立させた単分子膜が形成される。この状態
の膜を基板に移し取った膜が、ラングミュア・ブロジェ
ット膜といわれる。また、同様の操作を繰り返す事によ
って、単分子膜の累積が可能となる。
えば親水性のような化学結合性基と、炭化水素分子中の
活性基との反応を利用し、化学結合を介した単分子膜を
形成する方法であり、このようにして得た単分子膜は特
に化学吸着単分子膜と呼ばれる。
・ブロジェット法で形成された単分子膜では、基板との
結合がファンデルワールズ力、ないし、イオン結合であ
り、また、累積膜形成での膜間の結合も同様にファンデ
ルワールズ力、ないし、イオン結合である。この結合で
は基板・膜間、また、膜間同士の結合エネルギ−が極め
て弱いため、例えば膜の加工処理に際して単分子膜が剥
離や溶解などを引き起こし膜自体が破壊されるという重
大な欠点があった。
の形成法として化学吸着法が考案された。この方法で
は、単分子膜を構成する炭化水素分子と基板とが化学結
合を介しているため、膜形成後の加工処理でも十分耐え
得る結合力を保持している。
のその1つとして、電子線照射により単分子膜表面を化
学結合性基に変化させ、単分子膜表面を化学吸着できる
状態にする方法が報告されている。しかしこの電子線照
射による方法では、照射エネルギーが膜表面だけでなく
膜内にまでも及び、膜表面及び内部で例えば重合、架橋
又は分解等の副次的な反応が生じる欠点があった。
形成の他の手法として、単分子膜を構成している炭化水
素分子の末端がビニル基等の不飽和結合である場合に
は、ジボランによる末端不飽和結合基の開裂反応に伴う
末端基の水酸基化を利用して、累積膜を形成するものが
ある。しかしこの方法で用いるジボランは、湿った空気
と触れると低温であっても爆発的に反応するため、非常
に取り扱いにくい薬品である。したがって、その操作法
は工業化において難題であった。
を改善するための新たな化学吸着剤もなかった。
たもので、膜間に非常に強固な結合を有した有機単分子
累積膜を提供し、副次的な反応も発生することがなく、
また雰囲気に対する注意も特に必要がない単分子累積方
法、及びこれに用いる化学吸着剤を提供することを目的
とする。
の炭化水素分子で基板上に単分子膜を形成する単分子膜
形成工程と、この単分子膜に過酸化水素酸化を施し、炭
化水素分子末端を水酸基に置換する水酸基化工程と、単
分子膜形成性の炭化水素分子で単分子膜を累積する単分
子膜累積工程とを含む有機単分子膜の累積方法で、従来
の課題を解決したものである。
なくとも基板直上の単分子膜には一端に共有結合形成性
基を有し他端に水酸基化形成基とを有する。この共有結
合形成性基は基板と共有結合を介して単分子膜を形成す
る所謂化学吸着性基であり、この共有結合形成性基で基
板・膜間に強固な共有結合を介して吸着しているため、
膜加工性に優れた単分子膜を形成できる。また、本発明
の化合物の他端の水酸基化形成基は過酸化水素酸化又は
アルカリ処理で容易に水酸基化され、この末端が水酸基
化された単分子上に共有結合形成性基を有する化合物を
接触させると、膜・膜間に共有結合を介して単分子膜が
累積され、強固な単分子累積膜が形成できる。
が基板と共有結合を形成し得る基板で有れば如何なる基
板であればよく、例えば金属、シリコン、ガラス、プラ
スティック等が挙げられる。但し化学吸着剤が共有結合
を形成するためには、基板表面に親水性基が露出してい
る必要があり、この様な親水性基としては水酸基,アミ
ノ基,カルボキシル基又はアルデヒド基等の活性水素を
有する基が挙げられる。その中でも水酸基,アミノ基又
はカルボキシル基が通常の処理を行うことによって得ら
れ易く、特に水酸基が活性が高く好ましい。また、例え
ばプラスティック基板のように表面に親水性基の露出割
合が低い場合には、予め酸素又は窒素雰囲気中で電子線
照射等の手法で親水性基化して用いられる。
分子膜を構成する分子は、共有結合性基と水酸基化形成
基とを有する。この共有結合形成性基としては、例えば
