JP2000239607A - 親水性被膜形成用コーティング液 - Google Patents

親水性被膜形成用コーティング液

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JP2000239607A
JP2000239607A JP3894499A JP3894499A JP2000239607A JP 2000239607 A JP2000239607 A JP 2000239607A JP 3894499 A JP3894499 A JP 3894499A JP 3894499 A JP3894499 A JP 3894499A JP 2000239607 A JP2000239607 A JP 2000239607A
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sulfonic acid
hydrophilic
coating
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JP3894499A
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Yukiya Yamashita
行也 山下
Kyoko Kawamura
京子 川村
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光触媒を利用しないで、各種基材の表面を親
水性にして、防曇性や汚れ防止能を付与できる親水性被
膜を形成する。 【解決手段】 スルホン酸基、カルボン酸基、ポリオキ
シエチレン基等の親水性官能基を有するシリカ質被膜
を、少なくとも一部がこの官能基またはその前駆基を有
するアルコキシシランの部分加水分解物を含有する溶液
の塗布と乾燥、および場合により前駆基から官能基への
変化のための化学反応により基材表面に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種基材の表面に
透明な親水性被膜を形成することができるコーティング
液とこのコーティング液の製造方法、ならびにこのコー
ティング液により親水性が付与された表面を有する基材
とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化チタン/シリカの複合材料からなる
光触媒膜を基材表面に形成すると、酸化チタンの光触媒
作用により、紫外光を照射した際に酸化チタンが光励起
して、基材表面が親水性を示すようになることが、例え
ば、特許第2,756,474 号に記載されている。
【0003】こうして基材表面を親水性にすると、基材
がガラスのように透明または鏡面である場合には防曇性
が付与される。また、基材表面が汚れにくくなり、自己
浄化性または清掃が容易になるという汚れ防止機能も基
材表面に付与される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
光触媒作用を利用して基材表面に親水性を付与するとい
う手段では、紫外光の照射が必要であり、例えば、夜間
や屋内、トンネル内等のように紫外光が得られない環境
中では十分な親水性は発現しない。従って、紫外光の有
無にかかわらず基材表面に親水性を常に付与することが
できる技術がなお求められている。
【0005】また、酸化チタン等の光触媒は有機物を分
解する性質があるため、基材がプラスチックのように有
機物である場合には、基材の分解を防止するため、基材
にまず無機質の下地層を形成して、その上に上記被膜を
形成する必要があり、手間がかかるという問題もある。
光触媒を利用せずに、親水性被膜を形成できれば、この
問題が解消される。
【0006】光触媒を利用せずに親水性被膜を形成する
方法として、被膜中に親水性の界面活性剤を添加する方
法がある。しかし、この場合は界面活性剤の溶出を利用
しているため、効果が持続しないという問題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、アルコキシシ
ラン等の加水分解性シラン化合物にスルホン酸基等の親
水性官能基を導入した化合物を被膜形成成分とするコー
ティング液を基材に塗布して、親水性官能基を有するシ
リカ質被膜を形成すると、基材表面に親水性を付与でき
ることを見出した。
【0008】本発明は、下記の各種の態様を包含する。 (1) 基材表面が親水性官能基を有するシリカ質被膜で被
覆され、基材表面の水との接触角が15°以下である、表
面が親水性を呈する基材。
【0009】(2) 親水性官能基がスルホン酸基である
(1) 記載の表面が親水性を呈する基材。 (3) 親水性官能基がカルボン酸基および/またはポリオ
キシエチレン基である、(1) 記載の表面が親水性を呈す
る基材。
【0010】(4) 少なくとも一部が親水性官能基および
/またはその前駆基を有する加水分解性シラン化合物お
よび/またはその部分加水分解物を親水性有機溶媒に溶
解状態で含有することを特徴とする、基材表面に親水性
を付与するためのコーティング液。
【0011】(5) 親水性官能基がスルホン酸基であり、
その前駆基がスルホン酸エステル基、チオール基および
