JPH0760153B2 - ケイ酸イオンの分析方法および装置 - Google Patents

ケイ酸イオンの分析方法および装置

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JPH0760153B2
JPH0760153B2 JP1326943A JP32694389A JPH0760153B2 JP H0760153 B2 JPH0760153 B2 JP H0760153B2 JP 1326943 A JP1326943 A JP 1326943A JP 32694389 A JP32694389 A JP 32694389A JP H0760153 B2 JPH0760153 B2 JP H0760153B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、ボイラに使用する水や、半導体工業で使用
する水などに含まれているケイ酸イオン(HSiO3 -、H3Si
O4 -など)を定量分析する方法および装置に関する。
〈従来の技術〉 たとえば、ボイラに使用する水には、効率の向上や装置
保護の観点から、また、半導体工業で使用する水には、
製造収率の向上や製品の信頼性の向上の観点から、全二
酸化ケイ素の濃度が低いことが要求されている。しかし
ながら、水中の全二酸化ケイ素を直接的に定量する方
法、手段には、現状では簡単かつ高感度なものがない。
そのため、ケイ酸イオンを定量し、それから全二酸化ケ
イ素量を求めることが行われている。
ところで、そのような、水中のケイ酸イオンの定量分析
には、従来、JIS K 0101に準じた、モリブデン青吸光光
度法が用いられている。この方法は、水中に溶存してい
るケイ酸イオンが酸性領域においてモリブデン酸アンモ
ニウムと反応してモリブデン黄を生成することを利用
し、そのモリブデン黄を4−アミノ−3−ヒドロキシ−
1−ナフタレンスルホン酸等の還元剤で還元することに
よってモリブデン青となし、その吸光度を測定するもの
である。この方法は特開昭57−207851号公報に記載され
ているが、ケイ酸イオンの検出下限は、SiO2としてせい
ぜい50ppbにすぎず、感度が低くて、ボイラや半導体工
業で使用する水中のケイ酸イオンを分析する方法として
は十分でない。
一方、特開昭62−39769号公報は、ケイ酸イオンをモリ
ブデン青とした後、それを陰イオン交換樹脂を充填した
濃縮カラムで濃縮し、さらに電解質溶離液で溶離して吸
光度を測定する方法を記載している。しかしながら、こ
の方法は、ケイ酸イオンをモリブデン青とするときに、
それ以外の、リン、ヒ素等のイオンも同時にモリブデン
青に変換されてしまうので、これらの、いわゆる妨害成
分を含むものに対しては適用が難しい。
〈発明が解決しようとする課題〉 この発明の目的は、従来技術の上述した問題点を解決
し、水中のケイ酸イオンを、いわゆる妨害成分の影響を
受けることなく高感度で分析することができる、ケイ酸
イオンの分析方法および装置を提供するにある。
〈課題を解決するための手段〉 上記目的を達成するために、この発明は、陰イオン交換
樹脂を内蔵する濃縮カラムに被験水を通し、その被験水
中に含まれているケイ酸イオンを上記イオン交換樹脂で
吸着し、濃縮する工程と、上記濃縮カラムに対する上記
被験水の供給を停止した後、その濃縮カラムに電解質溶
離液を通し、上記イオン交換樹脂に吸着されているケイ
酸イオンを溶離する工程と、その、ケイ酸イオンを含む
電解質溶離液を陰イオン交換樹脂を内蔵する分離カラム
に通し、ケイ酸イオンと他のイオンとを時系列的に分離
する工程と、その、時系列的に分離されたイオンを含む
電解質溶離液を発色試薬と混合し、ケイ酸イオンを発色
させて、その発色の強さからケイ酸イオンを定量する工
程とを含むことを特徴とする、ケイ酸イオンの分析方法
を提供する。
また、この発明は、切替弁と、この切替弁に接続して設
けた、被験水供給ライン、電解質溶離液供給ライン、お
よび、陰イオン交換樹脂を内蔵した濃縮カラムと、上記
切替弁に入側を接続して設けた、陰イオン交換樹脂を内
蔵した分離カラムと、上記分離カラムの出側に接続して
設けた、発色試薬供給ラインおよび発色反応器と、上記
発色反応器に接続して設けた吸光光度計とを有し、上記
分離カラムによって、被験水中に含まれているケイ酸イ
