JPH05319869A - ゾルゲル膜およびその形成法 - Google Patents

ゾルゲル膜およびその形成法

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JPH05319869A
JPH05319869A JP13127092A JP13127092A JPH05319869A JP H05319869 A JPH05319869 A JP H05319869A JP 13127092 A JP13127092 A JP 13127092A JP 13127092 A JP13127092 A JP 13127092A JP H05319869 A JPH05319869 A JP H05319869A
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修 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ガラス基板の表面上に、該薄膜が金属アルコキ
シド系化合物或いは金属アセチルアセトネート系化合物
の中から少なくとも1種以上の化合物を二つ以上選択
し、しかも該選択した二つ以上の化合物における平均分
子量が異なるものであって、該二つ以上の化合物を溶剤
とともに混合してコーティング溶液とし、該溶液の選択
する二つ以上の化合物の混合割合の調整または/および
該溶液を相対湿度のコントロールのもとに被膜し、加熱
成膜して成る、マイクロピット状表層または凹凸状表
層、或いは凸状表層であるゾルゲル膜。並びにその形成
法。 【効果】手軽に容易な膜形成手段でもって薄膜を安価に
効率よく得られ、該薄膜で特異な形状を有する頑固な表
層となり、単層膜では勿論、殊に多層膜の下地膜や下層
膜として格段にその性能を発揮し、光学特性を損なうこ
となく、密着性、耐候性等に優れるものとなる等、建築
用もしくは自動車用窓材をはじめ、各種ガラス物品等、
種々の被覆膜に広く採用できる利用価値の高いものとな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロピット状表
層、凹凸状表層あるいは凸状表層を有し、しかも大きさ
をコントロールすることかできるゾルゲル膜とその形成
法に関し、特にガラス基板上に被膜積層する多層膜にお
いて、ことに下地膜や下層膜として用い、格段にその性
能を発揮することとなる等、光学特性を損なうことな
く、頑固な密着力で耐摩耗性あるいは耐久性等が優れた
ものとなり、建築用もしくは自動車用等の窓材、各種膜
付きガラス物品において有用なゾルゲル膜およびその形
成法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術とその問題点】一般に金属酸化物被膜の表
面に凹凸状を形成する方法としては、例えば金属酸化物
被膜をフッ酸やフッ硝酸等でエッチングする方法、ある
いは加熱処理により燃焼分解する有機高分子を金属アル
コキシド溶液中に添加する方法等が知られている。
【0003】ところが金属酸化物被膜をフッ酸やフッ硝
酸等でエッチングする方法では、エッチング用溶液であ
るフッ酸やフッ硝酸等が人体に対し極端に危険な物質で
あってその取り扱いが厄介で作業性が劣るとともに、エ
ッチング工程が付加することでの生産性の低下等があ
り、また加熱処理により燃焼分解する有機高分子を金属
アルコキシド溶液中に添加する方法では、例えば一度形
成されたマイクロピット状表面が400°C以上の加熱
焼成により、被膜の緻密化が起こるため、その加熱処理
条件を種々制御する必要があるという制約があるととも
に、この制約により頑固な被膜を得ることが困難であっ
て、必ずしも容易にとは言い難いものである。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明は、従来のかか
る問題点に鑑みてなしたものであって、特定の金属アル