スルフィド基から選ばれる(4) 記載のコーティング液。 (6) 親水性官能基がカルボン酸基および/またはポリオ
キシエチレン基である、(4) 記載のコーティング液。
【0012】(7) さらに平均一次粒子径0.1 μm以下の
超微粒子酸化チタンを含有する、(4)〜(6) のコーティ
ング液。
【0013】(8) 少なくとも一部がスルホン酸エステル
基を有する加水分解性シラン化合物を親水性有機溶媒に
溶解させた溶液を、水および/または酸の存在下で加熱
して、シラン化合物およびスルホン酸エステル基を加水
分解することを特徴とする(5)記載のコーティング液。
【0014】(9) 少なくとも一部がチオール基および/
またはスルフィド基を有する加水分解性シラン化合物を
親水性有機溶媒に溶解させた溶液を、オゾン含有ガスで
処理して、チオール基および/またはスルフィド基をス
ルホン酸基に転化させることを特徴とする、(5) 記載の
コーティング液の製造方法。
【0015】(10)少なくとも一部がスルホン酸エステル
基を有する加水分解性シラン化合物および/またはその
部分加水分解物を親水性有機溶媒中に含有する溶液を基
材に塗布し、塗布した基材を加熱して、スルホン酸エス
テル基をスルホン酸基に転化させることを特徴とする、
基材表面に親水性を付与する方法。
【0016】(11)少なくとも一部がチオール基および/
またはスルフィド基を有する加水分解性シラン化合物お
よび/またはその部分加水分解物を親水性有機溶媒中に
含有する溶液を基材に塗布し、塗布した基材をオゾン含
有ガスで処理して、チオール基および/またはスルフィ
ド基をスルホン酸基に転化させることを特徴とする、基
材表面に親水性を付与する方法。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に係る表面が親水性を呈す
る基材は、親水性官能基を有するシリカ質被膜を表面に
有する。親水性官能基としては、スルホン酸、カルボン
酸、ホスホン酸などの酸基、およびポリオキシアルキレ
ン基 (例、ポリオキシエチレン基) などが挙げられる。
【0018】このシリカ質被膜は、親水性官能基または
その前駆基を有する加水分解性シラン化合物 (例、アル
コキシシラン) またはその部分加水分解物を被膜形成成
分とするコーティング液の塗布と乾燥により形成するこ
とができる。加水分解性シラン化合物の代表例はアルコ
キシシランであるので、以下ではアルコキシシランで代
表させて説明するが、加水分解性基はハロゲンであって
もよい。
【0019】使用するアルコキシシランは、その全部が
親水性官能基および/またはその前駆基を有している必
要はない。即ち、アルコキシシランの一部は官能基を有
していないものでよく、官能基を持たないアルコキシシ
ランと親水性官能基を有するアルコキシシランの比率に
より、形成された被膜の親水性の程度を調節することが
できる。
【0020】次に、親水性官能基がスルホン酸基である
場合について説明する。スルホン酸基を有するシリカ質
被膜を形成するには、スルホン酸基を有するアルコキシ
シラン (即ち、スルホン酸基を有するシランカップリン
グ剤) を利用することがまず考えられる。しかし、スル
ホン酸基はカルボン酸に比べて酸性が非常に高いため、
スルホン酸基を有するアルコキシシランはスルホン酸基
の酸性によって加水分解と縮合を受け易く、安定に存在
することができない。そのため、官能基としてスルホン
酸基を有するアルコキシシランを安定して合成する方法
は知られておらず、当然ながら、スルホン酸基を有する
シランカップリング剤は市販されていない。
【0021】そのため、化学反応を受けるとスルホン酸
基に転化させることができるスルホン酸前駆基を有する
アルコキシシランを利用し、塗布する前か後に前駆基を
スルホン酸基に転化させる。このようなスルホン酸前駆
基としては、加水分解または熱分解によりスルホン酸基
になるスルホン酸エステル基、ならびにオゾンで酸化す
るとスルホン酸基になるチオール基 (−SH) とスルフ
ィド基が挙げられる。スルフィド基は、モノスルフィド
基 (−S−) とジスルフィド基 (−S−S−)の両者を
包含する。
【0022】このようなアルコキシシランの代表例は、
次の〜式で示されるトリアルコキシシラン類である
が、ジアルコキシシラン類やモノアルコキシシラン類も
使用できる。
【0023】スルホン酸エステル基含有アルコキシシ
ラン (R1O)3Si(CH2)nSO3R2, (R1O)3Si(CH2)n-X-SO3R2 チオール基含有アルコキシシラン (R1O)3Si(CH2)nSH スルフィド基含有アルコキシシラン [(R1O)3Si(CH2)n]2S 及び [(R1O)3Si(CH2)nS]2 R1は、炭素数1〜6の低級アルキル基であり、好ましく
はメチルまたはエチルである。R2は炭素数1〜18のアル
キル基であり、好ましくはイソプロピル、イソブチルと
いった分岐型アルキル基である。嵩の大きい分岐型アル
キルエステルは、比較的低い加熱温度で熱分解によりス
ルホン酸基に転化し易いからである。Xは、直鎖アルキ
レン以外の2価結合基 (例、分岐アルキレン基、−O
−、フェニレン基等) である。
【0024】スルホン酸エステル基を有するアルコキシ
