JPH075828B2 - 安定化された芳香族ポリカーボネート組成物及び製法 - Google Patents

安定化された芳香族ポリカーボネート組成物及び製法

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JPH075828B2
JPH075828B2 JP2214421A JP21442190A JPH075828B2 JP H075828 B2 JPH075828 B2 JP H075828B2 JP 2214421 A JP2214421 A JP 2214421A JP 21442190 A JP21442190 A JP 21442190A JP H075828 B2 JPH075828 B2 JP H075828B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はエンジニアリングプラスチックの一つである芳
香族ポリカーボネートの安定化された組成物に関する。
〔従来技術〕
芳香族ポリカーボネートは、一般にホスゲン法又はメル
ト法で製造されている。この芳香族ポリカーボネートに
は加熱溶融成形時に着色や分子量低下を生じるという問
題点があり、これを防ぐため各種の熱安定剤を添加する
方法が知られている。そして該熱安定剤としては各種亜
リン酸トリエステル系及びエポキシ化合物系、ヒンダー
ドフェノール系等の化合物が使用されている。亜リン酸
トリエステル系としては、トリス(ノニルフェニルフォ
スファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフォスファ
イト等が挙げられ又、4,4′−ビフェニレンジホスフィ
ン酸テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルェニル)も同様
に使用されている。その添加量は通常ポリカーボネート
100重量部に対し0.02〜1重量部添加される。
又亜リン酸ジエステルを添加することも知られている。
例えば特公昭37−13775号公報には、芳香族ポリカーボ
ネートと亜リン酸ジエステルの組成物が報告されてお
り、亜リン酸ジエステルの好ましい添加量は芳香族ポリ
カーボネート100重量部に対して0.02〜5重量部とされ
ている。
又特開昭47−12993号公報に、芳香族ポリカーボネート
と亜リン酸ジエステルとの組成物が報告されている。こ
の場合は、ホスゲン法で重合した、塩素原子を含有す
る、芳香族ポリカーボネートを用い、これに添加する亜
リン酸ジエステルの好ましい添加量としては、ポリカー
ボネート100重量部に対して0.01〜2.0重量部の範囲であ
る。
しかし、これらのリン酸エステル系熱安定剤は溶融加工
成形時の短期間の熱安定性には顕著な効果を有するもの
の、リサイクル成形を行なった場合の着色及び成形物の
耐熱水性や耐スチーム性、あるいは長期耐熱老化時のポ
リマー着色には悪い影響を与えるという問題点を有して
いる。この悪い影響は添加量に依存し、添加量が多い程
上記の耐熱水性やポリマー着色が悪くなるという問題点
を有していた。
一方耐加水分解性を改良するために特開昭62−235357号
公報には、ポリマー中に残存する塩素原子の量に応じ
て、リン化合物の添加量を定め更にリン化合物の量に応
じてアルカリ金属又はアルカリ土類金属の残存量を規定
する方法が記載されている。
実施例においては、ホスゲン法で得たポリカーボネート
100重量部には、塩素原子が0.0037〜0.0048重量部残存
しており、これにリン化合物として有機ホスフィン、亜
リン酸トリエステルを0.0040〜0.012重量部を添加して
いる。
この方法においては、耐加水分解性は改良されると記載
されている。しかし同一配合で追試したところ耐熱性の
良好が充分でなく、リサイクル成形を行なった場合の着
色度が大きい。更にリン化合物を添加する方法として
は、特開昭58−89648号公報が挙げられる。
該公報には、ポリカーボネートに、有機亜リン酸エステ
ルと有機金属化合物を配合する組成物が記載されてい
る。ポリカーボネートに有機亜リン酸エステルの単独配
合、或いは有機金属化合物の単独配合では、優れた熱安
定性と耐加水分解性が得られないと記載されている。
実施例では、ホスゲン法で重合したポリカーボネート10
0重量部に対して、亜リン酸トリエステル0.04〜0.05重
量部と有機金属化合物0.01〜0.05重量部が添加されてい
る。
比較例として有機亜リン酸エステルの単独配合は、やは
りホスゲン法で重合したポリカーボネート100重量部に
対して、亜リン酸トリエステル0.04〜0.05重量部と多量
の亜リン酸トリエステルが添加されている。
該方法は、耐熱、耐熱水テストで分子量保持率は良好で
あると記載されているが、同一配合で追試したところ成
形時のペレットが着色しており、且つリサイクル成形を
行なった場合の着色が大きいものであった。
以上述べたように、ホスゲン法で製造したポリカーボネ
ートには、工業的に製造されたものはポリカーボネート
100重量に対して0.005重量部以上の塩素が含まれている
(特公昭59−22743号公報)。この塩素を含有したポリ
カーボネートに対して、種々の安定剤の添加が行なわれ
てきた。しかし、耐熱性、耐熱水性、リサイクル成形で
の着色を全て解決する安定化された組成物は得られてい
なかった。又メルト法で製造した芳香族ポリカーボネー
トで、工業的に製造したものは、無色透明にはなりにく
