JPH10237380A - 転水性表面を有する部材及び転水性コ−ティング組成物 - Google Patents

転水性表面を有する部材及び転水性コ−ティング組成物

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JPH10237380A
JPH10237380A JP9058385A JP5838597A JPH10237380A JP H10237380 A JPH10237380 A JP H10237380A JP 9058385 A JP9058385 A JP 9058385A JP 5838597 A JP5838597 A JP 5838597A JP H10237380 A JPH10237380 A JP H10237380A
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JP
Japan
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water
coating
repellent
group
forming element
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Application number
JP9058385A
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English (en)
Inventor
Atsushi Kitamura
厚 北村
Makoto Hayakawa
信 早川
Mitsumasa Sugano
充真 菅野
Mitsuyoshi Machida
町田  光義
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 付着水滴が容易に流滴しかつ水跡を残さない
性質の表面を恒久的に維持することの可能な部材の提
供。 【解決手段】 基材表面に、光触媒粒子とシリコ−ンと
撥水性フッ素樹脂、或いは光触媒粒子と無定型シリカと
撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成されている
ことを特徴とする転水性部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に付着した水
滴が、わずかな傾斜により水跡を残さずに転がり落ちる
性質を有し、かつその性質を恒久的に維持しうる(本発
明ではこの新規かつユニ−クな性質を“転水性”と称す
ることにする)表面を有する部材に関する。より詳しく
は防滴性に優れる表面を有する部材に関する。また水切
れ性に優れる表面を有する部材に関する。また水系汚れ
が付着しにくい表面を有する部材に関する。また流水洗
浄性に優れる表面を有する部材に関する。また着雪防止
性に優れる表面を有する部材に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のフロントガラス、サイドガラ
ス、ドアミラ−、フェンダ−ミラ−、道路鏡が雨天に降
雨や水しぶきを受けて、離散した多数の水滴が付着し
て、可視性を失うことはしばしば経験されることであ
る。また、送電線に水滴が付着すると、水滴の形状は下
向きの円錐状となるため、放電しやすくなり、送電ロス
に繋がる。また冬季には水滴がツララ状に垂れ下がり、
先端は尖ってさらに放電量が多くなる。また、碍子の沿
面絶縁性は、水滴の付着により著しく低下する。また、
熱交換器では、フィンに付着した湿分が水滴状に成長し
て、フィン間に毛細管現象により保持され、水滴がフィ
ン間を流れる空気の抵抗となり、熱交換効率を低下させ
る。また、降雪地域の屋根では、多量の着雪のため、そ
の重みによって屋根の変形が生じるおそれがあり、その
ため頻繁に重労働である雪おろしを行う必要があった。
また、降雪地域のアンテナでは、着氷雪が電界強度の低
下等の通信障害の原因となることがあった。また、浴槽
ではエプロン部に水垢汚れが付着しやすく、それが使用
する浴槽の美観を損ねることがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記水滴付着による諸
課題は流滴性表面を形成することにより解決される。従
来の通念では、上記流滴性を表面で発現させるために、
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のような撥水
性の塗料を基材表面に被覆することが提案されている。
しかしながら、上記撥水性の塗料を被覆した表面に水滴
を付着させ、基材を傾斜させた場合には、60゜以上傾
斜させないと水滴は容易に動かず、かつ動いた場合に水
滴の頂点が優先的に移動し、糸を引くように動くため
に、水滴落下後に水跡が移動した部分に残留してしま
い、充分な流滴性、防滴性を有しない。
【0004】また、最近では、水酸基を有するフッ素ポ
リマ−と片末端にエポキシ基を有するシリコ−ンのグラ
フト重合体等の滑水性塗料を基材表面に被覆することが
提案されている(朝日新聞、1997年2月8日朝
刊)。この被覆物では、確かに20゜程度のわずかな傾
斜で、表面に付着させた水滴は滑るようにゆっくりと移
動し、かつ水跡も残らないので、初期には充分な流滴
性、防滴性を有すると考えられる。しかしながら、上記
