JP4509776B2 - 表面修飾された無機物基板の製造方法及び得られる基板 - Google Patents

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Description

本発明は、有機基によって表面修飾された無機物基板の製造方法、および得られる修飾された基板に関する。
中間薄膜の形成によって有機マトリックスと無機物基板の間の接着を改良することを可能にするカップリング試薬の使用が、ますます広がっている。脂肪族長鎖有機分子によってシリカ基板上に形成された、SAM(self−assembled monolayer)と呼ばれる自己組織化した単分子層は、ラングミュアーブロジェット技術に従って物理吸着により形成された薄膜の代替物を構成する。これらのSAM単分子層は、有機分子が共有結合によってシリカに付着しているので、種々の崩壊、特に腐食と溶媒の存在に対して卓越した安定性と抵抗性を持っている。
シリカ基板の表面上に有機物層をグラフトするための種々の技術が既知であり、物理吸着による層の組織化、例えば、アルカンジオールから出発して金または銀の基板上へのアルカンのグラフティング;化学吸着による層の組織化、例えばアルコールまたはアミンから出発してプラチナの基板上への、またはカルボン酸から出発してアルミナの基板へのアルカンのグラフティング;アルキルクロロシラン、アルキルアルコキシシランまたはアルキルアミノシランから出発して、共有結合により、表面OH基を含有する基板上への有機基のグラフトがある(非特許文献1)。有機トリクロロシランから出発して、Si−OH基を有しているシリカ基板上に有機基をグラフトする方法においては、塩酸が形成されて、これは、この基板表面に有機シランを付着させる原因となる加水分解反応と、有機シラン相互間の単縮合の両方に、触媒作用を及ぼす。このように、全工程は選択性を犠牲にして加速される。工業用途で最も広汎に用いられているシランである短鎖有機クロロシランの場合には、得られる堆積物は、厚さの制御が困難である多層形態である。有機トリアルコキシシランを用いる場合は、対応するアルコールが形成され、これは基板の表面に吸着され得るので、不均一性なグラフトを増大させる原因となる。
E.Lukevics等による、有機シランを、酸、アルコールおよびチオールのような、活性水素を持つ化合物と反応させる方法が知られている(非特許文献2)。けれども、この方法は、例えばルイス塩基のような触媒、または求核性溶媒の使用を必要とする。
A.Fadeev等により、有機シランRSiH、RSiHまたはRSiHを酸化チタンと反応させる方法が知られている(非特許文献3)。A.Ulman等により、オクタデシルトリヒドロシランをγ−Fe粒子と反応させる方法が知られている(非特許文献4)。これらの方法に従って得られる薄膜は十分に安定ではない。何故なら、反応により不安定なSi−O−M結合(Mは場合によりTiまたはFe)が形成され、これは、もっと安定なSi−O−Si+M−O−Mとして再配分され得るからである。
A.Ulman、Chem.Rev.,1996,96,1533−1554 J.Organomet.Chem.1984,271,307 J.Am.Chem.Soc.1999,121,12184 Chem.Mat.2002,14,1778
本発明の目的は、均質でかつ十分に組織化された緻密な層の堆積により表面修飾された、シリカ基板の製造方法を提供することである。
本発明に係る方法は、表面にシラノール官能基を有している無機物基板を、30℃未満の温度で、有機溶媒中の有機トリヒドロシラン溶液と接触させることにある。
提案した方法により得られる単分子層で覆われた基板には、全般に、表面における被覆率および鎖の組織化が良好であるという特徴がある。
表面にシラノール官能基を有している無機物基板の例としては、特に、シリカ粒子、ガラス板、石英板またはマイカ板、および適切な予備処理により堆積させたシリカ層に覆われたウエハー型シリコンが挙げられる。