く、物性的には強度がやや劣ると報告されている(高分
子27巻521頁1978年)。それ故、従来メルト法で無色透
明のポリカーボネートを得ることは困難であったといえ
る。又、該ポリカーボネートに安定剤を添加しても、耐
熱性、耐熱水性の改良効果は充分でなかった。
このように、耐熱性、耐熱水性、リサイクル性の全てを
満足するポリカーボネートは、これまでに全く知られて
いなかったのである。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、リサイクル成形での着色が非常に小さく、耐
熱水性に優れ、且つ耐熱老化性にも優れた、新規な芳香
族ポリカーボネート組成物を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、塩素原子を実質的に含まない芳香族ポリ
カーボネートに、亜リン酸ジエステル及び亜リン酸モノ
エステルから選ばれた1種以上の化合物を従来考えられ
なかったような微量添加し更にフェノール系抗酸化剤、
亜リン酸トリエステル、有機フォスフォナイトから選ば
れた1種以上の化合物とを組み合わせることにより、上
記課題が達成できることを見出し本発明に到達した。す
なわち本発明は、 実質的に塩素原子を含まない芳香族ポリカーボネート10
0重量部と、 亜リン酸ジエステル及び亜リン酸モノエステルから選ば
れた1種以上の化合物0.0005〜0.015重量部(a成分)
と、 フェノール系抗酸化剤、亜リン酸トリエステル、及び有
機フォスフォナイトから選ばれた1種以上の化合物(b
成分)0.0005〜0.1重量部とからなることを特徴とする
安定化された芳香族ポリカーボネート組成物及びその製
法を与えるものである。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明でいう芳香族ポリカーボネートとは、式; で表されるものである。
式中Ar1は二価の芳香族残基を表す。又pは整数であ
る。
このような芳香族残基としては、例えばフェニレン(各
種)、ナフチレン(各種)、ビフェニレン(各種)ピリ
ジレン(各種)、及び一般式; −Ar2−Z−Ar3− …(II) で表される二価の芳香族基が挙げられる。
ここで、Ar2及びAr3は同一であっても、異なってもよい
二価の芳香族基であって、例えば、フェニレン(各
種)、ナフチレン(各種)、ビフェニレン(各種)、ピ
リジレン(各種)などの基を表す。Zは単なる結合、又
は−O−,−CO−,−S−,−SO2−,−CO2−,−CON
(R1)−, などの二価の基を表す。
(ここで、R1,R2,R3,R4は同一であっても異なっていて
もよく、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ
基、シクロアルキル基を表し、kは3〜11の整数を表
し、上式 の水素原子は、低級アルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基、アラルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子
等によって置換されていてもよい。) さらには、このような二価の芳香族基(即ち、Ar1,又は
Ar2,Ar3)において、1つ以上の水素原子が、反応に悪
影響を及ぼさない他の置換基、例えば、ハロゲン原子、
低級アルキル基、低級アルコキシ基、フェニル基、フェ
ノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド
基、ニトロ基などによって置換されたものであってもよ
い。
このような芳香族基としては、例えば、 で表される置換又は非置換のフェニレン基: で表される置換又は非置換のビフェニレン基; (式中のR5及びR6はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、
炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級ア
ルコキシ基、シクロアルキル基又はフェニル基であっ
て、これらは同じであってもよいし互いに異なっていて
もよく、m及びnは1〜4の整数で、mが2以上の場合
にはR5はそれぞれ異なるものであってもよいし、nが2
以上の場合にはR6はそれぞれ異なるものであってもよ
い) で表される置換又は非置換の二価芳香族基等が挙げられ
る。
これらの構造の中でAr1としては、 が好ましい。
さらに、 の繰返し単位を85モル%以上含むものが好ましい。
Xは−H又は Yは−O−Ar1−OH又は である。
ここでR7は、水素、アルキル基、アラルキル基及びアル
コキシ基等であり、例を挙げると 等である。
該ポリカーボネートとして、置換又は非置換の三価以上
の芳香族基を少量含んだ分岐構造をもつものも含まれ
る。
更に本発明の効果をそこなわない範囲でエステル結合を
主鎖造中に含むことも可能である。
該ポリカーボネートは、実質上塩素原子を含まないもの
であり、具体的には i)AgNO3溶液を用いた、電位差滴定法による塩素イオ
ンの測定方法で、塩素イオンが0.00005重量%以下であ
り、同時に ii)燃燃法による塩素原子の測定方法で、塩素原子が検
出限界の0.001重量%以下である。
好ましくは i)塩素イオンが、上記測定法の検出限界以下の0.0000
1重量%以下であり、同時に ii)塩素原子が0.001重量%以下である。
塩素原子を実質的に含まない芳香族ポリカーボネートで