被覆物では、経時的に環境中の汚れが付着した場合に、
表面の性状が変化してしまい、上記滑水性は維持されな
いと考えられる。
【0005】本発明は上記事情を鑑みてなされたもので
あり、付着水滴が容易に流滴しかつ水跡を残さない性質
の表面が恒久的に維持される部材、及び基材表面に塗膜
を形成することにより上記転水性を示すコ−ティング組
成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、基材表面に、光触媒粒子とシリコ−ンと撥
水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成されているこ
とを特徴とする転水性部材を提供する。このような構成
にすることにより、光触媒を光励起したときに、光触媒
作用によりシリコ−ン分子中のケイ素原子に結合した有
機基が少なくとも部分的に水酸基に置換されて親水性を
呈するようになり、シリコ−ンが外気に露出した親水性
を呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥
水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構
造となる。さらに、光触媒が存在することにより、光触
媒の光励起に応じてシリコ−ン分子中のケイ素原子に結
合した有機基が少なくとも部分的に水酸基に置換された
シリコ−ンは恒久的に親水性を維持するので、上記親水
性を呈する部分と撥水性を呈する部分の双方が表面に微
視的に分散された構造は維持される。このような構造で
は、親水性表面と撥水性表面が微視的に隣接するため、
水滴は本質的に表面になじむことができない。従って、
部材表面は付着水滴が容易に流滴しかつ水跡を残さない
ようになる。さらに光触媒が存在することにより、経時
的に環境中の汚れが付着した場合にも、汚れが光触媒に
より分解されるので、付着水滴が容易に流滴しかつ水跡
を残さない性質の表面が恒久的に維持される性質は恒久
的に維持される。
【0007】また、本発明では、基材表面に、光触媒粒
子と無定型シリカと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面
層が形成されていることを特徴とする防汚性部材を提供
する。 このような構成にすることにより、表面層中の
無定型シリカが外気に露出した親水性を呈する部分と、
撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水性を呈する部分
の双方が表面に微視的に分散された構造となる。さら
に、光触媒が存在することにより、光触媒の光励起に応
じて無定型シリカは恒久的に親水性を維持するので、上
記親水性を呈する部分と撥水性を呈する部分の双方が表
面に微視的に分散された構造は維持される。このような
構造では、親水性表面と撥水性表面が微視的に隣接する
ため、水滴は本質的に表面になじむことができない。従
って、部材表面は付着水滴が容易に流滴しかつ水跡を残
さないようになる。さらに光触媒が存在することによ
り、経時的に環境中の汚れが付着した場合にも、汚れが
光触媒により分解されるので、付着水滴が容易に流滴し
かつ水跡を残さない性質の表面が恒久的に維持される性
質は恒久的に維持される。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の具体的な構成につ
いて説明する。本発明の一態様においては、図1に示す
ように、基材の表面に光触媒粒子と、シリコ−ンと、撥
水性フッ素樹脂を含む表面層が形成されている。図1に
光触媒を光励起することの可能な光が照射されると、外
気に露出したシリコ−ンの少なくとも一部が、光触媒作
用によりシリコ−ン分子中のケイ素原子に結合した有機
基が少なくとも部分的に水酸基に置換されて親水性を呈
するようになり、シリコ−ンが外気に露出した親水性を
呈する部分と、撥水性フッ素樹脂が外気に露出した撥水
性を呈する部分の双方が表面に微視的に分散された構造
となる。さらに、光触媒が存在することにより、光触媒
の光励起に応じて上記シリコ−ン分子中のケイ素原子に
結合した有機基が少なくとも部分的に水酸基に置換され
たシリコ−ンは恒久的に親水性を維持するので、上記親
水性を呈する部分と撥水性を呈する部分の双方が表面に
微視的に分散された構造は維持される。
【0009】本発明の他の態様においては、図2に示す
ように、基材の表面に光触媒粒子と、無定型シリカと、
撥水性フッ素樹脂を含む表面層が形成されている。この
ような構成にすることにより、表面層中の無定型シリカ
が外気に露出した親水性を呈する部分と、撥水性フッ素
樹脂が外気に露出した撥水性を呈する部分の双方が表面
に微視的に分散された構造となる。さらに、光触媒が存
在することにより、光触媒の光励起に応じて無定型シリ
カは恒久的に親水性を維持するので、上記親水性を呈す
る部分と撥水性を呈する部分の双方が表面に微視的に分
散された構造は維持される。
【0010】光触媒とは、その結晶の伝導帯と価電子帯
との間のエネルギ−ギャップよりも大きなエネルギ−
(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したとき
に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導
