JPH075652B2 - ポリエチレンの製造方法 - Google Patents

ポリエチレンの製造方法

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JPH075652B2
JPH075652B2 JP59249753A JP24975384A JPH075652B2 JP H075652 B2 JPH075652 B2 JP H075652B2 JP 59249753 A JP59249753 A JP 59249753A JP 24975384 A JP24975384 A JP 24975384A JP H075652 B2 JPH075652 B2 JP H075652B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規な触媒系の存在下に重合体の融点未満の
反応温度で重合を行うエチレン重合体の製造方法に関す
る。さらに詳しくは、重量平均分子量10000以上のエチ
レン重合体を、消費エチレン当たり高い収量で製造する
方法に関する。
〔従来の技術〕
エチレンの低圧重合に遷移金属化合物および有機金属化
合物からなる触媒系を用いることは既に知られている
が、最近は高活性型触媒として、無機または有機マグネ
シウム化合物と遷移金属化合物との反応物を1成分とし
て含有する触媒系が多く用いられている。また、これら
の触媒系の存在下に分子量分布を広い範囲で制御するた
めに、反応条件の異なる複数個の重合工程でエチレンを
重合する、いわゆる多段重合方式も公知である。このよ
うな重合方法は、さらに重合体の融点以上の反応温度で
行う方法と、融点未満で行う方法に大別される。
前者の方法は、例えば120〜250℃の反応温度で重合を行
うので、分子量調節剤として水素を用いることは問題に
ならないが、加熱等のために多量のエネルギーを必要と
する。また、均質な重合体を得るためには溶液粘度の制
限を受けるので、生産性が低いという工業的に不利益な
点を持っている。
一方、後者の方法は、融点未満の温度で重合を行うので
前述の欠点は生じないものの、通常分子量調節剤として
水素を用いており、特に分子量を低くする場合には多量
の水素が必要である。この際、従来の高い活性を有する
チーグラー型触媒系では、水素によりエチレンの一部が
水素添加されて工業的に不利益なエタンが副生するとい
う反応が無視できない程度に生じ、不都合である。
他方、エチレンワックスの分野において特開昭55-16420
6号公報は、特定の高活性チタン成分,有機アルミニウ
ム成分,ハロゲン化合物成分よりなる触媒を使用し、約
140℃以上の反応温度で粘度平均分子量4000以下のエチ
レンワックスを得る製法を開示しているが、本発明のよ
うに重合体の融点未満の反応温度で重量平均分子量1000
0以上の高分子量エチレン重合体を得る製法において
は、エタンの副生を抑制する技術は確立されていなかっ
た。
〔解決しようとする課題〕
重合体の融点未満の反応温度で重合を行う方法は、通常
の重合、特に多段重合に際し工業的に不利益なエタンが
多量に副生する結果、原料エチレン当たりの重合体収量
が低下し、生産性が悪化するという欠点が生じると共
に、副生した不用なエヌンが重合系内に蓄積するので、
これを系外へ排出するため、エチレンなどの原料の損失
を免かれない。そこで本発明者らは、触媒活性が高く、
かつ優れた品質と分子量分布の多様性を有する重合体を
与えるという従来の触媒ないしプロセスの特性を維持し
ながら、しかもエタンに副生が抑制されたエチレンの重
合方法を提供することを目的として鋭意検討を続けてき
た。その結果、特定の触媒成分の組み合わせにより工業
的に不利益なエタンの副生を防止した重量平均分子量10
000以上のエチレン重合体の製造方法を見い出すに至っ
た。
〔解決の手段〕
すなわち本発明は、高い活性を有するようにチーグラー
型触媒および水素の存在下に、エチレンまたはエチレン
とα−オレフィンを重合体の融点未満の反応温度で重合
させるポリエチレンの製造方法において、該触媒が、 (A)(i)金属マグネシウムとアルコールとからなる
反応剤、マグネシウムの酸素含有有機化合物およびハロ
ゲン化マグネシウム化合物の群から選ばれた少なくとも
1種のマグネシウム含有反応剤と遷移金属の酸素含有有
機化合物および遷移金属のハロゲン含有化合物の群から
選ばれた少なくとも1種の4価のチタン化合物を含む遷
移金属含有反応剤とを、少なくとも1方の反応剤は化学
構造式中にC−O−M(式中、Mはマグネシウムまたは
遷移金属元素を表す)結合を有するものであるように選
択し、反応させて得られた生成物と (ii)少なくとも1種の有機アルミニウムジハライド とを反応させることによって得られた固体触媒成分
(A)と、 (B)有機アルミニウム化合物の少なくとも1種の触媒
成分(B)と、 (C)ハロゲン化炭化水素化合物から選ばれた少なくと
