JP2003083896A - 化学発光による分析方法および装置 - Google Patents

化学発光による分析方法および装置

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JP2003083896A JP2001277051A JP2001277051A JP2003083896A JP 2003083896 A JP2003083896 A JP 2003083896A JP 2001277051 A JP2001277051 A JP 2001277051A JP 2001277051 A JP2001277051 A JP 2001277051A JP 2003083896 A JP2003083896 A JP 2003083896A
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Ikuo Sakurada
郁雄 桜田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ルテニウム等の錯体の化学発光を利用した
分析において、分析誤差を小さくし、特に被検試料中の
被検成分の濃度が低くなったときの分析値の再現性を向
上させる。 【解決手段】 ルテニウムまたはオスミウムと芳香族窒
素複素環配位体との錯体溶液を連続的に酸化してルテニ
ウムまたはオスミウムの酸価数を増加させ、次いでこの
酸化体と被検試料とを混合装置に導入して混合液を化学
発光させるさい、前記混合装置を2重管の構成として2
重管が途中で1重の管になることにより合流して混合さ
れるようにする。また酸化体と被検試料の混合液を一定
の温度に加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はルテニウムまたはオ
スミウムとビピリジン等との錯体の化学発光を利用して
アミンやケトンなどを検出する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】化学発光を利用した分析方法は吸光光度
法や蛍光法に比べて高感度であり、また定量範囲が広
い。またさらに発光反応時間が短いため応答速度が早い
などの特徴を有するため高感度検出法として利用が広が
っている。たとえば発光物質として蓚酸エステル、アシ
ルヒドラジド類(ルミノール、イソルミノール)、アク
リジニウム塩類などが知られている。
【0003】さらに電解で発生したイオン種の反応によ
って発光する電解化学発光が選択性、特異性に優れてい
るため適用が注目されている。特に遷移金属と芳香族窒
素複素環配位体、すなわちビピリジン、フェナントロリ
ンなど窒素を配位原子とする芳香族を多く含む配位子と
の錯体については3級アミンやケトン、ケト酸などが高
感度に検出できることが知られている。化学発光を示す
遷移金属と芳香族窒素複素環配位体との錯体における遷
移金属としては、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、
クロム、コバルトなどが知られている。なかでもルテニ
ウム(Ru)およびオスミウム(Os)とビピリジンと
の錯体が特性的に優れており、現在特にルテニウムとの
錯体が一般的に使用されている。したがって以下の説明
においてはルテニウムとビピリジンとの錯体について述
べるが、オスミウムの錯体や他の芳香族窒素複素環配位
体との錯体についても同様である。
【0004】ルテニウム(Ru)とビピリジンとの錯体
であるトリス(2,2´−ビピリジン)ルテニウム(I
I)錯体(以下、[Ru(bpy)32+ と表示す
る)は電解などによる酸化によって酸価数が3の[Ru
(bpy)33+ になる。これが被検試料の物質によ
って還元されて励起状態の2価錯体になるが、これが基
底状態の2価錯体になるときに発光するものである。こ
のとき3価の錯体と還元反応をする物質でも励起状態の
2価錯体を生成しないものは発光に寄与しないため高い
選択性を有することになる。この場合、酸化によって得
られるビピリジン錯体の酸化体は水溶液中では不安定な
ので、ルテニウムのビピリジン錯体を含む溶液を連続的
に酸化装置に供給し、得られた酸化体をただちに混合装
置に供給して試料溶液と接触させて反応せしめる。混合
装置から出た混合液は受光装置に光を送るフローセルに
送られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが本発明者がこ
