JPH0761874B2 - 磁気記録用板状Baフエライト微粒子粉末及びその製造法 - Google Patents

磁気記録用板状Baフエライト微粒子粉末及びその製造法

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JPH0761874B2
JPH0761874B2 JP61216782A JP21678286A JPH0761874B2 JP H0761874 B2 JPH0761874 B2 JP H0761874B2 JP 61216782 A JP61216782 A JP 61216782A JP 21678286 A JP21678286 A JP 21678286A JP H0761874 B2 JPH0761874 B2 JP H0761874B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、粒子表面近傍のみにジルコニウムが固溶して
いるジルコニウム、固溶Baフェライト層を形成している
板状Baフェライト微粒子からなる磁気記録用板状Baフェ
ライト微粒子粉末及びその製造法である。
〔従来の技術〕
近年、例えば、特開昭55-86103号公報にも述べられてい
る通り、大きな磁化値と適当な抗磁力とを有し、且つ、
適当な平均粒度を有する強磁性の非針状粒子が記録用磁
性材料、特に垂直磁気記録用磁性材料として要望されつ
つある。
一般に、強磁性の非針状粒子としてはBaフェライト粒子
がよく知られている。
従来から板状Baフェライトの製造法の一つとして、Baイ
オンとFe(III)とが含まれたアルカリ性懸濁液を反応装
置としてオートクレープを用いて水熱処理する方法(以
下、これを単に水熱合成法という。)が知られている。
先ず、磁気特性について言えば、磁気記録用板状Baフェ
ライト粒子粉末の磁化値は、出来るだけ大きいことが必
要であり、この事実は、例えば特開昭56-149328号公報
の「…磁気記録媒体材料に使われるマグネトプランバイ
トフェライトについては可能な限り大きな飽和磁化…が
要求される。」と記載されている通りである。
また、抗磁力は、一般に300〜1500 Oe程度のものが要
求されており、上記水熱合成法において生成Baフェライ
ト微粒子粉末の抗磁力を低減させ適当な抗磁力とする為
にフェライト中のFe(III)の一部をTi(IV),Co(II)又はTi
(IV),Co(II)及びCo(II)以外のMn、Zn、Ni等の2価の金
属イオンM(II)で置換することが提案されている。
次に、粉体特性について言えば、磁気記録用板状Baフェ
ライト微粒子粉末の粒度は、出来るだけ微細な粒子、殊
に、0.3μm以下であることが要求されている。
この事実は、例えば、特開昭56-125219号公報の「…垂
直磁化記録が面内記録に対して、その有為性が明らかと
なるのは、記録波長が1μm以下の領域である。しかし
てこの波長領域で十分な記録・再生を行うためには、上
記フェライトの結晶粒径は、略0.3μm以下が望まし
い。しかし、0.01μm程度となると、所望の強磁性を呈
しないため、適切な結晶粒径としては0.01〜0.3μm程
度が要求される。」なる記載等の通りである。
また、比表面積は、磁気記録媒体の低ノイズ化の為に
は、出来るだけ大きいことが必要であり、殊に、30m/
g以上の粒子が要求されている。
この現象は、例えば、電子通信学会技術研究報告MR 81
-11第27頁23-9の「Fig.3」等に示されている。「Fig.
