JP2002211956A - 透光性基板とその製造方法及び建物と乗り物 - Google Patents

透光性基板とその製造方法及び建物と乗り物

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JP2002211956A
JP2002211956A JP2001324049A JP2001324049A JP2002211956A JP 2002211956 A JP2002211956 A JP 2002211956A JP 2001324049 A JP2001324049 A JP 2001324049A JP 2001324049 A JP2001324049 A JP 2001324049A JP 2002211956 A JP2002211956 A JP 2002211956A
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water
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Kazufumi Ogawa
小川  一文
Norihisa Mino
規央 美濃
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • C03C2217/70Properties of coatings
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    • C03C2217/70Properties of coatings
    • C03C2217/76Hydrophobic and oleophobic coatings

Abstract

(57)【要約】 【課題】雨天における建物や乗り物の窓の視認性を改善
向上させ、光触媒層の耐久性を向上する。 【解決手段】一方の面が撥水撥油性被膜3で覆われ、他
方の面が親水性かつ防曇性を有する被膜2で覆われてい
る透光性基板1であって、前記撥水撥油性被膜3がペル
フルオロアルキル・アルキル・シロキサンであり、前記
親水性かつ防曇性を有する被膜が光触媒層2であること
により、雨天における建物や乗り物の窓の視認性を改善
向上させる。さらに透光性基板1と光触媒層2との間に
シリカ下地層4を形成することにより、耐久性を向上で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、一方の面に撥水撥
油性被膜を有し他の面に親水性被膜を有するガラス板ま
たはプラスチック板等の透光性基板とその製造方法とそ
れを用いた建物と乗り物に関するものである。さらに詳
しくは、基板表面に下地(アンダーコート)層を設け、
その上に撥水撥油性被膜または親水性かつ防曇性被膜を
設ける発明に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建物や乗り物の窓ガラスには、透
明でかつ耐熱性、耐候性、耐摩耗性で撥水、防曇、防汚
機能を有する超薄膜コーティングが要求されている。
【0003】このような防汚を目的としたコーティング
膜の製造方法として、現在、撥水撥油機能を有するフロ
ロカーボン系ポリマーを焼き付ける方法が知られてい
る。
【0004】この方法では、基板の表面を良く洗浄後、
フルオロカーボン(フッ化炭素)基を含むアルコキシシ
ランやクロロシランを塗布し、乾燥後300℃程度で1
時間程度ベーキング(焼成、あるいは焼き付け処理)を
おこない、基板表面にSiを含むフロロカーボン系ポリ
マーを焼き付ける方法が一般的である。
【0005】一方、ガラス表面に光触媒を塗布し、付着
した有機物を光で分解する方法も提案されている。
【0006】この方法では、特開平09(1997)−227
160号公報や特開平10(1998)−114870号公報
のような光触媒機能を有する酸化チタン微粒子をバイン
ダーに分散し、塗布焼成する方法が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フロロ
カーボン系ポリマーを焼き付ける方法では、建物や乗り
物の窓の両面に用いた場合、被膜が撥水性であるため、
外側に雨滴がかかる時には、水滴をはじいて視認性を向
上できるが、反対に内側では曇り易くなり視認性が悪く
なる。
【0008】一方、光触媒を塗布する方法では、建物や
乗り物の窓の両面に用いた場合、被膜が親水性となるた
め、内側方向では曇りを改善できるが、反対に外側に雨
滴がかかる時には、水滴で濡れて視認性が悪くなる。ま
た、従来の光触媒を塗布する方法では、耐久性が短く、
数ヶ月で剥離してしまうという問題があった。
【0009】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、雨天における建物や乗り物の窓の視認性を改善向上
させることを第1の目的とする。本発明の第2の目的
は、光触媒層の耐久性を向上することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の透光性基板は、一方の面が撥水撥油性被膜
で覆われ、他方の面が親水性かつ防曇性を有する被膜で
覆われている透光性基板であって、前記撥水撥油性被膜
がペルフルオロアルキル・アルキル・シロキサンであ
り、前記親水性かつ防曇性を有する被膜が光触媒層であ
ることを特徴とする。
【0011】次に本発明の透光性基板の製造方法は、一
方の面が撥水撥油性被膜で覆われ、他方の面が親水性か
つ防曇性を有する被膜で覆われている透光性基板の製造