も1種の触媒成分(C)と から成ることを特徴とするポリエチレンの製造方法であ
る。
〔作用〕
本発明に使用される固体触媒成分(A)を製造するため
のマグネシウム含有反応剤としては、例えば金属マグネ
シウムとアルコールとからなる反応剤、マグネシウムの
酸素含有有機化合物またはハロゲン化マグネシウム化合
物などがあげられる。
まず、金属マグネシウムとアルコールとを使用する場合
において、金属マグネシウムとしては各種の形状、すな
わち粉末,粒子,箔またはリボンなどのいずれの形状の
ものも使用できる。
アルコール類としては、1〜18個の炭素原子を有する直
鎖または分枝鎖脂肪族アルコール,脂環式アルコールま
たは芳香族アルコールが使用できる。例としては、メタ
ノール,エタノール,n−プロパノール,i−プロパノー
ル,n−ブタノール,n−ヘキサノール,2−エチルヘキサノ
ール,n−オクタノール,シクロヘキサノール,エチレン
グリコールなどがあげられる。
これらのアルコールは、単独または2種類以上の混合物
として使用される。単独で使用することはもちろん良い
が、2種類以上の混合物として使用すると、重合体の粉
体特性などに特異な効果を醸しだすことがある。
加うるに、金属マグネシウムを使用して本発明で述べる
固体触媒成分(A)を得る場合、反応を促進する目的か
ら、金属マグネシウムと反応したり、付加化合物を生成
したりするような物質、例えばヨウ素,塩化第2水銀,
ハロゲン化アルキル,有機酸エステルおよび有機酸など
のような極性物質を、単独または2種以上添加すること
が好ましい。
次に、マグネシウムの酸素含有有機化合物に属する化合
物としては、マグネシウムアルコキシド類、例えばメチ
レート,エチレート,イソプロピレート,デカノレー
ト,メトキシエチレートおよびシクロヘキサノレート,
マグネシウムアルキルアルコキシド類、例えばエチルエ
チレート,マグネシウムヒドロアルコキシド類、例えば
ヒドロキシメチレート,マグネシウムフェノキシド類、
例えばフェノレート,ナフテネート,フェナンスレネー
トおよびクレゾレート,マグネシウムカルボキシレート
類、例えばアセテート,ステアレート,ベンゾエート,
フェニルアセテート,アジベート,セバケート,フタレ
ート,アクリレートおよびオレエート,マグネシウムオ
キシメート類、例えばブチルオキシメート,ジメチルグ
リオキシメートおよびシクロヘキシルオキシメート,マ
グネシウムヒドロキサム酸塩類,マグネシウムヒドロキ
シルアミン塩類、例えばN−ニトロソ−N−フェニル−
ヒドロキシルアミン誘導体,マグネシウムエノレート
類、例えばアセチルアセテート,マグネシウムシラノレ
ート類、例えばトリフェニルシラノレート、があげられ
る。
またハロゲン化マグネシウムとしては、マグネシウムジ
ハライド類、例えば塩化マグネシウム,臭化マグネシウ
ム,ヨウ化マグネシウム,マグネシウムヒドロキシハラ
イド類、例えばヒドロキシ塩化マグネシウム,マグネシ
ウムアルキルハライド類、例えばエチル塩化マグネシウ
ム,マグネシウムアルコキシハライド類、例えばエトキ
シ塩化マグネシウム,ブトキシ塩化マグネシウムなどが
あげられる。
これらのマグネシウム化合物は、単独または2種類以上
の混合物として使用される。前記の固体触媒成分(A)
を製造するための4価のチタン化合物を含む遷移金属含
有反応剤としては、まずチタン化合物自体として、チタ
ンの酸素含有有機化合物,チタンのハロゲン化化合物な
どがあげられる。チタンの酸素含有有機化合物として
は、チタンテトラプロポキシド,チタンテトラブトキシ
ド,ヘキサプロポキシジチタネートなど、またチタンの
ハロゲン化化合物としては四塩化チタン,四臭化チタン
などがあげられる。またチタンジエトキシジクロライ
ド,チタントリエトキシクロライドなども使用できる。
また、この成分(A)は、粒子性状の良い重合体を与え
るためにケイ素化合物を含有していても良い。さらに、
4価のチタン以外の遷移金属成分を含有していても良
い。
固体触媒成分(A)の粒子性状を良くするためのケイ素
化合物としては、ポリシロキサンおよびシラン類が使用
できる。ポリシロキサンの例としては、ジメチルポリシ
ロキサン,メチルヒドロポリシロキサン,ジフェニルポ
リシロキサンなどがあげられ、シラン類としては、ヘキ
サメチルジシラン,テトラエトキシシラン,ジフェニル
ジエトキシシランなどがあげられる。
前記4価のチタン化合物以外の遷移金属含有反応剤とし
ては、ジルコニウム化合物、例えば四塩化ジルコニウ
ム,エトキシトリクロロジルコニウム,ジブトキシジク
ロロジルコニウム,トリブトキシクロジルコニウム,テ
トラブトキシジルコニウム,バナジウム化合物、例えば
三塩化バナジウム,オキシ三塩化バナジウム,トリブト
キシバナジウムなどを併用することができる。
ただし、これらの反応剤を具体的に選択,使用するに当
たり、マグネシウム含有反応剤,4価のチタン化合物、ま
たは4価のチタン化合物以外の遷移金属含有反応剤のう