3」はCo被着針状晶マグヘマイト粒子粉末における粒子
の比表面積とノイズレベルとの関係を示す図であり、粒
子の比表面積が大きくなる程ノイズレベルは直線的に低
下している。
この関係は板状Baフェライト粒子粉末についても同様に
言えることである。
ところで、前述した水熱合成法により得られた板状Baフ
ェライト粒子粉末は、板状Baフェライト粒子の生成に寄
与しない過剰のBa分を水可溶性分と含有しており、この
水可溶性Ba分を含むBaフェライト粒子粉末を磁性粒子粉
末として用い、磁気テープを製造した場合には、磁気ヘ
ッドの腐蝕等に起因して、磁気テープの走行性が悪くな
ることが知られている。この現象は、例えば、特公昭60
-15576号公報の「…オートクレーブ法(水熱合成法)で
製造されたBa-フェライト…について、…過剰に存在す
るBa分を抽出除去し、…」なる記載及び特公昭48-27118
号公報の「…磁気記録媒体は磁気ヘッド又はガイドボー
ルと常に接触した状態で使用されるのである。…接触に
よって磁性層が摩耗し、この摩耗片は粉になって飛散
し、この粉末はガイドボール、磁気ヘッド等に付着集積
し、この結果、磁気記録体の記録を再生するときに信号
の読み出し不能又はドロップアウトの現象としてあらわ
れる…」、「…ヘッド腐蝕の原因はNaSOやNaClのみ
でなく、電解質的なものであれば、ほぼ、同一の腐蝕が
認められた。…従って本発明では…水性溶媒を適宜用
い、…水溶性…の不純物をも洗浄しようとするものであ
る。」なる記載から明らかである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
大きな磁化値と適当な抗磁力とを有し、且つ、適当な平
均粒度と大きな比表面積とを有する水可溶性Ba分の少な
い板状Baフェライト粒子粉末は、現在最も要求されてい
るところであるが、上述した通りの水熱合成法におい
て、反応条件を選ぶことによって各種のBaフェライト粒
子が沈澱してくる。この沈澱粒子は通常六角板状を呈し
ており、生成条件によって磁気特性及び粒度分布や平均
径が相違し、また、その生成機構に起因して、水可溶性
Ba分が多く、例えば、500ppm以上も含有している場合が
ある。
本発明者は、永年に亘り、水熱合成法による板状Baフェ
ライト粒子の研究及び開発に携わっているものである
が、その過程において反応条件によって平均径0.05〜0.
3μmを有する板状Baフェライト微粒子が得られるとい
う知見を得ている。
しかしながら、上記平均径0.05〜0.3μmを有する板状B
aフェライト粒子は、抗磁力を1500 Oe以下に制御しよ
うとする場合には、磁化値を50emu/g以上に維持するこ
とが困難なものである。
また、従来、水熱合成法により水溶液中から生成した板
状Baフェライト微粒子を800℃以上の温度で加熱焼成し
て磁化値を向上させる方法が知られている(特公昭60-1
2973号公報)。
しかしながら、この方法による場合、磁化値が50emu/g
以上の板状Baフェライト微粒子粉末を得ようとすれば60
0℃以上の高温が必要であり、この場合には、粒子及び
粒子相互間における焼結が顕著となって塊状粒子となっ
てしまい、その結果、比表面積が小さく、殊に、20m/
g以下となり、低ノイズ用の磁気記録用磁性粉末として
好ましくない。
また、加熱焼成して得られた板状Baフェライト微粒子の
抗磁力を1500 Oe以下に制御する為には、前述した抗磁
力低減剤を多量に添加しなければならず、このことは磁
化値を低下させる原因となり、大きな磁化値、殊に、50
emu/g以上を維持しながら抗磁力を300〜1500 Oeの範囲
に制御することは困難であった。
そこで、大きな磁化値と適当な抗磁力とを有し、且つ、
適当な平均粒度と大きな比表面積とを有する水可溶性Ba
分の少ない板状Baフェライト粒子を得る方法の確立が強
く要望されている。
〔問題点を解決する為の手段〕
本発明者は、大きな磁化値と適当な抗磁力とを有し、且
つ、適当な平均粒度と大きな比表面積とを有する水可溶
性Ba分の少ない板状Baフェライト粒子を得るべく種々研
究を重ねた結果、本発明に到達したものである。
即ち、本発明は、平均粒径が0.05〜0.3μmであって、
粒子表面近傍のみにジルコニウムが固溶しているジルコ
ニウム固溶Baフェライト層を形成している板状Baフェラ
イト微粒子からなる磁気記録用板状Baフェライト微粒子
粉末及び板状Baフェライト微粒子をジルコニウムの水酸
化物を含む水溶液中に懸濁させ、粒子表面にジルコニウ
ムの水酸化物が沈着している板状Baフェライト微粒子を
得、該粒子を濾別、乾燥し、次いで、700〜1000℃の温
度範囲で加熱焼成することにより、平均粒径が0.05〜0.