オンを他のイオンと時系列的に分離して上記発色反応器
に送り込むようにしたことを特徴とする、ケイ酸イオン
の分析装置を提供する。
この発明を詳細に説明するに、この発明においては、ま
ず、ケイ酸イオンを含む被験水を、被験水供給ラインか
ら、切替弁を介して、陰イオン交換樹脂を内蔵する濃縮
カラムに通し、被験水中に含まれているケイ酸イオンを
その陰イオン交換樹脂で吸着し、濃縮する。これと同時
に、電解質溶離液を、電解質溶離液供給ラインから切替
弁に導き、さらに、後述する分離カラムへと導く。濃縮
カラムを通った被験水は、切替弁を介して系外に排出す
る。切替弁としては、6個のポートを備えた6方切替弁
が適している。なお、この切替弁をはじめ、装置の、被
験水や電解質溶離液が接触する配管、ポンプ、その他の
部材は、それら被験水や電解質溶離液にケイ酸イオンが
混入することがないよう、少なくとも接触面を、ケイ素
を含まない、ポリ四フッ化エチレン、ポリエチレン等の
樹脂や、ルビー、サファイヤ等のセラミックスなどで構
成するのが好ましい。また、被験水や電解質溶離液の供
給用ポンプは、定流量ポンプである必要があるのはもち
ろんであるが、後述する実施例にも示すように供給量が
極くわずかであることから、供給ムラを生ずることがな
いよう、脈動の小さいものであるのがよく、ダブルプラ
ンジャポンプなどを使用するのが好ましい。配管の圧力
損失を大きくするなどして、脈動を平滑化するようにす
るのも好ましいことである。さらに、やはり供給むらを
防止するため、被験水矢視図電解質溶離液は脱気して供
給するようにするのが好ましい。
上記において、陰イオン交換樹脂は、現状では、四級ア
ンモニウム基を交換基とする強塩基性陰イオン交換樹脂
がほとんど唯一のものである。その、四級アンモニウム
基を交換基とする強塩基性陰イオン交換樹脂は、ポリエ
チレンを島成分とし、イオン交換用ポリマー、たとえば
トリメチルアンモニウム化ポリスチレンを海成分とする
多芯海島型複合繊維や、スチレンとジビニルベンゼンと
の共重合体や、アクリレート系樹脂や、メタアクリレー
ト系樹脂などにイオン交換基としてトリメチルアミンを
導入したようなものである。トリメチルアミンのメチル
基の一部が、アルカノール基やアルキル基で置換されて
いるものであってもよい。
また、電解質溶離液としては、水酸化カリウム、水酸化
ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化
物の水溶液や、エチレンジアミンなどのアミンの水溶液
を使用することができる。電解質溶離液の濃度は、濃縮
カラム内の陰イオン交換樹脂の量などによっても異なる
ものの、陰イオン交換樹脂の寿命や、後述する検出感
度、溶出時間などを考えると、0.1〜10mmol/lの範囲で
あるのが好ましい。特に、水酸化カリウムの水溶液を用
いる場合には、0.5〜3mmol/lの範囲が好ましい。
この発明においては、次に、切替弁を切り替えて濃縮カ
ラムに対する被験水の供給を停止するとともに、上述し
た電解質溶離液の流れを、好ましくは、濃縮カラム中を
被験水の流れ方向とは逆方向に流れ、さらに、陰イオン
交換樹脂を内蔵する分離カラムへと至る流れに変える。
逆方向に流すのは、そうしたほうが、同方向に流す場合
よりも分析精度が向上するからである。このとき、被験
水は、切替弁を介して系外に排出する。
濃縮カラムに導かれた電解質溶離液は、濃縮カラム内の
陰イオン交換樹脂に吸着されているケイ酸イオンを溶離
し、さらに分離カラムへと運ぶ。そうして、溶離したケ
イ酸イオンを、この分離カラムで他のイオンと時系列的
に分離する。したがって、分離カラムからは、時系列的
に分離された各種イオンを含む電解質溶離液が流れ出て
くる。
上記において、分離カラムには、濃縮カラムに使用した
のと同様の強塩基性陰イオン交換樹脂を使用することが
できる。また、ポリメタクリレート系ゲル等の親水性ポ
リマーゲルにトリメチルアミン等の四級アンモニウム基
を導入したものを使用することができる。
次に、発色試薬供給ラインから供給される、好ましく
は、後述する、20〜100℃の範囲の発色反応温度まで予
熱された発色試薬を、分離カラムからの電解質溶離液と
混合し、その混合液を発色反応器に導く。すると、発色
反応器において、分離カラムで分離され、電解質溶離液
の流れの特定の部分に含まれているケイ酸イオンが発色