電子と正孔を生成しうる物質をいい、光触媒性酸化物に
は、例えば、アナタ−ゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チ
タン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸化二ビスマ
ス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等の
酸化物が好適に利用できる。ここで光触媒性酸化物が、
アナタ−ゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、酸化亜
鉛、チタン酸ストロンチウムの場合には、光触媒の光励
起に用いる光源としては、太陽光、室内照明、蛍光灯、
水銀灯、白熱電灯、キセノンランプ、高圧ナトリウムラ
ンプ、メタルハライドランプ、BLBランプ等が好適に
利用できる。また、光触媒性酸化物が酸化錫の場合に
は、殺菌灯、BLBランプ等が好適に利用できる。光触
媒の光励起により、シリコ−ン又は無定型シリカ表面が
高度に親水化されるためには、励起光の照度は0.00
1mW/cm2以上あればよいが、0.01mW/cm2
以上だと好ましく、0.1mW/cm2以上だとより好
ましい。
【0011】シリコ−ンには、平均組成式 RpSiO(4-p)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは0<p<2を満足する数
である)で表される樹脂が利用できる。
【0012】撥水性フッ素樹脂には、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリヘ
キサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレンコポリマ−等が好適に利用でき
る。
【0013】表面層の膜厚は、0.4μm以下にするの
が好ましい。そうすれば、光の乱反射による白濁を防止
することができ、表面層は実質的に透明となる。さらに
表面層の膜厚を、0.2μm以下にすると一層好まし
い。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止す
ることができる。また表面層が薄ければ薄いほどその透
明度は向上する。更に、膜厚を薄くすれば、表面層の耐
摩耗性が向上する。
【0014】表面層には、Ag、Cu、Znのような金
属を添加することができる。前記金属を添加した表面層
は、表面に付着した細菌や黴を暗所でも死滅させること
ができる。
【0015】表面層にはPt、Pd、Ru、Rh、I
r、Osのような白金族金属を添加することができる。
前記金属を添加した表面層は、光触媒の酸化還元活性を
増強でき、有機物汚れの分解性、有害気体や悪臭の分解
性を向上させることができる。
【0016】本発明の適用可能な基材としては、その材
質としては、金属、セラミックス、ガラス、プラスチッ
ク、木、石、セメント、コンクリ−ト、繊維、布帛、そ
れらの組合せ、それらの積層体が好適に利用できる。本
発明の適用可能な基材は、表面の防滴性、水切れ性、水
系汚れ付着防止性、流水洗浄性、着氷雪防止性等が要求
されるあらゆる基材に適用できる。
【0017】表面の防滴性が要求される基材としては、
自動車のサイドガラス、鉄道車両用の窓ガラスなどの乗
物の窓ガラス、自動車のフロントガラス、オ−トバイの
風防ガラスなどの乗物の風防ガラス、自動車のドアミラ
−、オ−トバイのバックミラ−などの車両用ミラ−、自
動車の前照灯カバ−、オ−トバイの前照灯カバ−などの
車両用照明カバ−、オ−トバイの計器盤カバ−のような
計器盤カバ−、建築用窓ガラス、道路鏡、屋外照明カバ
−、眼鏡レンズ、ゴ−グル、オ−トバイ用のヘルメット
シ−ルド、カメラレンズ、カメラレンズカバ−などの透
明基材、鏡基材(又はその上に貼着するフィルム)で雨
滴等の付着により視認性を失うもの;碍子(又はその上
に貼着するフィルム)のように水滴の付着が電気絶縁性
を低下させるもの;熱交換器用のフィン(又はその上に
貼着するフィルム)のように、通風路に水滴が連結する
ことにより効率を低下させるもの;などが好適に利用で
きる。
【0018】表面の水切れ性が要求される基材として
は、食器、浴槽、便器、洗面台、キッチンシンク、流
し、調理レンジ、食器洗浄器、食器乾燥器、食器棚、水
切り篭、浴室用床材、浴室用壁材、浴室用天井材、乗物
の外装及び塗装(又はその上に貼着するフィルム)のよ
うに、表面の水切れがよいことにより、速乾性、水付着
による微生物繁殖防止性などが期待できる基材に好適に
利用できる。
【0019】表面の水系汚れ付着防止性が要求される基
材としては、食器、浴槽、便器、洗面台、キッチンシン
ク、流し、調理レンジ、食器洗浄器、食器乾燥器、食器
棚、水切り篭、浴室用床材、浴室用壁材、浴室用天井
材、航空機、海辺の建築物(又はその上に貼着するフィ
ルム)のように、表面に水垢汚れやカルシウム塩やマグ
ネシウム塩が付着し、それにより外観上の汚れを呈する
もの;コンクリ−ト系建材のように、アルカリ塩が付着
し、長期的には内部拡散して芯材を侵すもの;などが好
適に利用できる。
【0020】表面の流水洗浄性が要求される基材として
は、建材、建物外装、窓枠、建築用窓ガラス、乗物用窓
ガラス、乗物の外装及び塗装、看板、交通標識、道路用