3μmであって、前記板状Baフェライト微粒子の粒子表
面近傍のみにジルコニウムが固溶しているジルコニウム
固溶Baフェライト層を形成している板状Baフェライト微
粒子を得ることを特徴とする磁気記録用板状Baフェライ
ト微粒子粉末の製造法。
〔作用〕
先ず、本発明において最も重要な点は、板状Baフェライ
ト粒子をジルコニウムの水酸化物を含む水溶液中に懸濁
させ、粒子表面にジルコニウムの水酸化物が沈着してい
る板状Baフェライト微粒子を得、該粒子を濾別、乾燥
し、次いで、700〜1000℃の温度範囲で加熱焼成した場
合には、前記板状Baフェライト微粒子の粒子表面近傍に
ジルコニウムを固溶させることができることに起因し
て、粒子及び粒子相互間の焼結を防止し、その結果、比
表面積の大きい、殊に、30m/g以上を有する板状Baフ
ェライト微粒子粉末を得ることができ、しかも、抗磁力
を低下させる効果を有することに起因して、磁化値を低
下させる原因となる抗磁力低減剤の添加量を少なくする
ことができる為、大きな磁化値を維持しながら効果的に
抗磁力を300〜1500 Oeの範囲に制御することができる
という点である。
また、本発明において他の重要な点は、後出の実施例に
示される通り、板状Baフェライト微粒子中の過剰の水可
溶性Ba分が添加したジルコニウムの一部と反応して水不
溶性のBaZrO3、BaZr及びBaZrO等のジル
コン酸バリウム化合物微粒子が微量生成されることに起
因して、水可溶性Ba分の少ない板状Baフェライト微粒子
粉末が得られる点である。
本発明において、大きな比表面積を有する板状Baフェラ
イト微粒子を得ることができ、しかも、大きな磁化値を
維持しながら抗磁力を制御することができる理由につい
て、本発明者は、後述する比較例に示される通り、水熱
処理法において板状Baフェライト微粒子の生成反応にあ
たりジルコニウムを添加する(例えば特開昭58-56302号
公報、特開昭61-40823号公報)場合、及び板状Baフェラ
イト微粒子の粒子表面をジルコニウムの水酸化物及び/
又は酸化物で被覆するいずれの場合にも本発明の効果が
得られないことから、板状Baフェライト微粒子の粒子表
面近傍のみにジルコニウムが固溶しているジルコニウム
固溶Baフェライト層を形成していることによるものと考
えている。
尚、本発明者は、後出の比較例2に示す通り、Baイオン
を含むアルカリ性水酸化鉄(III)懸濁液を水熱処理する
にあたり、ジルコニウムを添加する方法による場合に
は、ジルコニウムとBa分との反応が生起して、BaZr
O3、BaZr及びBaZrO等のジルコン酸バリウム
化合物微粒子が生成され、一方、Fe成分は、Ba分と反応
することなくヘマタイトとして生成されることを確認し
ている。
次に、本発明実施にあたっての諸条件について述べる。
本発明における出発原料としての板状Baフェライト微粒
子とは、板状BaO・nFe(4≦n≦8)微粒子及び
これらに前述した周知の抗磁力低減剤を添加したものを
いい、水熱合成法により水溶液中から生成した板状Baフ
ェライト微粒子はもちろん、これを加熱焼成したもの、
水溶液中からBaイオンとFeイオンとを沈澱させ、該沈澱
物を加熱焼成する所謂共沈法により得られた板状Baフェ
ライト微粒子及びBaフェライトの成分原料とガラス形成
物質とを混合、溶融した後、該溶融物を急速冷却する所
謂ガラス溶融法により得られた板状Baフェライト微粒子
のいずれをも用いることができる。
本発明におけるジルコニウムの水酸化物の沈着は、板状
Baフェライト微粒子をジルコニウムの水酸化物を含む水
溶液中に懸濁させればよい。
本発明におけるジルコニウムの水酸化物の沈着量は、板
状Baフェライト微粒子粉末に対しZr換算で0.01〜10.0重