試薬と反応して発色するので、その、ケイ酸イオンの濃
度に比例する発色の強さを吸光光度計で吸光度として定
量する。
発色試薬は、ケイ酸イオンと反応してそれを発色せしめ
るもので、0.1〜10mmol/lのモリブデン酸アンモニウム
と、50〜150mmol/lの硫酸または100〜300mmol/lの塩酸
との混合液を使用することができる。そうして、ケイ酸
イオンは発色試薬中のモリブデン酸アンモニウムと反応
してモリブドケイ酸を生成する。このとき、モリブデン
酸アンモニウムの濃度が低すぎると発色反応の速度が遅
くなり、逆に高すぎると、速度は高くなるものの析出物
が多くなる。なお、上述した、吸光光度計における測定
波長は、370〜420nm程度であるが、モリブデン酸アンモ
ニウムとモリブドケイ酸との吸光係数の比や、吸光光度
計の光源の寿命などを考慮すると、380〜410nmの範囲が
適している。また、この発明においては、2個の発色反
応器を直列に接続して使用することもできるが、その場
合、2個の発色反応器の間で、5〜100mmol/lの、1ア
ミノ・2ナフトール4スルホン酸、亜硫酸ナトリウム、
塩化錫、ヒドロキノンなどの還元剤を添加すると、検出
感度がより高くなるので好ましい。この場合の測定波長
は、600〜850nm程度が適している。特に、還元剤として
1アミノ・2ナフトール4スルホン酸を用いる場合に
は、810nm付近に定めるのがよい。
発色反応器は、たとえば、内径が0.25〜1.0mm、長さが
1〜15mほどの、ケイ酸イオンの混入の心配がない樹
脂、たとえばポリ四フッ化エチレンやポリエチレンの管
や、内面にポリエチレンをコーティングしたステンレス
管などをコイル状に巻いたようなものである。そうし
て、発色反応器は、発色反応をより安定化させ、また、
検出感度をより向上させるために、複数個を直列に接続
して用いることもできる。なお、発色反応時の温度は、
高いほど短時間で発色がピークに達するが、退色の速度
もまた、早くなるので、20〜100℃の範囲にするのが好
ましい。
発色の強さからケイ酸イオン濃度を求めるには、ケイ酸
イオン濃度が既知の試料について作成した検量線を用い
ればよい。
〈実施態様〉 第1図において、切替弁1には、加圧コイル10およびポ
ンプ2を有する被験水供給ライン3が接続されている。
切替弁1は、6個のポートa〜fを備えた6方切替弁で
あり、被験水供給ライン3はそのポートaに接続されて
いる。
切替弁1には、また、そのポートdに、加圧コイル5、
ポンプ4、脱気器19を有する電解質溶離液供給ライン6
が接続されている。この電解質溶離液供給ライン6に
は、電解質溶離液タンク27が接続され、その電解質溶離
液タンク27には炭酸ガストラップ28が付設されている。
脱気器19は、ポンプ24を有する空気ドレンライン30に接
続された筐体にポリ四フッ化エチレンなどからなる多孔
質管を収容してなるようなもので、ポンプ24によって減
圧された筐体内の多孔質管内を電解質溶離液が流れると
き、その電解質溶離液から上記多孔質管の孔を介して脱
気することができるものであるが、必須のものではな
い。また、炭酸ガストラップ28は、大気中の炭酸ガスが
電解質溶離液に吸収されるのを防止するものであるが、
これもまた、なくてもよい。
また、切替弁1には、そのポートb、e間に、陰イオン
交換樹脂を内蔵した濃縮カラム7が接続されている。
さらに、切替弁1のポートfには、背圧コイル20を有す
る試料排出ライン25が接続されている。
さらにまた、切替弁1のポートcには、陰イオン交換樹
脂を内蔵した分離カラム8がその入側において接続され
ている。
上述した切替弁1、濃縮カラム7、分離カラム8、およ
び、後述する冷却コイル22は、恒温槽9に入れられ、分
析中それらを20〜60℃の範囲の一定温度に維持すること
ができるようになっている。
一方、分離カラム8の出側は、混合点11において、予備
加熱コイル21、加圧コイル17、ポンプ12、および、上記
と同様の脱気器18を有する発色試薬供給ライン13に接続
されている。この発色試薬供給ライン13には、発色試薬
タンク29が接続されている。また、上記混合点11は発色
反応器16に接続され、その発色反応器16は冷却コイル22
を介して吸光光度計15に接続されている。上記発色反応
器16および予備加熱コイル21は、恒温槽14に入れられ、