あれば、いかなる方法により製造されたものであっても
使用することができる。
ただし、該ポリカーボネート1.0gを塩化メチレン7mlに
溶かした溶液を、光路長1cmのセルに入れ分光光度計に
より測定した。400nmでの吸光度が0.01以上の芳香族ポ
リカーボネートは、好ましくない。
吸光度が0.01以上の芳香族ポリカーボネートは、着色し
ており成形した場合に初期カラーが悪いだけでなく、耐
熱テスト、リサイクル成形での着色が大きく好ましくな
い。
実質的に塩素を含まない、ポリカーボネートの製法とし
ては、特に制限はないが、具体例として以下のいくつか
の方法が挙げられる。
1つは、特開平1−158033号公報及び特開平1−271426
号公報に挙げられている方法である。
これは、非晶性芳香族ポリカーボネートプレポリマーを
結晶化させて、結晶性芳香族ポリカーボネートプレポリ
マーを得て、この結晶性芳香族ポリカーボネートプレポ
リマーを固相重合させて芳香族プレポリマーを得る方法
である。
非晶性芳香族ポリカーボネートポレポリマーをエステル
交換法により製造した場合は、該プレポリマーをそのま
ま結晶化、固相重合を異なって、実質的に塩素を含まな
い芳香族ポリカーボネートが得られる。
非晶性芳香族ポリカーボネートプレポリマーをホスゲン
法で製造した場合は、該プレポリマーを充分に精製して
から、固相重合を行ない、実質的に塩素を含まない芳香
族ポリカーボネートが得られる。
この場合該プレポリマーの精製は、該プレポリマーが低
分子量であるので、容易に行うことができる。
なお、固相重合は、触媒の存在下もしくは不存在のどち
らも可能であるが、無触媒重合の方が得られるポリマー
のカラー、耐熱性、耐熱水性が格段に優れるので好まし
い。
重合触媒としてはポリカーボネートあるいはポリエステ
ルに使われる公知の各種のエステル交換触媒等の重合触
媒が使用できる。例えばビスフェノールAのアルカリ金
属塩、スズや鉛の化合等が挙げられる。
固相重合により得られた芳香族ポリカーボネートは高い
結晶融点と鋭い融点ピークを有する高結晶性ポリマーで
あることから、従来のホスゲン法やメルト法の芳香族ポ
リカーボネートと明確に区別される。
本発明の芳香族ポリカーボネートは結晶性芳香族ポリカ
ーボネートプレポリマーを固相重合するため、固相重合
の加熱時にポリマーがアニールされるため、示差走査熱
量計(DSC)で測定した融点がアップし、又融点ピーク
がシャープである。
結晶融点(DSCのピークトップ))は230℃〜300℃、融
点ピークの半値幅は3〜8℃である。DSCの測定は不活
性雰囲気下、10℃/minの昇温速度、試料量5〜10mgの条
件で測定した。
1つは、ホスゲン法で得られた芳香族ポリカーボネート
を徹底して精製を行ない、実質的に塩素を含まない該ポ
リカーボネートを得る方法である。
特公昭59−22743号公報には、ホスゲン法で有られた芳
香族ポリカーボネートを実施困難な工程を使用せずに精
製できる塩素含有量は0.005〜0.2重量%とされている。
しかし、塩素を含まない溶剤により抽出精製を繰り返し
たり、或は長時間の真空乾燥を行なったり、或は、ポリ
カーボネート溶液をイオン交換樹脂で処理したりする方
法等を用いて実質的に塩素を含まない量まで精製した芳
香族ポリカーボネートは、本発明において使用すること
ができるものである。
更に、エステル交換法を用いて、塩素原子を実質的に含
まない芳香族ポリカーボネートを得ることは可能であ
る。
ただし、本発明において使用するためには、前述した如
く、400nmでの吸光度が0.01未満のものが好ましい。吸
光度が小さい、即ち着色が小さい芳香族ポリカーボネー
トは、同時に重合時の副反応が少ないと考えられ、耐
熱、耐熱水性にも優れたものである。
実質的に塩素原子を含まない芳香族ポリカーボネート
は、以上述べたような、いずれの方法において製造した
ものであってもよい。
その中でも固相重合を用いる製法が、製法自体が簡単で
あり、得られる芳香族ポリカーボネートの品質も良好で
あり好ましい。
該芳香族ポリカーボネートの分子量は、加熱溶融成形で
きるものであれば、特に制限はないが、通常は重合平均
分子量で5000〜1000000であり成形上好ましい範囲とし
ては10000〜500000である。
亜リン酸ジエステルは、亜リン酸(H2PHO3)の2個の水
素原子が炭化水素基に置換された構造をもつものであ
り、例として (式中R8,R9はアルキル基、アリール基、又はアルキル
アリール基を示す。)で表わされる亜リン酸ジエステル
がある。
上式に於てアルキル基の例としては、エチル基、ブチル
基、オクチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシ
ル基、デシル基、トリデシル基、ラウリル基、ペンタエ
リスリトール基、ステアリル基等が挙げられる。又、ア
リール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられ
る。
アルキルアリール基としては、トリル基、パラターシャ
リ−ブチルフェニル基、2,4−ジターシャリ−ブチルフ
ェニル基、、2,6−ジターシャリ−ブチルフェニル基、
パラ−ノニルフェニル基、ジノニルフェニル基等が挙げ
られる。
好ましい具体例としては、ジフェニルハイドロゲンホス
ファイト(R8,R9≡フェニル)、ビス(ノニルフェニ
ル)ハイドロゲンホスファイト(R8,R9≡ノニルフェニ
ル)、ビス(2,4−ジターシャリ−ブチルフェニル)ハ