方法であって、前記撥水撥油性被膜は、ペルフルオロア
ルキル・アルキル・シランを透光性基板の表面に処理し
て低分子脱離反応により化学結合させ、前記親水性かつ
防曇性を有する被膜は、光触媒能を有する酸化チタンを
含む層で形成することを特徴とする。
【0012】次に本発明の建物は、一方の面が撥水撥油
性被膜で覆われ、他方の面が親水性かつ防曇性を有する
被膜で覆われている透光性基板からなる窓を備えた建物
であって、前記撥水撥油性被膜がペルフルオロアルキル
・アルキル・シロキサンであり、前記親水性かつ防曇性
を有する被膜が光触媒層であり、前記撥水撥油性被膜面
を屋外側に設置し、前記光触媒層を室内側に設置したこ
とを特徴とする。
【0013】次に本発明の乗り物は、一方の面が撥水撥
油性被膜で覆われ、他方の面が親水性かつ防曇性を有す
る被膜で覆われている透光性基板からなる窓を備えた乗
り物であって、前記撥水撥油性被膜がペルフルオロアル
キル・アルキル・シロキサンであり、前記親水性かつ防
曇性を有する被膜が光触媒層であり、前記撥水撥油性被
膜面を屋外側に設置し、前記光触媒層を室内側に設置し
たことを特徴とする。
【0014】次に本発明の第2番目の目的を達成するた
め、光触媒層の基板側に、さらにシリカ下地層を形成す
ることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明においては、透光性基板
が、ガラス板及びプラスチック板から選ばれる少なくと
も一つであることが好ましい。透光性基板の一方の面
は、撥水撥油性が好ましく、他方の面は親水性かつ防曇
性であることが要求される場合もあるからである。
【0016】本発明において、ポリマー状または単分子
膜状の撥水皮被膜となるペルフルオロアルキル・アルキ
ル・シランとして、一般式CF3−(CF2)n−R−Si
pCl3-p(nは0または整数、Rはアルキレン基、ビ
ニレン基、エチニレン基、またはSi、酸素原子を含む
置換基、XはHまたはアルキル基、シクロアルキル基、
アリル基またはこれらの誘導体から選ばれる置換基、p
は0,1または2)、CF3−(CF2n−R−SiXq
(OA)3-q(nは0または整数、Rはアルキレン基、
ビニレン基、エチニレン基、またはSi、酸素原子を含
む置換基、XはHまたはアルキル基、シクロアルキル
基、アリル基またはこれらの誘導体から選ばれる置換
基、OAはアルコキシ基(ただし、AはHまたはアルキ
ル基)、qは0,1または2)、及びまたはCF3
(CF2n−R−SiXr3-r(nは0または整数、R
はアルキレン基、ビニレン基、エチニレン基、またはS
i、酸素原子を含む置換基、XはHまたはアルキル基、
シクロアルキル基、アリル基またはこれらの誘導体から
選ばれる置換基、Zはイソシアネート(−NCO)基、
rは0,1または2)から選ばれる少なくとも一つの化
合物を用いると密度の高いポリマー状または単分子膜状
の撥水撥油被膜を形成する上で都合がよい。さらに、例
えばペルフルオロアルキル・アルキル・シランとして、
下記の化合物から選ばれる少なくとも一つを使用でき
る。 (1)CF3(CF25(CH22SiCl3 (2)CF3(CF27(CH22SiCl3 (3)CF3CH2O(CH215SiCl3 (4)CF3(CH22Si(CH32(CH215SiC
3 (5)CF3(CF23(CH22Si(CH32(C
29SiCl3 (6)CF3COO(CH215SiCl3 (7)CF3(CF25(CH22SiCl3 (8)CF3(CF27(CH22Si(CH32(C
29SiCl3 (9)CF3(CF27(CH22Si(CH32(C
26SiCl3 (10)CF3CH2O(CH215Si(OCH33 (11)CF3(CF27(CH22Si(OC253 (12)CF3(CH22Si(CH32(CH215Si
(OCH33 (13)CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9Si
(OCH3)3 (14)CF3COO(CH215Si(OC253 (15)CF3(CF25(CH22Si(NCO)3 (16)CF3(CF27(CH22Si(NCO)3 (17)CF3CH2O(CH215Si(NCO)3 (18)CF3(CH22Si(CH32(CH215Si
(NCO)3 (19)CF3(CF2)3(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9Si
(NCO)3 (20)CF3COO(CH215Si(NCO)3 (21)CF3(CF25(CH22SiCH3(NCO)2 (22)CF3(CF27(CH22SiCH3(NCO)2 また、シリカ下地層により、基板の表面をサブミクロン
乃至ミクロンオーダの凸凹に粗面化しておくと、撥水撥
油性および親水性を強くできる。さらにまた、シリカ下
地層がペルフルオロアルキル・アルキル・シランとの脱
塩化水素反応または脱アルコール反応または脱HNCO
反応により処理されていると耐剥離強度の高い被膜とな
る。また、シリカ下地層が、ガラス基材表面にシリケー
トグラスを塗布し、さらに加熱処理またはプラズマアッ
シング処理することにより形成されていると、基材表面
からのアルカリ溶出が抑えられ耐久性の高いガラス板と
なる。また、シリカ下地層が、ガラス基材表面にSiC
4、SiHCl3、SiH 2Cl2、Cl−(SiCl2
O)n−SiCl3(nは整数)から選ばれる少なくとも
一つの化合物を接触させ、脱塩化水素反応処理させて形
成されていると耐剥離性の高い被膜となる。
【0017】一方、親水性の光触媒層として、酸化チタ