クロロシリル基や低級アルコキシシリル基等の反応性シ
リル基が挙げられる。この反応性シリル基の内クロロシ
リル基が常温でも反応し、容易に単分子膜を形成できる
ため好ましい。なお、クロロシリル基はトリクロロシリ
ル基、ジクロロシリル基又はモノクロロシリル基の何れ
でも適応できるが、トリクロロシリル基以外の場合のS
i原子とCl原子との結合に関与しないSiの結合子
は、アルキル基、低級アルコキシ基または水素原子と結
合する。
しては、有機珪素基が挙げられる。この基に過酸化水素
を反応させることにより、C−Si結合で酸化が行なわ
れC−Si結合が切断されてC−OH結合が形成され
る。このことによりC−OH結合化された単分子膜の上
に累積する2層目の化学吸着単分子膜と1層目の化学吸
着単分子膜とが共有結合(−C−O−Si−)を介し結
合され、非常に強固な膜形成が可能となる。あるいは、
例えばジメチルシリル基(−Si(CH3)2H)のよう
にSi−H結合を有する場合には、アルカリ処理により
Si−H結合が酸化されSi−H結合が切断されてSi
−OH結合が形成される。このことによりSi−OH結
合化された単分子膜の上に累積する2層目の化学吸着単
分子膜と1層目の化学吸着単分子膜とが共有結合(−S
i−O−Si−)を介して結合され、非常に強固な膜形
成が可能となる。
は、一般式でSiX3-nYn基(n=1,2であり、Xお
よびYはハロゲン、アミノ基、アルキルアミノ基、アル
キル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルケニルオキ
シ基、アルカジエニル基、アルカジエニルオキシ基、ア
ルキィニル基、アルキィニルオキシ基、アルカジィニル
基、アルカジィニルオキシ基の何れかを示し、XとYと
は同一の基ではない)と書き表される基、例えば、Si
(CH3)2F基、Si(CH3)F2基、Si(CH3)2
Cl基、Si(CH3)Cl2基、Si(CH3)2(NR
2)基、Si(CH3)2(OR)基、Si(CH3)(O
R)2基またはSi(CH3)2Ph基(但し式中のRは
何れも低級アルキル基、Phはフェニル環)等が挙げら
れる。
しては、吸着密度を考慮にいれると共有結合形成基と水
酸基化形成基との間の分子は直鎖状分子が好ましい。
発現する官能基(Z)含ませておく、すなわち一般式S
iX3-nYn−(CH2)p−(Z)r−(CH2)q−Si
ClnX3-n(但し式中nは1〜2の整数、mは1〜3の
整数、rは0又は1、p及びqは負を含まない整数、X
は低級アルキル基、Yは水素,ハロゲン,低級アルコキ
シ基,低級アルキルアミノ基,アリール基,ピリジル
基、Zはアルケニィレン,アルキィニレン,フェニレ
ン,アミノフェニレン,アルキルフェニレン,フェニレ
ンビニレン,フェニレンエチニレン,ピリジェニレン,
ピリジルビニレン,ピリジルエチニル,チェニレン,ピ
ロリニレン,ピリジノピリジェニレン,アセン(即ち縮
合多環)の骨格、Wは水素,ハロゲン,アルキル基,ア
ルケニル基,アルカジエニル基,アルキィニル基,アル
コキシ基,H−(CH2)p−(Z)r−(CH2)q−
基,含珪素アルキル基,含珪素アルケニル基,含珪素ア
ルカジエニル基,含珪素アルキィニル基,SiX3-nYn
−(CH2)p−(Z)r−(CH2)q−基)で表わされ
る化学吸着単分子膜累積用吸着剤を用いれば、機能性薄
膜を作成する上できわめて有効である。
ばSi(CH3)2F基、Si(CH3)F2基、Si(C
H3)2Cl基、Si(CH3)Cl2基、Si(CH3)2
(N(CH3)2)基、Si(CH3)2(OCH3)基、
Si(CH3)(OCH3)2基、Si(CH3)2Ph
(但しPhはフェニル環)基、Si(CH3)2H基、S
i(CH3)H2基等である。また、Zは例えば以下に示
す(化1)の官能基等が挙げられ、この中でも直鎖状の
不飽和結合を有する場合には、単分子膜累積後にこの不
飽和結合を重合するとより強固な単分子累積膜が形成で