イドロゲンホスファイト、ジクレジルハイドロゲンホス
ファイト、ビス(p−ターシャリ−ブチルフェニル)ハ
イドロゲンホスファイト、ビス(p−ヘキシルフェニ
ル)ハイドロゲンホスファイト等が挙げられる。
本発明に使用される亜リン酸ジエステルは上記一般式で
表わされるもの以外にも、例えば のようなリン原子を2つ含む(R8は前記に同じ、ただし
式R10はアルキレン、アリレン、又はアリールアルキレ
ンを示す。)亜リン酸ジエステルも使用できる。
更に (R8,R10は上記と同じ)の一般式で表わされるものも使
用できる。
これらの亜リン酸ジエステル中で、芳香族亜リン酸ジエ
ステルが好ましい。特に好ましいものの例としては、 ジフェニルハイドロゲンホスファイト、ビス(ノニルフ
ェニル)ハイドロゲンホスファイト、ビス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)ハイドロゲンホスファイト等が挙
げられる。
これらの亜リン酸ジエステルは単独で使用しても良い
し、混合物で使用しても良い。
亜リン酸モノエステルは、亜リン酸(H2PHO3)の1個の
水素原子が炭化水素基に置換された構造をもつものであ
り、例として R8−O−P(OH) (式中R8は前記に同じ)で表わされる亜リン酸モノエス
テルがある。
上式に於てアルキル基の例としては、エチル基、ブチル
基、オクチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシ
ル基、デシル基、トリデシル基、ラウリル基、ペンタエ
リスリトール基、ステアリル基等が挙げられる。又、ア
リール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられ
る。
アルキルアリール基としては、トリル基、パラターシャ
リ−ブチルフェニル基、2,4−ジターシャリ−ブチルフ
ェニル基、2,6−ジターシャリ−ブチルフェニル基、パ
ラ−ノニルフェニル基、ジノニルフェニル基等が挙げら
れる。
好ましい具体例としてフェニルジハイドロゲンホスファ
イト(R8≡フェニル)、ノニルフェニルジハイドロゲン
ホスファイト(R8≡ノニルフェニル)、2,4−ジターシ
ャリ−ブチルフェニルジハイドロゲンホスファイト等が
挙げられる。
これらの化合物は、単独で使用してもよいし、混合物で
使用してもよい。
フェノール系抗酸化剤は、 一般式 (式中R11は水素原子、水酸基、アルコキシル基又は置
換基を有していてもよい炭化水素残基を示し、R11は同
一でも異なっていても良い。ただし、R11のうち少なく
とも1つは置換基を有していても良いし炭化水素残基を
示すものとする。)で示される。
具体的には、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、
2,6−ジ−t−ブチル−p−アニソール、2,6−ジ−t−
ブチル−4−エチルフェノール、2,2′−メチレンビス
(6−t−ブチル−p−クレゾール),2,2′−メチレン
ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,
4′−メチレンビス(6−t−ブチル−o−クレゾー
ル)、4,4′−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−
クレゾール)、テトラキス−〔メチレン−3−(3′,
5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート〕メタン、4,4′−チオビス(6−t−ブ
チル−m−クレゾール)、ステアリル−β−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,1,3
−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチ
ルフェニル)ブタン、トリエチレングリコール−ビス
〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕。
好ましいフエノール系抗酸化剤としては、一般式 (式中、R12はメチル基又はt−ブチル基、R13はt−ブ
チル基をAは炭素数1〜30のb価の炭化水素又は複素環
残基を示し、aは1〜4の整数、bは1以上の整数を示
す。) で示されるものである。
具体的には、テトラキス−〔メチレン−3−(3′,5′
−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕メタン(Irganox 1010,チバガイギー社製
等)、ステアリル−β(3,5ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート(Irganox 1076,チバ
ガイギー社製等)、トリエチレングリコール−ビス〔3
−3−t−ブチル−5−メチル−4ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート等が挙げられる。
更にP原子を含んだフェノール系抗酸化剤も使用でき
る。具体的には3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル(Irgano
x 1222,チバガイギー社製等)、ビス(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カル
シウム(Irganox 1425WL,チバガイギー社製等)等が挙