ち少なくとも1種はC−O−M(式中、Mはマグネシウ
ムまたは遷移金属元素を表す)結合を有する基を含有す
る化合物を使用する必要がある。ここでC−O−M結合
を形成するような基としては、一般式OR1(R1:炭化水
素基)で示されるアルコキシ,アルキルアルコキシ,ア
リールアルコキシなど、具体的にはメトキシ,エトキ
シ,ブトキシ、エチルヘキシロキシ,フェノキシ基など
があげられる。
前記(ii)の有機アルミニウムジハライドの有機基は1
〜20個、好ましくは1〜8個の炭素原子を有する炭化水
素基であり、直鎖または分岐鎖アルキル基シクロアルキ
ル基,アリールアルキル基,アリール基およびアルキル
アリール基から選ばれることが好ましい。このような有
機アルミニウムジハライドの具体例としては、エチルア
ルミニウムジクロライド,i−ブチルアルミニウムジクロ
ライドなどが挙げられる。上記の有機アルミニウムジハ
ライドは、単独または2種以上の混合物として使用する
ことができる。
本発明に用いる固体触媒成分(A)は、上記のマグネシ
ウム含有反応剤と遷移金属含有反応剤とを反応させて得
た反応生成物に、上記の有機アルミニウムジハライドを
反応させることにより調製することができる。
これらの反応は、液体媒体中で行うことが好ましい。そ
のため特にこれらの反応剤自体が操作条件下で液状でな
い場合、または液状反応剤の量が不十分な場合には、不
活性有機溶媒の存在下で行うべきである。不活性有機溶
媒としては、当該技術分野で通常用いられるものはすべ
て使用できるが、脂肪族,脂環族もしくは芳香族炭化水
素類あるいはそれらの混合物があげられ、例えばイソブ
タン,ヘキサン,ヘプタン,シクロヘキサン,ベンゼ
ン,トルエン,キシレンなどが好ましく用いられる。
上記の各反応の条件は特に限定されないが、−50〜300
℃、好ましくは0〜200℃なる範囲の温度で、0.5〜50時
間、好ましくは1〜6時間、不活性ガス雰囲気中で常圧
または加圧下で行われる。
このような固体触媒成分(A)を与える製造方法の好適
な例は、特公昭52-15110号,特公昭52-39714号,特開昭
56-155205号,特開昭56-151704号,特願昭59-102661
号,特願昭59-118120号などに詳細に示されている。
本発明において、触媒成分(B)である有機アルミニウ
ム化合物としては、アルミニウムと有機基とからなる有
機アルミニウム化合物があげられる。上記の有機基とし
ては、アルキル基を代表としてあげることができる。こ
のアルキル基としては直鎖または分岐鎖の炭素数1〜20
のアルキル基が用いられる。このような有機基を有する
有機アルミニウム化合物としては、例えば,トリメチル
アルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリ−i−ブ
チルアルミニウム,トリ−n−ブチルアルミニウム,ト
リ−n−デシルアルミニウム,などがあげられる。なか
んずく、直鎖または分岐鎖の炭素数1〜10のアルキル基
が有するトリアルキルアルミニウムの使用が好ましい。
成分(B)としては、このほか炭素数1〜20のアルキル
基を有するアルキルアルミニウム水素化物を使用するこ
とができる。このような化合物としては、具体的には、
ジ−i−ブチルアルミニウム水素化物などをあげること
ができる。また炭素数1〜20のアルキル基を有するアル
キルアルミニウムハライド、例えばエチルアルミニウム
セスキクロライド,ジエチルアルミニウムクロライド,
ジ−i−ブチルアルミニウムクロライドあるいはアルキ
ルアルミニウムアルコキシド、例えばジエチルアルミニ
ウムエトキシドなども使用できる。
なお、炭素数1〜20のアルキル基を有するトリルアルキ
ルアルミニウムあるいはジアルキルアルミニウム水素化
物と炭素数4〜20のジオレフィンとの反応により得られ
る有機アルミニウム化合物、例えばイソプレニルアルミ
ニウムのような化合物を使用することもできる。
また、酸素原子や窒素原子を介して2以上のアルミニウ
ムが結合したアルミノキサン化合物、例えば、テトラメ
チルアルミノキサン,ポリメチルアルミノキサンなどを
使用することもできる。
本発明で用いられる触媒成分(C)のハロゲン化炭化水
素化合物は、特に限定されるものではないが、一般に炭
素数1〜12の炭化水素のハロゲン誘導体で、通常は液状
のものが良い。このような化合物の具体例としては、塩
化プロピル,塩化−n−ブチル,塩化−sec−ブチル,
塩化−tert−ブチル,塩化アルミ,塩化−n−オクチ
ル,臭化−n−ブチル,クロルベンゼン,塩化ベンジ
ル,二塩化メチレン,1,2−ジクロロエタン,1,3−ジクロ
ロプロパン,1,4−ジクロロブタン,トリクロルエタン,
テトラクロルエタン,テトラクロルエチレン,四塩化炭
素,クロロホルムなどをあげることができる。
本発明の実施にあたり、触媒成分(A)の使用量は、溶
媒1当たり、または反応器1当たり、チタン原子0.
