JPH0757834B2 - エチレン／ビニルアルコール共重合体をベースとしたアロイで構成されるバリヤーフィルムと、その製造方法と、その包装材料としての応用 - Google Patents

エチレン／ビニルアルコール共重合体をベースとしたアロイで構成されるバリヤーフィルムと、その製造方法と、その包装材料としての応用

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JPH0757834B2
JPH0757834B2 JP3014797A JP1479791A JPH0757834B2 JP H0757834 B2 JPH0757834 B2 JP H0757834B2 JP 3014797 A JP3014797 A JP 3014797A JP 1479791 A JP1479791 A JP 1479791A JP H0757834 B2 JPH0757834 B2 JP H0757834B2
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    • C08L29/02—Homopolymers or copolymers of unsaturated alcohols
    • C08L29/04—Polyvinyl alcohol; Partially hydrolysed homopolymers or copolymers of esters of unsaturated alcohols with saturated carboxylic acids
    • C—CHEMISTRY; METALLURGY
    • C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L23/00—Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L23/02—Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
    • C08L23/10—Homopolymers or copolymers of propene
    • C08L23/12—Polypropene

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はお湯や過熱蒸気に耐える
ことができるフィルム、特に食品包装用のいわゆる「バ
リヤーフィルム」に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】食品を確実に保存するためには、ゴミが
付かないようにするだけではなく、湿気に対する保護、
酸素、二酸化炭素のような気体や臭いに対する保護を確
実に行う必要がある。そのためには、気体や水蒸気に対
して一定の透過特性を有するポリマー、換言すれば気体
や水蒸気の透過度が異なるバリヤー樹脂が用いられる。
一般に、これらのフィルムは気体を通さないポリマーと
水蒸気を通さないポリマーとによって構成される１枚か
ら複数の層を有している。例えば、酸素の透過性を小さ
くする必要がある場合には、酸素に対する遮断特性が極
めて高いポリマーであることが知られている例えばエチ
レン／ビニルアルコール（ＥＶＯＨ）共重合体が用いら
れる。また、水蒸気に対して十分な保護をしたい場合に
は、ポリプロピレンのようなポリオレフィンで構成され
たバリヤー層が用いられる。包装形態および食品に応じ
た気体および水蒸気に対する不透過性を付与したい場合
には、気体および水蒸気に対する透過特性が互いに異な
る複数のフイルムを用いる。
【０００３】食品の「鮮度」を保ち且つ保存期間を長く
するためには、食品を無菌包装しなければならない。そ
のためには種々の方法、例えば低温殺菌や滅菌がある。
これらの方法では、包装物、すなわち包装された食品を
数秒間から数時間の間お湯（85〜100 ℃) または過熱蒸
気を作用させる。滅菌の場合には、温度は例えば121 ℃
に達し、場合によっては 135〜140 ℃になることもあ
る。さらに、１枚または複数のバリヤー層からなる包装
物は、水と温度の複合作用や３〜４バールに達する圧力
に機械的に耐える必要がある。ある種のフィルム、特に
ＥＶＯＨを主成分としたフィルムは、滅菌時またはお湯
の作用で劣化して、劣化した層が膨れたり、多層フィル
ム全体が剥離するということが分かっている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、お湯
と過熱蒸気に対する耐久性に優れたフィルムを提供する
ことにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明の提供するお湯と