のような装置により化学発光による分析を多数行なって
きたところ、被検試料中の被検成分の濃度が低く微量に
なるにしたがって分析値の再現性が悪化することが判明
した。また従来から化学発光による分析装置は特に温度
を調節したりぜず室温で使用しているが、室温が変化す
ると発光強度が変化し、それに伴って検出信号とノイズ
の比(S/N比)が変化することが判明した。本発明は
このような問題からルテニウム錯体またはオスミウム錯
体の化学発光を利用した分析において分析誤差を小さく
し、特に被検試料中の被検成分の濃度が低くなったとき
の分析値の再現性を向上させることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するものであって、ルテニウムまたはオスミウムと芳香
族窒素複素環配位体との錯体溶液を酸化装置で連続的に
酸化してルテニウムまたはオスミウムの酸価数を増加さ
せ、次いでこの酸化体と被検試料とを混合装置に導入し
混合液をフローセルに送り、フローセルにおける化学発
光を受光装置により測定する分析装置において、前記混
合装置が、2重管の内管から酸化体と被検試料の一方が
入り、内管と外管との間から他方が入り、2重管が途中
で1重の管になることにより両方が合流して排出される
ように構成されていることを特徴とする化学発光による
分析装置である。
【0007】また本発明は、ルテニウムまたはオスミウ
ムと芳香族窒素複素環配位体との錯体溶液を連続的に酸
化してルテニウムまたはオスミウムの酸価数を増加さ
せ、次いでこの酸化体と被検試料とを混合させてフロー
セルに送り、フローセルにおける化学発光を測定する化
学発光による分析方法において、酸化体と被検試料の混
合液の温度が、混合液が生成されてからフローセルから
排出されるまでの間30℃から45℃の一定の温度に保
持されていることを特徴とする化学発光による分析方法
である。
【0008】またさらに本発明は、ルテニウムまたはオ
スミウムと芳香族窒素複素環配位体との錯体溶液を酸化
装置で連続的に酸化してルテニウムまたはオスミウムの
酸価数を増加させ、次いでこの酸化体と被検試料とを混
合装置に導入し混合液をフローセルに送り、フローセル
における化学発光を受光装置により測定する分析装置に
おいて、前記混合装置およびフローセルを一定の温度に
加熱する温度調節装置が設けられていることを特徴とす
る化学発光による分析装置である。ここにおいて、前記
受光装置に冷却手段を設けたことも特徴とする。また上
記の装置において、先に述べた2重管による混合装置を
併せて有することも特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明が分析の対象とする物質は
化学発光を発生させる特性を有することが必要なことか
ら、先に述べたような3級アミン、ケトン、ケト酸やイ
ンドール化合物などである。3級アミンとしてはたとえ
ばN−メチルピロリジンやN−エチルモルホリンのよう
な単純な化合物のほか、ニコチン、アトロピン、スパル
テインのようなアルカロイド、ペニシリンやリンコマイ
シンのような抗生物質など、多くの生体物質、医薬品が
含まれる。またケトンとしては例えば、2−ペンタノ
ン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、アセトフェノン
などが挙げられ、またケト酸としては例えばビルビン
酸、オキサル酢酸などが挙げられる。
【0010】図4は化学発光による分析装置を示す概念
図であって、本発明の装置も含む一般的なものを示して
いる。図中1は後述の液体クロマトグラフ装置における
溶離液であってポンプ2により一定速度で供給される。
3はインジェクタであって、高速液体クロマトグラフ装
置(HPLC)のカラム4に被検試料を一定量注入す
る。液体クロマトグラフ装置は本発明の分析方法におい
て必須のものではないが、被検試料は一般に2以上の成
分が混合したものが多いので、このHPLCにより試料
溶液中の混合物試料はそれぞれの成分に分離して検出す
ることが可能になる。
【0011】一方、[Ru(bpy)32+ の塩であ
る[Ru(bpy)3 ]Cl2 などを含有する試薬溶液
5はポンプ6で連続的に電解酸化装置7に送られて酸価
数が3の[Ru(bpy)33+ にされる。このよう
にして3価に変換された[Ru(bpy)33+ イオ
ンは不安定であるのでただちに検出装置8に送られ、こ