コキシド系化合物あるいは金属アセチルアセトネート系
化合物を選び、該化合物の平均分子量が異なるものから
組み合わせ、混合割合を変化させたコーティング溶液と
するようにし、被膜の際の相対湿度を制御することによ
り、充分焼成をしても、独立してしっかりした特異な種
々の表面表層を有し、高密着性であって耐久性や耐摩耗
性とを併せ持ち、単体ではもちろん下地材あるいは下層
等にことに有用な酸化物薄膜が、高安全で厄介な工程な
く、安価に効率よく得られることとなる等、種々の被覆
膜に採用できる利用価値の高い、種々の表面形状の表層
を有するゾルゲル膜およびその形成法を提供するもので
ある。
【0005】すなわち、本発明は、ガラス基板の表面上
に形成した薄膜において、該薄膜が金属アルコキシド系
化合物あるいは金属アセチルアセトネート系化合物のな
かから少なくとも1種以上の化合物を二つ以上選択し、
しかも該選択した二つ以上の化合物における平均分子量
が異なるものであって、該二つ以上の化合物を溶剤とと
もに混合してコーティング溶液とし、該溶液の選択する
二つ以上の化合物の混合割合の調整または/および該溶
液を相対湿度のコントロールのもとに被膜し、加熱成膜
して成る、マイクロピット状表層または凹凸状表層、あ
るいは凸状表層であることを特徴とするゾルゲル膜。
【0006】ならびに、前記選択した二つ以上の化合物
における異なる平均分子量としては、一つの低平均分子
量の化合物が数千であって、他の一つ以上の高平均分子
量の化合物が数万乃至数十万であることを特徴とする請
求項1記載のゾルゲル膜。
【0007】さらに、前記選択する二つ以上の化合物の
混合割合の調整が、高平均分子量の化合物1molに対
して、低平均分子量の化合物を0.1〜30molであ
ることを特徴とする請求項1ならびに2記載のゾルゲル
膜。
【0008】さらにまた、前記マイクロピット状表層ま
たは凹凸状表層、あるいは凸状表層が、10〜100n
mの径であることを特徴とする請求項1乃至3記載のゾ
ルゲル膜。
【0009】また、ガラス基板の表面上に形成した薄膜
において、該薄膜が金属アルコキシド系化合物あるいは
金属アセチルアセトネート系化合物のなかから少なくと
も1種以上の化合物を二つ以上選択し、しかも該選択し
た二つ以上の化合物における平均分子量が異なるもので
あって、該二つ以上の化合物を溶剤とともに混合してコ
ーティング溶液とし、該溶液の選択する二つ以上の化合
物の混合割合の調整または/および該溶液を相対湿度の
コントロールのもとに被膜し、100°C以上の温度で
加熱成膜して成ることを特徴とするゾルゲル膜の形成
法。
【0010】ならびに、前記コーティング溶液を、1〜
10C.P.に粘度調製することを特徴とする請求項5
記載のゾルゲル膜の形成法。さらに、前記コーティング
溶液の酸化物換算固形分濃度が0.01〜10wt%で
あることを特徴とする請求項5ならびに6記載のゾルゲ
ル膜の形成法。
【0011】さらにまた、前記相対湿度が、20〜80
%であることを特徴とする請求項5乃至7記載のゾルゲ
ル膜の形成法をそれぞれ提供するものである。ここで、
前記したように、金属アルコキシド系化合物あるいは金
属アセチルアセトネート系化合物のなかから少なくとも
1種以上の化合物を二つ以上選択したのは、該両化合物
は安定性があって、溶液調製の際、例えば平均分子量の
制御が容易であり、成膜した前記マイクロピット状表
層、凹凸状表層あるいは凸状表層の種々の表面形状を有
する酸化物薄膜の透明性や硬度が高く、耐久性にも優れ
たものとなり、比較的安価で入手し易いものであるので
該両化合物を用いることとした。
【0012】また、金属アルコキシド系化合物として
は、金属にすべてアルコキシ基のみが結合した場合、す
なわちメトキシド、エトキシド、イソプロポキシド等の
みならず、その一部がメチル基、エチル基等に置換した
もの、例えばモノメチルアルコキシド、モノエチルアル
コキシド等を含むものである。さらにまた、金属アセチ