量%である。0.01重量%未満である場合には、本発明の
目的とする板状Baフェライト微粒子粉末を得ることがで
きない。10.0重量%を越える場合には、磁化値が小さく
なり、磁気記録用磁性粒子粉末として好ましくない。得
られる板状Baフェライト微粒子粉末の磁化値を考慮すれ
ば0.01〜6.0重量%が好ましい。
本発明における加熱焼成温度は、700〜1000℃である。7
00℃未満である場合には、板状Baフェライト粒子の粒子
表面近傍へのジルコニウムの固溶が十分ではない。1000
℃を越える場合には、粒子及び粒子相互間の焼結が顕著
となり、比表面積の大きい板状Baフェライト微粒子を得
ることができない。
本発明における加熱焼成時には、必要により周知の融剤
を存在させることができ、この場合には、より好ましい
磁気特性及び粉体特性を有する板状Baフェライト微粒子
粉末を得ることができる。融剤としては、例えば、アル
カリ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物及び硫酸塩
等の一種又は二種以上を用いることができる。
本発明における加熱焼成物中のジルコニウム量は、Zr換
算で0.01〜10.0重量%である。0.01重量%未満である場
合には、本発明の目的を十分達成することができない。
10.0重量%を越える場合には、磁化値が小さくなり、磁
気記録用磁性粒子粉末として好ましくない。
尚、本発明においては、前述した通り、微量のBaZr
O3、BaZr及びBaZrO等のジルコン酸バリウム
化合物微粒子が分離生成されるが、これらは、後出の実
施例に示される通り、得られる板状Baフェライト微粒子
粉末の磁気特性、粉体特性に何ら悪影響を及ぼすもので
はない。
〔実施例〕
次に、実施例及び比較例により本発明を説明する。
尚、以下の実施例並びに比較例における粒子の平均径
は、電子顕微鏡写真により測定した値であり、比表面積
は、BET法により測定した値である。また、磁化値及び
抗磁力は粉末状態で10 KOeの磁場において測定したも
のである。
実施例1 水熱合成法により、Feに対し9.52モル%のBa、8.57モル
%のCo及び2.86モル%のTiを含有する板状Baフェライト
微粒子を得た。
得られた微粒子100gを0.002molのZrOCl水溶液中に分
散混合し、pH4において粒子表面にジルコニウムの水酸
化物(Zr換算で0.2重量%に該当する。)を沈澱させ
後、別、乾燥した。
次いで、この乾燥粒子粉末50gとNaCl 50gとを混合した
後、800℃において1.5時間加熱焼成した。
加熱焼成して得られた微粒子は、平均径0.08μmであっ
て、比表面積が48m/gであり、磁性は抗磁力Hcが970
Oe、磁化値が55.8emu/gであった。また、ジルコニウム
量は、螢光X線分析の結果、0.2重量%であって、水可
溶性Ba分は化学分析の結果、80ppmであった。
この微粒子粉末は、図1に示すX線回折に示す通り、板
状Baフェライト微粒子粉末中に微量のBaZrが混
在していた。図1中、ピークAはBaフェライト、ピーク
BはBaZrである。
尚、ジルコニウムの水酸化物を沈着させなかった以外
は、上記と同様にして得られたCo及びTiを含有した板状
Baフェライト微粒子は、平均径が0.15μmであって、比
表面積が18m/gであり、磁性は、抗磁力が1210 Oe、
磁化値が54.4emu/gであった。
実施例2 水熱合成法により、Feに対し10.0モル%のBaを含有する
板状Baフェライト微粒子を得た。
得られた微粒子100gを0.004molのZrOSO水溶液中に分
散混合し、pH6.0において粒子表面にジルコニウムの水
酸化物(Zr換算で0.4重量%に該当する。)を沈澱させ