ン微粒子を含む被膜が形成されており、光励起に応じて
表面に付着した有機物が酸化分解されるとガラス表面が
常に清浄となり、防曇効果の優れたガラス板となる。ま
た、酸化チタン微粒子を含む被膜がシリカを含んでいる
と耐擦傷性の優れたガラス板となる。さらに、酸化チタ
ン微粒子を含む被膜がシリカとシリカ以外の無機酸化物
を含んでいると親水性化作用を大きくできる。また、シ
リカ以外の無機酸化物として、カルシウムまたはストロ
ンチウム等の2価の金属のアルミン酸塩にユーロピウ
ム、プロセオジウム、及び/またはネオジウム、ジスプ
ロシウム等の希土類金属を添加した蛍光体が触媒効果を
強くする上で都合がよい。さらに、ガラス基板の材質と
しては、少なくとも350〜400nm紫外線多少とも
透す材質のガラスを用いたほうが屋外の光を有効に利用
でき、効率よく有機物を分解できる。
【0018】次に、本発明の好ましい製造方法において
は、ガラス基板の片面にシリカ下地層を形成する工程
と、前記シリカ下地層を介してペルフルオロアルキル・
アルキル・シランで処理する工程と、他面に親水性の光
触媒層を形成する工程により、片面が撥水撥油性で他面
が防曇性のガラス板を製造できる。
【0019】また、ガラス基板の片面にシリカ下地層を
形成する工程と、前記シリカ下地層を介して親水性の光
触媒層を形成する工程と、他面をペルフルオロアルキル
・アルキル・シランで処理する工程により、片面が撥水
撥油性で他面が防曇性のガラス板の製造方法を製造でき
る。
【0020】また、ガラス基板の両面にシリカ下地層を
形成する工程と、前記シリカ下地層を介して片面をペル
フルオロアルキル・アルキル・シランで処理する工程
と、他面に前記シリカ下地層を介して親水性の光触媒層
を形成する工程により、片面が撥水撥油性で他面が防曇
性のガラス板を製造できる。
【0021】このとき、片面をペルフルオロアルキル・
アルキル・シランで処理する工程において、脱塩化水素
反応、脱アルコール反応または脱HNCO反応させて撥
水撥油性の膜を形成する工程を行うと効率よく撥水撥油
性の被膜を製造できる。
【0022】このとき、微粒子を混合しておき、基板の
表面を粗面化するとより高性能な撥水撥油性や防曇性能
を備えたガラス板を製造できる。一方、親水性の光触媒
層の形成には、酸化チタン微粒子を含む光触媒性塗膜組
成物を塗布焼結する方法が利用できる。ここで、酸化チ
タン微粒子を含む光触媒性塗膜組成物にシリカを含めて
おくと耐久性の高い光触媒被膜を形成できる。また、酸
化チタン微粒子を含む光触媒性塗膜組成物にシリカとカ
ルシウムまたはストロンチウム等の2価の金属のアルミ
ン酸塩にユーロピウム、プロセオジウム、及び/または
ネオジウム、ジスプロシウム等の希土類金属を添加した
蛍光体を混合しておくと触媒活性を高めることが可能と
なる。なお、酸化チタン微粒子を含む光触媒性塗膜組成
物を塗布焼結する工程を、ガラス基板の風冷強化工程と
同時に行うと省エネ効果を向上できる。また、同様に、
シリカ下地層の形成工程を、ガラス基板の風冷強化工程
と同時に行うと省エネ効果を向上できる。
【0023】また本発明の建物においては、ガラス窓が
曇りやすい浴室、洗面所、ダイニングまたはキッチンに
前記本発明のガラスを用いると、特に高い効果を発揮で
きる。このとき、少なくともいずれか一方あるいは両面
の膜面の表面を可視光の波長以下の凸凹に加工しておく
と、撥水撥油性及び/または防曇性のさらに優れた建物
を提供できる。なお、内面に酸化チタン微粒子を含む光
触媒性塗膜組成物を塗布焼結しておくことで、室内へガ
ラスを透過して入って来る紫外線を吸収できる効果があ
る。
【0024】また、本発明の乗り物においては、少なく
ともいずれか一方あるいは両面の膜面の表面を可視光の
波長以下の凸凹に加工しておくと、撥水撥油性及び/ま
たは防曇性のさらに優れた、すなわち、安全性に優れた
乗り物を提供できる。なお、内面に酸化チタン微粒子を
含む光触媒性塗膜組成物を塗布焼結しておくことで、車
内へガラスを透過して入って来る紫外線を吸収できる効
果がある。
【0025】次に本発明の第1番目の実施形態は、ガラ
ス基板の片面をペルフルオロアルキル・アルキル・シラ
ンで処理する工程と、他面に親水性の光触媒層を形成す
る工程とにより、少なくともガラス基板の表面の一方の
面がペルフルオロアルキル・アルキル・シランで処理さ
れており、他の面が親水性の光触媒層で覆われているガ
ラス板を製造できた。
【0026】次に本発明の第2番目の実施形態は、ガラ
ス基板の片面にシリカ下地層を形成する工程と、前記シ
リカ下地層を介してペルフルオロアルキル・アルキル・
シランで処理する工程と、他面に親水性の光触媒層を形
成する工程とにより、少なくともガラス基板の表面の一
方の面がシリカ下地層を介してペルフルオロアルキル・
アルキル・シランで処理されており、他の面が親水性の
光触媒層で覆われているガラス板を製造できた。
【0027】次に本発明の第3番目の実施形態は、ガラ
ス基板の片面にシリカ下地層を形成する工程と、前記シ
リカ下地層を介して親水性かつ防曇性の光触媒層を形成
する工程と、他面をペルフルオロアルキル・アルキル・
シランで処理する工程とにより、少なくともガラス基板
の表面の一方の面がペルフルオロアルキル・アルキル・
シランで処理されており、他の面がシリカ下地層を介し
て親水性の光触媒層で覆われているガラス板を製造でき
た。ガラス基板の上に直接親水性かつ防曇性の光触媒
層、例えば光触媒能の高いアナターゼ型の酸化チタン微
粒子層を形成すると、水分の介在により、ガラス内に存