表面においてシリカ層を有しているウエハー型シリコン基板は、種々の方法で得られる。第一の方法は、超純水中少なくとも10容積%のHFを含有するHF溶液に、超音波をかけながらシリコン基板を浸漬して元々在るシリカ層を除去し、超純水で濯ぎ、次いで紫外線を照射しながらオゾンで処理することにある。大変好ましいこのような処理は、特にJ.R.Vig,J.Vac.Sci.Technol.,1985,3,1027−1034に記載されている。第二の方法は、特にD.L.Angst,Langmuir,1991,7,2236−2242に記載されているように、このシリコン基板を、高温、例えば1150℃で酸素流にさらすことにある。別の方法では、塩基性の手段により、シリコン基板を化学的に酸化する。すなわち、超音波をかけながら基板表面を溶媒で洗浄した後、基板をHO、NHOH、Hの5/1/1混合物中に放置し、次いで脱イオン水で濯ぎ、乾燥して再度水和する(例えばJ.D.Legrange等,Langmuir,1993,9,1749−1753を参照)。別の方法では、酸性の手段により、シリコン基板を化学的に酸化する。すなわち、基板を塩基性溶液で洗浄し、次いでHSO/H型の酸性混合液に浸漬する(A.K.Kakkar等,Langmuir,1998,14,6941−6947を参照)。
グラフト段階そのものである、有機トリヒドロシランとシリカ基板の接触は、中性雰囲気中(好ましくはアルゴンの下)で、有機トリヒドロシランの非プロトン性溶媒溶液を用いて実施する。非プロトン性溶媒の中では、低い吸湿特性を持つものの使用が好ましい。例示として、四塩化炭素、トリクロロエチレンおよびトルエンが挙げられる。
有機トリヒドロシランは、化合物X−E−SiHから選択できる。ここで、Eはスペーサーセグメントであり、XはHまたは反応性末端官能基を表す。
Xは、他の有機基(例えばアミン基、ハロゲン、エポキシ、ピリジル、エステル、トシレート(p−トルエンスルホニル)、ヘテロクムレン(イソシアネート、イソチオシアネートもしくはカルボジイミド等)または金属錯化剤(例えばクラウンエーテル、クリプタント、フェノール性誘導体とホルムアルデヒドの縮合により得られる大環状体であるカリックスアレーン))の付着を許容できる任意の官能基から選択可能である。
スペーサー基Eは、本方法を用いて得る薄膜に特定の性質を授けることを可能にする。基Eは、組織化された単分子層を得ることを可能にするラジカルから選択される。長鎖アルキレン型のラジカルEによって、鎖間相互作用が可能になる。アルキレン型のラジカルE中、特に好ましいのは8〜24の炭素原子を持つものである。2つの−C≡C−三重結合を含むラジカルEの場合、架橋が可能となる。共役芳香族鎖を含むラジカルEは非線形の光学特性を授与する。例示すると、フェニレン−ビニレンおよびフェニレン−アセチレンラジカルが挙げられる。ピロール、チオフェンまたはポリシラン型のラジカルEは、電子伝導性を授与する。ヘテロ置換された多環芳香族型のラジカルEは、光/電界発光特性を授与する。例示として、キノンおよびジアゾ化合物が挙げられる。基Eがアルキルまたはフルオロアルキル型である場合、特に3〜24の炭素原子を持つアルキルまたはフルオロアルキル基である場合、得られる層はクロマトグラフィーまたは電気泳動において使用することができる。
有機トリヒドロシラン溶液は、好ましくは10−3〜10−1mole/l含有する。有機トリヒドロシランの濃度が10−2mole/lのオーダーである溶液は特に好ましい。
グラフトの継続時間は、好ましくは4〜24時間である。継続時間が12時間台であると、良好な結果が得られる。
グラフトの間、反応媒体を30℃未満の温度に保たなければはならない。最高値は置換基X−E−に依存する。この最高値は、置換基の炭素原子数が減少すると減少する傾向にある。ある与えられた置換基に対する最高値の決定は、当業者の能力の範囲内である。有用な情報が、特にBrzoska等(Langmuir,1994,10,4367)に見いだされ、これは、種々のアルキルトリクロロシランから得られる自己組織化単分子層の品質を制御する、臨界温度Tcが存在することを示している。最高温度は、一般的に30℃未満である。例えば、温度は、RがC1837であれば30℃未満、RがC1225であれば10℃未満のはずである。
有機化合物による単分子層の汚染を避けるために、反応は不活性雰囲気下で実施することが好ましい。