後、別、乾燥し、次いで750℃において1.5時間加熱焼
成した。
加熱焼成して得られた微粒子は、平均径0.2μmであっ
て比表面積が38m/gで、磁性は抗磁力Hcが1150 Oe、
磁化値が53.2emu/gであった。また、ジルコニウム固溶
量は、螢光X線分析の結果、0.4重量%であって、水可
溶性Ba分は化学分析の結果、95ppmであった。この微粒
子粉末は、X線回折の結果、板状Baフェライト微粒子粉
末中に微量のBaZrが混在していた。
尚、ジルコニウムの水酸化物を沈着させなかった以外
は、上記と同様にして得られた板状Baフェライト微粒子
は、平均径が0.2μmであって、比表面積が17m/gであ
り、磁性は、抗磁力が1980 Oe、磁化値が53.0emu/gで
あった。
実施例3 実施例1と同様にして水熱合成法により得られたFeに対
し9.52モル%のBa、9.1モル%のCoを含有する板状Baフ
ェライト微粒子100gを0.16molのZrO(NO水溶液中
に分散混合し、95℃において1時間加水分解することに
より粒子表面にジルコニウムの水酸化物を沈着させた
後、別、乾燥し、次いで、800℃において1.0時間加熱
焼成した。
加熱焼成して得られた微粒子は、平均径0.05μmであっ
て、比表面積67m/gであり、磁性は、抗磁力Hcが595
Oe、磁化値が54.5emu/gであった。また、ジルコニウム
固溶量は、螢光X線分析の結果、1.4重量%であって、
水可溶性Ba分は化学分析の結果、85ppmであった。この
微粒子粉末は、X線回折の結果、板状Baフェライト微粒
子粉末中に微量のBaZrが混在していた。
尚、ジルコニウムの水酸化物を沈着させなかった以外
は、上記と同様にして得られた板状Baフェライト微粒子
は、平均径が0.08μmであって、比表面積19m/gであ
り、磁性は、抗磁力が1580 Oe、磁化値が54.0emu/gで
あった。
実施例4 水熱合成法により、Feに対し10.0モル%のBa、9モル%
のCo及び2モル%のTiを含有する板状Baフェライト微粒
子を得た。
得られた微粒子100gを0.04molのZrOCl水溶液中に分散
混合し、pH4において粒子表面にジルコニウムの水酸化
物(Zr換算で4重量%に該当する。)を沈澱させ後、
別、乾燥した。
次いで、この乾燥粒子粉末を800℃において1.5時間加熱
焼成した。
加熱焼成して得られた微粒子は、平均径0.08μmであっ
て比表面積が65m/gであり、磁性は抗磁力Hcが730 O
e、磁化値が50.3emu/gであった。また、ジルコニウム固
溶量は、螢光X線分析の結果、4.1重量%であって、水
可溶性Ba分は化学分析の結果、58ppmであった。
尚、ジルコニウムの水酸化物を沈着させなかった以外
は、上記と同様にして得られたCo及びTiを含有した板状
Baフェライト微粒子は、平均径が0.15μmであって、比
表面積が19m/gであり、磁性は、抗磁力が1130 Oe、
磁化値が53.5emu/gであった。
比較例1 Co及びTiを含有する板状Baフェライト微粒子にジルコニ
ウムの水酸化物を沈着させず、且つ、加熱焼成温度を92
0℃とした以外は実施例1と同様にして板状Baフェライ
ト微粒子を得た。
得られた板状Baフェライト微粒子のBET比表面積は18m
/gであり、加熱焼成前の板状Baフェライト微粒子のBET
比表面積85m/gに比べ大幅に低下しており、粒子及び
粒子相互間で焼結が生起したものであった。
また、磁性は、抗磁力Hcが1350 Oe、磁化値が56.0emu/
gであった。
比較例2 Fe(NO0.7mol、Co(NO0.05mol、ZrO(N
O0.05mol及びBa(OH)・8HO0.07molとNaOH8.