分析中、それらを20〜100℃の範囲の一定温度に維持す
ることができるようになっている。また、吸光光度計15
には、背圧コイル23を有するドレンライン26が接続され
ている。
上述した装置によるケイ酸イオンの分析は、次のように
して行う。
すなわち、まず、被験水供給ライン3から、ポンプ2に
よって、被験水を、加圧コイル10による圧力損失を付与
しながら、切替弁1のポートa、bを介して濃縮カラム
7に供給し、被験水中に含まれているケイ酸イオンを、
濃縮カラム7に内蔵されている陰イオン交換樹脂で吸着
し、濃縮する。濃縮カラム7を通った被験水は、切替弁
1のポートe、fを介し、背圧コイル20による圧力損失
を付与しつつ、試料排出ライン25を介して系外に排出す
る。このとき同時に、切替弁1に、電解質溶離液タンク
27から、電解質溶離液を、ポンプ4によって、脱気器19
によって脱気しながら、また、加圧コイル5による圧力
損失を付与しながらポートdを介して切替弁1に導き、
さらにポートcを介して分離カラム8、混合点11へと導
く。
一方、発色試薬供給ライン13から、発色試薬タンク29内
の発色試薬を、ポンプ12によって、脱気器18によって脱
気しながら、また、加圧コイル17による圧力損失を付与
しながら、予備加熱コイル21によって発色反応器16によ
る反応温度まで予備加熱した後に混合点11に導き、その
混合点11で上記分離カラム8からの電解質溶離液と混合
し、発色反応器16に導き、さらに、冷却コイル22によっ
て吸光光度計15の温度近くまで冷却した後にその吸光光
度計15へと導く。そうして、この吸光光度計15によっ
て、ケイ酸イオンが含まれていない混合液について、い
わゆるブランク状態の分析を行う。混合液は、分析後、
ドレンライン26を介して、背圧コイル23による背圧を付
与しながら系外に排出する。
次に、切替弁1を切り替えて濃縮カラム7に対する被験
水の供給を停止するとともに、電解質溶離液供給ライン
6から切替弁1のポートd、cを通っていた電解質溶離
液の流れを、切替弁1のポートd、eを通って濃縮カラ
ム7中を被験水の流れ方向とは逆方向に流れ、さらにポ
ートb、cを通って分離カラム8へと至る流れに変え
る。このとき、被験水は、切替弁1のポートa、f、試
料排出ライン25を介して系外に排出する。
濃縮カラム7のイオン交換樹脂に吸着されているケイ酸
イオンは、電解質溶離液によって溶離され、分離カラム
8へと運ばれてくる。そうして、この分離カラム8で、
ケイ酸イオンとそれ以外のイオンとを時系列的に分離す
る。
次に、分離カラム8から流れ出てくる、時系列的に分離
された各種イオンを含む電解質溶離液を、混合点11で、
予備加熱コイル21によって発色反応温度まで予熱されて
いる発色試薬と混合し、発色反応器16に導く。すると、
ケイ酸イオンが発色試薬と反応して発色反するので、そ
の発色の強さを吸光光度計15で定量する。すなわち、電
解質溶離液の流れの中で、ケイ酸イオンを含む部分がく
ると、発色反応器16内でケイ酸イオンと発色試薬とが反
応して発色するので、その発色の強さを吸光光度計15で
定量するわけである。これによって、被験水中に含まれ
ているケイ酸イオンを定量分析できる。
〈実施例〉 第1図に示した装置を用いて、ケイ酸イオンを定量分析
した。
すなわち、四級アンモニウム基を交換基とする、東レ株
式会社製陰イオン交換樹脂TIN-200を、内径3mm、長さ10
mmの濃縮カラムに50mg充填した。上記イオン交換樹脂
は、トリメチルアンモニウムメチル化ポリスチレンから
なるもので、繊維状をしている。
次に、上記濃縮カラムを第1図に示した装置に組み込
み、その濃縮カラムに、低濃度のケイ酸イオンを含む被
験水を0.5ml/分の速度で10分間流した。
次に、電解質溶離液として1.5mmol/lの水酸化カリウム
水溶液を用い、その水溶液を、被験水を流した方向とは
逆の方向から0.5ml/分の速度で濃縮カラムに導入し、さ
らに、分離カラム(東ソー株式会社製TSK IC Anion P
W、内径:4.6mm、長さ:50mm)に導き、ケイ酸イオンと他
のイオンとを分離した。なお、上記濃縮カラムおよび分
離カラムは、いずれも40℃に維持した。
一方、発色試薬として、1mmol/lのモリブデン酸アンモ
ニウムと、75mmol/lの硫酸とを含む水溶液を用い、それ
を0.5ml/分の速度で供給しながら上記分離カラムからの