カップリング剤として有機シランX−E−SiHを使用すると、カップリング剤のSi−H官能基と基板表面のシラノールSi−OH官能基の間の直接縮合によって、Si−O−Si結合の初期形成が可能になる。このグラフト形態は、均質な層の堆積を損なう凝集体の形成を大幅に制限する。X−E−SiHの使用には、除去が容易な副産物、すなわちHを産生するという、もう一つの利点がある。クロロシランまたはアルコキシシランを使用する従来技術の方法にはつきものである陰イオン性の存在物またはプロトン性の化合物を、処理された基板上に見いだすという危険は無い。
ここに提案した方法は、有機シランを酸、アルコールまたはチオールのような活性水素を持っている化合物と反応させることにある従来の方法(上述で引用したE.Lukevics等を参照)とは違い、触媒の使用無しで実施可能であるということも注目すべきである。
本発明に係る方法に従って修飾されたシリカ基板は、表面に共有結合Si−O−Siにより付着したセグメントX−E−の単分子層を含有し、この層は、表面上に均一に分布しかつ接近可能な官能基Xを含有している。
本発明の方法は、初期は非常に親水性で、接触角が10°未満であるシリカの表面層上に有機物単分子層を堆積させることにある。グラフト後、超純水に対する表面の濡れ性は、層形成に使用するシランのX−E−基の性質に大きく依存する。アルキルシラン(Eが直鎖アルキレン)である場合、表面の疎水性特性により、接触角はθH2O≒95〜100°となる。Eがアリールの場合、芳香族基の存在が表面の疎水性特性を減少させ、接触角はθH2O≒69〜77°となる。
図1は、親水性表面上の水滴の状態を示しており、角度θは90°未満である。図2は、疎水性表面上の水滴の状態を示しており、角度θは90°を超えている。
原子間力顕微鏡法(AFM)で得られる画像は、表面が均質であり、かつ平均表面粗さ(MSR)が非常に小さく、一般的に0.2nm未満であることを示している。処理された基板の粗さはグラフトされた有機基の本性には依存せず、未処理の初期基板の粗さに非常に近いままである。
得られる層の厚さは偏光解析法(表面薄膜の屈折率の値を、一般的に使用される値である、n=1.45として)により決定する。この厚さは、基X−E−の長さ、および基板表面に対するその配向性に依存する。X−E−がオクタデシルの場合、厚さは1.7nmのオーダーであり、これは基板表面の約70%を占める分散層に対応する。
アルキル−SiH型のシランを用いて修飾された基板において、基板がそれを介して有機基に付着している共有結合は、−SiHO−Si−型である。SiH基の存在は2150cm−1の振動吸収帯√Si−Hにより明らかにされている。この吸収帯は、従来技術の方法に従って同じアルキル基を含むアルキルトリクロロシランまたはアルキルトリアルコキシシランを用いて修飾された基板上では観察されない。
以下の実施例を用いて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
有機物層で被覆した一連のシリコン基板を、オクタデシルトリヒドロシラン処理により調製した。基板として、シリコン(100)円盤を切断して得た、1x2cmの四角い小板を用いた。
第一の段階で、各小板を、表面が完全に疎水性になるまで、濃HF溶液中に数秒間浸漬した。次に、各小板を超純水で濯ぎ、紫外線を照射しながらオゾンで処理した。
このように処理した各小板を、直ちに、CClに溶解されたオクタデシルトリヒドロシランの10−2M溶液が20ml入っているシュレンク管中に導入し、撹拌せずに、15℃で24時間管中に保存した。24時間後、小板をシュレンク管から取り出し、CCl、無水エタノールおよび次いでクロロホルムで洗浄した。各洗浄は超音波をかけながら、5分間のオーダー実施した。
このようにして得られた小板は、劣化無しに、周囲の雰囲気中で保存できる。
平衡状態の液適法により測定した、小板の表面における接触角は98°±2であり、これは、表面が疎水性で、かつ均質であることを表している。
比較のため、オクタデシルトリクロロシランを用い、同じ条件下でシリコン小板を処理した。
オクタデシルトリヒドロシランで処理した表面およびオクタデシルトリクロロシランで処理した表面の、全反射減衰(ATR)モードの赤外分光法による解析から、以下の表に分類した結果が得られた。
Figure 0004509776