在するアルカリ成分により、酸化チタン微粒子層は加水
分解され、剥離しやすくなり、耐久性に問題があった。
しかし、シリカ下地層により、ガラス内に存在するアル
カリ成分との間を遮断することができるので、耐久性は
格段に上がる。例えば従来法では数ヶ月の耐久性のもの
が、本発明では数年ないし10年以上の耐久性を有す
る。
【0028】次に本発明の第4番目の実施形態は、ガラ
ス基板の両面にシリカ下地層を形成する工程と、前記シ
リカ下地層を介して片面をペルフルオロアルキル・アル
キル・シランで処理する工程と、他面に前記シリカ下地
層を介して親水性の光触媒層を形成する工程とにより、
少なくともガラス基板の表面の一方の面がシリカ下地層
を介してペルフルオロアルキル・アルキル・シランで処
理されており、他の面がシリカ下地層を介して親水性の
光触媒層で覆われているガラス板を製造できた。
【0029】さらに、上記工程で製造されガラス板を用
いて、ガラス板の親水性被膜面を部屋側に、撥水撥油性
被膜面を屋外側に設置した建物を建設し、窓の視認性を
確認すると、ガラス窓が曇りやすい浴室、洗面所、ダイ
ニングまたはキッチンにおいて特に高い効果を発揮でき
た。このとき、少なくともいずれか一方あるいは両面の
膜面の表面を可視光の波長以下の凸凹に加工しておく
と、撥水撥油性及び/または防曇性のさらに優れた建物
を提供できた。
【0030】一方、上記工程で製造されガラス板を用い
て、ガラス板の親水性被膜面を内側に、撥水撥油性被膜
面を外側に設置した窓を備えた自動車を製造し、窓の視
認性向上効果を確認すると、雨天での視認性が格段に向
上し、さらにその結果として安全性に優れた自動車を製
造できた。このとき、少なくともいずれか一方あるいは
両面の膜面の表面を可視光の波長以下の凸凹に加工して
おくと、撥水撥油性及び/または防曇性のさらに優れた
自動車を提供できた。
【0031】なお、本発明が適用できる基材としては、
ガラスやプラスチック等様々なものがあるが、ガラス基
板への適用が最も容易であった。
【0032】
【実施例】以下具体例を挙げて説明する。なお、以下の
実施例においては、単に%としているのは、重量%を意
味する。
【0033】(実施例1)あらかじめオキシ塩化チタン
またはオキシ硫酸チタン水溶液に3倍モル量のアンモニ
アを添加混合し、80℃で1時間程度加熱してオルソチ
タン酸、チタン(IV)イオン、ペルオキソチタン酸、お
よび酸化チタン微粒子が混合分散された塗料を作成し
た。この塗料の乾燥後の固形分は、総重量で10%程度
となるように調整した。さらに、テトラエトキシシラン
などのアルコキシシランなどを添加しておくと、成膜後
シリカに変化して被膜の親水効果を持続させる効果があ
る。
【0034】次に、図1に示すように、よく洗浄した風
冷強化フロートガラス基板1の片方の表面(自動車窓ガ
ラスの場合はスズ面を車内側、建物の場合は、室内側)
に、前記塗料をロールコーターを用いて2μm程度の膜
厚で均一に塗布した。
【0035】次に、200℃で30分程度加熱して約
0.1μm膜厚の酸化チタン微粒子を含む被膜(親水性
かつ防曇性膜)2を作成した。前記の熱処理は、ガラス
基材の場合には、100〜650℃で可能であり、プラ
スチックは一般には基材の軟化点以下で可能であり、温
度が高いほど硬度を高くできる。また、膜厚煮関して
は、400nm以下であれば、基材の光学特性を殆ど劣
化させることがない。
【0036】なお、酸化チタン微粒子を含む被膜の膜厚
は1nm〜3μm程度が実用上最適であった。
【0037】その後、前記表面の反対側の表面にフロロ
カーボン基及びクロロシラン基を含む物質(ペルフルオ
ロアルキル・アルキル・シラン)を混合した非水系の溶
媒(例えば、CF3−(CF27−(CH22−SiCl
を1重量%の濃度でヘキサメチルジシロキサンの溶媒に
溶解した溶液を塗布し、相対湿度40〜50%程度の雰
囲気中で乾燥させると、ガラスの表面は−OH基が露出
しているため、フッ素を含むクロロシラン系界面活性剤
のクロロシリル基と−OH基が脱塩酸反応して表面に、
…Si(O−)3の結合が生成され、表面に膜厚がナノ
メートルオーダのフッ素を含むシロキサンフロロカーボ
ン系ポリマー膜(撥水性膜)3が化学結合した状態で形
成された(図1)。
【0038】ここで、ペルフルオロアルキル・アルキル
・シラン溶液を湿度35%以下の雰囲気中で塗布し、1
〜2時間程度ガラス表面と反応させた後、ノルマルヘキ
サン等の非水系の有機溶媒で未反応のペルフルオロアル
キル・アルキル・シラン溶液を洗浄除去すると、ガラス
基板表面に共有結合した単分子膜状のフッ素を含むシロ
キサンフロロカーボン系の被膜を形成できた。この被膜
の撥水性(接触角で118度)はポリマー膜に比べてや
や高かった。またここで、ペルフルオロアルキル・アル
キル・シランとして、アルコキシシランやイソシアネー
トシランを用いると、脱塩化水素反応の代わりに脱アル
コール反応または脱HNCO(水との加水分解反応が伴
う場合には、脱NH2と脱CO2)反応でも同様のシロキ
サンフロロカーボン系ポリマー膜を作成できた。
【0039】このようにして製作された一方の面が撥水
性で他面が親水性のガラス板を自動車のサイドガラスと
して装着し、雨天に車外の視認性を確認すると、窓ガラ
ス車外側表面は極めて撥水性が高く(水に対する接触角
で115度が得られた)付着する雨滴は順次ながれお
ち、また、窓ガラス車外側表面は極めて親水性が高く、
エアコンディショナーを入れなくて、ガラス表面で水分
が結露しても曇ることがなかった。さらに、内側に酸化
チタン微粒子を含む被膜が形成されていることにより、