遮音壁、鉄道用遮音壁、ガ−ドレ−ルの外装及び塗装、
屋外照明カバ−、橋梁、碍子、太陽電池カバ−、太陽熱
温水器集熱カバ−、ビニ−ルハウス、車両用照明灯のカ
バ−、視線誘導標、道路用反射板、道路用化粧板、高
欄、車両用ミラ−、屋外監視カメラ(又はその上に貼着
するフィルム)などの降雨にさらされ、それにより清浄
化されうる屋外部材;トンネル内装及び塗装、建材、建
物内装、窓枠、窓ガラス、住宅設備、便器、浴槽、洗面
台、照明器具、照明カバ−、台所用品、食器、食器洗浄
器、食器乾燥器、流し、調理レンジ、キッチンフ−ド、
換気扇、浴室用床材、浴室用壁材、浴室用天井材、キッ
チンシンク(又はその上に貼着するフィルム)などの流
水で洗浄可能な部材;などが好適に利用できる。
【0021】表面の着氷雪防止性が要求される基材とし
ては、屋根材、アンテナ、送電線、氷雪滑走具などが好
適に利用できる。
【0022】その他、真空容器内壁(又はその上に貼着
するフィルム)のように、基材表面に付着した水分の速
やかな除去が要求される基材、生体親和性材料などにも
利用できる可能性がある。
【0023】次に、基材表面に、光触媒性酸化物粒子と
シリコ−ンと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形
成されている防汚性部材の製法について説明する。この
場合の製法は、基本的には、基材表面にコ−ティング組
成物を塗布し、硬化させることによる。
【0024】ここでコ−ティング組成物は、光触媒粒
子、撥水性フッ素樹脂の他にシリコ−ンの前駆体を必須
構成要件とし、その他に水、エタノ−ル、プロパノ−ル
等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン酸等の
シリコ−ンの前駆体の加水分解を促進する触媒や、トリ
ブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化合物類、
アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライソプロピ
ルチタネ−トなどの酸性化合物類等のシリコ−ンの前駆
体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤等のコ−
ティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを添加
してもよい。
【0025】ここでシリコ−ンの前駆体としては、平均
組成式 RpSiXq(4-p-q)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、p及びqは0<p<2、0<
q<4を満足する数である)で表されるシロキサンから
なる塗膜形成要素、又は一般式 RpSiX4-p (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは1または2である)で表
される加水分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要素、
が好適に利用できる。
【0026】ここで上記加水分解性シラン誘導体からな
る塗膜形成要素としては、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポ
キシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリブトキシシラン、γ−グリコキシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が好適に利用できる。
【0027】また上記シロキサンからなる塗膜形成要素
としては、上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分解
及び脱水縮重合、又は上記加水分解性シラン誘導体の部
分加水分解物と、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシ
ラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解物
との脱水縮重合等で作製することができる。
【0028】上記コ−ティング組成物の塗布方法として
は、スプレ−コ−ティング法、ディップコ−ティング
法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−ティング法、ロ
−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0029】次に、基材表面に、光触媒粒子と無定型シ
リカと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成され
ている防汚性部材の製法について説明する。この場合の
製法は、基本的には、基材表面にコ−ティング組成物を
塗布し、硬化させることによる。
【0030】ここでコ−ティング組成物は、光触媒粒
子、撥水性フッ素樹脂の他にシリカ粒子又はシリカの前
駆体を必須構成要件とし、その他に水、エタノ−ル、プ
ロパノ−ル等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレ
イン酸等のシリカの前駆体の加水分解を促進する触媒