げられる。これらのフェノール系抗酸化剤は単独で用い
てもよいし混合物で用いてもよい。
亜リン酸トリエステルは、亜リン酸の3個の水素原子が
炭化水素基に置換された構造をもつものであり、例とし
て 一般式 (式中R14,R15,R16は同一であっても、異なっていても
よくアルキル基、アリール基又はアルキルアリール基を
示す。)で表わされる。
上式でアルキル基としては、エチル基、ブチル基、オク
チル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、デ
シル基、トリデシル基、ラウリル基、ペンタエリスリト
ール基、ステアリル基等が挙げられる。
アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げら
れる。
アルキルアリール基としてはトリル基、パラターシャリ
−ブチルフェニル基、2,4−ジターシャリ−ブチルフェ
ニル基、2,6−ジターシャリ−ブチルフェニル基、パラ
ノニルフェニル基、ジノニルフェニル基等が挙げられ
る。
好ましいものの例としては、トリス(2,4ジターシャリ
−ブチルフェニル)ホスファイト、トリスノニルフェニ
ルフォスファイト、トリスジノニルフェニルフォスファ
イト、トリフェニルフォスファイト、が挙げられる。
(式中R17,R18,R19,R20は同一であっても異なっていて
もよく、アルキル基、アリール基又はアルキルアリール
基を示し、R21はアルキレンアリレン又はアリールアル
キレンを示す。)で表わされる亜リン酸トリエステルも
使用できる。
具体例として、テトラフェニルジプロピレングリコール
ジホスファイト、テトラ(トリデシル)4,4′−イプロ
ピリデンジフェニルジホスファイト、等が挙げられる。
(式中R17,R18は上記に同じ)で表わされる亜リン酸ト
リエステルも使用できる。
具体例としてビス(トリデシル)ペンタエリスリトール
ジホスファイト、ビス(ノニルフェニルペンタエリスリ
トールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビ
ス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペン
タエリスリトール−ジホスファイト、ジステアリルペン
タエリスリトールジホスファイト、水添ビスフェノール
A・ペンタエリスリトールホスファイトポリマー、等が
挙げられる。
更に (式中R17,R18,R21は上記に同じ)で表わされる亜リン
酸トリエステルも使用できる。
具体例としてテトラフェニルテトラ(トリデシル)ペン
タエリスリトールテトラホスファイトが挙げられる。
これらは単独で使用しても良いし混合物として使用して
もよい。2,4−ジターシャリ−ブチルフェニル基、2,6−
ジターシャリ−ブチルフェニル基を持つものが、該組成
物の耐加水分解性を向上させ特に好ましい具体例として
は、トリス(2,4−ジターシャリ−ブチルフェニル)ホ
スファイト、ビス(2,4−ジターシャリ−ブチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6
−ジターシャリ−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタ
エリスリトールジホスファイトが挙げられる。
有機フォスフォナイトは、亜リン酸酸P(OH)の1つ
の水酸基を炭化水素基で置換し、更に残りの2つの水素
原子を炭化水素基で置換したものである。例として式 (式中R22,R23,R24は同一であっても、異なっていても
よく、アルキル基、アリール基又はアルキルアリール基
を示す。)で表わされる。上式でアルキル基としては、
エチル基、ブチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、
デシル基、トリデシル基、ラウリル基、ステアリル基等
が挙げられる。
アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げら
れる。
アルキルアリール基としては、トリル基、パラターシャ
リ−ブチルフェニル基、2,4−ジターシャリ−ブチルフ
ェニル基、パラノニルフェニル基、ジノニルフェニル基
等が挙げられる。
上記一般式以外に、 (式中R25,R26,R27,R28は同一であっても、異なってい
てもよく、アルキル基、アリール基又はアルキルアリー
ル基を表わす。R21は前述に同じ)で示されるようなリ
ン原子を2つ含む有機フォスフォナイトが挙げられる。
このような化合物の具体例としては、4,4′−ビフェニ
レンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−ターシャリ
−ブチルフェニル)が挙げられる。
これらは単独で使用してもよいし混合物として使用して
も良い。
亜リン酸ジエステル及び亜リン酸モノエステルから選ば
れた1種以上の化合物の使用量は、芳香族ポリカーボネ
ート100重量部に対して0.0005〜0.015重量部の割合であ
り、さらに好ましくは、0.0005〜0.009重量部の範囲で
ある。
亜リン酸ジエステル及び亜リン酸モノエステルから選ば
れた1種以上の化合物の量が0.0005重量部未満である
と、耐熱性、耐熱水性が低下し、0.015重量部を越える
と、リサイクル成形での着色、耐熱テストでの着色が増
大し、又耐熱水性が低下する。芳香族ポリカーボネート
と亜リン酸ジエステル及び亜リン酸モノエステルから選