本発明に従って処理した基板は、2150cm−1に吸収帯√Si−Hがあり、これはC1837SiClから得られた基板には存在せず、かつ、これは基板表面におけるR−SiH−O型環境中のSi−H結合の存在に対応している。
他の吸収帯が得られたということは、表面におけるオクタデシルトリヒドロシランの組織化が、グラフトされたオクタデシルトリクロロシランに関して得られる完全な架橋と、溶液中におけるオクタデシルトリヒドロシランおよびオクタデシルトリクロロシランに関しては観察される組織化が存在しないこととの間の妥協物であることを示している。
本発明の小板に関してAFMにより得られた画像は、0.15〜0.20nmのオーダーという非常に粗さの小さい、均質な表面を示している。
本発明の方法に従って得られた層の厚さは、屈折率の値をn=1.45として、偏光解析法により決定した。厚さは、1.7nmのオーダーであり、これは基板表面の約70%を占める分散層に対応する。
実施例2
シュレンク管中における反応温度だけを変え、オクタデシルトリヒドロシランを用いて実施例1の手順を繰り返した。それぞれ5℃および20℃で、2系統の試みを実施した。小板を解析したところ、同様の結果が得られた。
実施例3
オクタデシルトリヒドロシランをフェニルトリヒドロシランに換え、他の全ての条件を同じにして、実施例1を繰り返した。
修飾された小板の表面で測定した接触角は74°±4である。
本発明の小板に関してAFMにより得られた画像は、0.2nmのオーダーの非常に小さい粗さの、均質な表面を示している。
本発明の方法に従って得られた層の厚さは、屈折率の値をn=1.45として、偏光解析法で決定した。この厚さは0.8nmのオーダーであり、高密度の単分子層に対応する。
実施例4
オクタデシルトリヒドロシランをp−メチルスチルベニルトリヒドロシランに換え、他の全ての条件を同じにして、実施例1の手順に従い一連の小板を処理した。図3は、p−メチルスチルベニルトリヒドロシランをグラフト後の小板表面の状態を示す。
修飾された小板表面において測定した接触角は85°±3である。
この小板に関してAFMにより得られた画像は、0.2nmのオーダーの非常に小さい粗さの、均質な表面を示している。
得られた層の厚さは、屈折率の値をn=1.619として、偏光解析法で決定した。この厚さは19nmのオーダーであり、高密度の単分子層に対応する。
実施例5
オクタデシルトリヒドロシランをビニルフェニルトリヒドロシランに換え、他の全ての条件を同じにして、実施例1の手順に従い一連の小板を処理した。
修飾された小板の表面で測定した接触角は75°±4である。
この小板に関してAFMで得た画像は、0.2nmのオーダーの非常に小さい粗さの、均質な表面を示している。
得られた層の厚さは、屈折率の値をn=1.546として、偏光解析法で決定した。この厚さは11nmのオーダーであり、高密度の単分子層に対応する。
このように処理した各小板を、全て不活性雰囲気下で、凝縮器を載せた25mlのフラスコ中に置いた。フラスコには1mmolのp−ブロモトルエン、9mg(0.04mmol)の酢酸パラジウム、46mg(0.15mmol)のトリオルソトリルホスフィン、2mlのトリエチルアミンおよび10mlのトルエンが入っている。反応混合物を、磁気攪拌機で穏やかに撹拌しながら、終夜110℃で加熱した。室温に戻した後、各小板をフラスコから取り出し、超音波をかけながら、トルエンおよびペンタンで、注意深く濯いだ。図4は、p−ブロモトルエンのポストグラフト反応後の小板表面の状態を示している。
このようにして得た小板は、劣化せずに、周囲の雰囲気中で保存できる。
これらの小板について解析したところ、実施例4において処理した小板の解析で得た結果と同様の結果を得た。
実施例6
本発明に係る方法を、コロイダルシリカの形状のシリカ基板に対して実施した。基板は、「Merck 60F silica」の商品名でメルク社が市販している活性化シリカである。
磁気撹拌しながら、0.5gの活性化シリカを、20mlのCCl中1gのオクタデシルトリヒドロシランにより、19−20℃で24時間処理した。得られた粉末を濾過し、物理吸着したシランを全て除去するために、20mlのCClで2回洗浄し、次いで20mlのTHFで4回洗浄した。