こで前記のHPLCのカラム4から出た被検試料の溶液
と混合されて化学発光させられる。検出装置8は上記錯
体溶液の酸化体と被検試料との混合装置、透明な管をコ
イルにしたもので混合液の発光を放射させるフローセ
ル、フローセルと対向して設けられてフローセルから放
射された光を検出する受光装置を基本構成としている。
この受光装置においては光電子倍増管やアバランシェフ
ォトダイオードなどにより化学発光が電気信号に変換さ
れ、データ処理装置9に設けられた記録計で記録され
る。なお[Ru(bpy)32+ の酸化は上記のよう
な電解酸化による方法が一般的であるが、硫酸塩などの
酸化剤を添加した[Ru(bpy)32+ 溶液に紫外
線を照射するなどの方法によることもできる。
【0012】ところで上記のような装置により化学発光
による分析を行なうと、先にも述べたように従来からの
装置では被検試料中の被検成分の濃度が低く微量になる
にしたがって分析値の再現性が悪化する。濃度が低くな
れば誤差が相対的に大きくなること自体は統計的なばら
つきの概念からは当然なこととも言えるが、本発明者は
この原因について種々の検討を行い、濃度が低くなるに
したがって分析値の再現性が低下するのは試薬であるル
テニウムまたはオスミウムの錯体の酸化体と被検試料と
の混合状態に原因があることを突き止めた。すなわち再
現性がある発光状態を得るためには被検試料と酸化体と
が分子レベルに至るまで完全に混合することが必要にな
る。しかしながら従来からの混合装置で達成することは
困難である。
【0013】試料溶液は上記のように一般に液体クロマ
トグラフによって展開されたものが順次送り込まれるの
で、微量の被検成分が含まれた溶離液が被検試料とな
る。したがって酸化体と被検試料との混合は大体同じ程
度の容量の液体同士の混合となるが、従来から一般に使
用されている混合装置はミキシングジョイントを称する
ものである。これは3本の管が1箇所で矢印の形に結合
されたものの両側の管から液が入り、中央の管から出て
いくもので、流入から流出において流れの向きが反転す
るので乱流になって混合が促進されるものである。
【0014】これに対し本発明は新規な混合装置を提供
するものであって、図1は本発明の混合装置を示す断面
図である。図中11はミキシングボディで例えば弗素樹
脂やPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)などの耐
薬品性に優れたプラスチックのブロックからなる。ミキ
シングボディ11には2重管内側ジョイント12をねじ
込む大きな径の穴、次いで2重管の外管13の内壁を構
成する穴、混合液の流路である小径の穴14、混合液出
口継手接続孔15が同軸に連続し、貫通孔を構成してい
る。前記のようにミキシングボディ11にねじ込まれた
2重管内側ジョイント12には2重管の内管16を構成
する部分が形成されており、その先端位置は2重管の外
管13の終端位置より短くなっている。また2重管内側
ジョイント12のこれと反対側には前記の混合液出口継
手接続孔と同様の被検試料入口継手接続孔17が2重管
の内管16に流路が通じるように設けられている。さら
に2重管の外管13の内壁には、酸化体の流路である小
径の穴18が2重管の軸と直角に交わる形で貫通してい
る。そしてこの小径の穴18には酸化体入口継手接続孔
19が連続している。なお図中20はシールのためのO
リングである。
【0015】上記のような混合装置において、2重管の
内管16に入った被検試料と、2重管の外管13と内管
16の間隙に入った酸化体は、2重管が内管の先端で1
重の管になることにより合流して混合される。このよう
な混合装置によれば従来のミキシングジョイントによる
混合に比べてより完全な混合が達成できる。なお図1の
装置においては、2重管の内管に被検試料、外管と内管
の間隙に酸化体が導入されるようになっているが、被検
試料と酸化体が逆になっていても原理的に差し支えな
い。
【0016】ところで化学発光による分析における受光
装置からの出力は、被検試料成分が無くても常に存在す
るバックグラウンドのノイズ信号があり、被検試料によ
る信号はこのノイズ信号に重なる形で出てくる。そして
成分の定量は被検試料による信号の絶対値ではなく、被
検試料による信号Sとノイズ信号Nの比、S/Nの値で
行なうことが一般になっている。含有する成分量が同じ
被検試料で繰り返し分析してみると、2重管の混合装置
を使用した場合には従来のミキシングジョイントを使用