シランは、特開平9−48610 号公報に説明されている方
法に準じて合成することができる。チオール基またはス
ルフィド基を有するアルコキシシランは、既知の方法で
容易に合成することができ、チオール基を有するシラン
カップリング剤については市販品を入手することもでき
る。
【0025】このようなスルホン酸前駆基を有するアル
コキシシランの1種もしくは2種以上を、場合により官
能基を有しないアルコキシシランと一緒に、親水性の有
機溶媒に溶解させ、次いで好ましくは加水分解を行う
と、本発明のコーティング液が得られる。スルホン酸前
駆基を有するアルコキシシランだけでも、親水性被膜を
形成することができる。しかし、価格が非常に高くなる
ことと、成膜性や膜特性が必ずしも良好とはならないの
で、官能基を有しないアルコキシシランを併用してもよ
い。即ち、被膜形成成分であるアルコキシシランは、そ
の少なくとも一部がスルホン酸前駆体官能基を有してい
ればよい。
【0026】本発明で使用するのに適した、官能基を有
していないアルコキシシランとしては、テトラアルコキ
シシラン (=アルキルシリケート、例、エチルシリケー
ト)、トリアルコキシシラン (例、トリエトキシシラン)
、モノアルキルトリアルコキシシラン (例、モノメチ
ルトリエトキシシラン) が挙げられる。これらのうち、
被膜強度や密着性に優れているテトラアルコキシシラン
類が特に好ましい。また、官能基を有していないアルコ
キシシランの一部または全部を、スルホン酸以外の酸基
(例、カルボン酸基) を含有するアルコキシシラン、ま
たはスルホン酸と反応しない他の官能基を含有するアル
コキシシランに代えてもよい。
【0027】スルホン酸前駆基を含有するアルコキシシ
ラン(A) と、官能基を有しないアルコキシシラン(B) の
比率は、 (A):(B) のモル比で1:9〜9:1の範囲内
とすることが好ましく、より好ましくは3:7〜7:3
の範囲内である。このモル比は、形成された親水性被膜
の親水性の程度に影響を及ぼすので、必要な親水性も考
慮して選択するのがよい。
【0028】以上のアルコキシシラン類を親水性の有機
溶媒に溶解させる。アルコキシシラン類の合計含有量は
0.1〜10wt%の範囲内とすることが好ましい。適当な有
機溶媒は、アルコール類およびケトン類であり、特にア
ルコール類が好ましい。溶媒は1種または2種以上を使
用できる。アルコールとしては、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等の
1価アルコールでよいが、メトキシエタノール、エトキ
シエタノールといったアルコキシアルコールも溶媒の一
部または全部として使用することができる。
【0029】少なくとも一部がスルホン酸前駆基を有す
るアルコキシシランを親水性有機溶媒に溶解させた溶液
を、そのまま本発明のコーティング液として使用するこ
ともできる。しかし、一般には、この溶液を加水分解反
応に付して、アルコキシシランを予め部分加水分解して
おくと、成膜が促進され、被膜成形が容易となるので好
ましい。こうして加水分解することにより得られたコー
ティング液では、アルコキシシランの少なくとも一部が
部分加水分解物として存在し、スルホン酸前駆基がスル
ホン酸エステル基である場合には、このエステル基も一
部がスルホン酸基に加水分解される場合があるため、ス
ルホン酸基も存在しうる。
【0030】この加水分解反応は、酸および/または水
の存在下で行うことが好ましい。酸としては、硝酸、塩
酸、硫酸等の無機酸、またはスルホン酸などの有機酸が
使用できる。アルコキシシランの合計量1モルに対し
て、酸は 0.001〜1.0 モル、水は 0.1〜10モルの範囲内
の量で使用することが好ましい。反応温度は室温から80
℃の範囲が適当である。反応時間は、完全に加水分解し
ないように温度等の反応条件に応じて設定する。
【0031】スルホン酸前駆基がチオール基またはスル
フィド基である場合には、上述したコーティング液の製
造方法の適当な段階で、溶液にオゾン含有ガスを吹き込
むこむことによってオゾン処理して、前駆基をスルホン
酸基に転化させてもよい。オゾン処理の代わりに過酸化
水素で処理することもできる。オゾン処理は、塗布後に
塗膜に対して行うこともできるので、コーティング液中
の官能基は、前駆基のまま (即ち、チオール基またはス
ルフィド基) であってもよい。
【0032】アルコキシシランの部分加水分解を行う場
合、オゾン処理はこの部分加水分解の前と後のいずれに
行ってもよいが、部分加水分解の後に行う方が好まし
い。オゾン処理に用いるオゾン含有ガス中のオゾン濃
度、他のガスの種類、ガス流量、温度などの条件は特に
制限されない。一般的には、酸素、窒素、または空気と
オゾンとの混合ガスを用いることができる。ガス中のオ
ゾン濃度は高い方がスルホン酸基を効率的に生成させる
ことができる。温度は−50℃から溶媒の沸点までの広い
温度が採用できるが、通常は室温で十分である。処理時
間は、液中のスルホン酸前駆基が実質的に完全にスルホ
ン酸基に転化されるように選択することが好ましい。処
理時間は、例えば1〜10時間程度である。
【0033】上記のようにして製造されたコーティング