001〜2.5ミリモル(mmol)に相当する量で使用すること
が好ましく、条件により一層高い濃度で使用することも
できる。
成分(B)の有機アルミニウム化合物は、溶媒1当た
り、または反応器1当たり、0.02〜50mmol、好ましく
は0.2〜5mmolの濃度で使用する。
成分(C)はハロゲン化炭化水素は、溶媒1当たり、
または反応器1当たり、0.00001〜500mmol、好ましく
は0.0001〜100mmolの濃度で使用する。
本発明における3世分の重合器内への送入態様は、特に
限定されるものではなく、例えば成分(A),成分
(B),成分(C)を各々別個に重合器へ送入する方法
あるいは成分(A)と成分(C)を接触させた後に成分
(B)と接触させて重合する方法、成分(B)と成分
(C)を接触させた後に成分(A)と接触させて重合す
る方法、予め成分(A)と成分(B)と成分(C)とを
接触させて重合する方法などを採用することができる。
エチレンの重合は、重合体の融点未満の反応温度で液相
中あるいは気相中で行う。
重合を液相中で行う場合は、不活性溶媒を用いることが
好ましい。この不活性溶媒は、当該技術分野で通常用い
られるものであればどれでも使用することができるが、
特に4〜20個の炭素原子を有するアルカン,シクロアル
カン,例えばイソブタン,ペンタン,ヘキサン,シクロ
ヘキサンなどが適当である。
本発明による重合は、エチレンの単独重合のみならず、
エチレンとα−オレフィンとの共重合も含む。共重合に
用いるα−オレフィンとしては、プロピレン,1−ブテ
ン,1−ペンテン,1−ヘキセン,4−メチル−1−ペンテン
あるいはこれらの混合物などがあげられる。
本発明によるエチレンの重合は、通常の方法で行うこと
ができるが、多段重合方式を採用すると特にその効果を
発揮する。ここでいう多段重合方式とは、重合体につい
て比較的に低分子量成分を得る工程および比較的に高分
子量成分を得る工程からなる複数の重合工程で製造する
方式である。このような多段重合の好適な例は、特開昭
56-161405号公報に詳細に示されている。すなわち例え
ば、前段の重合は、高分子量の重合体を生成させる重合
工程および低分子量の重合体を生成させる重合工程の少
なくとも2個の重合工程で並列的に行う。次に後段の重
合は、前段の各重合工程において生成した重合体を含ん
だままの反応混合物を混せ合わせ新たな1体の反応混合
物となし、その存在下に下記の各重合工程で生成させた
重合体の分子量に対して中央に位置する分子量を持った
重合体を生成させる重合工程で行う。また例えば、前段
工程で低分子量成分を生成した後に、後段工程において
高分子量成分を生成することも、逆に高分子量成分を生
成した後に低分子量成分を生成することも可能である。
本発明における反応条件は、重合体の融点未満の反応温
度で行われる限り特に限定されないが、通常反応温度20
〜110℃,圧力2〜50kg/cm2Gに選ばれる。
また本発明では重量平均分子量が10000以上のポリエチ
レンを製造する。ポリエチレンは一般に適度に固体物性
と溶融物性を兼ねそなえていることが重要であり、重量
平均分子量が10000未満では流動性が上がりすぎ、また
固体物性が低下しすぎるため射出成形・押出成形・中空
成形などによる成形物の製造が不可能である。
重量平均分子量を調節するための水素濃度は、エチレン
濃度に対し、水素分圧/エチレン分圧の比率で、通常0.