き好ましい。
えば−SiCl3,−SiCl2CH 3,−SiCl2C2
H5,−SiCl(CH3)2,−SiCl(C2H5)2,
−SiCl(CH=C(CH3)2)2,−SiCl2(O
CH3)等の他、−SiCl((CH2)q−(Z)r−
(CH2)pH)2,−SiCl((CH2)q−(Z)r−
(CH2)pSiX3-nYn)2等が挙げられる。
記化学吸着剤でも良いが、最上層の単分子膜の末端は水
酸基化基である必要は必ずしもない。
源としては、例えばKOH,NaOH等の無機塩基、水
酸化テトラメチルアンモニウム,水酸化テトラエチルア
ンモニウム,水酸化テトラブチルアンモニウム等の第4
級アンモニウム、ピペリジン等の有機塩基等何れでも適
応できる。
と、そのための化学吸着剤の一実施例を、模式的に図1
から図7を用いて段階的に説明する。
るシリコン基板1にはシリコン酸化膜2が形成されてい
る。シリコン酸化膜の厚みは、0.2μmで、基板の大
きさは30×70mmである。シリコン酸化膜表面には
多数の水酸基(OH基)3が露出している。
膜を形成する化学吸着剤溶液4に浸漬する。
Cl3 (7):H3CO(CH3)2Si(CH2)18SiCl3 (8):(H3CO)2(CH3)Si(CH2)18SiC
l3 (9):Ph(CH3)2Si(CH2)18SiCl3 の9種類である。即ち、この分子の一方の末端はトリク
ロルシリル基で、他の末端はジメチルシリル又はモノメ
チルシリル基である炭化水素分子であり、また、この化
学吸着剤の直鎖炭化水素部分の炭素数は18である。
ン80重量%、クロロホルム12重量%、及び四塩化炭
素8重量%の混合溶媒に何れも10mMの濃度になるよ
うに溶かし、化学吸着剤溶液4とした。
記基板1を図3に示したように1枚浸漬した。この時、
液温は30℃、上記基板1の浸漬する時間は1時間であ
る。また、浸漬時の雰囲気は乾燥窒素雰囲気で行った。
4に示すように、化学吸着剤溶液4に基板1を浸漬する
ことにより、基板表面に露出した水酸基3と、化学吸着
剤末端のトリクロルシリル基とが脱塩化水素反応をし
て、Si−Oなる共有結合が形成され、基板1上に化学
吸着剤である直鎖状炭化水素分子からなる単分子膜5が
形成される。この単分子膜5の表面には化学吸着剤の直
鎖状炭化水素分子末端にあるジメチルシリル基6が、一
様に配列した状態になっている。
子膜5表面に、図5に示したように過酸化水素酸化を施
す。なお、過酸化水素酸化反応液7は以下に示す(表
1)の処方で、反応促進剤のフッ化カリウムをメタノ−
ルに溶かし、また、炭酸水素カリウムをテトラヒドロフ
ラン(以下THFと称す)に溶かし、さらに、30%過
酸化水素水を加えて作製した。
よって行った。室温中で十分に撹拌溶解後、2つの溶液
を混合して、過酸化水素酸化反応液7を作成した。この
反応液7に上記単分子膜5が形成された基板1を、室温
中で10時間浸漬した。単分子膜が形成された基板1を
反応液7に浸漬することにより、図6に示したように、
単分子膜を形成する直鎖状炭化水素分子末端のジメチル
シリル基のC−Si結合は切断され、直鎖状炭化水素分
子末端に水酸基(OH基)8が形成された。
5を構成している直鎖状炭化水素分子末端が、OH基8
化処理された基板1を再度、化学吸着剤溶液9に浸漬し
て累積膜を形成した。化学吸着剤溶液9として、先ほど
と同じく直鎖状炭化水素分子末端がトリクロルシリル基
で、他の末端がジメチルシリル基又はモノメチルシリル
基の化学吸着剤(1)〜(9)を各々用いた。なお、希
釈のための有機溶剤は先ほどと同じ混合溶剤を用い、そ
の濃度、液温、浸漬時間、および、雰囲気も先ほどと同
じである。浸漬することによって、図1に示すように、
基板1上に形成された単分子膜5上に、新たに、酸素原
子を介して直鎖状炭化水素分子からなる累積膜10が形
成された。
学吸着剤を用いた場合の累積膜形成前後の赤外吸収スペ
クトルを示す。なお、図8中aで示す赤外吸収スペクト