液を基材に塗布する。塗布方法は、スピンコート法、ロ
ール塗布法、スプレー法、浸漬法、バーコート等の任意
の方法で実施できる。塗布後、塗膜を加熱して乾燥させ
る。この加熱は空気中で実施すれば十分であるが、加水
分解を促進させるため、水蒸気を含有させた雰囲気、例
えば、水蒸気を吹き込んだ空気中、で実施することもで
きる。加熱温度は、一般に80〜180 ℃の範囲内とするこ
とが好ましい。但し、上限は基材の耐熱性によって制限
を受けることもある。
【0034】この加熱中に周囲雰囲気からの水分によっ
てアルコキシシランおよびその部分加水分解物が完全に
加水分解および縮合させてシリカ質被膜を形成する。ス
ルホン酸前駆基がスルホン酸エステル基である場合に
は、同時にこのエステル基が加水分解または熱分解によ
り実質的に完全にスルホン酸基に転化される。こうし
て、スルホン酸基を有するシリカ質被膜が形成される。
スルホン酸前駆基がチオール基またはスルフィド基であ
って、コーティング液を予めオゾン処理または過酸化水
素処理することによって官能基をスルホン酸基に既に転
化させてある場合も、形成されたシリカ質被膜はスルホ
ン酸基を有している。
【0035】スルホン酸前駆基がチオール基またはスル
フィド基であって、コーティング液がオゾン処理等を受
けていない場合には、塗布後の加熱の前か後に、オゾン
含有ガスで処理して、前駆基をスルホン酸基に転化させ
る。使用するオゾン含有ガスは、コーティング液の処理
の場合と同様でよい。温度は−50℃から基材の耐熱温度
或いは200 ℃程度までが適当であるが、一般には室温な
いし100 ℃の間が好ましい。塗布後にこのオゾン処理
と、アルコキシシランの加水分解と縮合による成膜のた
めの加熱を行うと、スルホン酸基を有するシリカ質被膜
が基材の表面に形成される。
【0036】親水性官能基が酸基以外の官能基、例え
ば、末端がアルキル基で安定化されたポリオキシエチレ
ン基である場合には、このような官能基を有するアルコ
キシシランが安定に存在しうるので、スルホン酸基につ
いて説明したように前駆基を有するアルコキシシランを
使用する必要はない。従って、親水性官能基を有するア
ルコキシシランを、好ましくは官能基を有しないアルコ
キシシランと一緒に、親水性有機溶媒に溶解し、好まし
くは上記のようにして部分加水分解させると、本発明の
コーティング液 (即ち、少なくとも一部が親水性官能基
を有するアルコキシシランが溶解している溶液) を得る
ことができる。
【0037】親水性官能基がカルボン酸基である場合に
は、スルホン酸基の場合と同様に、前駆基であるカルボ
ン酸エステル基を含有するアルコキシシラン化合物を利
用し、コーティング液中での加水分解反応または塗布後
の加水分解もしくは熱分解によりカルボン酸エステル基
をカルボン酸基に変化させて、カルボン酸基を含有する
シリカ質被膜を形成することが好ましい。熱分解の場合
は三級アルコールのエステルが好ましい。
【0038】このようなコーティング液を基材に塗布
し、塗布した基材を大気中または水蒸気を含有する雰囲
気中で加熱して、アルコキシシランまたはその部分加水
分解物を完全に加水分解および縮合させ、カルボン酸エ
ステル基の場合にはこれをカルボン酸基に加水分解させ
ると、親水性官能基を有する透明なシリカ質被膜が基材
表面に形成される。塗布や加熱は、親水性官能基がスル
ホン酸基である場合について上に説明したのと同様でよ
い。
【0039】本発明のコーティング液は、以上に説明し
た、少なくとも一部が親水性官能基および/またはその
前駆基を有するアルコキシシランおよび/またはその部
分加水分解物に加えて、他の成分を含有することもでき
る。このような他の成分としては、まず、前述した加水
分解に関与する酸や水がある。
【0040】また、コーティング液に、光触媒作用によ
り被膜に親水性を付与できる、平均一次粒子径が0.1 μ
m以下の超微粒子酸化チタンを含有させると、形成され
た被膜の親水性をさらに向上させることができる。この
超微粒子酸化チタンは、四塩化チタンの熱分解による気
相法で得られたものと、チタン塩の湿式加水分解により
得られたチタニアゾルのいずれでもよい。超微粒子酸化
チタンの含有量は、酸化チタン含有量とアルコキシシラ
ンの酸化ケイ素換算含有量の固形分比がTiO2/SiO2=1
/9〜9/1、好ましくは5/5〜8/2の範囲内とな
るようにすることが好ましい。特に気相法の超微粒子酸
化チタンをコーティング液に含有させる場合には、分散
安定剤として、少量のβ−ジケトン (例、アセチルアセ
トン) を一緒に添加することが好ましい。
【0041】こうして基材の表面に親水性官能基を有す
るシリカ質被膜を形成すると、基材表面が高度に親水性
化され、表面での水の接触角が15°以下となる。その結
果、酸化チタンを含有する光触媒膜を形成した場合と同
様に、基材に防曇性や汚れ防止機能が付与される。しか
し、光触媒膜と異なり、紫外光が存在しなくても親水性
を発揮できるので、屋内やトンネル内で使用する基材や
夜間でも十分な親水性を基材に付与できる。また、界面
活性剤を添加して親水性とする被膜とは異なり、親水性
の効果が長期間持続する。コーティング液の塗布量は特
に制限されないが、形成されたシリカ質被膜の膜厚が