001〜20で、ことに多段重合では低分子量成分の工程で
0.01〜20,高分子量の工程では0〜0.1に選ばれる。ここ
で低分子量成分,高分子量成分の両分子量は、それらの
平均分子量が目的重合体のそれに一致すること、および
それらの分子量差が目的重合体の分子量分布の幅に合う
ことを目標として選ぶことが必要である。
各重合工程において使用する反応器は、当該技術分野で
通常用いられるものであれば適宜使用することができ
る。例えば、攪はん槽型反応器または循環式反応器を用
いて、重合操作を連続方式,半回分方式および回分方式
のいずれかの方式で行うことができる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、従来の高い触媒活性と優れた品質の重
合体を与える触媒をさらに改良した触媒を用いることに
より、第一にエチレン重合時に副生するエタンの生成量
を著しく少なくすることができる。すなわち、本発明に
よれば特に分子量分布の広いポリエチレンを製造する場
合にも工業的に不利益なエタンの副生を抑制し、生産性
を損なうことなく製造することができる。
本発明の第二の効果は、副生するエタンの生成量を著し
く低く抑制できることにより、重合系内に不用なエタン
が蓄積することが極めて少なくなり、これを除去するた
めに従来避けられなかった系内ガスの排出も比例的に極
めて少なくすることができる。従って、この排出に伴う
系外へのエチレンや水素などの原料の損失が極小化さ
れ、生産性が向上される。これによるエチレンの損失防
止と前記のエタンの副生防止を合わせると、触媒成分
(C)のハロゲン化炭化水素の種類と添加量を適当に選
択することにより、原料エチレンの損失を従来に比べ半
減ないし10分の1以下に減少することができる。
本発明の第三の効果は、触媒活性が高く、かつ優れた品
質と分子量分布の多様性を有する重合体を与えるという
従来の触媒ないしプロセスの特性を損なうことなく、エ
チレンの重合を行うことができることである。すなわち
触媒活性が高く触媒成分当たりに得られる重合体の収量
が著しく多いので、重合体から特別の手段を講じて触媒
残さを除去する必要がなく、かつ成形時に重合体の劣化
や着色などの問題を避けることができる。また分子量分
布が広く成形加工性が良好でゲルやフィッシュアイの少
ない均一な重合体を容易に製造することができる。
〔実施例〕
以下に本発明を実施例により示すが、本発明はこれらの
実施例によってなんら限定されるものではない。なお、
実施例および比較例において、HLMI/MIは高負荷メルト
インデックス(HLMI,ASTM D-1238条件Fによる)メルト
インデックス(MI,ASTM D-1238条件Eによる)との比で
あり、密度はASTM D-1505、重量平均分子量はo−ジク
ロロベンゼン溶液をゲル浸透クロマトグラフィーにより
測定し求めた。また副生したエタンはガスクロマトグラ
フィーにより定量を行い、副生率〔副生エタン量/生成
ポリマー量×100(%)〕として求めた。
実施例1 a)固体触媒成分(A)の調製 攪はん装置の付いた容量1のフラスコに窒素雰囲気
下、金属マグネシウム粉3.7g(0.15mol)とチタンテト
ラブトキシド102g(0.3mol)を加え、80℃まで昇温し、
さらに0.18gのヨウ素を溶解したn−ブタノール23.7g
(0.32mol)を1時間かけて滴下し、その後120℃まで加
温して反応させた。このようにして得た反応生成物に室
温でヘキサン260mlを加えた後、ヘキサンで50wt%に希
釈されたエチルアルミニウムジクロライド115g(0.9mo
l)を45℃で2時間かけて滴下し、固体触媒成分(A)
を得た。この固体成分のチタン含有量は14wt%であっ
た。
b)重合 内容量5lのステンレススチール製電磁攪はん型反応器2
基を用い、一方の反応器にヘキサンを3l仕込み、内温を
85℃に調節した後、触媒成分(B)としてトリ−i−ブ
チルアルミニウム1.7g(8.5mol)、触媒成分(C)とし
て塩化−n−ブチル1250mgおよび上記a)で得た固体触
媒成分(A)250mgを加えた。窒素ガスによって反応器
内圧を1kg/cm2Gに調節した後、水素分圧19.0kg/cm2を加
え、さらに全圧が25kg/cm2Gになるように連続的にエチ
レンを加えて65分間重合を行い低分子量重合体を製造し
た。この反応器の気相部と液相部をそれぞれ少量採取
し、重合体の分子量および副生したエタン量を測定し
た。
他方の反応器には、ヘキサン3lを仕込み、トリ−i−ブ
チルアルミニウム1.7g(8.8mol)および上記a)で得た
固体触媒成分(A)125mgを加えた。窒素ガスによって
反応器内圧を1kg/cm2Gに調節した後、水素分圧0.1kg/cm
2を加え、さらに全圧が4.0kg/cm2Gになるように連続的
にエチレンを加えて65分間重合を行い高分子量重合体を
製造した。
次に、これらの重合体を含む各反応混合物を、接続管を
通して内容積10lの攪はん型反応器に圧送した。この反
応器の気相を窒素で置換した後、内温を80℃,内圧を1.