ばれた1種以上の化合物に 1)フェノール系抗酸化剤を添加することにより、リサ
イクル成形における着色、及び長期熱老化性テストの際
の着色を少なくし引張伸度保持率を向上することができ
る。添加量は芳香族ポリカーボネート100重量部に対し
て0.0005〜0.1重量部であり、好ましくは0.0005〜0.07
重量部、更に好ましくは0.001〜0.05重量部である。
0.1重量部を越えると、逆に長期熱老化性テストの際の
着色が激しくなり好ましくない。
フェノール系抗酸化剤の添加効果が明確になるのは0.00
05重量部以上である。
2)亜リン酸トリエステル、及び/又は有機フォスフォ
ナイトを添加することにより、該組成物の耐熱水性を低
下させずに、成形時の着色、リサイクル成形の着色を少
なくし、長期耐熱老化性を向上させることができる。
添加量は芳香族ポリカーボネート100重量部に対して0.0
005〜0.1重量部の範囲であり、好ましくは0.0005〜0.07
重量部、更に好ましくは0.001〜0.05重量部である。
0.1重量部を越えると、耐熱水性が低下し好ましくな
い。添加の効果が明確になるのは、0.0005重量部以上で
ある。
3)フェノール系抗酸化剤と亜リン酸トリエステル及び
/又は有機フォスフォナイトから選ばれたリン化合物を
同時に添加することにより、長期耐熱老化性テストでの
該組成物の着色が、フェノール系抗酸化剤単独、又は上
記リン化合物単独の場合よりも少なくなっており相乗効
果が認められ特に好ましい。
リサイクル成形での着色も少なくなっている。添加量
は、フェノール系抗酸化剤と上記リン化合物合計で芳香
族ポリカーボネート100重量部に対して0.0005〜0.1重量
部であり、好ましくは0.0005〜0.07重量部、更に好まし
くは0.001〜0.05重量部である。
フェノール系抗酸化剤と上記リン化合物との比率は特に
制限はないが、相乗効果が特に顕著に認められる範囲
は、フェノール系抗酸化剤と上記リン化合物の重量比で
1:5ないし5:1の範囲である。
合計の添加量が0.1重量部を越えると、耐熱水性の低下
や、長期耐熱老化性の着色が激しくなり好ましくない。
又添加の効果が明確になるのは0.0005重量部以上であ
る。
本発明の組成物の混合は、均一に混合することが重要で
あり、ヘンシェルミキサー、ナルターミキサー、タンブ
ラー等であらかじめ、よく均一にすることが好ましい。
本発明の組成物は、各成分を混合してそのまま射出成
形、押出成形等の成形に供して良いが、通常は押出機を
してペレット化し、均一な芳香族ポリカーボネート組成
物として射出成形、押出成形等の成形に供する。
なお、添加剤の添加量が少ない場合は添加剤をいったん
アセトン等溶媒に希釈し、ポリマーに添加した後、アセ
トンを乾燥除去してもよい。
〔発明の効果〕
本発明の芳香族ポリカーボネート組成物はカラーが良
い。耐熱テストにおいて着色が少なく、力学物性の低下
が小さい。リサイクル成形において着色が少ない、耐熱
水テストにおいて、分子量低下、力学物性の低下が小さ
いという特長を持つ。すなわち本発明の該組成物は耐熱
性、耐熱水性、リサイクル性の全てに優れた芳香族ポリ
カーボネート組成物である。
〔実 施 例〕
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが本発
明はこれらの例によってなんら限定されるものではな
い。
測定は以下の方法によった。
1.カラー CIELAB法により測定 試験片の厚さ3.0mm 2.耐熱テスト 試験片(ASTM 4号ダンベル)を140℃ギヤーオーブン
に所定時間入れた後試験片のカラー及び引張伸度(ASTM
D−638)の測定を行なった。
3.耐熱水テスト 沸水中に所定時間浸漬後取り出し、分子量、引張強度伸
度(ASTM D−638),Izod厚み3.0mm(ASTM D−256)の測
定を行なった。
4.リサイクルテスト 射出成形により得た試験片を粉砕機で粉砕し、乾燥し、
射出成形を行なう。このサイクルを5回繰り返した。最
終的に得られた試験片のカラー、引張強度伸度の測定を
行なった。
5.分子量 GPC(ゲルパーミエーション クロマトグラフィー) 〔RIディテクター; Shodex RI SE−51(昭和電工社製) カラム; TSK−GEL(東洋曹達社製)溶媒THF〕 を用いて測定を行ない、重量平均分子量(以下Mwと略
す)の測定を行なった。
6.プレポリマー中末端基 高速液体クロマトグラフィーによる分析又はNMRによる
分析によった。
芳香族ポリカーボネートの製造 1)ポリカーボネートAの製造 ジメチルカーボネートとフェノールを用い酸化鉛を触媒
にして特公平1−3181号公報に記載の方法を用いてジフ
ェニルカーボネートを合成した。
得られたジフェニルカーボネート中に塩素イオンは0.00
001重量%以下、塩素原子は0.001重量%以下であった。
ビスフェノールAと該ジフェニルカーボネートより合成
した数平均分子量4100で末端ヒドロキシル基34%、末端
フェニルカーボネート基66%の末端基を有する結晶性芳
香族ポリカーボネートプレポリマー11kgを、70のタン
ブラー型固相重合器を用いて固相重合を行った。重合条
件として少量のチッソを系内にもれこませながら、真空
ポンプで1〜2torrの減圧条件下、180℃から220℃まで
6時間かけて昇温し、その後220℃に5時間保持して重
合を行ったところ、Mn=12500,Mw=28000の芳香族ポリ
カーボネートが得られた。