ルアセトネート系化合物としては、金属にすべてアセチ
ルアセトン基のみが結合した場合のみならず、その一部
がメチルアルコキシ基、エチルアルコキシ基等に置換し
たものを含むものである。
【0013】さらに前記金属としては、格別特定するも
のではないが、Si、TiまたはZrを選択するのが好
ましく、具体的なものとしては、例えばテトラメトキシ
シラン〔Si(OMe)4 Me:CH3 〕、テトラエ
トキシシラン〔Si(OEt)4 Et:C2 5 〕、
メチルトリエトキシシラン〔MeSi(OEt)3 〕、
メチルトリメトキシシラン〔MeSi(OMe)3 〕、
チタンテトライソプロポキシド〔Ti(OーisoーP
r)4 Pr:C3 7 〕、チタンアセチルアセトネー
ト〔Ti(CH2 COCH2 COCH3 4 〕、ジルコ
ニウムノルマルブトキシド〔Zr(OーnーBu)4
Bu:C4 9 〕、ジルコニウムアセチルアセトネート
〔Zr(CH2 COCH2 COCH3 4 〕等が好適で
あり、他に例えばジメチルジエトキシシラン、ジメチル
ジメトキシシラン、チタンテトラノルマルブトキシド、
ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテ
トラオクチレート等がある。
【0014】さらにまた、前記選択した二つ以上の化合
物における平均分子量が異なるものとしたのは、被膜し
た薄膜の表層をマイクロピット状、凹凸状あるいは凸状
とするためであり、混合する2種以上の化合物の平均分
子量は数千(具体的には800〜8000程度、好まし
くは2000〜7000程度)と数万(具体的には10
000〜70000程度)、あるいは数千と数十万(具
体的には100000〜400000程度)の組み合わ
せがよいものである。
【0015】一方、平均分子量の制御は、溶液を調製す
る際において、触媒の種類(例えば塩酸、硝酸、酢酸
等)、その添加量すなわちPH値(例えばPH=1〜
6、好ましくは2〜4)および反応温度(例えば20〜
80°C、好ましくは25〜70°C)等によって、加
水分解反応過程あるいは縮重合過程をコントロールする
ことにより行うものである。ただし、化合物によっては
それぞれ反応時間等も異なり、必ずしもすべてに共通し
ない場合もあり得るものである。
【0016】また、マイクロピット状表層、凹凸状表層
あるいは凸状表層の形状の制御は、混合する2種以上の
化合物の平均分子量が数千と数万、あるいは数千と数十
万である化合物の混合割合が、その溶質モル比(酸化物
換算)で0.1〜30程度であり、0.1未満あるいは
30を超えると平坦な平面形状となるものである。なか
でも1〜20程度が好ましく、より好ましくはマイクロ
ピット状表層では2〜5.5程度、凹凸状表層では5.
5〜7程度、凸状では7〜15程度である。また、前記
表層におけるそれぞれの大きさは被膜する際の相対湿度
により制御することがてき、約20%程度の場合約10
nm程度となり、約80%程度の場合約100nm程度
となる。
【0017】また、前記金属アルコキシド系化合物ある
いは金属アセチルアセトネート系化合物のアルコール溶
液中の濃度については、0.1wt%程度以上が好まし
く、これ未満であれば均一な前記3種類の表面形状表層
を有する被膜を次第に形成し難くなり、他方、10wt
%程度を超えると、溶液が粘稠となり、前記3種類の表
層形状はあるものの、クラックの発現等があり、加えて
膜付け自体が困難となるものである。さらに本アルコー
ル溶液におけるアルコール溶媒としては、メチルアルコ
ール、イソプロピルアルコールあるいは1ーブタノール
等が採用できるものである。
【0018】さらにまた、ガラス基板への膜付け法とし
ては、ディッピング法、スプレー法、フローコート法あ
るいはスピンコート法等既知の塗布手段が適宜採用し得
るものである。また前記コーティング溶液を被膜後、1
層の薄膜を形成する毎に、約100°C程度の雰囲気温