した場合と比較して上記S/Nの値が例えば数倍といっ
たように大幅に向上し、その結果として分析値のばらつ
きが小さくなっていることがわかる。すなわち従来のミ
キシングジョイントでは被検試料と酸化体との混合が不
完全で発光に至らないままの被検試料成分が存在してい
たのが、本発明の2重管の混合装置により混合がより完
全になり、微量の被検試料成分も発光に寄与するように
なったと考えられる。
【0017】さらに酸化体と被検試料の混合液の温度
を、混合液が生成されてからフローセルから排出される
までの間たとえば40℃といった温度に加熱保持するこ
とにより分析精度が向上できることが判明した。すなわ
ち酸化体と被検試料の混合液の温度を変化させて同一成
分量の試料を分析すると、10℃といった低い温度から
高温になるに従って前記の被検試料による信号Sとノイ
ズ信号Nの両方とも大きくなる。そしてこの温度上昇に
伴って大きくなる程度が被検試料による信号とノイズ信
号とでは相違し、40℃程度までは被検試料による信号
の方がノイズ信号より大きくなる度合いが大きく、それ
以上の温度になると被検試料による信号はあまり大きく
ならないのにノイズ信号の方が急激に大きくなることが
判明した。その結果、40℃近辺で被検試料による信号
Sとノイズ信号Nの比、S/Nの値が最大となる。した
がって混合液の温度が40℃近辺になるように加温する
と検出感度を増大させることができる。
【0018】なおこの場合、S/Nの値が最大になる温
度は被検試料の種類が変わっても変わらない。混合液を
加熱する温度は40℃近辺を狙うのが最も好ましいが、
30℃から45℃の範囲、好ましくは35℃から45℃
の範囲であれば効果が得られる。また混合液が生成され
てからフローセルから排出されるまでの間上記温度に維
持する必要があるが、予熱を目的として酸化体と被検試
料それぞれを混合装置に入る前から加熱することは好ま
しい。
【0019】またこのように混合液を加温することによ
り、装置を使用開始するさいのウォーミングアップの時
間を短縮できる効果もある。すなわち従来の化学発光に
よる分析装置は電源を投入してから少なくとも1時間程
度は分析値の再現性が安定せず、この間は待機しなけれ
ばならなかった。しかし前記のように混合液を加熱する
ことによってこの待機時間をたとえば半分程度に短縮で
きることが判明した。
【0020】図2は上記のように酸化体と被検試料の混
合液が生成されてからフローセルから排出されるまでの
間一定の温度に加熱するための本発明の装置を示す概念
図である。この装置は先に説明した図4の検出装置8の
中の一部分である混合装置とフローセルを構成してい
る。図2の装置では混合装置として前記の本発明のもの
が示されているが、従来からのミキシングジョイントを
使用しても混合液を加温する効果自体は同様に得られ
る。図2において21は混合装置用保温箱、22はフロ
ーセル用保温箱であって、それぞれ混合装置23、フロ
ーセル24が収納されている。これら保温箱はそれぞれ
断熱材が貼られて内部の熱を保温するようになってい
る。この例では装置の保守等の便宜のため混合装置用保
温箱21とフローセル用保温箱22と2つに分かれてい
るが、両方を合わせて1つの保温箱としても良い。また
混合装置用保温箱21とフローセル用保温箱22とを図
2のように密接させず、ある程度離して設置しても良
い。
【0021】混合装置22にはヒータ25が接触してい
る。ヒータは混合装置と接触させて配置することにより
その間の熱伝達が良好になるので、混合装置に新たに入
ってくる被検試料や酸化体によって絶えず熱が奪われる
のを補償することができる。すなわち混合装置用保温箱
の中の空間に離した状態でヒータを設けるよりも効率的
に混合液を加熱することができる。また混合装置のヒー
タを接触した場所と離れた位置にはヒータの加熱を制御
するための図示しない温度検出器が接触している。温度
検出器はサーミスタ温度計、白金抵抗温度計、熱電対な
ど任意のものが使用できる。なお図中26は被検試料導
入管、27は酸化体導入管、28は混合液出口管、29
は混合液排出管、30は前記の混合液出口管、混合液排
出管とフローセルの配管とを接続するための継手であ
る。
【0022】またフローセル24には近接してヒータ3
1が設けられており、また上記混合装置に設けられたも
のと同様の図示しない温度検出器も設けられている。こ
の温度検出器によりフローセルのヒータ31は混合装置
に設けたヒータ25の加熱温度と同じ温度に制御されて