ルは累積前の単分子膜の状態であり、図8中bで示すス
ペクトルは累積後の状態のものである。スペクトル中2
925cm-1は、CH2の逆対称伸縮振動に起因する吸
収であり、また、2850cm-1は、CH2の対称伸縮
振動に起因する吸収である。CH2の個数は累積前後で
2倍になっていることから、累積処理にともなう赤外吸
収スペクトルのCH2の逆対称伸縮振動に起因する吸
収、および、対称伸縮振動に起因する吸収強度も2倍に
なると考えられるとうり、図8中のa、bのCH2に起
因する吸収を比較すると、逆対称、対称伸縮振動ともほ
ぼ2倍になっており、確かに累積膜が形成されているこ
とが分かる。
と、それに用いる化学吸着剤の別の実施例を、上記の
(1)の化学吸着剤の場合について模式的に図9から図
12で順に説明する。
溶液に浸漬して、ジメチルシリル基6を有する単分子膜
5を得た。つぎに、図9に示したように、上記化学吸着
法で形成された単分子膜5表面を、アルカリ処理反応液
11で処理する。このアルカリ処理反応液11は、1%
水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用い、処理反
応は室温で10分間程度浸漬した。単分子膜5が形成さ
れた基板1を、反応液11に浸漬することにより、単分
子膜5を形成する直鎖状炭化水素分子末端のジメチルシ
リル基6の≡SiH結合は切断され、図10に示したよ
うに直鎖状炭化水素分子末端に水酸基(OH基)8が形
成された。
膜5を構成している直鎖状炭化水素分子末端がOH基8
化処理された基板1を再度、化学吸着剤溶液9に浸漬し
て累積膜を形成した。なお、化学吸着剤溶液として先ほ
どと同じく直鎖状炭化水素分子末端がトリクロルシリル
基で、他の末端がジメチルシリル基であるものを用い
た。また、希釈のための有機溶剤は先ほどと同じ混合溶
剤を用い、その濃度、液温、浸漬時間、および、雰囲気
も先ほどと同じである。10分程度の浸漬によって、図
12に示すように、基板1上に形成された単分子膜5上
に、新たに、−Si−O−Si−結合の酸素原子を介し
て、直鎖状炭化水素分子からなる累積膜10が形成され
た。
累積膜形成前後の赤外吸収スペクトルを図13に示す。
但し、図13(a)に示した赤外吸収スペクトルは、累
積前の単分子膜5であり、図13(b)に示したスペク
トルは、累積膜10を累積後である。スペクトル中29
25cm-1は、CH2の逆対称伸縮振動に起因する吸収
であり、また、2850cm-1は、CH2の対称伸縮振
動に起因する吸収である。CH2の個数は、累積前後で
2倍になっていることから、累積処理にともなう赤外吸
収スペクトルのCH2の逆対称伸縮振動の起因する吸
収、および、対称伸縮振動に起因する吸収強度も2倍に
なると考えられるが、実際図13中の(a)と同図
(b)とのCH2に起因する吸収を比較すると、逆対称
および対称伸縮振動ともほぼ2倍になっており、確かに
累積膜が形成されていることが分かる。
酸化膜形成を行ったが、通常のシリコン基板の取扱いで
は、シリコン基板表面には空気酸化により直ちに自然酸
化膜が形成されており、改めてシリコン酸化膜を設ける
必要がない場合もあり得る。また、上記実施例では基板
としてシリコン基板を用いたが、本発明の有機単分子累
積膜はシリコンに限定されるものでないこと勿論であ
る。さらに、化学吸着剤、化学吸着剤溶液、過酸化水素
酸化反応液、アルカリ処理反応液、並びに各種反応時間
反応温度等の材料および条件等は上記実施例に限定され
るものではなく、有機単分子累積膜の要求される機能に
よって選択される。
そのための化学吸着剤は、従来のラングミュア・ブロジ
ュット膜の累積膜では実現し得なかった膜間の結合が共
有結合であるものであり、非常に強固な膜形成が可能と
なった。また、従来の化学吸着法にあった累積法に一つ
である電子線照射による累積に比べ、室温での化学反応
を用いているため単分子膜のダメージは皆無であると考
えられる。また、副次的な反応も起こらず理想的な累積