0kg/cm2Gとし、水素分圧1.2kg/cm2を加え、さらに全圧
が5.2kg/cm2Gとなるようにエチレンを連続的に供給して
45分間重合を行い、反応混合物をろ過乾燥した。得られ
た重合体は2210gであった。また各段の生成量はエチレ
ン流量により把握した結果、生成比率は、前段の低分子
量重合体については40wt%同じく高分子量重合体につい
ても40wt%および後段については20wt%であった。
低分子量重合体の重量平均分子量は39000であった。ま
たエタンの副生率は、0.048%で非常に少なかった。さ
らに、得られた重合体粉末をスクリュー径25mmの押出機
にて、ペレット化したが、このペレットのMIは0.052,HL
MI/MIは200,密度は0.956であった。また、このペレット
をバランスフィルム製膜機で製膜成形したところ、フィ
ッシュアイの発生は少なく、厚み30μのフィルムで、直
径0.2mm以上のフィッシュアイが約2700ケ/m2であり、
かつ良好なフィルムとなった。
実施例2〜3,比較例1 実施例1の方法において、成分(C)である塩化−n−
ブチルの添加量のみを表1に示すようにそれぞれ変化さ
せて実験を行った。すなわち、実施例1で調製した固体
触媒成分(A)、トリ−i−ブチルアルミニウムは実施
例1と同様に用い、実施例2〜3では塩化−n−ブチル
の添加量を変化させ、比較例1では添加せずに重合を行
った。その結果を表1に示す。
実施例4〜10 実施例1の重合において成分(C)として塩化−n−ブ
チルを用いた代わりに、表2に示す各種ハロゲ化炭化水
素を使用した以外は、実施例1と同様の方法で実験を行
った。その結果を表2に示す。
実施例11 a)固体触媒成分(A)の調製 攪はん装置の付いた容量1のフラスコに窒素雰囲気
下、金属マグネシウム粉3.7g(0.15mol)とチタンテト
ラブトキシド102g(0.3mol)を加え、80℃まで昇温し、
さらに0.18gのヨウ素を溶解したn−ブタノール23.7g
(0.32mol)を1時間かけて滴下し、その後120℃まで加
温して反応させた。このようにして得た反応生成物に室
温でヘキサン250mlを加えた後、ヘキサンで50wt%に希
釈されたi−ブチルアルミニウムジクロライド198g(1.
28mol)を45℃で2時間かけて滴下し、固体触媒成分
(A)を得た。この固体成分のチタン含有量は13wt%で
あった。
重合に先立ち、この成分(A)に成分(C)として1,2
−ジクロロエタン160gを加えた。
b)重合 実施例1の重合と同様の方法で実験を行った。すなわ
ち、一方の反応器で上記で得た成分(A)と成分(C)
の混合物〔成分(A)として200mg,成分(C)として18
5mg〕、トリ−i−ブチルアルミニウム0.55g(2.8mol)
を用いて低分子量成分の重合を行うと同時に、他方の反
応器で成分(A)と成分(C)の混合物〔成分(A)と
して100mg,成分(C)として93mg〕、トリ−i−ブチル
アルミニウム0.55gを用い高分子量成分の重合を行い、
次にこれらの反応混合物を第三の反応器に圧送した後
に、後段の重合を行った。各段の重合条件は、実施例1
と同一で行った。この結果得られたポリエチレンは2380
gであり、エタンの副生率は0.069%であった。またペレ
ットのMIは0.045,HLMI/MIは210であった。
比較例2 実施例11の方法において成分(C)である1,2−ジクロ
ロエタンを用いないで行った。この結果得られたポリエ
チレンは2510gであり、エタンの副生率は0.235%であっ
た。またペレットのMIは0.060,HLMI/MIは190であった。
実施例12 a)固体触媒成分(A)の調製 攪はん装置を備えた1.6lのオートクレーブに、n−ブタ
ノール32.2g(0.32mol)を入れ、これにヨウ素0.45g,金
属マグネシウム粉末4.86g(0.20mol)およびチタンテト
ラブトキシド27.2g(0.08mol)を加え、さらにヘキサン
200mlを加えた後80℃まで昇温し、発生する水素ガスを
排除しながら窒素シール下で1時間攪はんした。引き続
き120℃まで昇温して1時間反応を行った。その後120℃
でジメチルポリシロキサン(25℃における粘度約50セン
チストークス)153g(ケイ素0.2グラム原子)を窒素に
より圧送し、120℃で1時間反応させた。反応後、ヘキ
サン300mlを加え45℃に冷却後、ヘキサンで50wt%に希
釈されたi−ブチルアルミニウムジクロライド186g(1.