ガラスを透過した紫外線をカットする効果も確認され
た。
【0040】なお、通常、ガラス表面は、空気中の有機
物が付着して時間を経るに伴って撥水性になっていく
が、本実施例の場合は、室内側は、酸化チタン微粒子を
含む被膜の光触媒効果により、付着した有機物が酸化分
解されて常時親水性が保持された。
【0041】したがって、このようなガラス窓を装着し
た自動車は、安全運転の上で極めて効果が高かった。
【0042】さらに、シリカ下地層により、基板の表面
をサブミクロン乃至ミクロンオーダの凸凹に粗面化して
おくと撥水性や親水性の効果を向上できた。この様なサ
ブミクロン乃至ミクロンオーダの凸凹を形成する手段と
しては、シリカ下地層形成時にシリケートグラスに微粒
子を混合しておく手段が実用的に利用できた。
【0043】また、シリカ下地層の作成に、前記シリケ
ートガラス形成溶液の変わりに、SiCl4、SiHC
3、SiH2Cl2、Cl−(SiCl2O)n−SiC
3(nは整数)から選ばれる少なくとも一つの化合物
を用い、ガラス基板に接触させて脱塩化水素反応を起こ
させてシリカ下地層を形成する方法も使用できた。特
に、この方法は、ナノメータレベルのシリカ被膜の形成
に有効であった。
【0044】なお、ここで、酸化チタン微粒子を含む被
膜は、親水性の光触媒層として機能し、紫外線などの光
励起に応じて表面に付着した有機物が酸化分解する作用
があり、有機物の付着による親水性の劣化を防止できる
効果がある。したがって、ガラス基板として、紫外線を
透す材質のガラスを用いる方が効果は高くなる。紫外線
を透過しやすいガラスを用いても、この内側の酸化チタ
ン微粒子を含む被膜によりガラスを透過する紫外線はほ
ぼ完全にカットできるので、自動車や建物の窓の用いて
も何ら問題はない。実用上は、青板ガラスより350n
m〜400nmの紫外線を多く透す白板ガラスの方がよ
りよい結果が得られた。また、酸化チタン微粒子ととも
にシリカを含ませておくと親水性の持続期間を延長でき
る効果があった。さらに、酸化チタン微粒子を含む被膜
としてシリカとシリカ以外の2価の金属であるカルシウ
ムまたはストロンチウムのアルミン酸塩にユーロピウ
ム、プロセオジウム、及び/またはネオジウム、ジスプ
ロシウム等の希土類金属を添加した蛍光体等の無機酸化
物を含んだ被膜を用いると触媒効果の発現できる波長を
長波長側にシフトできた。
【0045】また、酸化チタン微粒子を含む光触媒性塗
膜組成物を塗布する工程をガラスの風冷強化工程の前に
行い、ガラス基板の風冷強化工程と同時に焼結を行うと
加熱工程を少なくできコストダウンする上で効果が高か
った。
【0046】なお、ここでプラスチック基板の場合に
は、ペルフルオロアルキル・アルキル・シランで処理す
る前に、あらかじめプラスチック基板表面をオゾン酸化
法、コロナ処理法、酸素プラズマ処理法などを用いて、
表面に水酸基、アミノ基、アミド基などの活性水素基を
導入しておけば、ガラス基板と同様の処理を行うことが
できる。
【0047】(実施例2)図2に示すように、フロート
ガラス基板1の片面であって、強化、非強化、スズ面及
び非スズ面のそれぞれに、シリケートグラス形成用溶液
をスプレー法で2μm程度の膜厚に塗布した。前記シリ
ケートグラス形成用溶液は、例えば、信越化学工業社製
のハードコーティング剤KP−1100Aまたは110
0Bや東京応化工業社製のSi−80000等がある。
これらのコーティング剤は、いわゆるゾルゲル法でコー
ティング後加熱処理することによりシリカ被膜になる。
【0048】前記シリケートグラス形成用溶液を塗布し
た後、温度:350℃、30分加熱処理して膜厚が80
0nmのガラス状のシリカ下地層(以下シリカ被膜とも
いうが、チタンを含めて於いても良い)4を形成した。
【0049】なお、ここで、加熱処理の代わりにプラズ
マアッシング(300W、20分程度)を行うことも可
能であった。この方法なら、基板を高温度まで加熱する
必要がないので、プラスチックの場合などに有効であ
る。
【0050】次に、実施例1と同様の方法を用いて、前
記シリカ被膜の形成された表面の反対側に酸化チタン被
膜(親水性かつ防曇性膜)2を形成し、さらに前記シリ
カ被膜の表面に撥水性膜3を形成したガラスサンプルB
を作成した(図2)。
【0051】(実施例3)図3に示すように、実施例2
と同様に片面(強化、非強化、スズ面及び非スズ面のそ
れぞれを作成した。)にシリカ被膜4を形成した後、実
施例1と同様の方法を用いて前記シリカ層の形成された
表面に酸化チタン被膜(親水性かつ防曇性膜)2を形成
し、さらに前記シリカ被膜の形成されていない表面に撥
水性膜3を形成したガラスサンプルCを作成した(図
3)。
【0052】次に、実施例1と同様の方法で作成したガ
ラスサンプルAと、実施例2で作成したガラスサンプル
Bと実施例3で作成したガラスサンプルCのそれぞれの
両面の撥水性及び親水性の耐久性をサンシャインカーボ
ン式促進耐候性試験により、接触角で評価した。サンシ
ャインカーボン式促進耐候性試験の条件は下記のとおり
であった。 (1) サンシャインカーボンアーク灯の数:1灯(カーボ
ンは上下4対の構造) (2) 電源電圧:単相交流 200V (3) 平均放電電圧電流:50V,60A (4) 照射時間:1000時間 (5) ブラックパネル温度計の示す温度63±3℃ (6) 水を噴射する時間:120分照射中に18分間 (7) 供給源の水圧:78〜127kPa (8) ノズル口径:約1mm (9) 試験片表面が受ける放射照度:300〜700nmについて
