JPH0761240A - 自動車用ドアグラスラン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 接着基部にサッシュから剥離する方向の応力
が生じるのを防止する。耐久性を高める。 【構成】 接着基部５に、先端がサッシュ２の開口部外
側に延出する断面Ｌ字状の支柱部８を延設する。支柱部
８の先端に、先端がサッシュ２の開口部内側方向に延出
して昇降ガラス７に密接するリップ部６を延設する。支
柱部８とリップ部６の連接部分にノッチ９を設ける。昇
降ガラス７によるリップ部６の引き込み力を、断面Ｌ字
状の支柱部８によって接着基部５をサッシュ２の側壁
３，４に押し付ける力に換える。昇降ガラス７によるリ
ップ部６の引き込み力が支柱部８に過大に作用するのを
低剛性のノッチ９部分によって緩和する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、昇降ガラスを密接状態
でガイドする自動車用ドアグラスランに関する。

【０００２】

【従来の技術】この種のドアグラスランとしては、従
来、例えば、図３，図４に示すようなものが開発されて
いる。

【０００３】このドアグラスラン１は、断面コ字状の金
属製のサッシュ２と共に同時押出によって一体に形成さ
れたもので、サッシュ２の両側壁３，４に接着される接
着基部５と、この接着基部５からサッシュ２の開口部内
側に延出するリップ部６とから構成されている。そし
て、昇降ガラス７に対してはリップ部６の先端が弾接
し、このリップ部６によって昇降ガラス７の昇降動作を
ガイドすると共に、サッシュ２と昇降ガラス７の間を密
封するようになっている。

【０００４】尚、この技術は、例えば特開平５−３８９
４４号公報等に開示されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のド
アグラスラン１においては、昇降ガラス７に密接するリ
ップ部６が接着基部５から直接延設された構造となって
いるため、昇降ガラス７がサッシュ２の一方の側壁側に
偏った状態で昇降動作をすると、図５に示すように、昇
降ガラス７に強接触したリップ部６を通して接着基部５
が引き込まれ、接着基部５にサッシュ２の側壁から剥離
するような応力が作用することとなる。

【０００６】そこで本発明は、昇降ガラスがリップ部に
強接触した状態で昇降動作をしても接着基部にサッシュ
から剥離する方向の応力が作用しないようにして、経時
使用によっても劣化の生じにくい自動車用ドアグラスラ
ンを提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上述した課題を
解決するための手段として、断面コ字状のサッシュの側
壁に接着されて昇降ガラスを密接状態でガイドする自動
車用ドアグラスランにおいて、サッシュの側壁に接着さ
れる接着基部に、先端がサッシュの開口部外側方向に延
出する断面Ｌ字状の支柱部を延設すると共に、この支柱
部の先端に、先端がサッシュの開口部内側方向に延出し
て昇降ガラスに密接するリップ部を設け、支柱部とリッ
プ部の連接部分にノッチを設けるようにした。

【０００８】

【作用】支柱部とリップ部の連接部分はノッチが設けて
あるために低剛性となっており、そのためにリップ部が
昇降ガラスに引き込まれても支柱部には大きな応力が作
用しない。また、昇降ガラスによるリップ部の引き込み
力が大きくなった場合には、断面Ｌ字状の支柱部に作用
する力が接着基部をサッシュの側壁に押し付ける力とし
て働く。

【０００９】

【実施例】次に、本発明の一実施例を図１，図２に基づ
いて説明する。尚、図３，図４に示した従来のものと同
一部分には同一符号を用いるものとする。

【００１０】図面において、２は、自動車のドア本体に
取り付けられるロアサッシュ等の断面コ字状のサッシュ
であり、１１は、このサッシュ２の両側壁３，４に夫々
接着された本発明にかかるドアグラスランである。これ
らドアグラスラン１１とサッシュ２とは同時押出によっ
て接着一体化されている。

【００１１】ドアグラスラン１１は、サッシュ２の側壁
３，４内面に接着される接着基部５と、この接着基部５
の一端からサッシュ２の開口部外側方向に断面Ｌ字状に
延出する支柱部８と、この支柱部８の先端からサッシュ
２の開口部内側方向に延出するリップ部６とを備え、支
柱部８とリップ部６の連接部分の内側（サッシュ２側）
には、この部分の剛性を低下させるためのノッチ９が形
成されている。リップ部６は昇降ガラス７の昇降動作の
ガイドと、このガラス７とサッシュ２の間の密封を行う
もので、図１の鎖線で示すように昇降ガラス７の側縁部
に対して先端部が弾接するようになっている。尚、図中
１０は、サッシュ２の内側底面に接着され、昇降ガラス
７の側端面が当接する弾性部材である。