2mol)を3時間かけて加えた。すべてを加えた後60℃で
1時間攪はんを行ない固体触媒成分(A)を得た。この
固体成分(A)のチタン含有量は9.4wt%であった。
b)重合 実施例1の重合と同様の方法で実験を行った。すなわ
ち、一方の反応器で上記で得た成分(A)250mg,トリ−
i−ブチルアルミニウム0.55g(2.8mol),塩化−n−
ブチル500mgを用いて低分子量成分を重合すると同時
に、他方の反応器で成分(A)120mg,トリ−i−ブチル
アルミニウム0.55gを用い高分子量の重合を行い、次に
これらの反応混合物を第三の反応器に圧送した後に、後
段の重合を行った。各段の重合条件は、実施例1と同一
で行った。この結果得られたポリエチレンは2430gであ
り、エタンの副生率は0.008%であった。またペレット
のMIは0.06,HLMI/MIは150であった。
実施例13 a)固体触媒成分(A)の調製 攪はん装置の付いた容量1のフラスコに窒素雰囲気
下、金属マグネシウム粉4.9g(0.20mol)とチタンテト
ラブトキシド17g(0.05mol)と四塩化ジルコニウム11.6
5g(0.05mol)を加え、80℃まで昇温し、さらに0.20gの
ヨウ素を溶解したn−ブタノール64.1g(0.80mol)を1
時間かけて滴下し、その後120℃まで加温して反応させ
た。このようにして得た反応生成物に室温でヘキサン20
0mlを加えた後、ヘキサンで50wt%に希釈されたエチル
アルミニウムジクロライド300g(1.2mol)を45℃で2時
間かけて滴下し、固体触媒成分(A)を得た。この固体
成分のチタン含有量は5.3wt%であった。
b)重合 内容積2lのステンレススチール製、電磁攪はん型反応器
内を十分窒素で置換し、ヘキサン1.2lを仕込み、内温を
70℃に調節した。その後、触媒成分(B)としてトリ−
i−ブチルアルミニウム0.23g(1.2mol)、成分(C)
として1,2−ジクロロエタン42mg、および上記成分
(A)20mgを順次添加した。反応器内を窒素ガスによっ
て1kg/cm2Gに調節した後、水素13.3kg/cm2を加えて全圧
が20kg/cm2Gになるように連続的にエチレンを加えなが
ら、1.5時間重合を行った。重合終了後、気相部および
液相部を少量採取し副生したエタン量を測定した。ま
た、オートクレーブからポリエチレンを取り出しろ過に
より溶媒から分離した。その結果、165gのポリエチレン
が得られ、エタンの副生率は0.009%であった。またMI
は0.07で、HLMI/MIは145であった。
比較例3 実施例13の方法における成分(C)である1,2−ジクロ
ロエタンを使用せず、上記成分(A)を25mg用いた以外
は実施例13と同様の実験を行った。得られたポリエチレ
ンは205gで、エタンの副生率は0.71%であった。またMI
は0.08で、HLMI/MIは140であった。
実施例14 a)固体触媒成分(A)の調製 攪はん装置の付いた容量1のフラスコに窒素雰囲気
下、金属マグネシウム粉4.9g(0.20mol)とチタンテト
ラブトキシド27.2g(0.08mol)を加え、80℃まで昇温
し、さらに0.25gのヨウ素を溶解したn−ブタノール31.
1g(0.42mol)を1時間かけて滴下し、その後120℃まで
加温して反応させた。このようにして得た反応生成物に
室温でヘキサン340mlを加えた後、ヘキサンで50wt%に
希釈されたエチルアルミニウムジクロライド124g(0.8m
ol)を45℃で2時間かけて滴下し、固体触媒成分(A)
を得た。この固体成分のチタン含有量は9.5wt%であっ
た。
b)重合 内容積10lのステンレススチール製、電磁攪はん型反応
器内を十分窒素で置換し、ヘキサン6.0lを仕込み、内温
を85℃に調節した。その後、触媒成分(B)としてトリ
−i−ブチルアルミニウム1.19g(6.0mol)、成分
(C)として1,2−ジクロロエタン200mg、および上記成
分(A)100mgを順次添加した。窒素ガスによって反応
器内を1kg/cm2Gに調節した後、水素16.0kg/cm2を加えて
全圧が20kg/cm2Gになるように連続的にエチレンを加え
ながら、60分間重合を行い低分子量重合体を製造した。
この反応器の気相部と液相部をそれぞれ少量採取し、重
合体の分子量および副生したエタン量を測定した。
次に、この反応器の気相を窒素で置換し、内温を75℃,
内圧を1.0kg/cm2Gとし、水素分圧1.0kg/cm2を加え、さ
らに全圧が5.0kg/cm2Gとなるように、連続的にエチレン
を供給し45分間重合を行い、反応混合物をろ過乾燥し
た。得られた重合体は2500gであった。また各段の生成
量はエチレン流量により把握した結果、生成比率は、前
段の低分子量重合体については50wt%、および後段の高
分子量重合体についても50wt%であった。
低分子量重合体の重量平均分子量は22000であった。ま
た重合時のエタンの副生率は、0.015%で非常に少なか
った。さらに、実施例1と同様の方法でペレット化した
が、このペレットのMIは0.058,HLMI/MIは190,密度は0.9