や、トリブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化
合物類、アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライ
ソプロピルチタネ−トなどの酸性化合物類等のシリカの
前駆体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤等の
コ−ティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを
添加してもよい。
【0031】ここでシリコ−ンの前駆体としては、平均
組成式 SiXq(4-q)/2 (式中、Xはアルコキシ基、又は、ハロゲン原子であ
り、qは0<q<4を満足する数である)で表されるシ
リケ−トからなる塗膜形成要素、又は 一般式SiX4 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子である)で表される4官能加水分解性
シラン誘導体からなる塗膜形成要素等が好適に利用でき
る。
【0032】ここで上記4官能加水分解性シラン誘導体
からなる塗膜形成要素としては、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、
テトラブトキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン等
が好適に利用できる。
【0033】また上記シリケ−トからなる塗膜形成要素
としては、上記4官能加水分解性シラン誘導体の部分加
水分解及び脱水縮重合等で作製することができる。
【0034】上記コ−ティング組成物の塗布方法として
は、スプレ−コ−ティング法、ディップコ−ティング
法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−ティング法、ロ
−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0035】
【実施例】
実施例.アナタ−ゼ型酸化チタンゾル(日産化学、TA
−15)と、シリカゾル(日本合成ゴム、グラスカT2
202のA液)と、メチルトリメトキシシラン(日本合
成ゴム、グラスカT2202のB液)とポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)粒子(ダイキン工業、ルブロ
ンL−5、一次粒径約0.2μm、二次粒径約7μm)と
2―プロパノールを混合し、2〜3分撹拌して得たコ−
ティング液を、スプレ−コ−ティング法にて5×10c
m角の施釉タイル基材(東陶機器、AB02E11)上
に塗布し、200℃で10分熱処理して、アナタ−ゼ型
酸化チタン粒子33重量部、ポリテトラフルオロエチレ
ン粒子66重量部、シリカ6重量部、シリコ−ン5重量
部からなる表面層を形成した#1試料を得た。#1試料
の水との接触角は約140゜であった。次いで#1試料
表面に、紫外線光源(三共電気、ブラックライトブル−
(BLB)蛍光灯)を用いて0.3mW/cm2の紫外
線照度で1日照射し、#2試料を得た。その結果、#2
試料の水との接触角は142.6゜とむしろやや上昇す
る傾向が認められた。これは、#2試料表面では、光触
媒作用により水酸基に置換され、親水化されたシリコ−
ンが外気に露出した親水性を呈する部分と、撥水性フッ
素樹脂が外気に露出した撥水性を呈する部分の双方が表
面に微視的に分散された構造となるためと推定される。
【0036】次に、#1試料、#2試料及びテトラフル
オロエチレン板(水との接触角度105°)について、
水滴の流滴性を調べた。その結果、テトラフルオロエチ
レン板では90゜近く傾斜させるとようやく水滴は付着
表面から移動した。しかし、完全に表面から除去はされ
ずに、水が移動した跡に糸を引くように残留する水跡が
観察された。しかし、完全に表面から除去はされずに、
水が移動した跡に糸を引くように残留する水跡が観察さ
れた。それに対し、#2試料では、20゜程度の傾斜で
水滴は転がり、しかも水が移動した跡にも残留水は全く
観察されなかった。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、基材表面に、光触媒粒
子とシリコ−ンと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層
が形成されているようにする、或いは基材表面に、光触
媒粒子と無定型シリカと撥水性フッ素樹脂とを含有する
表面層が形成されているようにすることにより、付着水
滴が容易に流滴しかつ水跡を残さない性質の表面を恒久
的に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る部材の表面構造を示す図。
【図2】本発明に係る部材の他の表面構造を示す図。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 183/04 C09D 183/04 (72)発明者 町田 光義 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に、光触媒性酸化物粒子とシリ
    コ−ンと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成さ