いる。なお、もし混合装置用保温箱21で加温された混
合液がフローセルから排出されるまでそのままの温度を
維持できれば、フローセル用保温箱22には加熱装置を
設ける必要はないことになる。しかしながら本発明者の
実験では混合装置から出た混合液がフローセルから排出
されるまで温度を維持するように保温することは実際上
困難であるので、図2に示すようにフローセルにも加熱
装置を設けることが好ましい。
【0023】またフローセルには、先に説明した図4の
検出装置8の中の一部分に該当する受光装置が近接して
設けられている。上記のように図2の装置においてはフ
ローセル24には加温された混合液が流れているため、
受光装置にこの熱が移行することになる。受光素子には
光電子増倍管やアバランシェフォトダイオードなどが使
用されるが、いずれにしても高温になるにしたがってバ
ックグラウンドノイズが増加するなど性能に悪影響があ
る。したがって受光装置は冷却することが好ましい。冷
却する温度は低いほうが性能上は好ましいが、コストの
問題があるので、実用上は15℃から20℃程度の設定
温度にすればよい。
【0024】図3は受光装置を冷却するための本発明の
装置を示す概念図である。図3において、受光素子容器
35の内部36には、図示しない光電子増倍管が収容さ
れている。この受光素子容器には受光窓37があって、
図2に示したフローセル24と対向している。38はサ
ーモモジュールと一般に言われているペルチエ効果を利
用した電子冷却素子であって、これの低温側は前記受光
素子容器35に、また高温側は放熱用フィン39に接触
している。放熱用フィン39には小型の扇風機40が隣
接して設けられ強制空冷するようになっている。受光装
置を冷却するための装置は図3に示したものに限定され
るものでなく、例えば受光素子容器として冷却液の管が
接触して設けられているものを使用し、別途設けた冷却
装置で水などの冷却液を冷やして配管により受光素子容
器の所に導いてこれを冷やすようにしても良い。
【0025】
【実施例】(実施例1)図4に示した装置を使用して分
析を行なった。溶離液1として10mMol−KH2
4 +10%アセトニトリル水溶液を0.5ml/mi
nの速度で供給した。またカラム4は内径4.6mm長
さ150mmのもので充填剤として逆相系(ODSシリ
カ)が用いられている。一方、試薬溶液5としては0.
1mMol−[Ru(bpy)3 ]Cl2 +10mMo
l−H2 SO4 の水溶液を0.3ml/minの速度で
供給し、電解酸化装置7により電圧1.1V(基準電極
に対して)、電流80μAで電解を行ない酸化体とし
た。検出装置8に内蔵された受光装置は光電子倍増管を
使用したもので、データ処理装置9には時間経過による
変化を記録するレコーダが設けられている。
【0026】酸化体と被検試料の混合器として2重管に
よるものを使用した本発明の装置の場合と、従来からの
ミキシングジョイントを使用した装置の場合とで分析値
の再現性を調べた。試料として濃度を変えた硫酸スパル
テイン溶液10μlをインジェクタ3から注入した。す
なわち濃度は溶液10μl中の成分量として、10pm
ol、1pmolおよび0.1pmolである。同じ試
料を10回ずつ繰り返し注入したときの分析値の平均値
からのばらつき、すなわち分析値の再現性の範囲を表1
に示す。表1でわかるように混合装置として従来からに
ミキシングジョイントを使用した場合には被検試料濃度
が低くなると分析値のばらつきが急激に増加するが、本
発明の2重管による混合器を使用した場合にはばらつき
の増加の程度が低い。
【0027】
【表1】
【0028】(実施例2)図4の分析装置において図2
に示した本発明の加熱装置を有するものを使用して、混
合液の加熱温度を種々に変えて分析を行なった。試薬や
溶離液などの条件は実施例1と同じである。試料は硫酸
スパルテイン溶液、プロリン溶液および10mMol硫
酸水溶液中に蓚酸を含む溶液であって、10μl中に1
pmol含有するものをそれぞれ10μlインジェクタ
3から注入し、5回の平均を測定値とした。図5は混合
液の加熱温度を変えたときのS/N比(比率そのものを
示す)の変化を示すグラフであるが、試料に関わりなく
ほとんど同じ結果なので1本の線で示している。これで
みると混合液の加熱温度は40℃が最適であることがわ
かる。なお排出された混合液のpHは硫酸スパルテイン
溶液が3.9、プロリン溶液が5.5、蓚酸溶液が1.
