JP3037551B2 - 透明なコポリアミドからなるガス遮断層を有するチーズ包装のための多層フィルム - Google Patents

透明なコポリアミドからなるガス遮断層を有するチーズ包装のための多層フィルム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明なコポリアミド、
該コポリアミドからなる遮断層および該遮断層からな
り、特にチーズ包装のために使用される多層複合体に関
する。
【0002】
【従来の技術】今日遮断物質としてポリ塩化ビニリデン
を有する多層複合体は包装工業で広く普及している。典
型的には以下のものが挙げられる。欧州特許第3698
08号明細書、米国特許第4424243号明細書およ
び米国特許第4801486号明細書。ポリ塩化ビニリ
デンの主な欠点は、その困難な加工可能性および加工機
器における強力な腐食作用と並んで廃棄処理の際の遊離
した塩素およびダイオキシンの可能な形成による環境破
壊である。
【0003】米国優先権第383185号(1989年
7月21日)を有する欧州特許公開第409666号明
細書から、イソフタル酸、アジピン酸および選択に応じ
てテレフタル酸、およびヘキサメチレンジアミンおよび
m−キシリレンジアミンからなるコポリアミド組成物が
公知であり、これはすぐれたガス遮断特性を有する。
【0004】しかしながら上記明細書の説明は少なくと
も3:1のCO2およびO2遮断比の課題を解決しない。
更に上記明細書の説明は、この遮断特性における可能な
かぎり少ない湿分の影響に対する要求にも応じられな
い。
【0005】近年、欧州特許第457598号明細書に
より遮断物質としてコポリアミド6/12の使用が公知
となった。この物質の大きな欠点は、増加する湿分と共
に減少する、その周囲の湿分に依存した酸素遮断であ
る。
【0006】しかしながら包装の分野では、良好な加工
可能性を示し、腐食特性を有せず、ハロゲンを含まず、
かつその遮断作用が湿分の吸収の際に劣化しない遮断物
質の需要が存在する。
【0007】3種以上の、有利には一部芳香族のポリア
ミドからなるブレンドを使用して部分的に良好な遮断作
用を達成することができる。コポリアミドに比べてこの
ブレンドの欠点は、困難な粒状化、それぞれの個々の成
分のための多くの試験費用および著しく高い粗製生成物
費用と並んで製造費用を高くする付加的な押出し工程で
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は技術水
準の欠点を克服することであった。加えてチーズ包装の
使用分野のための遮断物質のために特別な遮断特性が必
要である。二酸化炭素遮断と酸素遮断の比は3:1〜
5:1の範囲内またはそれより高くなければならない。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題は、請求項1記
載の透明なコポリアミドからなるガス遮断層を有する多
層フィルムにより解決される。
【0010】本発明による遮断層としてのコポリアミド
は、二酸化炭素遮断値と酸素遮断値の比が少なくとも
3:1であり、かつ有利には食品の分野でチーズおよび
チーズを含有する製品を包装するための多層フィルムに
使用することができる。
【0011】この遮断層はコポリアミドからなるフィル
ムであり、このフィルムは有利なやり方で良好な二軸延
伸可能性、延伸した物質の高い収縮性、高い透明度、十
分な柔軟性および相容性により際立っている。この遮断
層は熱可塑性の加工可能なポリマー、たとえば支持層、
シール層または保護層からなるほかの層といっしょに同
時押出しにより問題なく製造し、かつ多層複合体として
使用することができる。
【0012】遮断層を形成するコポリアミドは、成分: I.ヘキサメチレンジアミン/アジピン酸15〜75モ
ル%、 IIa.ヘキサメチレンジアミン/アゼライン酸および
/または IIb.ヘキサメチレンジアミン/セバシン酸15〜6
5モル%、および IIIa.ヘキサメチレンジアミン/イソフタル酸およ
び/または IIIb.ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸10
〜70モル%からなり、ただし成分の全量は100モル
%である。
【0013】有利な組成物は I.15〜60モル%、 IIaおよび/またはIIb.15〜55モル%、 IIIaおよび/またはIIIb.10〜45モル% からなり、その際、 I.35〜55モル%、 IIaまたはIIb.15〜55モル%、 IIIaまたはIIIb.10〜30モル% からなるものが特に有利である。
【0014】成分の合計はそれぞれ100モル%であ
る。当業者に周知のように酸およびジアミンはほぼ等モ
ルの比で存在しなければならない。
【0015】本発明によるコポリアミドは技術水準によ
る常用の添加剤、たとえば鎖長調整剤、安定剤、消泡剤
および結晶化促進剤を含有することができる。
【0016】本発明によるコポリアミドの製造は自体公
知の方法で溶融縮合法により実施する。
【0017】使用に応じて本発明によるコポリアミドの
相対粘度の有利な範囲は、23℃でm−クレゾール中の
0.5%溶液として測定して1.75〜2.5である。
しかしながらより高いおよびより低い粘度も問題なく使
用可能である。
【0018】たとえば試験および検査目的のための遮断
層の製造は自体公知の方法でインフレート法により実施
する。
【0019】多層複合体のために多くの、場合により異
なる公知の遮断層および多くのほかの公知のポリマー層
を使用することができる。有利なほかのポリマー層は複
合体に定義される使用特性を付与する公知の保護層およ
び支持層である。公知のシール層は多層複合体をヒート
シールにより密封可能にするために必然的に使用され
る。公知の付着媒介層も有利に使用することができる。
【0020】保護層および支持層のための有利なポリマ