    れていることを特徴とする転水性表面を有する部材。
  2. 【請求項2】 基材表面に、光触媒性酸化物粒子と無定
    型シリカと撥水性フッ素樹脂とを含有する表面層が形成
    されていることを特徴とする転水性表面を有する部材。
  3. 【請求項3】(a)平均組成式 RpSiXq(4-p-q)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
    なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
    2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
    は、ハロゲン原子であり、p及びqは0<p<2、0<
    q<4を満足する数である)で表されるシロキサンから
    なる塗膜形成要素であって、硬化させるとシリコ−ン樹
    脂の被膜を形成するもの、 (b)前記塗膜形成要素中に分散され、光励起に応じて
    前記被膜の表面のシリコ−ン分子中のケイ素原子に結合
    した有機基を光触媒作用により少なくとも部分的に水酸
    基に置換させ、もって、被膜中のシリコ−ン樹脂が外気
    に露出している部分を親水化するための光触媒性酸化物
    粒子、及び、 (c)撥水性フッ素樹脂、 を含有することを特徴とする転水性コ−ティング組成
    物。
  4. 【請求項4】(a)一般式 RpSiX4-p (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
    なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
    2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
    は、ハロゲン原子であり、pは1または2である)で表
    される加水分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要素で
    あって、硬化させるとシリコ−ン樹脂の被膜を形成する
    もの、 (b)前記塗膜形成要素中に分散され、光励起に応じて
    前記被膜の表面のシリコ−ン分子中のケイ素原子に結合
    した有機基を光触媒作用により少なくとも部分的に水酸
    基に置換させ、もって、被膜中のシリコ−ン樹脂が外気
    に露出している部分を親水化するための光触媒性酸化物
    粒子、及び、 (c)撥水性フッ素樹脂、 を含有することを特徴とする転水性コ−ティング組成
    物。
  5. 【請求項5】(a)平均組成式 SiXq(4-q)/2 (式中、Xはアルコキシ基、又は、ハロゲン原子であ
    り、qは0<q<4を満足する数である)で表されるシ
    リケ−トからなる塗膜形成要素であって、硬化させると
    無定型シリカの被膜を形成するもの、 (b)前記塗膜形成要素中に分散され、光励起に応じて
    前記被膜の表面中の無定型シリカが外気に露出している
    部分を親水化するための光触媒性酸化物粒子、及び、 (c)撥水性フッ素樹脂、 を含有することを特徴とする転水性コ−ティング組成
    物。
  6. 【請求項6】(a)一般式SiX4 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
    なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
    2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
    は、ハロゲン原子である)で表される4官能加水分解性
    シラン誘導体からなる塗膜形成要素であって、硬化させ
    るとシリコ−ン樹脂の被膜を形成するもの、 (b)前記塗膜形成要素中に分散され、光励起に応じて
    前記被膜の表面中の無定型シリカが外気に露出している
    部分を親水化するための光触媒性酸化物粒子、及び、 (c)撥水性フッ素樹脂、 を含有することを特徴とする転水性コ−ティング組成
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001009266A1 (fr) * 1999-08-02 2001-02-08 Nippon Sheet Glass Co., Ltd. Article revetu d'une pellicule hydrophobe, composition liquide pour l'application de ladite pellicule hydrophobe, et procede de production d'article revetu d'une pellicule hydrophobe
JP2006111652A (ja) * 2004-10-12 2006-04-27 Pialex Technologies Corp 塗料組成物、塗膜の形成方法及び被覆物
JP2010111867A (ja) * 2008-10-11 2010-05-20 Metal Tech:Kk 光触媒塗料及び塗膜構造

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