得られた粉末の粒子は、超純水の表面に析出したとき、48時間後も表面に留まることが観察されている。このことは、完全に疎水性である性格を実証している。
グラフトしたシランの存在は、赤外分光法およびNMRで特徴付けられる。2165cm−1の赤外吸収帯および29Si NMRにおける−31ppmでの信号は、−O−SiR(H)−O−官能基の存在を示している。この結果は、Si−H結合の加水分解と、引き続く有機シランの表面への付着を前提とする。
親水性表面上にある水滴の状態を図示したものである。 疎水性表面上にある水滴の状態を図示したものである。 p−メチルスチルベニルトリヒドロシランをグラフト後の、小板表面の状態のを図示したものである。 p−ブロモトルエンのポストグラフト反応後の、小板表面の状態を図示したものである。

Claims (15)

  1. 表面にシラノール官能基を有する無機物担体を、有機トリヒドロシランの有機溶媒溶液に30℃未満の温度で接触させる、有機物層で表面修飾された無機物担体の製造方法であって、前記無機物担体が、シリカからなる担体であるか、又は表面にシリカ層を有するシリコン担体であり、前記無機物担体の表面はシラノール官能基を形成するための表面処理が施され、かつ前記有機物層は有機トリヒドロシランのSiH 基と前記シラノール官能基との反応により−SiH −O−Si−結合が形成されていることを特徴とする有機物層で表面修飾された無機物担体の製造方法。
  2. 表面においてシラノール官能基を有する無機物担体が、ガラス、または石英板であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 反応を中性雰囲気中で実施することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 溶媒が非プロトン性溶媒であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 溶媒を四塩化炭素、トリクロロエチレンおよびトルエンから選択することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 有機トリヒドロシランが式X−E−SiHに対応し、Eはスペーサーセグメントであり、かつXはHまたは反応性末端官能基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  7. Xがアミノ基、ハロゲン、エポキシ、ピリジル、エステル、トシレートまたはヘテロクムレンを表すことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. Xが金属錯化剤を表すことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  9. Xがクラウンエーテル、クリプタントまたはカリックスアレーンであることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. スペーサー基Eが長鎖アルキレンラジカルであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  11. スペーサー基Eが2個の−C≡C−三重結合を含む炭化水素ラジカルであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  12. スペーサー基Eが共役芳香族鎖を含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  13. スペーサー基Eがピロールまたはチオフェンであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  14. 有機トリヒドロシラン溶液が0.001〜0.1mole/l含有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  15. グラフトの継続時間が4〜24時間であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
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