255±45W/m2 その結果、BではAに比べ、初期撥水性(接触角115
度程度)は同様であったが、撥水性の耐久性が5倍程度
優れていた。
【0053】一方、Cでは、Aに比べ、初期親水性の効
果が高かった。接触角は測定不可能だった。また、接触
角が20度になる時間で評価したところ、親水性の耐久
性も10倍程度優れていた。
【0054】さらに、C’として、酸化チタン被膜形成
時、シリカを30%程度添加して形成した酸化チタン被
膜では、光照射後の親水性持続期間を10倍程度向上で
きた。
【0055】なお、ガラス基材の風冷強化の有無による
親水性や撥水性の耐久性の結果には違いが見られなかっ
たが、スズ面に撥水膜を形成した場合には、非スズ面に
形成した場合に比べ耐久性は悪かった。
【0056】(実施例4)図4に示すように、シリケー
トグラス形成用溶液(例えば、信越化学工業社製のハー
ドコーティング剤KP−1100Aまたは1100Bや
東京応化工業社製のSi−80000等がある。これら
のコーティング剤は、エタノールで薄めることが可能で
あった。)をエタノールで1/5程度に薄めてフロート
ガラス基板の両面にキャスト法で0.5μm程度の膜厚
に塗布した後、温度:350℃で30分加熱処理て膜厚
が約50nmのガラス状のシリカ下地層(酸化チタンを
含めて於いても良い)4を両面に形成した。
【0057】次に、実施例1と同様の方法を用いて、前
記シリカ被膜の形成された片一方の表面に酸化チタン被
膜(親水性膜)2を形成し、さらに反対側の前記シリカ
被膜の表面に撥水性膜3を形成したガラス板を製作した
(図4)。
【0058】この様にして製作したガラスを撥水面を屋
外に、親水面を屋内になるように建物の窓に設置し、屋
外から太陽光が照射される条件で、かつ室内で湿度を変
化させてガラスの曇り状態を評価した。その結果、冬季
でも太陽光が一日照射されと1週間後でも室内側のガラ
ス面が曇ることはなかった。通常、ガラス表面は、空気
中の有機物が付着して時間を経るに伴って撥水性になっ
ていくものだが、この場合は、車内側は、ガラスを透過
する紫外線と酸化チタン微粒子を含む被膜の光触媒効果
により、付着した有機物が酸化分解されて常時親水性が
保持された。
【0059】また、屋外での雨滴の付着状態を評価する
と直径が3mm程度の雨滴は自然に流れ落ち、屋外視認
性に優れた建物を実現できた。また、ウエザーメーター
による耐久性の試験でも、親水性及び撥水性とも約10
年の耐久性が保障できた。
【0060】一方、自動車のサイドガラスとして装着
し、雨天に車外の視認性を確認すると、窓ガラス車外側
表面は極めて撥水性が高く(水に対する接触角で115
度が得られた)付着する雨滴は順次ながれおち、また、
窓ガラス車外側表面は極めて親水性が高く、エアコンデ
ィショナーを入れなくて、ガラス表面で水分が結露して
も曇ることがなかった。さらに、内側に酸化チタン微粒
子を含む被膜が形成されていることにより、ガラスを透
過した紫外線をカットする効果も確認された。さらに、
サンシャインカーボン式促進耐候性試験による耐久性の
試験でも、実施例1のものに比べ、親水性及び撥水性と
も約5〜10倍の耐久性が保障できた。また、通常、ガ
ラス表面は、空気中の有機物が付着して時間を経るに伴
って撥水性になっていくものだが、この場合は、車内側
は、ガラスを透過する紫外線と酸化チタン微粒子を含む
被膜の光触媒効果により、付着した有機物が酸化分解さ
れて常時親水性が保持された。
【0061】したがって、このようなガラス窓を装着し
た自動車は、安全運転の上で極めて効果が高かった。
【0062】さらに、シリカ下地層により、基板の表面
をサブミクロン乃至ミクロンオーダの凸凹に粗面化して
おくと撥水性や親水性の効果を向上できた。この様なサ
ブミクロン乃至ミクロンオーダの凸凹を形成する手段と
しては、シリカ下地層形成時にシリケートグラスに微粒
子を混合しておく手段が実用的に利用できた。
【0063】また、シリカ下地層の作成に、前記シリケ
ートガラス形成溶液の変わりに、SiCl4、SiHC
3、SiH2Cl2、Cl−(SiCl2O)n−SiC
3(nは整数)から選ばれる少なくとも一つの化合物
を用い、ガラス基板に接触させて脱塩化水素反応を起こ
させてシリカ下地層を形成する方法も使用できた。特
に、この方法は、ナノメータレベルのシリカ被膜の形成
に有効であった。
【0064】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の方法を用い
て製作したガラス板を用い、ガラス板の親水性被膜面を
内側に、撥水撥油性被膜面を外側に設置した窓を備えた
自動車や建物を製作すると、雨天での屋外視認性が格段
に向上し、耐久性もあり、その結果として安全性に優れ
た自動車や快適な建物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における片面が親水性で他面
が撥水性のガラスの断面概念図である。
【図2】本発明の実施例2における片面が親水性で他面
が撥水性のガラスの断面概念図である。
【図3】本発明の実施例3における片面が親水性で他面
が撥水性のガラスの断面概念図である。
【図4】本発明の実施例4における片面が親水性で他面
が撥水性のガラスの断面概念図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 親水性かつ防曇性膜 3 撥水性膜 4 シリカ下地層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C03C 17/42 C03C 17/42 Fターム(参考) 3D025 AA02 AC20 AD01 4G059 AA01 AC01 AC21 AC22 AC24 EA04 EA05 EA14 EB06 FA05 FA22 FB05 GA01 GA04 GA07 GA16