4molとのアルカリ性懸濁液をオートクレーブ中で250℃
まで加熱し、機械的に撹拌しつつこの温度に3時間保持
し、沈澱物を生成させた。室温にまで冷却後、沈澱を
別し、十分水洗した後、乾燥した。
得られた粒子粉末は、図2に示すX線回折の結果、主と
してBaZr及びα‐Feが生成混在してお
り、Baフェライトのピークは認められなかった。図2
中、ピークAはBaZr、ピークBはα‐Fe
であった。
比較例3 ジルコニウムの水酸化物を沈着させなかった以外は、実
施例2と同様にして得られた板状Baフェライト微粒子10
0gを0.004molのZrOSOを含む水溶液中に分散混合し、p
H6.0において粒子表面にジルコニウムの水酸化物を沈着
させた後、別し、150℃で乾燥した。
得られた板状Baフェライト微粒子は、平均径0.2μmで
あり、磁性は、抗磁力Hcが2020 Oe、磁化値が52.0emu/
gであった。
比較例4 150℃で乾燥する代わりに500℃で焼成した以外は、比較
例3と同にして板状Baフェライト微粒子粉末を得た。
得られた板状Baフェライト微粒子は、平均径0.2μmで
あって比表面積が18m/gであり、磁性は、抗磁力Hcが1
950 Oe、磁化値が53.0emu/gであった。
〔効果〕
本発明に係る板状Baフェライト粒子粉末は、前出実施例
に示した通り、粒子表面に近傍のみにジルコニウムが固
溶しているジルコニウム固溶Baフェライト層を形成して
いる平均径0.05〜0.3μm、比表面積が30m/g以上を有
する板状微粒子であり、10KOeの磁場における磁化値が
大きく、抗磁力Hcが300〜1500 Oeであって、しかも水
可溶性Ba分の含有量が可及的に少ないものであるから、
磁気記録用磁性材料、特に、垂直磁気記録用材料として
最適である。
【図面の簡単な説明】
図1及び図2は、いずれもX線回折図であり、図1は実
施例1において得られた粒子粉末、図2は比較例2にお
いて得られた粒子粉末である。図1中、ピークAはBaフ
ェライト、ピークBはBaZrである。図2中、ピ
ークAはBaZr、ピークBはα‐Feであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−63531(JP,A) 特開 昭58−60506(JP,A) 特開 昭58−56302(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径が0.05〜0.3μmであって、粒子
    表面近傍のみにジルコニウムが固溶しているジルコニウ
    ム固溶Baフェライト層を形成している板状Baフェライト
    微粒子からなる磁気記録用板状Baフェライト微粒子粉
    末。
  2. 【請求項2】板状Baフェライト微粒子をジルコニウムの
    水酸化物を含む水溶液中に懸濁させ、粒子表面にジルコ
    ニウムの水酸化物が沈着している板状Baフェライト微粒
    子を得、該粒子を濾別、乾燥し、次いで、700〜1000℃
    の温度範囲で加熱焼成することにより、平均粒径が0.05
    〜0.3μmであって、前記板状Baフェライト微粒子の粒
    子表面近傍のみにジルコニウムが固溶しているジルコニ
    ウム固溶Baフェライト層を形成している板状Baフェライ
    ト微粒子を得ることを特徴とする磁気記録用板状Baフェ
    ライト微粒子粉末の製造法。
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