電解質溶離液と混合し、発色反応器でケイ酸イオンとモ
リブデン酸アンモニウムとを反応させて発色させ、その
発色の強さを、吸光光度計で波長380nmにおける吸光度
として定量分析した。なお、吸光光度計は、株式会社島
津製作所製紫外・可視分光光度計SD-6AVを、また、光源
にはハロゲンランプをそれぞれ用いた。また、発色反応
器としては、長さ10mの、内径0.5mmのポリ四フッ化エチ
レン管をコイル状に巻いたものを使用し、それを恒温槽
で100℃に維持した。
分析結果を第2図に示す。第2図において、横軸のCは
被験水中におけるSiO2としてのケイ酸イオンの濃度(pp
b)であり、縦軸のAは吸光度(×10-4Au)である。こ
の第2図から、この発明によれば、高感度で分析を行う
ことができることがわかる。
(発明の効果) この発明は、分離カラムを用いて、ケイ酸イオンを、い
わゆる妨害成分となる他のイオンと分離した後に定量す
るものであるから、実施例にも示したように、水中のケ
イ酸イオンを高感度で分析することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施態様を示す概略ブロック
図、第2図は、実施例におけるケイ酸イオンの分析結果
を示すグラフである。 1:切替弁 2:ポンプ 3:被験水供給ライン 4:ポンプ 5:加圧コイル 6:電解質溶離液供給ライン 7:濃縮カラム 8:分離カラム 9:恒温槽 10:加圧コイル 11:混合点 12:ポンプ 13:発色試薬供給ライン 14:恒温槽 15:吸光光度計 16:発色反応器 17:加圧コイル 18:脱気器 19:脱気器 20:背圧コイル 21:予備加熱コイル 22:冷却コイル 23:背圧コイル 24:ポンプ 25:試料排出ライン 26:ドレンライン 27:電解質溶離液タンク 28:炭酸ガストラップ 29:反応試薬タンク 30:空気ドレンライン
フロントページの続き (72)発明者 井垣 浩侑 滋賀県大津市北大路3丁目9番27号 (72)発明者 柏山 勉 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レエ ンジニアリング株式会社滋賀事業場内 (72)発明者 仁科 利男 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 審査官 柏崎 康司 (56)参考文献 特開 昭60−61656(JP,A) 特開 昭62−255865(JP,A) 特開 昭62−39769(JP,A) 特開 昭57−207851(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陰イオン交換樹脂を内蔵する濃縮カラムに
    被験水を通し、その被験水中に含まれているケイ酸イオ
    ンを上記イオン交換樹脂で吸着し、濃縮する工程と、上
    記濃縮カラムに対する上記被験水の供給を停止した後、
    その濃縮カラムに電解質溶離液を通し、上記イオン交換
    樹脂に吸着されているケイ酸イオンを溶離する工程と、
    その、ケイ酸イオンを含む電解質溶離液を、陰イオン交
    換樹脂を内蔵する分離カラムに通し、ケイ酸イオンと他
    のイオンとを時系列的に分離する工程と、その、時系列
    的に分離されたイオンを含む電解質溶離液を発色試薬と
    混合し、ケイ酸イオンを発色させて、その発色の強さか
    らケイ酸イオンを定量する工程とを含むことを特徴とす
    る、ケイ酸イオンの分析方法。
  2. 【請求項2】切替弁と、この切替弁に接続して設けた、
    被験水供給ライン、電解質溶離液供給ライン、および、
    陰イオン交換樹脂を内蔵した濃縮カラムと、上記切替弁
    に入側を接続して設けた、陰イオン交換樹脂を内蔵した
    分離カラムと、上記分離カラムの出側に接続して設け
    た、発色試薬供給ラインおよび発色反応器と、上記発色
    反応器に接続して設けた吸光光度計とを有し、上記分離
    カラムによって、被験水中に含まれているケイ酸イオン
    を他のイオンと時系列的に分離して上記発色反応器に送
    り込むようにしたことを特徴とする、ケイ酸イオンの分
    析装置。
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