過熱蒸気に対する耐久性に優れたフィルムは、少なくと
もエチレン−ビニルアルコール（ＥＶＯＨ）共重合体
と、ポリプロピレンと、相溶化剤とを含むアロイによっ
て構成され、相溶化剤が式：ＡＭＰＸ（ここで、ＡＭは
プロピレンとα−オレフィンとの共重合によって得られ
る主鎖の共重合体を表し、Ｘは無水シトラコン酸、フマ
ール酸、メサコン酸、３−アリル無水琥珀酸および無水
マレイン酸によって構成される群の中から選択され、Ｐ
はカプロラクタム、11−アミノウンデカン酸またはドデ
カラクタムから誘導されたポリアミドオリゴマーを表
す）のグラフト共重合体の中から選択されることを特徴
としている。
【０００６】本発明のフィルムは、上記アロイが少なく
とも30重量％のＥＶＯＨを含むことを特徴としている。
本発明のフィルムの中では特に42.5〜99.5重量％のＥＶ
ＯＨと、42.5〜0.4 重量％のポリプロピレンと、 0.1〜
15重量％の相溶化剤とを含むアロイで製造されたものが
好ましい。
【０００７】上記アロイのＥＶＯＨの組成比率は、マト
リックスすなわち分散相がＥＶＯＨであることによって
特徴付けられる。ポリプロピレンはほぼ球形または小円
筒棒状の節 (ノジュール) の形で分散されている。
【０００８】これら２つの相の間を接着する上記相溶化
剤は1989年９月15日に公開されたヨーロッパ特許出願公
開第 0,342,066号に記載のα−モノオレフィンを主成分
としたグラフト共重合体にすることができる。
【０００９】ＥＶＯＨは基本的にエチレン単位とビニル
アルコール単位とで構成される共重合体であり、その他
のモノマー単位、特にビニルエステル単位を少量含むこ
とができる。これらの共重合体はエチレン／ビニルエス
テル共重合体を完全または部分的に鹸化またはアルコー
リシスして得られる。ビニルエステルとしては酢酸ビニ
ルが好ましいモノマーである。鹸化度またはアルコーリ
シス度は少なくとも90モル％、好ましくは94〜99.5％で
ある。ＥＶＯＨ中のエチレンのモル比は３〜75％、好ま
しくは10〜50％の範囲である。
【００１０】ポリプロピレンは基本的にプロピレン単位
からなるポリマーであるが、必要に応じてその他のモノ
マー単位、特にエチレンおよび／または４〜６個の炭素
原子を有する１つまたは複数のα−オレフィンを40モル
％以下の量で含むことができる。特に、ホモポリプロピ
レンまたはエチレンを 0.5〜30モル％を含むブロックプ
ロピレンコポリマーまたは 0.1〜30モル％のエチレンを
含むプロピレンとエチレンとのランダムコポリマーを用
いることができる。
【００１１】上記の３つの主成分、すなわちＥＶＯＨ、
ポリプロピレンおよび相溶化剤に、必要に応じて、安定
化剤、帯電防止剤または潤滑剤、その他のポリマー化合
物をさらに少量添加することもできる。
【００１２】各成分は粉末または顆粒の形態をしている
ので、上記アロイは単軸スクリュー押出機、逆回転式ま
たは同方向回転式の２軸スクリュー押出機または円筒混
練機等の成形機を用いて溶融状態または溶液で製造する
ことができる。
【００１３】本発明による単層フィルムは全体がアロイ
によって構成される。多層フィルムは、少なくとも１層
がアロイ層で構成され、他の層はポリエチレン（Ｐ
Ｅ）、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリアミド（ＰＡ）、
ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）およびポリカー
ボネート（ＰＣ）で構成される群の中から選択されたポ
リマーで構成される。ポリマーによっては、各層の間を
良く接着させるバインダー（連結材）を共押出する必要
がある。本発明の多層フィルムでは、アロイ層は外側で
も内側でもよい。本発明の多層フィルムの例としては以
下が挙げられる： (1) ＰＰ／アロイ／ＰＰ (2) ＰＰ／共押出バインダ／アロイ (3) ＰＰ／共押出バインダ／アロイ／同時押出バインダ
／ＰＰ (4) ＰＡ／アロイ
【００１４】本発明のフィルムは、温度 200〜260 ℃で
フラットダイで押出成形するか、ブロー成形して得るこ
とができる。本発明のフィルムは上記のフラットダイま
たはリングダイを使用した共押出し法の他に、押出し被
覆法または押出積層法のような方法で作ることができ、
これらの方法を用いることによってフィルムと金属、例
えばアルミニウムとを組合わせることができる。
【００１５】本発明のアロイを用いて作られた本発明の
フィルムはお湯と過熱蒸気に対して優れた耐久性を示
す。すなわち、１〜４バールの圧力の 100〜140 ℃の温
度の過熱蒸気に曝した単層または多層フィルムは透明性
を保持し、その表面の外観はほぼ不変である。これに対
して、全部または一部をＥＶＯＨで作った同様なフィル