度下で約30分間以内程度の乾燥を行い、前記3種類の
表層形状を有したゲル膜を形成することが好ましいもの
である。
【0019】またさらに、本発明の3種類の表面形状表
層については、縮重合度の違いによる形成であって、膜
を強固にするための焼成(例えば約500°C以上)に
よっても消失することもなく、しかも独立したピット、
凹凸および凸状物が表面および基板との界面付近まで形
成されており、走査電子顕微鏡による1万倍で明確に観
察が可能である等、膜強度に優れるしかっりした前記3
種類の表面形状表層とできるものである。
【0020】また例えばHF等によるエッチングでは、
その構造上エッチングされ易い部分とされ難い部分とが
あって、エッチングされ易い部分がピット状のものとな
るので、どちらかと言えば連続的であり、膜厚もピット
制御も困難であり、前記倍率でのピット観察では観察が
困難である。また例えばゾルゲル膜での有機物、溶媒、
水分の焼成等による多孔質化では、通常250〜300
°C付近の焼成で膜全体が一度多孔質化するが、500
°C以上で焼成した場合、膜の緻密、硬化が起こり、無
孔化も同時に起こり、ピット状のものは膜表面および内
部でなくなり、走査電子顕微鏡では3〜5万倍で観察し
ても、表面形状は平坦である等、従来法のものと本発明
のマイクロピット状表層、凹凸状表層あるいは凸状表層
とでは明らかに異なるものであった。
【0021】さらにまた、前記ガラス基板としては、無
機質の透明板ガラスであって、無色または着色、ならび
にその種類あるいは色調、形状等に特に限定されるもの
ではなく、さらに曲げ板ガラスとしてはもちろん、各種
強化ガラスや強度アップガラス、平板や単板で使用でき
るとともに、複層ガラスあるいは合せガラスとしても使
用できることは言うまでもない。
【0022】
【作用】前述したとおり、本発明のマイクロピット状表
層、凹凸状表層あるいは凸状表層を有するゾルゲル膜、
ならびにその形成法により、上述した特定系の二つの化
合物を選び、該化合物の平均分子量を異なるものを少な
くとも組み合わせることで、高温焼成しても、緻密化す
ることなく、従来より独立性があって深見のある、明確
でしっかりしたマイクロピット状、凹凸状あるいは凸状
表層となり、しかも該3種類の表面表層の形状とその径
を制御でき、付着性も向上し頑固な薄膜とすることで
き、ガラス基板との界面はもちろん、多層膜での膜と膜
の界面においても密着性を格段に向上せしめ、優れた耐
久性を有するものとなり、透明で硬度が高い、しかも光
学特性等も充分に満足できるものとでき、従来屋外では
使用でき難いものでも使用できるようになる等となり、
高安全で厄介な工程なく、安価に効率よく得られること
となるものである。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
【0024】実施例1 大きさ約100mmx100mm、厚さ約2mmのクリ
ア・フロートガラス基板を中性洗剤、水すすぎ、アルコ
ールで順次洗浄し、乾燥した後、アセトンで払拭し被膜
用ガラス基板とした。
【0025】シリコンエトキシド(平均分子量:約3,
000,固形分濃度:約30wt%)約20.0g、シ
リコンエトキシド(平均分子量:約100,000,固
形分濃度:約6wt%)約28.6gをビーカーに入
れ、低平均分子量の固形分/高平均分子量の固形分を約
3.5のmol比とし、イソプロピルアルコール約50
gならびに1ーブタノール約100gで希釈し、約15
時間攪拌してコーティング溶液を得た。
【0026】ついで、該溶液をディッピング法により前
記ガラス基板表面に、約23℃、相対湿度約50%の環
境で被膜し、約270°Cで約10分間加熱してゲル膜
を形成し、膜厚が約150nmのSiO2 薄膜を成膜し
た。該薄膜を走査電子顕微鏡により、約2万倍の倍率で
表面形状状態を観察したところ、図1に示すように、マ
イクロピット状表層となっていた。