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の面が撥水撥油性被膜で覆われ、他方
    の面が親水性かつ防曇性を有する被膜で覆われている透
    光性基板であって、前記撥水撥油性被膜がペルフルオロ
    アルキル・アルキル・シロキサンであり、前記親水性か
    つ防曇性を有する被膜が光触媒層であることを特徴とす
    る透光性基板。
  2. 【請求項2】前記光触媒層の基板側に、さらにシリカ下
    地層が形成されている請求項1に記載の透光性基板。
  3. 【請求項3】前記撥水撥油性被膜の基板側に、さらにシ
    リカ下地層が形成されている請求項1に記載の透光性基
    板。
  4. 【請求項4】前記ペルフルオロアルキル・アルキル・シ
    ロキサンが、一般式CF3−(CF2)n−R−SiXp(−
    O−)3-p(nは0または整数、Rはアルキレン基、ビ
    ニレン基、エチニレン基、またはSi、酸素原子を含む
    置換基、XはHまたはアルキル基、シクロアルキル基、
    アリル基またはこれらの誘導体から選ばれる置換基、p
    は0,1または2)で示される請求項1に記載の透光性
    基板。
  5. 【請求項5】前記撥水撥油性被膜が、ポリマー状または
    単分子膜状である請求項1に記載の透光性基板。
  6. 【請求項6】前記シリカ下地層及び前記光触媒層によ
    り、基板の表面が粗面化されている請求項2に記載の透
    光性基板。
  7. 【請求項7】前記シリカ下地層の表面における粗面化の
    程度が、サブミクロン乃至ミクロンオーダの凸凹である
    請求項6に記載の透光性基板。
  8. 【請求項8】前記シリカ下地層が、透光性基板表面にS
    iCl4、SiHCl3、SiH2Cl2、及びCl−(S
    iCl2O)n−SiCl3(nは整数)から選ばれる少
    なくとも一つの化合物を接触させ、脱塩化水素反応処理
    させて形成されている請求項2に記載の透光性基板。
  9. 【請求項9】前記光触媒層が、酸化チタン微粒子を含
    み、光励起に応じて表面に付着した有機物を酸化分解す
    る請求項1に記載の透光性基板。
  10. 【請求項10】前記光触媒層が、酸化チタン微粒子を含
    み、さらにシリカを含んでいる請求項1に記載の透光性
    基板。
  11. 【請求項11】前記酸化チタン微粒子を含む光触媒層が
    シリカとシリカ以外の無機酸化物を含んでいる請求項1
    0に記載の透光性基板。
  12. 【請求項12】シリカ以外の無機酸化物が蛍光体を含ん
    でいる請求項11に記載の透光性基板。
  13. 【請求項13】前記蛍光体が2価の金属のアルミン酸塩
    に希土類金属を添加したものである請求項12に記載の
    透光性基板。
  14. 【請求項14】前記2価の金属がカルシウムまたはスト
    ロンチウムであり、希土類金属がユーロピウム、プロセ
    オジウム、ネオジウム、ジスプロシウムのいずれかであ
    る請求項13に記載の透光性基板。
  15. 【請求項15】前記光触媒層の膜厚が1nm以上3μm
    以下である請求項1に記載の透光性基板。
  16. 【請求項16】前記透光性基板が、ガラス板及びプラス
    チック板から選ばれる少なくとも一つである請求項1に
    記載の透光性基板。
  17. 【請求項17】前記ガラス板が、紫外線を透す材質のガ
    ラス板である請求項16に記載の透光性基板。
  18. 【請求項18】前記紫外線を透す材質のガラス板が、3
    50〜400nmの波長の光を透すガラスである請求項
    17に記載の透光性基板。
  19. 【請求項19】一方の面が撥水撥油性被膜で覆われ、他
    方の面が親水性かつ防曇性を有する被膜で覆われている
    透光性基板の製造方法であって、 前記撥水撥油性被膜は、ペルフルオロアルキル・アルキ
    ル・シランを透光性基板の表面に処理して低分子脱離反
    応により化学結合させ、 前記親水性かつ防曇性を有する被膜は、光触媒能を有す
    る酸化チタンを含む層で形成することを特徴とする透光
    性基板の製造方法。
  20. 【請求項20】前記光触媒層の基板側に、さらにシリカ
    下地層を形成する請求項19記載の透光性基板の製造方
    法。
  21. 【請求項21】前記撥水撥油性被膜の基板側に、さらに
    シリカ下地層を形成する請求項19記載の透光性基板の
    製造方法。
  22. 【請求項22】片面をペルフルオロアルキル・アルキル
    ・シランで処理する工程において、脱塩化水素反応、脱
    アルコール反応及び脱HNCO反応から選ばれる少なく
    とも一つの低分子脱離反応により撥水撥油性の膜を形成
    する請求項19に記載の透光性基板の製造方法。
  23. 【請求項23】前記ペルフルオロアルキル・アルキル・
    シランが、一般式CF 3−(CF2)n−R−SiXpCl
    3-p(nは0または整数、Rはアルキレン基、ビニレン
    基、エチニレン基、またはSi、酸素原子を含む置換
    基、XはHまたはアルキル基、シクロアルキル基、アリ
    ル基またはこれらの誘導体から選ばれる置換基、pは