ーはポリアミド、ポリオレフィンまたはポリエステルか
らなるものである。
【0021】有利な付着媒介層は官能化された、すなわ
ち官能性の基を有するポリオレフィンである。シール層
は有利には低融点のポリマーからなる。いわゆるイオノ
マーが有利である。多層複合体の製造は有利には同時押
出し装置で実施する。
【0022】
【実施例】本発明を実施例により詳細に説明する。本発
明は実施例に限定されない。
【0023】 第1表 例1〜3の遮断層の組成 遮断層中のコポリアミドの組成 例 I IIa IIIa IIIb No. モル% モル% モル% モル% 1 38 52 10 −− 2 55 15 30 −− 3 38 52 −− 10 IIIa:ヘキサメチレンジアミン/イソフタル酸 IIIb:ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸 第2表 相対湿度(rF)0または85%における遮断特性 例 周囲湿度 遮断特性* 比 No. 酸素 二酸化炭素 *** ** ** 1. 0%rF 65 204 3.1 85%rF 40 469 11.7 2. 0%rF 48 144 3.0 85%rF 24 209 8.7 3. 0%rF 75 228 3.0 85%rF 45 363 8.1 比較実験 0%rF 120 400 3.3 85%rF 200 800 4.0 * 吹き込みフィルム厚さ50μm ** cm3/m2・日・バール 測定装置:85%rF Mocon Oxtran Twin 0%rF Lissy L 100 ***二酸化炭素遮断と酸素遮断の比 (rF:相対湿度) 比較実験 カプロラクタムおよびラウリンラクタムをベースとした
コポリアミドを使用した。
【0024】本発明によるコポリアミドを使用した例1
〜3の遮断層は比較実験に比べて著しく改良された酸素
遮断および湿分状態で著しく良好な二酸化炭素遮断と酸
素遮断の比を示した。
【0025】実際の試験で、すなわち冷凍室内に包装し
たチーズを保存した際にも、例1で製造したコポリアミ
ドを有するフィルム物質は遮断物質として有利であるこ
とが示された。保存時間6月後かび形成およびチーズ熟
成の際に生じる二酸化炭素による膨れが存在しなかっ
た。
【0026】第3表には、遮断層としてポリ塩化ビニリ
デンを有する市販のチーズ包装の比較、および遮断層と
して例1で製造したコポリアミドと、内側のイオノマー
のシール層、外側のポリオレフィンからなる保護層およ
び遮断層を包囲する2つの付着層とを組み合わせた本発
明による多層複合体を示した。
【0027】 第3表 多層包装フィルム 遮断層 遮断特性 比 乾燥/状態調節した 種類 厚さ 酸素 二酸化炭素 *** μ ** ** PVDC 10 160/175 800/800 5〜4.6 例1 10 208/207 1323/2610 6.4〜12.6 ** cm3/m2・日・バール 0%rF/85%rF 測定装置:85%rF Mocon Oxtran Twin 0%rF Lissy L 100 ***二酸化炭素遮断と酸素遮断の比 本発明によるコポリアミドからなる遮断層を有する多層
複合体は、十分な酸素遮断および二酸化炭素と酸素のす
ぐれた遮断比を可能にする。
【0028】ポリ塩化ビニリデンを有する複合体と比べ
て遮断物質としてのコポリアミドの特別の利点は、酸素
遮断が周囲湿度に依存しないことである。もう1つの利
点は良好な柔軟性、腐食特性のないことおよび特にハロ
ゲンを含まないことである。
【0029】本発明によるコポリアミドからなる遮断層
の酸素遮断は、乾燥状態で自体公知の核剤、たとえばポ
リアミド22または無機質の核剤、たとえばタルクを加
えることによりなお改良することができる。この核剤は
それぞれ周知の濃度で使用する。更にフィルム押出しに
よるこの方法によって安定した遮断水準がより速く達成
される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−62399(JP,A) 特開 昭51−64018(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 27/34 B65D 65/40 C08G 69/00 - 69/50 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分: I.ヘキサメチレンジアミン/アジピン酸15〜75モ
    ル%、 IIa.ヘキサメチレンジアミン/アゼライン酸および
    /または IIb.ヘキサメチレンジアミン/セバシン酸15〜6
    5モル%、および IIIa.ヘキサメチレンジアミン/イソフタル酸およ
    び/または IIIb.ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸10
    〜70モル%からなり、ただし成分の全量が100モル
    %である透明なコポリアミドからなり、前記コポリマー
    が二酸化炭素と酸素に関する少なくとも3:1の比を有
    する遮断値を示す、ガス遮断層を有するチーズ包装のた
    めの多層フィルム
  2. 【請求項2】 同時押出しにより得られた請求項記載
    の多層フィルム
  3. 【請求項3】 少なくとも1つのガス遮断層と、付着
    層、支持層、保護層およびシール層の群からなる少なく
    とも1つのほかのポリマー層を組み合わせた請求項
    載の多層フィルム
  4. 【請求項4】 少なくとも1つのほかのポリマー層がポ
    リアミド層、ポリオレフィン層、イオノマーのポリオレ
    フィン層およびポリエステル層の群から選択される支持
    層である請求項1または3記載の多層フィルム
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