該ポリカーボネート中に塩素イオンは0.00001重量%以
下、塩素原子は0.001重量%以下であった。
2)ポリカーボネートBの製造 ビスフェノールAとジフェニルカーボネートより合成し
た数平均分子量4200で末端ヒドロキシル基37%末端フェ
ニルカーボネート基63%の末端基を有する結晶性芳香族
ポリカーボネートプレポリマーを用いた以外はポリカー
ボネートAの製造と同様にして固相重合を行なった。Mn
=13400,Mw=33400の芳香族ポリカーボネートが得られ
た。
該ポリカーボネートの中の塩素イオンは0.00001重量%
以下、塩素原子は0.001重量%以下であった。
3)ポリカーボネートCの製造 フェノールとホスゲンから合成したジフェニルカーボネ
ートを蒸溜精製して、塩素イオン0.00002重量%、塩素
原子0.001重量%以下のものを得た。このジフェニルカ
ーボネートを用い、末端ヒドロキシル基28%、末端フェ
ニルカーボネート基72%の末端基を有する結晶性芳香族
ポリカーボネートプレポリマーを用いた以外はポリカー
ボネートAの製造と同様にして固相重合を行なった。Mn
=10100,Mw=23300の芳香族ポリカーボネートが得られ
た。
該ポリカーボネートの中の塩素イオンは0.00002重量%
以下、塩素原子は0.001重量%以下であった。
4)ポリカーボネートDの製造 ホスゲン法により合成した。
該ポリカーボネートのMn=10800,Mw=28000であった。
該ポリカーボネートの中の塩素イオンは0.001重量%で
あり、塩素原子は0.004重量%以下であった。
5)ポリカーボネートEの製造 ホスゲン法により合成した。
該ポリカーボネートのMn=9200,Mw=23000であった。
該ポリカーボネートの中の塩素イオンは0.0008重量%で
あり、塩素原子は0.003重量%以下であった。
6)ポリカーボネートFの製造 ビスフェノールAと3)のポリカーボネートCの製造に
使用したのと同じジフェニルカーボネートを用いてメル
ト法によりポリカーボネートを合成した。触媒はビスフ
ェノールAのナトリウム塩をビスフェノールAに対して
5ppm添加した。縮合物のフェノールを抜きながら、重合
温度を180℃により徐々に昇温しながら、最終的に310℃
まで昇温した。得られた芳香族ポリカーボネートの数平
均分子量は10500、重量平均分子量は28300であった。
該ポリカーボネート中の塩素イオンは0.00002重量%以
下であり、塩素原子は0.001重量%以下であった。
該ポリカーボネート1.5gを塩化メチレン10mlに溶かし、
光路長1cmのセルに入れ、分光光度計で測定したところ4
00nmの吸光度は0.013であった。
7)ポリカーボネートGの製造 水酸化ナトリウム64.8gを水800gに溶解した水溶液、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェノール)プロパン137g、塩
化メチレン400g及びフェノール1.7gを混合して乳濁状と
し、これに10〜20℃で、かきまぜながらホスゲン58.5g
を徐々に1時間を要して吹き込んで反応させた。
その後、この反応液に、メチルクロロホーメイト1.7gを
塩化メチレン40mlに溶解したものを添加し、さらにホス
ゲン6gを5分間で吹き込んだのち、トリエチルアミン0.
15gを加え、2時間かきまぜ、次いで反応混合物を分液
して、プレポリマーを含有する塩化メチレン相を取り出
し0.1N塩酸水溶液で洗浄後洗液中に塩素イオンが検出さ
れなくなるまで蒸溜水で充分に水洗し、さらに塩化メチ
レンを常温で減圧留去し、塩化メチレンを約100重量%
を含むプレポリマーを得た。続いて、このプレポリマー
をアセトン2中に投入して、かきまぜたのち、これを
ろ過してポレポリマー粉末を取り出し、洗浄アセトン中
に塩素イオン、塩素原子が検出され次いでアセトンで洗
浄した。得られたプレポリマーは結晶化しており、結晶
化度15%で、かつ重量平均分子量は6300であった。
次に、このようして得られたプレポリマーを、加熱炉付
真空エバポレーターのフラスコに入れ、フラスコを回転
してプレポリマーをかきまぜながら、190℃より5℃/hr
で昇温し、2〜5mmHgの減圧下乾燥窒素を少しずつ加え
ながら反応させた。220℃に達したのち、さらに7時間
反応させることにより、重量平均分子量24000(Mw/Mn=
2.2)のポリカーボネートが得られた。
該ポリカーボネート中の塩素イオンは0.00003重量%以
下、塩素原子は0.001重量%以下であった。
8)ポリカーボネートHの製造 ビスフェノールAとビスフェノールAに対して0.4モル
%のα,α′,α″−トリス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼンとジフェニル
カーボネートより合成した、結晶性芳香族ポリカーボネ
ートプレポリマーを用いた以外はポリカーボネートAの
製造と同様にして固相重合を行なった。
Mn=13000,Mw=36000の芳香族ポリカーボネートが得ら
れた。
該ポリカーボネート中の塩素イオンは0.00001重量%以
下、塩素原子は0.001重量%以下であった。
9)ポリカーボネートIの製造 ビスフェノールAとジフェニルカーボネートとビスフェ
ノールAに対して0.0002モル%のナトリウムフェノラー
トを用いた以外は、ポリカーボネートAの製造と同様に
して、固相重合を行なった。Mn=12400,Mw=27900の芳
香族ポリカーボネートが得られた。