0.1〜1.0 μmの範囲の薄膜で十分に効果がある。
【0042】基材は有機質でも無機質でもよい。光触媒
膜の場合には、基材が有機質であると、基材の分解や劣
化を生じるので、それを防ぐために基材と光触媒膜との
間に無機質の下地層 (例、アルコキシシランから形成さ
れたシリカ層) を形成しておく必要があった。しかし、
本発明では光触媒を利用していないので、有機質基材で
も直接塗布することができ、下地層の形成という手間が
かからない。
【0043】適当な基材の例は、ガラス、プラスチッ
ク、金属、木材、タイルを含むセラミック、セメント、
コンクリート、繊維、紙、石その他の鉱物、または皮革
を材質とするものである。基材がガラスや透明プラスチ
ックのように透明であるか、鏡のように反射性である場
合には、本発明に従って表面を親水性にすることによ
り、汚れ防止効果に加えて、防曇効果も得られる。
【0044】上記のような材質の基材の具体例として
は、車両用および道路用ミラー、車両用ガラス、車両用
照明灯とそのカバー、レンズ、照明用蛍光灯とそのカバ
ー、板ガラス、トンネル用内装材および照明灯とそのカ
バー、プラスチックフィルムおよびシート、プラスチッ
ク成形体、各種建材/内装材および建物付属物、食器、
換気扇、眼鏡、鏡、天然および合成繊維および布帛、
紙、皮製品、ブラウン管、カバーガラス、ゴーグル、マ
スクシールド、標識、看板、金属板、家電製品のハウジ
ング、焼結金属フィルター、ガードレール、ビニールハ
ウス、調理レンジとそのフード、流し台、衛生器具、浴
槽、家具、屋外照明用固定材、室内もしくは屋外展示物
と表示物、屋外用家具と遊具、屋外固定構造物等があ
る。
【0045】
【実施例】(実施例1)スルホン酸エステル基を持ってい
るアルコキシシランである3−トリメトキシシリルプロ
パンスルホン酸イソプロピルエステル[(CH3O)3Si(CH2)3
SO3CH(CH3)2]22.9 g(0.08モル) と、官能基を持たない
アルコキシシランであるテトラエトキシシラン[Si(OC2H
5)4] 4.2 g(0.02 モル) を、溶媒のエタノール14.6 gに
溶解し、水18 g(1モル) と60%硝酸0.28 g(0.025モル)
を添加して50℃に2時間加熱攪拌してアルコキシシラン
を部分加水分解させた。こうして得られた反応液0.5 g
をエタノール4.5 g で希釈して、コーティング液を調製
した。
【0046】このコーティング液を、水の接触角が35°
である青板ガラスに、スピンコートした(150 rpm、150
秒) 後、空気中で150 ℃に1時間加熱して塗膜を乾燥さ
せ、シリカ質の透明被膜をガラス表面に形成した。この
被膜の厚みは、断面SEM写真から約 0.2μmであっ
た。塗膜の乾燥中に発生したガスをガスクロマトグラフ
ィーで分析したところプロペンが検出されたこと、およ
びガラス表面から掻きとった被膜のIR分析結果から、
このシリカ質被膜がスルホン酸基を有することを確認し
た。
【0047】このシリカ質被膜は透明性が高く (ヘーズ
0.2 、全可視光透過率90%) 、高硬度 (鉛筆硬度3H)
であった。このシリカ質被膜を形成したガラス表面での
水の接触角を被膜形成の翌日に測定したところ6°であ
り、表面が高度の親水性を示すことが判明した。さらに
3週間経過した後に、水の接触角を再び測定したが、接
触角に変化は見られず、親水性を保持していた。
【0048】(実施例2)チオール基を有するアルコキシ
シランであるγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン[(CH3O)3Si(CH2)3SH] 15.7 g(0.08 モル) と、テトラ
エトキシシラン4.2 g(0.02モル) を、溶媒のエタノール
21.8 gに溶解し、水18 g(1モル) と60%硝酸0.28 g(0.0
25モル) を添加して50℃に2時間加熱攪拌してアルコキ
シシランを部分加水分解させた。得られた反応液を室温
に放冷した後、オゾンガスを酸素ガスで希釈したオゾン
含有ガスを140 L/hrの流量で3時間吹き込んで、反応液
を室温で酸化させ、チオール基をスルホン酸基に転化さ
せた。オゾン含有ガス中のオゾン濃度は、オゾン供給量
が0.02 g/hr となる量であった。この反応液0.5 gをエ
タノール4.5 g で希釈して、コーティング液を調製し
た。
【0049】得られたコーティング液を用いて、実施例
1と同様にして青板ガラスの表面にシリカ質の透明被膜
をガラス表面に形成した。この被膜の厚みは、断面SE
M写真から約 0.5μmであった。このシリカ質被膜は、
透明性が高く (ヘーズ0.5 、全可視光透過率85%) 、高
硬度 (鉛筆硬度3H) であった。このシリカ質被膜を形
成したガラス表面での水の接触角を被膜形成の翌日に測
定したところ、13.0°であり、表面が高度の親水性を示
すことが判明した。
【0050】(実施例3)スルフィド基を有するアルコキ
シシランであるビス(3−トリエトキシシリルプロピル)
スルフィド[(C2H5O)3Si(CH2)3]2S 35.4 g(0.08モル) と
テトラエトキシシラン4.2 g(0.02モル) を、溶媒のエタ
ノール62.1 gに溶解し、水18 g(1モル)と60%硝酸0.