8と異なるが、pHによる相違もないことがわかる。
【0029】(実施例3)実施例2と同じ装置を使用し
て、混合液を加熱した場合としない場合とで電源を投入
してからの時間の経過による分析値の変化を調べた。試
料は硫酸スパルテイン溶液で、10μl中に1pmol
含有するものをそれぞれ10μlインジェクタから注入
し、5回の平均を測定値とした。図6は電源を投入して
から30分後から10分毎に測定を繰り返したときの受
光信号のピークの高さを相対値で示したグラフである。
(a)図は混合液を40℃に加熱した場合、(b)図は
混合液を加熱せず液温が22℃の場合であるが、混合液
を加熱した場合には測定値が早く安定することがわか
る。
【0030】
【発明の効果】本発明の2重管の混合装置を設けた化学
発光による分析装置によれば、試料が微量なときに生ず
る分析値のばらつきを従来の混合器を使用した場合より
はるかに小さくできる。また本発明の酸化体と被検試料
との混合液の温度を加熱、保持する方法によれば、被検
試料による信号Sとノイズ信号Nの比、S/Nを大きく
して検出感度を増大させることができる。なお本発明の
2重管による混合装置と混合液を加熱する方法とは、別
個に実施してもそれぞれの効果を発揮できるものである
が、両方を同時に実施すれば分析精度の向上に対して最
大限の効果を発揮できることは当然である。本発明の分
析方法が対称としているアミン、インドールなどは生物
化学や抗生物質などの医薬品の分野に適用可能であり、
またケトンおよびケト酸は工業薬品などの分析のほか代
謝疾患の検出など医療方面にも適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の混合装置示す断面図
【図2】酸化体と被検試料の混合液を加熱するための本
発明の装置を示す概念図
【図3】受光装置を冷却するための本発明の装置を示す
概念図
【図4】化学発光による分析装置の例を示す概念図
【図5】混合液の加熱温度を変えたときのS/N比の変
化を示すグラフ
【図6】電源を投入して時間の経過毎に測定を繰り返し
たときの受光信号のピークの高さを示すグラフで、
(a)図は混合液を40℃に加熱した場合、(b)図は
混合液を加熱しなかった場合
【符号の説明】
1 溶離液 2 ポンプ 3 インジェクタ 4 カラム 5 試薬溶液 6 ポンプ 7 電解酸化装置 8 検出装置 9 データ処理装置 11 ミキシングボディ 12 2重管内側ジョイント 13 2重管の外管 14 小径の穴 15 混合液出口継手接続孔 16 2重管の内管 17 被検試料入口継手接続孔 18 小径の穴 19 酸化体入口継手接続孔 20 Oリング 21 混合装置用保温箱 22 フローセル用保温箱 23 混合装置 24 フローセル 25 ヒータ 26 被検試料導入管 27 酸化体導入管 28 混合液出口管 29 混合液排出管 30 継手 31 ヒータ 35 受光素子容器 36 受光素子容器の内部 37 受光窓 38 電子冷却素子 39 放熱用フィン 40 扇風機

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ルテニウムまたはオスミウムと芳香族窒
    素複素環配位体との錯体溶液を酸化装置で連続的に酸化
    してルテニウムまたはオスミウムの酸価数を増加させ、
    次いでこの酸化体と被検試料とを混合装置に導入し混合
    液をフローセルに送り、フローセルにおける化学発光を
    受光装置により測定する分析装置において、前記混合装
    置が、2重管の内管から酸化体と被検試料の一方が入
    り、内管と外管との間から他方が入り、2重管が途中で
    1重の管になることにより両方が合流して混合液となる
    ように構成されていることを特徴とする化学発光による
    分析装置。
  2. 【請求項2】 ルテニウムまたはオスミウムと芳香族窒
    素複素環配位体との錯体溶液を連続的に酸化してルテニ
    ウムまたはオスミウムの酸価数を増加させ、次いでこの
    酸化体と被検試料とを混合させてフローセルに送り、フ
    ローセルにおける化学発光を測定する化学発光による分
    析方法において、酸化体と被検試料の混合液の温度が、
    混合液が生成されてからフローセルから排出されるまで
    の間30℃から45℃の一定の温度に保持されているこ
    とを特徴とする化学発光による分析方法。
  3. 【請求項3】 ルテニウムまたはオスミウムと芳香族窒
    素複素環配位体との錯体溶液を酸化装置で連続的に酸化
    してルテニウムまたはオスミウムの酸価数を増加させ、
    次いでこの酸化体と被検試料とを混合装置に導入し混合
    液をフローセルに送り、フローセルにおける化学発光を
    受光装置により測定する分析装置において、前記混合装
    置およびフローセルを一定の温度に加熱する温度調節装
    置が設けられていることを特徴とする化学発光による分
    析装置。
  4. 【請求項4】 前記受光装置に冷却手段を設けたことを
    特徴とする請求項3記載の化学発光による分析装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の装置の構成を併せて有す
    ることを特徴とする請求項3または4に記載の化学発光
    による分析装置。
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