法であるといえる。また、他の一つの累積法であるジボ
ランを用いる反応に比べ、本発明の累積方法は雰囲気を
十分に管理する必要が全くなく、安全に反応を行うこと
ができ、工業的にも問題がないといえる。
膜の横断面図
程を説明する横断面図
分子膜形成後の横断面図
酸化処理工程を説明する横断面図
酸化処理後の横断面図
説明する横断面図
前後の赤外吸収スペクトル図
処理工程を説明する横断面図
リ処理後の横断面図
程を説明する横断面図
累積膜の横断面図
累積前後の赤外吸収スペクトル図
Claims (7)
- 【請求項1】単分子膜形成性のシリル基と有機珪素基を
有する炭化水素分子で基板上に単分子膜を形成する単分
子膜形成工程と、前記単分子膜に過酸化水素酸化を施
し、前記単分子膜を構成する炭化水素分子末端のシリル
基を水酸基に置換する水酸基化工程と、単分子膜形成性
のシリル基を有する炭化水素分子で単分子膜を累積する
単分子膜累積工程とを含むことを特徴とする有機単分子
膜の累積方法。 - 【請求項2】単分子膜形成性のシリル基と有機珪素基を
有する炭化水素分子で基板上に単分子膜を形成する単分
子膜形成工程と、前記単分子膜をアルカリ処理し、前記
単分子膜を構成する炭化水素分子末端のシリル基を水酸
基に置換する水酸基化工程と、単分子膜形成性のシリル
基を有する炭化水素分子で単分子膜を累積する単分子膜
累積工程とを含むことを特徴とする有機単分子膜の累積
方法。 - 【請求項3】基板表面に水酸基、アミノ基またはカルボ
キシル基の何れかが露出していることを特徴とする、請
求項1もしくは2記載の有機単分子膜の累積方法。 - 【請求項4】少なくとも単分子膜形成工程に用いる単分
子膜形成性の炭化水素分子が一端に反応性シリル基を有
し、多端に有機珪素基を有するシラン系界面活性剤であ
ることを特徴とする請求項1もしくは2記載の有機単分
子膜の累積方法。 - 【請求項5】有機珪素基が、Si(CH3)2H基、Si
(CH3)2F基、Si(CH3)F2基、Si(CH3)2
Cl基、Si(CH3)Cl2基、Si(CH3)2NR2
基、Si(CH3) 2 OR基、Si(CH3)(OR)
2基、(但し、式中のRは何れも低級アルキル基を示
す)、または、Si(CH 3 ) 2 Ph基の何れかであるこ
とを特徴とする請求項4記載の有機単分子膜の累積方
法。 - 【請求項6】シラン系界面活性剤が、クロルシラン系界
面活性剤であることを特徴とする、請求項4記載の有機
単分子膜の累積方法。 - 【請求項7】一般式SiX3-nYn−(CH2)p−(Z)
r−(CH2)q−SiClmW3-m(但し、式中nは1〜
2の整数、mは1〜3の整数、rは0または1、p及び
qは負を含まない整数、Xは低級アルキル基、Yは水
素、ハロゲン、低級アルコキシ基、低級アルキルアミノ
基、アリール基、ピリジル基、Zはアルケニィレン、ア
ルキィニレン、フェニレン、アミノフェニレン、アルキ
ルフェニレン、フェニレンビニレン、フェニレンエチニ
レン、ピリジェニレン、ピリジルビニレン、ピリジルエ
チニル、チェニレン、ピロリニレン、ピリジノピリジェ
ニレン、アセン(即ち縮合多環)の骨格、Wは水素、ハ
ロゲン、アルキル基、アルケニル基、アルカジェニル
基、アルキィニル基、アルコキシ基、H−(CH2)p−
(Z)r−(CH2)q−基、含珪素アルキル基、含珪素
アルケニル基、含珪素アルカジェニル基、含珪素アルキ
ィニル基、SiX3-nYn−(CH2)p−(Z)r−(C
H2)q−基)で表されることを特徴とする化学吸着剤。
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1991
- 1991-01-11 JP JP3002071A patent/JP2684849B2/ja not_active Expired - Lifetime
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