28 g(0.025モル) を添加して50℃に2時間加熱攪拌して
アルコキシシランを部分加水分解させた。得られた反応
液を室温に放冷した後、オゾン含有ガスによる酸化処理
を、処理時間を6時間とした以外は実施例2と同様に実
施して、スルフィド基をスルホン酸基に転化させた。こ
の反応液1g をエタノール4g で希釈して、コーティン
グ液を調製した。
【0051】得られたコーティング液を用いて、実施例
1と同様にして青板ガラスの表面にシリカ質の透明被膜
をガラス表面に形成した。この被膜の厚みは、断面SE
M写真から約 0.3μmであった。このシリカ質被膜は、
透明性が高く (ヘーズ0.7 、全可視光透過率86%) 、高
硬度 (鉛筆硬度3H) であった。このシリカ質被膜を形
成したガラス表面での水の接触角を被膜形成の翌日に測
定したところ、10°であり、表面が高度の親水性を示す
ことが判明した。
【0052】(実施例4)2種類のアルコキシシランの
割合と溶媒の使用量を変更した以外は実施例1と同様に
してコーティング液を調製した。即ち、スルホン酸エス
テル基を有するアルコキシシランである[(CH3O)3Si(C
H2)3SO3CH(CH3)2] 14.3 g(0.05モル) とテトラエトキシ
シラン10.4 g(0.05 モル) を、溶媒のエタノール17.0 g
に溶解し、得られた溶液を実施例1と同様に部分加水分
解し、エタノールで希釈して、コーティング液を調製し
た。
【0053】得られたコーティング液を用いて、実施例
1と同様にして青板ガラスの表面にシリカ質の透明被膜
をガラス表面に形成した。このシリカ質被膜がスルホン
酸基を有することを実施例1と同様にして確認した。こ
の被膜の厚みは、断面SEM写真から約 0.3μmであっ
た。このシリカ質被膜は、透明性が高く (ヘーズ0.3、
全可視光透過率90%) 、高硬度 (鉛筆硬度4H) であっ
た。このシリカ質被膜を形成したガラス表面での水の接
触角を被膜形成の翌日に測定したところ 8.5°であり、
表面が高度の親水性を示すことが判明した。
【0054】(実施例5)カルボン酸エステル基を有す
るアルコキシシランである3−トリエトキシシリルプロ
パンカルボン酸t−ブチルエステル[(C2H5O)3Si(CH2)3C
O2C(CH3)3] 30.6g(0.10モル) と、官能基を持たないア
ルコキシシランであるテトラエトキシシラン[Si(OC2H5)
4] 6.24 g(0.03モル) を、溶媒のエタノール20.0 gに溶
解し、水9g(0.5モル) と濃硫酸0.33 g(0.003モル) を
添加して60℃で3時間加熱攪拌してアルコキシシランを
部分加水分解させた。こうして得られた反応液0.5 g を
エタノールとイソプロパノールの1:1 混合溶媒4.5 g で
希釈して、コーティング液を調製した。
【0055】このコーティング液を実施例1と同様にし
て青板ガラスにスピンコートした後、空気中で180 ℃に
1時間加熱して塗膜を乾燥させ、シリカ質の透明被膜
(厚み0.3 μm) をガラス表面に形成した。この透明被
膜に関して、実施例1と同様に、塗膜の乾燥中に発生し
たガスの分析によりイソブテンが検出されたこと、およ
びガラス表面から掻きとった被膜のIR分析結果から、
このシリカ質被膜がカルボン酸基を有することを確認し
た。
【0056】このシリカ質被膜は透明性が高く (ヘーズ
0.4 、全可視光透過率83%) 、高硬度 (鉛筆硬度2H)
であった。このシリカ質被膜を形成したガラス表面での
水の接触角を被膜形成の翌日に測定したところ12°であ
り、表面が高度の親水性を示すことが判明した。
【0057】(実施例6)ポリオキシエチレン基を持つ
アルコキシシランの[(C2H5O)3Si(CH2)3(OCH2CH2)8CH3]
29.4 g(0.05 モル) と、官能基を持たないアルコキシシ
ランの[Si(OC2H5)4] 10.4 g(0.05モル) を、溶媒のエタ
ノール20.0 gに溶解し、水18 g(1.0モル)と濃硫酸0.50
g(0.005モル) を添加して45℃で5時間加熱攪拌してア
ルコキシシランを部分加水分解させた。こうして得られ
た反応液0.5 g をエタノールとメチルセロソルブの1:1
混合溶媒4.5 g で希釈して、コーティング液を調製し
た。
【0058】このコーティング液を実施例1と同様にし
て青板ガラスにスピンコートした後、空気中で120 ℃に
1時間加熱して塗膜を乾燥させ、シリカ質の透明被膜
(厚み0.4 μm) をガラス表面に形成した。このシリカ