【００１２】以上のような構成であるため、昇降ガラス
７の昇降動作に伴うがた付き等により昇降ガラス７がサ
ッシュ２の一方の側壁方向に変位すると、この昇降ガラ
ス７の変位した側のドアグラスラン１１は、昇降ガラス
７の押圧によって、最初、剛性の低いノッチ９部分を中
心にリップ部６が弾性変形し、リップ部６がある程度以
上に弾性変形すると、図２に示すように支柱部８の先端
側（支柱部８とリップ部６の連接部近傍）が昇降ガラス
７の変位方向と同方向に弾性変形する。この状態では、
ドアグラスラン１１の弾性反力が強くなるため、リップ
部６と昇降ガラス７は強接触している。

【００１３】この状態において昇降ガラス７が昇降動作
すると、リップ部６の先端が昇降ガラス７によって引き
込まれるようになるが、リップ部６と支柱部８の連接部
分の剛性がノッチ９によって低く設定されているため、
このときリップ部６の引き込みに伴って連接部分が柔軟
に変形する。このため、リップ部６の引き込みに伴う支
柱部８での応力の発生は連接部分の変形によって緩和さ
れる。

【００１４】また、リップ部６の引き込みが強力な場合
には、支柱部８にもリップ部６の引き込み力が僅かに作
用するようになるが、支柱部８が断面Ｌ字状であること
から、この引き込み力は接着基部５をサッシュ２の側壁
に押圧する力として働くようになる。したがって、この
ドアグラスラン１１においては、リップ部６が昇降ガラ
ス７によって引き込まれても、接着基部５に剥離方向の
応力が作用することがないため、経時使用にも充分に耐
えることができる。また、このドアグラスラン１１にあ
っては、上記のように接着基部５に剥離方向の応力が作
用しないことから、接着基部５を図１，図２に示すよう
にサッシュの内側面のみに接着するようにしても充分に
実用に耐えることができる。こうした場合、接着基部５
をサッシュ２の壁側外面に延設しない分、使用する材料
量を削減して製造コストの低下を図ることができる。

【００１５】

【発明の効果】以上のように本発明は、サッシュの側壁
に接着される接着基部に、先端がサッシュの開口部外側
方向に延出する断面Ｌ字状の支柱部を延設すると共に、
この支柱部の先端に、先端がサッシュの開口部内側方向
に延出して昇降ガラスに密接するリップ部を設けたこと
から、昇降ガラスによるリップ部の引き込み力を断面Ｌ
字状の支柱部によって接着基部をサッシュの側壁に押し
付ける力に換えることができ、しかも、支柱部とリップ
部の連接部分にノッチを設けたことから、昇降ガラスに
よるリップ部の引き込み力が支柱部に過大に作用するの
を低剛性のノッチ部分によって緩和することができる。
したがって、本発明によれば、昇降ガラスがリップ部に
強接触した状態で昇降動作をしても接着基部に剥離方向
の大きな応力が作用することがなくなり、従来のものに
比較して耐久性が大幅に向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す図３のＡ−Ａ線に沿う
断面図。

【図２】同実施例を示す断面図。

【図３】自動車の側面図。

【図４】従来の技術を示す図３のＡ−Ａ線に沿う断面
図。

【図５】同技術を示す断面図。

【符号の説明】

２…サッシュ、 ３，４…側壁、 ５…接着基部、 ６…リップ部、 ７…昇降ガラス、 ８…支柱部、 ９…ノッチ、 １１…ドアグラスラン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 断面コ字状のサッシュの側壁に接着され
   て昇降ガラスを密接状態でガイドする自動車用ドアグラ
   スランにおいて、サッシュの側壁に接着される接着基部
   に、先端がサッシュの開口部外側方向に延出する断面Ｌ
   字状の支柱部を延設すると共に、この支柱部の先端に、
   先端がサッシュの開口部内側方向に延出して昇降ガラス
   に密接するリップ部を設け、支柱部とリップ部の連接部
   分にノッチを設けたことを特徴とする自動車用ドアグラ
   スラン。