ムは不透明になり、皺ができ、変形し、剥離する。
【００１６】全部または一部を本発明のアロイで作った
本発明のフィルムは種々の包装材料の製造に使用するこ
とができ、特に、食品用の袋、可撓性封筒、小容器、ポ
ット等の製造に使用することができる。本発明のフィル
ムはさらに、医療分野の血液透析または血漿瀉血等の技
術で使用されるメンブレンを製造するのにも使用するこ
とができる。以下、本発明の実施例を示す。
【００１７】
【実施例】試験１〜５ (ａ）以下の比率の５つの組成物を同じ方向に回転する
２軸スクリュー押出機を用いて製造した： (1) ＥＶＯＨ： 210 ℃、2.16 kg で測定したメルトイ
ンデックスが 3.2ｇ／10分であるエチレンを32モル％含
む99.3％加水分解されたエチレン−酢酸ビニル共重合
体、 (2) ＰＰ： 230℃、2.16 kg で測定したメルトインデッ
クスが２ｇ／10分であるエチレンを３重量％含むエチレ
ン−プロピレンランダム共重合体、 (3) 相溶化剤： ヨーロッパ特許出願公開第 0,342,066
号の実施例１によって製造した表１および表２に示した
グラフト共重合体。 表１および表２の記号は以下のものを示す： Ａはプロピレンから誘導された単位であり、Ｍはエチレ
ンから誘導された単位であり、Ｘは無水マレイン酸から
誘導された単位であり、Ｐは末端アミン官能基を電位差
測定して測定した分子量が 2,700のカプロラクタムオリ
ゴマーである。 (ｂ）これらの組成物を次いで 210〜230 ℃の範囲の温
度で単軸スクリュー押出機を用いて厚さ20μm のフィル
ムに押出し成形した。これらのフィルムを冷凍粉砕した
後に走査電子顕微鏡（ＳＥＭ）を用いて観察した (表１
および表２を参照) 。フィルム押出による配向のため、
分散相は押出方向に配向した小さな棒の形をしている。
各小さな棒の寸法は、分散相をキシレンに溶解させた後
の破片によって測定した。両相間の接着性は上記破片か
ら定性的に評価した。
【００１８】
【表１】
【００１９】
【表２】
【００２０】（ｃ）単層フィルムのお湯に対する耐久性 （１）フィルム組成実施例１ （比較例） 単層フィルムの組成：エチレン32％を含むエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体100 ％（210 ℃、2.16kg下で測
定したメルトインデックスは3.2g／10分）。
【００２１】実施例２ 本発明の単層フィルムの組成：下記の重量組成を有する
のアロイ100 ％： 実施例１のＥＶＯＨ： 80.75 ％ ＰＰ： エチレン３％を含むエチレン−プロピレン
ランダム共重合体（ＭＩ；10〜230 ℃／2.16kg) 14.2
5 ％ 相溶化剤Ａ663 Ｍ136 Ｘ2.91Ｐ0.87 ： 5 ％
【００２２】実施例３ 単層フィルムの組成：エチレンを44モル％を含むエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体100 ％（メルトインデッ
クスは 3.5〜210/2.16kg) 。
【００２３】実施例４ 単層フィルムの組成：下記重量組成を有するアロイ100
％： 実施例３のＥＶＯＨ： 80.75％ 実施例２のポリプロピレン ： 14.25％ 実施例２の相溶化剤： 5 ％
【００２４】実施例５ 実施例２の組成を有する押出し／インフレーション法で
作ったフィルム。
【００２５】（２）お湯に対する耐久性試験の条件 試験機のフレーム内にフィルムを張った後、一定温度の
蒸留水の浴に30分間浸し、磁気撹拌器を用して緩やかに
撹拌する。結果の評価 試験後、フィルムの外観と透明性を下記任意の分類によ
って評価した：外観 ： Ａ：変化なし、 Ｂ：筋ができ
た、Ｃ：折り目がついた、 Ｄ：穴があいた透明度 ： １：変化なし〜４：不透明
【００２６】従って、外観が変化せず、不透明であるフ
ィルムはＡ４として分類した。結果を表３に示した。
【００２７】
【表３】
【００２８】本発明の単層フィルムすなわち実施例２、
４および５の単層フィルムはＥＶＯＨヲベースとした実
施例１と３の単層フィルムよりお湯に対する耐久性が優
れている。特に優れた結果は、エチレンを32モル％含む
ＥＶＯＨをベースとしたアロイ（実施例５）を用いた場
合である。
【００２９】（ｄ）過熱蒸気（滅菌）に対する耐久性 （１）フィルムの組成実施例６ （比較例） 実施例１の単層フィルムの組成。実施例７ 実施例２の単層フィルムの組成。
【００３０】（２）過熱蒸気に対する耐久性試験条件 温度 100℃以上で実施する試験はオートクレーブ内で行
われる。ステンレス鋼フレーム（５×５cm) 中に張った
フィルムをオートクレーブ内に入れ、飽和蒸気〜過熱水
の何れかで実施される試験条件下に30分間置く。過熱水
を用いて試験を行う場合には、オートクレーブに付属し