質被膜は透明性が高く (ヘーズ0.3 、全可視光透過率86
%) 、高硬度 (鉛筆硬度2H) であった。このシリカ質
被膜を形成したガラス表面での水の接触角を被膜形成の
翌日に測定したところ、14°であり、表面が高度の親水
性を示すことが判明した。
【0059】(実施例7)気相法で製造された平均一次
粒子径0.02μmの酸化チタン (日本アエロジル社製P−
25) を使用し、この超微粒子酸化チタン 4.6g、エタノ
ール89g、アセチルアセトン0.12g、チタン系カップリ
ング剤 (味の素社製KR138S) 0.56gとジルコニアビーズ
100gとを混合し、16時間ペイントシェーカーで分散し
た後、ジルコニアビーズを濾別することにより酸化チタ
ン分散液を調製した。
【0060】この酸化チタン分散液に、実施例1で作製
したシリカコーティング液を、酸化チタン含有量と酸化
ケイ素換算シラン含有量がTiO2/SiO2=8:2の割合に
なるように混合して、酸化チタン含有コーティング液を
調製した。このコーティング液を実施例1と同様にして
青板ガラスにスピンコートした後、空気中で200 ℃に1.
5 時間加熱して塗膜を乾燥させた。こうして得られた塗
膜は、高い透明性 (ヘーズ値0.5)と高い親水性 (水に対
する接触角3°) を示した。
【0061】(比較例1)テトラエトキシシラン 20.8
g(0.1 モル) を、溶媒のエタノール20.9 gに溶解し、水
18 g(1モル) と60%硝酸0.28 g(0.025モル) を添加して
50℃に2時間加熱し、アルコキシシランを部分加水分解
させた。得られた反応液0.5 g をエタノール4.5 g で希
釈して、コーティング液を調製した。
【0062】このコーティング液を、水の接触角が35°
である青板ガラスに、スピンコートした(150 rpm、150
秒) 後、空気中で150 ℃に1時間加熱して塗膜を乾燥さ
せ、シリカ質の透明被膜をガラス表面に形成した。この
被膜の厚みは、断面SEM写真から約 0.4μmであっ
た。このシリカ質被膜は、透明性が高く (ヘーズ0.2 、
全可視光透過率88%) 、高硬度 (鉛筆硬度6H) であっ
た。このシリカ質被膜を形成したガラス表面での水の接
触角を被膜形成の翌日に測定したところ23°であった。
【0063】(比較例2)気相法で製造された平均一次
粒子径0.02μmの酸化チタン微粉末40 gをエタノール36
0 g に分散させた、酸化チタンのアルコール分散液を調
製した。この分散液5g に、上記比較例1で調製したコ
ーティング液0.28 gを加えて混合し、酸化チタン/アル
コキシシラン部分加水分解物のコーティング液を調製し
た。
【0064】このコーティング液を、水の接触角が35°
である青板ガラスに、スピンコートした(150 rpm、150
秒) 後、空気中で150 ℃に1時間加熱して塗膜を乾燥さ
せ、酸化チタン/シリカ質の透明被膜をガラス表面に形
成した。この被膜の厚みは、断面SEM写真から約 0.5
μmであった。この被膜は、透明性が高く (ヘーズ0.7
、全可視光透過率85%) 、高硬度 (鉛筆硬度2H) で
あった。
【0065】この被膜を形成したガラス表面での水の接
触角を被膜形成の翌日に測定したところ30°であり、被
膜は親水性を示さなかった。次いで、この被膜に1.2 W/
cm2の紫外線を2時間照射し、水の接触角を再び測定し
たところ、11°となり、紫外線照射により親水性を呈す
るようになることを確認した。
【0066】
【発明の効果】本発明により、光触媒を利用せずに、従
って紫外線がなくても、各種基材の表面に親水性を付与
することが可能となる。また、本発明により形成された
親水性のシリカ質被膜は、透明性が高く、高強度 (高硬
度) である。従って、従来の光触媒膜と同様な防曇性や
汚れ防止機能を、光触媒膜とは異なり紫外光が存在しな
くても、付与することができる。また、有機質基材の場
合にも、光触媒膜で必要な基材の劣化防止のための無機
質の下地層の形成が必要なくなる。従って、本発明は、
光触媒膜に比べて簡便かつ広範囲に、各種基材に親水性
を付与できる点で優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 DL021 DL031 GA06 GA15 HA216 KA20 NA06 PB05 PB07 PC02 PC03 PC04 PC06 PC08 PC09 PC10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面が親水性官能基を有するシリカ