【0027】実施例2 実施例1と同様なガラス基板に、実施例1のシリコンエ
トキシド約30gと実施例1の例1のシリコンエトキシ
ド約23.1gをビーカーに入れ、低平均分子量の固形
分/高平均分子量の固形分を約6.5のmol比とし、
他は実施例1と同様とした。図2に示すように、凹凸状
表層となっていた。
【0028】実施例3 実施例1と同様なガラス基板に、実施例1のシリコンエ
トキシド約40gと実施例1のシリコンエトキシド約1
8.2gをビーカーに入れ、低平均分子量の固形分/高
平均分子量の固形分を約11のmol比とし、他は実施
例1と同様とした。図3に示すように、凸状表層となっ
ていた。
【0029】実施例4 実施例1と同様なガラス基板に、実施例1において使用
したコーティング溶液を使用し、成膜時の相対湿度を約
35%とし、その他は実施例1と同様にした。図4に示
すように、マイクロピット状表層となっており、そのピ
ットの径が約10〜20nmとなっていた。
【0030】実施例5 実施例1と同様なガラス基板に、実施例1において使用
したコーティング溶液を使用し、成膜時の相対湿度を約
45%とし、その他は実施例1と同様にした。図5に示
すように、マイクロピット状表層となっており、そのピ
ットの径が約50〜60nmとなっていた。
【0031】実施例6 実施例1と同様なガラス基板に、実施例1において使用
したコーティング溶液を使用し、成膜時の相対湿度を約
70%とし、その他は実施例1と同様にした。図6に示
すように、マイクロピット状表層となっており、そのピ
ットの径が大きくなっており、約100nm以上となっ
ていた。
【0032】比較例1 シリコンエトキシド(平均分子量:約100,000,
固形分濃度:約6wt%)を約200gをビーカーには
かりとり、そのままコーティング溶液とした。それ以外
は実施例1と同様とした。
【0033】得られた膜のSiO2 膜の表面表層の形状
は、図7に示すように、平坦であった。比較例2 比較例1と同様にして、得られた試料を約0.2wt%
HF水溶液で約5分間表面処理を施した。
【0034】HF処理後の膜表面表層は、図8に示すよ
うに、実施例2と同様に凹凸状になっていた。
【0035】
【発明の効果】以上前述したように、本発明によれば、
手軽に容易な膜形成手段でもって薄膜を安価に効率よく
得られ、該薄膜において特異な形状を有する頑固なマイ
クロピット状表層、凹凸状表層あるいは凸状表層が得ら
れ、しかもその径を制御することができるようになり、
単層膜ではもちろん、ことに多層膜の下地膜や下層膜に
おいて格段にその性能を発揮して、光学特性を損なうこ
となく、密着性、耐候性等に優れるものとなる等、建築
用もしくは自動車用窓材をはじめ、各種ガラス物品等、
種々の被覆膜に広く採用できる利用価値の高い、有用な
マイクロピット状表層、凹凸状表層あるいは凸状表層を
有するゾルゲル膜、ならびにその形成法を提供するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における、本発明のマイクロピット状
表層を有するゾルゲル膜の表層面を、走査電子顕微鏡で
観察処理した写真であって、マイクロピット状表層の状
態を詳細に示す図である。
【図2】実施例2における、本発明の凹凸状表層を有す
るゾルゲル膜の表層面を、走査電子顕微鏡で観察処理し
た写真であって、凹凸状表層の状態を詳細に示す図であ
る。
【図3】実施例3における、本発明の凸状表層を有する
ゾルゲル膜の表層面を、走査電子顕微鏡で観察処理した
写真であり、凸状表層の状態を詳細に示す図である。
【図4】実施例4における、成膜時の相対湿度約35%
で得た本発明のマイクロピット状表層を有するゾルゲル
膜の表層面を、走査電子顕微鏡で観察処理した写真であ
り、ピットの大きさ約10〜20nmであるマイクロピ
ット状表層の状態を詳細に示す図である。
【図5】実施例5における、成膜時の相対湿度約45%
で得た本発明のマイクロピット状表層を有するゾルゲル