該ポリカーボネート中に塩素イオンは0.00001重量%以
下、塩素原子は0.001重量%以下であった。
10)ポリカーボネートJの製造 フェノールとホスゲンを用いて合成したジフェニルカー
ボネートを単蒸溜して用いた以外は実施例1と同様に重
合を行なった。
Mn=12400,Mw=27900の芳香族ポリカーボネートが得ら
れた。
該ポリカーボネート中には塩素イオンは0.0002重量%、
塩素原子は0.0015重量%であった。
実施例 1 前記1)で製造した、ポリカーボネートA 10kgに対し
て、ビス(ノニルフェニル)ハイドロゲンホスファイト
0.15g及びトリス(2,4−ジターシャリ−ブチルフェニ
ル)ホスファイト2.0gをヘンシェルミキサーで混合した
後、押出機を用いて造粒を行なった。造粒サンプルを射
出成形を行ない試験片を作製した。この試験片の耐熱、
耐熱水テスト、リサイクルテストの結果を表1に示し
た。
実施例 2〜7 表1に示したポリカーボネートを用い、表1に示した配
合で、実施例1と同様に物性評価を行なった。結果を表
1に示した。
比較例 1〜3 表1に示したポリカーボネートを用い、表1に示した配
合で、実施例1と同様に物性評価を行なった。結果を表
1に示した。
実施例 8〜10 比較例 3〜7 表2に示したポリカーボネートを用い、表2に示した配
合で、実施例1と同様に物性評価を行なった。結果を表
2に示した。
実施例 11〜13 比較例 8〜12 表3に示したポリカーボネートを用い、表3に示した配
合で、実施例1と同様に物性評価を行なった結果を表3
に示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られた芳香族ポリカーボネートの
DSCチャートである。 該ポリカーボネートの融点は271℃、半値幅は4.3℃であ
った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−223035(JP,A) 特開 昭64−4617(JP,A) 特開 平1−158033(JP,A) 特開 昭63−218730(JP,A) 特開 昭59−12962(JP,A) 特開 昭48−99248(JP,A)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に塩素原子を含まない芳香族ポリカ
    ボーネート100重量部と、 亜リン酸ジエステル及び亜リン酸モノエステルから選ば
    れた1種以上の化合物(a成分)0.0005〜0.015重量部
    と フェノール系抗酸化剤、亜リン酸トリエステル及び有機
    フォスフォナイトから選ばれた1種以上の化合物(b成
    分)0.0005〜0.1重量部と からなることを特徴とする安定化された芳香族ポリカー
    ボネート組成物。
  2. 【請求項2】a成分として亜リン酸ジエステルを使用す
    ることを特徴とする請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】b成分としてフェノール系抗酸化剤と亜リ
    ン酸トリエステル及び/又は有機フォスフォナイトを使
    用することを特徴とする請求項1又は2記載の組成物。
  4. 【請求項4】b成分としてフェノール系抗酸化剤を使用
    することを特徴とする請求項1又は2記載の組成物。
  5. 【請求項5】b成分として亜リン酸トリエステルを使用
    することを特徴とする請求項1又は2記載の組成物。
  6. 【請求項6】b成分として有機フォスフォナイトを使用
    することを特徴とする請求項1又は2記載の組成物。
  7. 【請求項7】亜リン酸ジエステルが芳香族亜リン酸ジエ
    ステルである請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
  8. 【請求項8】実質的に塩素原子を含まない芳香族ポリカ
    ーボネートが高結晶性ポリカーボネートである請求項1
    〜7のいずれかに記載の組成物。
  9. 【請求項9】実質的に塩素原子を含まない芳香族ポリカ
    ーボネートが、該ポリカーボネート1.0gを塩化メチレン
    7mlに溶かした溶液を光路長1cmセルに入れ、分光光度計
    により測定した400nmでの吸光度が0.01未満であること
    を特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。
  10. 【請求項10】実質的に塩素原子を含まない芳香族ポリ
    カーボネート100重量部に 亜リン酸ジエステル及び亜リン酸モノエステルから選ば
    れた1種以上の化合物(a成分)0.0005〜0.015重量部
    と フェノール系抗酸化剤、亜リン酸トリエステル及び有機
    フォスフォナイトから選ばれた1種以上の化合物(b成
    分)0.0005〜0.1重量部の割合で混合することを特徴と
    する、安定化された芳香族ポリカーボネート組成物の製
    法。
  11. 【請求項11】結晶性芳香族ポリカーボネートプレボリ
    マーを固相重合して得た芳香族ポリカーボネートを、実
    質的に塩素原子を含まない芳香族ポリカーボネートとし
    て使用することを特徴とする請求項10記載の安定化され
    た芳香族ポリカーボネート組成物の製法。
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