た容器中で水を予め加熱した後、特別に設計された装置
を用いてオートクレーブ内に素早く導入する。過熱蒸気
で実施する試験の場合の圧力は１〜３バールの範囲であ
る。
【００３１】結果の評価 お湯に対する評価試験と同じ任意分類を用いた。結果 過熱蒸気の温度： 120 ℃ 実施例６（比較例） Ｄ４ 実施例７ Ｂ１
【００３２】（ｅ）過熱蒸気に対する３層フィルムの耐
久性 （１）フィルムの組成 表４に示す組成と厚さを有する３層フィルムを共押出し
ブロー成形で作った。
【００３３】
【表４】
【００３４】この表で、共重合体Ｘとは、共押出された
バインダー（無水マレイン酸をグラフト化したプロピレ
ン−エチレン共重合体）を示す。これらの試験は、３層
押出しブロー成形機で行った。
【００３５】（２）共押出条件 押出機１（コポリマーＸ） 温度 ： 210〜230 ℃ スクリュー速度： 132 回転／分 押出機２（コポリマーＸ） 温度 ： 210〜230 ℃ スクリュー速度： 122 回転／分 押出機３（アロイまたはＥＶＯＨ） 温度 ： 210 〜230 ℃ ダイ 直径 ： 150 mm ブロー比： 8.12 温度 ： 220 ℃ 引抜き速度 ： 8.83m/分 結果は表５に示した。
【００３６】
【表５】
【００３７】（ｆ）５層フィルムの過熱蒸気に対する耐
久性 （１）フィルムの組成 表６に示す組成と厚さを有する５層フィルムをフラット
ダイを用いて共押出しして作った。
【００３８】
【表６】
【００３９】（２）共押出条件 これらの試験は５層共押出し機で実施した。 押出機（ＰＰ） 温度： 200〜245 ℃ 押出機（同時押出バインダ） 温度： 220〜245 ℃ 押出機（ＥＶＯＨまたはアロイ） 温度： 215〜245 ℃ ダイ 間隙： 0.7mm、幅：２ｍ 温度： 250℃ 結果は下記の表７に示した。
【００４０】
【表７】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ０８Ｌ 29/04 ＬＤＭ 77/00 ＬＱＳ (56)参考文献 特開 平１−315442（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−199040（ＪＰ，Ａ) 特開 昭51−5354（ＪＰ，Ａ)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 少なくともエチレン−ビニルアルコール
    （ＥＶＯＨ）共重合体と、ポリプロピレンと、相溶化剤
    とを含むアロイからなり、相溶化剤が式：ＡＭＰＸ（こ
    こで、ＡＭはプロピレンとα−オレフィンとの共重合に
    よって得られる主鎖の共重合体を表し、Ｘは無水シトラ
    コン酸、フマール酸、メサコン酸、３−アリル無水琥珀
    酸および無水マレイン酸によって構成される群の中から
    選択され、Ｐはカプロラクタム、11−アミノウンデカン
    酸またはドデカラクタムから誘導されたポリアミドオリ
    ゴマーを表す）のグラフト共重合体の中から選択される
    ことを特徴とするフィルム。
  2. 【請求項２】 アロイが少なくとも30重量％のＥＶＯＨ
    を含む請求項１に記載のフィルム。
  3. 【請求項３】 アロイが42.5〜99.5重量％のＥＶＯＨ
    と、0.2 〜42.5重量％のポリプロピレンと、 0.1〜15重
    量％の相溶化剤と含む請求項１または２に記載のフィル
    ム。
  4. 【請求項４】 ＥＶＯＨ中のエチレンのモル比が３〜75
    ％の範囲である請求項１〜３のいずれか一項に記載のフ
    ィルム。
  5. 【請求項５】 請求項１に記載のアロイで構成される層
    を少なくとも１層有することを特徴とする多層フィル
    ム。
  6. 【請求項６】 上記アロイで構成される層以外の他の層
    がポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエ
    チレンテレフタレートおよびポリカーボネートによって
    構成される群の中から選択される請求項５に記載の多層
    フィルム。
  7. 【請求項７】 請求項１〜６のいずれか一項に記載のフ
    ィルムまたは多層フィルムを用いた包装材料。
  8. 【請求項８】 食品包装材料である請求項７に記載の包
    装材料。
JP3014797A 1990-01-15 1991-01-14 エチレン／ビニルアルコール共重合体をベースとしたアロイで構成されるバリヤーフィルムと、その製造方法と、その包装材料としての応用 Expired - Fee Related JPH0757834B2 (ja)

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