膜の表層面を、走査電子顕微鏡で観察処理した写真であ
り、ピットの大きさ約50〜60nmであるマイクロピ
ット状表層の状態を詳細に示す図である。
【図6】実施例6における、成膜時の相対湿度約70%
で得た本発明のマイクロピット状表層を有するゾルゲル
膜の表層面を、走査電子顕微鏡で観察処理した写真であ
り、ピットの大きさ約100nm以上であるマイクロピ
ット状表層の状態を詳細に示す図である。
【図7】比較例1における、平坦表面を有するゾルゲル
膜の表層面を、走査電子顕微鏡で観察処理した写真であ
り、平坦表面の状態を詳細に示す図である。
【図8】比較例2における、比較例1で得たゾルゲル膜
をHF処理した表層面を、走査電子顕微鏡で観察処理し
た写真であり、凹凸状表面表層の状態を詳細に示す図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒井 宏明 三重県松阪市大口町1510 セントラル硝子 株式会社テクニカルセンター内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板の表面上に形成した薄膜にお
    いて、該薄膜が金属アルコキシド系化合物あるいは金属
    アセチルアセトネート系化合物のなかから少なくとも1
    種以上の化合物を二つ以上選択し、しかも該選択した二
    つ以上の化合物における平均分子量が異なるものであっ
    て、該二つ以上の化合物を溶剤とともに混合してコーテ
    ィング溶液とし、該溶液の選択する二つ以上の化合物の
    混合割合の調整または/および該溶液を相対湿度のコン
    トロールのもとに被膜し、加熱成膜して成る、マイクロ
    ピット状表層または凹凸状表層、あるいは凸状表層であ
    ることを特徴とするゾルゲル膜。
  2. 【請求項2】 前記選択した二つ以上の化合物における
    異なる平均分子量としては、一つの低平均分子量の化合
    物が数千であって、他の一つ以上の高平均分子量の化合
    物が数万乃至数十万であることを特徴とする請求項1記
    載のゾルゲル膜。
  3. 【請求項3】 前記選択する二つ以上の化合物の混合割
    合の調整が、高平均分子量の化合物1molに対して、
    低平均分子量の化合物を0.1〜30molであること
    を特徴とする請求項1ならびに2記載のゾルゲル膜。
  4. 【請求項4】 前記マイクロピット状表層または凹凸状
    表層、あるいは凸状表層が、10〜100nmの径であ
    ることを特徴とする請求項1乃至3記載のゾルゲル膜。
  5. 【請求項5】 ガラス基板の表面上に形成した薄膜にお
    いて、該薄膜が金属アルコキシド系化合物あるいは金属
    アセチルアセトネート系化合物のなかから少なくとも1
    種以上の化合物を二つ以上選択し、しかも該選択した二
    つ以上の化合物における平均分子量が異なるものであっ
    て、該二つ以上の化合物を溶剤とともに混合してコーテ
    ィング溶液とし、該溶液の選択する二つ以上の化合物の
    混合割合の調整または/および該溶液を相対湿度のコン
    トロールのもとに被膜し、100°C以上の温度で加熱
    成膜して成ることを特徴とするゾルゲル膜の形成法。
  6. 【請求項6】 前記コーティング溶液を、1〜10C.
    P.に粘度調製することを特徴とする請求項5記載のゾ
    ルゲル膜の形成法。
  7. 【請求項7】 前記コーティング溶液の酸化物換算固形
    分濃度が0.01〜10wt%であることを特徴とする
    請求項5ならびに6記載のゾルゲル膜の形成法。
  8. 【請求項8】 前記相対湿度が、20〜80%であるこ
    とを特徴とする請求項5乃至7記載のゾルゲル膜の形成
    法。
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