    質被膜で被覆され、基材表面での水の接触角が15°以下
    である、表面が親水性を呈する基材。
  2. 【請求項2】 親水性官能基がスルホン酸基である請求
    項1記載の表面が親水性を呈する基材。
  3. 【請求項3】 親水性官能基がカルボン酸基および/ま
    たはポリオキシエチレン基である請求項1記載の表面が
    親水性を呈する基材。
  4. 【請求項4】 少なくとも一部が親水性官能基および/
    またはその前駆基を有する加水分解性シラン化合物およ
    び/またはその部分加水分解物を親水性有機溶媒に溶解
    状態で含有することを特徴とする、基材表面に親水性を
    付与するためのコーティング液。
  5. 【請求項5】 親水性官能基がスルホン酸基であり、そ
    の前駆基がスルホン酸エステル基、チオール基およびス
    ルフィド基から選ばれる、請求項4記載のコーティング
    液。
  6. 【請求項6】 親水性官能基がカルボン酸基および/ま
    たはポリオキシエチレン基であり、カルボン酸基の前駆
    基がカルボン酸エステル基である、請求項4記載のコー
    ティング液。
  7. 【請求項7】 さらに平均一次粒子径0.1 μm以下の超
    微粒子酸化チタンを含有する、請求項4ないし6のいず
    れか1項に記載のコーティング液。
  8. 【請求項8】 少なくとも一部がスルホン酸エステル基
    を有する加水分解性シラン化合物を親水性有機溶媒に溶
    解させた溶液を、水および/または酸の存在下で加熱し
    て、シラン化合物およびスルホン酸エステル基を加水分
    解することを特徴とする、請求項5記載のコーティング
    液の製造方法。
  9. 【請求項9】 少なくとも一部がチオール基および/ま
    たはスルフィド基を有する加水分解性シラン化合物を親
    水性有機溶媒に溶解させた溶液を、オゾン含有ガスまた
    は過酸化水素で処理して、チオール基および/またはス
    ルフィド基をスルホン酸基に転化させることを特徴とす
    る、請求項5記載のコーティング液の製造方法。
  10. 【請求項10】 少なくとも一部がスルホン酸エステル
    基を有する加水分解性シラン化合物および/またはその
    部分加水分解物を親水性有機溶媒中に含有する溶液を基
    材に塗布し、塗布した基材を加熱して、スルホン酸エス
    テル基をスルホン酸基に転化させることを特徴とする、
    基材表面に親水性を付与する方法。
  11. 【請求項11】 少なくとも一部がチオール基および/
    またはスルフィド基を有する加水分解性シラン化合物お
    よび/またはその部分加水分解物を親水性有機溶媒中に
    含有する溶液を基材に塗布し、塗布した基材をオゾン含
    有ガスで処理して、チオール基および/またはスルフィ
    ド基をスルホン酸基に転化させることを特徴とする、基
    材表面に親水性を付与する方法。
  12. 【請求項12】 基材がガラス、プラスチック、金属、
    木材、タイルを含むセラミック、セメント、コンクリー
    ト、繊維、紙、石および皮革よりなる群から選ばれた材
    質のものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    表面が親水性を呈する基材。
  13. 【請求項13】 基材が車両用および道路用ミラー、車
    両用ガラス、車両用照明灯とそのカバー、レンズ、照明
    用蛍光灯とそのカバー、板ガラス、トンネル用内装材お
    よび照明灯とそのカバー、プラスチックフィルムおよび
    シート、プラスチック成形体、各種建材/内装材および
    建物付属物、食器、換気扇、眼鏡、鏡、天然および合成
    繊維および布帛、紙、皮製品、ブラウン管、カバーガラ
    ス、ゴーグル、マスクシールド、標識、看板、金属板、
    家電製品のハウジング、焼結金属フィルター、ガードレ
    ール、ビニールハウス、調理レンジとそのフード、流し
    台、衛生器具、浴槽、家具、屋外照明用固定材、室内も
    しくは屋外展示物と表示物、屋外用家具と遊具、および
    屋外固定構造物よりなる群から選ばれる請求項13記載の
    表面が親水性を呈する基材。
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