    0,1または2)、CF3−(CF2n−R−SiX
    q(OA)3-q(nは0または整数、Rはアルキレン基、
    ビニレン基、エチニレン基、またはSi、酸素原子を含
    む置換基、XはHまたはアルキル基、シクロアルキル
    基、アリル基またはこれらの誘導体から選ばれる置換
    基、OAはアルコキシ基(ただし、AはHまたはアルキ
    ル基)、qは0,1または2)、及びまたはCF3
    (CF2n−R−SiXr3-r(nは0または整数、R
    はアルキレン基、ビニレン基、エチニレン基、またはS
    i、酸素原子を含む置換基、XはHまたはアルキル基、
    シクロアルキル基、アリル基またはこれらの誘導体から
    選ばれる置換基、Zはイソシアネート(−NCO)基、
    rは0,1または2)から選ばれる少なくとも一つの化
    合物である請求項19に記載の透光性基板の製造方法。
  24. 【請求項24】前記透光性基板が、ガラス板及びプラス
    チック板から選ばれる少なくとも一つである請求項19
    に記載の透光性基板の製造方法。
  25. 【請求項25】前記ガラス基材表面にシリケートグラス
    を塗布し、さらに加熱処理またはプラズマアッシング処
    理することによりシリカ下地層を形成する請求項24に
    記載の透光性基板の製造方法。
  26. 【請求項26】前記シリカ下地層形成時にシリケートグ
    ラスに微粒子を混合しておき、基板の表面を粗面化する
    請求項19に記載の透光性基板の製造方法。
  27. 【請求項27】前記シリカ下地層として、透光性基板表
    面にSiCl4、SiHCl3、SiH2Cl2、及びCl
    −(SiCl2O)n−SiCl3(nは整数)から選ば
    れる少なくとも一つのクロロシラン化合物を接触させ、
    脱塩化水素反応処理させて形成する請求項19に記載の
    透光性基板の製造方法。
  28. 【請求項28】前記クロロシラン化合物に、さらに微粒
    子を混合しておき、基板の表面を粗面化する請求項27
    に記載の透光性基板の製造方法。
  29. 【請求項29】前記光触媒層を、酸化チタン微粒子を含
    む光触媒性塗膜組成物を塗布焼結して形成する請求項1
    9に記載の透光性基板の製造方法。
  30. 【請求項30】前記酸化チタン微粒子を含む光触媒性塗
    膜組成物に、さらにシリカを含む請求項29に記載の透
    光性基板の製造方法。
  31. 【請求項31】前記酸化チタン微粒子を含む光触媒性塗
    膜組成物に、さらにシリカとシリカ以外の無機酸化物を
    含める請求項29に記載の透光性基板の製造方法。
  32. 【請求項32】シリカ以外の無機酸化物が、蛍光体を含
    む請求項31に記載の透光性基板の製造方法。
  33. 【請求項33】前記蛍光体が、2価の金属のアルミン酸
    塩に希土類金属を添加した組成である請求項31に記載
    の透光性基板の製造方法。
  34. 【請求項34】前記2価の金属がカルシウム及びストロ
    ンチウムから選ばれる少なくとも一つであり、希土類金
    属がユーロピウム、プロセオジウム、ネオジウム、及び
    ジスプロシウムから選ばれる少なくとも一つである請求
    項33に記載の透光性基板の製造方法。
  35. 【請求項35】前記酸化チタン微粒子を含む光触媒性塗
    膜組成物を塗布焼結する工程を、ガラス基板の風冷強化
    工程と同時に行う請求項24に記載の透光性基板の製造
    方法。
  36. 【請求項36】前記シリカ下地層の形成工程を、ガラス
    基板の風冷強化工程と同時に行う請求項24に記載の透
    光性基板の製造方法。
  37. 【請求項37】一方の面が撥水撥油性被膜で覆われ、他
    方の面が親水性かつ防曇性を有する被膜で覆われている
    透光性基板からなる窓を備えた建物であって、前記撥水
    撥油性被膜がペルフルオロアルキル・アルキル・シロキ
    サンであり、前記親水性かつ防曇性を有する被膜が光触
    媒層であり、 前記撥水撥油性被膜面を屋外側に設置し、前記光触媒層
    を室内側に設置したことを特徴とする建物。
  38. 【請求項38】室内が浴室、洗面所、ダイニング及びキ
    ッチンから選ばれる少なくとも一つの部屋である請求項
    37に記載の建物。
  39. 【請求項39】透光性基板の少なくともいずれか一方の
    膜面の表面が凸凹である請求項37に記載の建物。
  40. 【請求項40】表面の凸凹が可視光の波長以下の凸凹で
    ある請求項39に記載の建物。
  41. 【請求項41】一方の面が撥水撥油性被膜で覆われ、他
    方の面が親水性かつ防曇性を有する被膜で覆われている
    透光性基板からなる窓を備えた乗り物であって、前記撥
    水撥油性被膜がペルフルオロアルキル・アルキル・シロ
    キサンであり、前記親水性かつ防曇性を有する被膜が光
    触媒層であり、 前記撥水撥油性被膜面を屋外側に設置し、前記光触媒層
    を室内側に設置したことを特徴とする乗り物。
  42. 【請求項42】透光性基板の少なくともいずれか一方の
    膜面の表面が凸凹である請求項41に記載の乗り物。
  43. 【請求項43】表面の凸凹が可視光の波長以下の凸凹で
    ある請求項42に記載の乗り物。
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