57であった。また、このペレットをバランスフィルム製
膜機で製膜成形したところ、フィッシュアイの発生は少
なく、厚み30μのフィルムで、直径0.2mm以上のフィッ
シュアイが約2300ケ/m2であり、かつ良好なフィルムと
なった。
実施例15 実施例14の方法において、成分(B)であるトリ−i−
ブチルアルミニウムの代わりにトリエチルアルミニウム
を用いて実験を行った。すなわち、実施例14で調製した
固体触媒成分(A)、1,2−ジクロロエタンは実施例14
と同様に用い、トリエチルアルミニウム0.68g(6.0mo
l)を使用して同一条件で重合を行った。
この結果、低分子量重合体の分子量は21000であり、生
成比率は前段の低分子量重合体については50wt%、およ
び後段の高分子量重合体についても50wt%であった。ま
た重合時のエタンの副生率は、供給したエチレンの0.00
5%で非常に少なかった。さらに、実施例1と同様の方
法で得られた重合体粉末をペレット化したが、このペレ
ットのMIは0.065、HLMI/MIは180であった。また、この
ペレットをバランスフィルム製膜機で製膜成形したとこ
ろ、フィッシュアイの発生は少なく、厚み30μのフィル
ムで、直径0.2mm以上のフィッシュアイが約2600ケ/m2
であり、かつ良好なフィルムとなった。
実施例16 実施例14の方法において、後段の重合時に少量の1−ブ
テンを添加した以外は実施例14と同様の方法で実験を行
った。すなわち、実施例14で調製した固体触媒成分
(A)、トリ−i−ブチルアルミニウム,1,2−ジクロロ
エタンを実施例14と同様に用いて、前段の低分子量重合
体を製造した後に、後段の高分子量重合時に1−ブテン
を30g供給して重合を行った。その後、低分子量重合体
の重量平均分子量は20000であった。また重合時のエタ
ンの副生率は、供給したエチレンの0.004%で非常に少
なかった。さらに、得られた重合体粉末をペレット化し
たが、このペレットのMIは0.068,HLMI/MIは180,密度は
0.948であった。また、このペレットをバランスフィル
ム製膜機で製膜成形したところ、フィッシュアイの発生
は少なく、厚み30μのフィルムで、直径0.2mm以上のフ
ィッシュアイが約2400ケ/m2であり、かつ良好なフィル
ムとなった。
比較例4 実施例13の方法における成分(C)である1,2−ジクロ
ロエタンを使用しなかった以外は実施例13と同様の実験
を行った。得られたポリエチレンは205gで、エタンの副
生率は0.248%であった。またMIは0.07で、HLMI/MIは17
5であった。
実施例17 実施例14で調製した固体触媒成分(A)を用いて気相中
で重合を行った。内容積2lのステンレススチール製、電
磁攪はん型反応器内にMIが12のポリエチレン粉末50gを
仕込み70℃で2時間乾燥を行った後、内温を60℃に調節
した。その後、触媒成分(B)としてトリ−i−ブチル
アルミニウム0.46g(2.4mol)、成分(C)として1,2−
ジクロロエタン20mg、および成分(A)20mgを順次添加
した。反応器内を窒素ガスによって1kg/cm2Gに調節した
後、水素2kg/cm2を加えて全圧が5kg/cm2Gになるように
連続的にエチレンを加えながら、1.5時間重合を行っ
た。重合終了後、気相部を少量採取し副生したエタン量
を測定した。また、オートクレーブからポリエチレンを
取り出したところ106gのポリエチレンが得られ、エタン
の副生率は0.021%であった。またMIは10で、HLMI/MIは
32であった。
比較例5 実施例17の方法における成分(C)である1,2−ジクロ
ロエタンを使用しなかった以外は実施例17と同様の実験
を行った。得られたポリエチレンは103gで、エタンの副
生率は0.267%であった。またMIは11で、HLMI/MIは32で
あった。
実施例18 a)固体触媒成分(A)の調製 撹拌装置を備えた容量1.6lのオートクレーブに、ジエト
キシマグネシウム21.3g(0.2モル)およびチタンテトラ
ブトキシド68g(0.2モル)を加え、120℃まで昇温し1
時間撹拌した。次にジメチルポリシロキサン(25℃にお
ける粘度約50センチストークス)153g(ケイ素0.2グラ
ム原子)を加え120℃で1時間反応を行った。その後、3
40mlのヘキサンを加えマグネシウムとチタンを含有する
溶液を得た。
引き続き45℃でイソブチルアルミニウムジクロリドの50
%ヘキサン溶液186g(1.2モル)を3時間かけて加え
た。すべてを加えた後、60℃で1時間撹拌を行い、固体
触媒成分(A)を得た。この固体触媒成分(A)のチタ
ン含有量は12.4wt%であった。
b)エチレンの重合 上記a)で得た固体触媒成分(A)を用いてエチレン重
合を2段重合法により実施した。
すなわち、内容積10lのステンレススチール製電磁撹拌
式オートクレーブ内を十分窒素で置換し、ヘキサン6lを
仕込み、内温を85℃に調節した。その後、触媒成分
(B)としてトリイソブチルアルミニウム1.19g(6.0ミ
リモル)、触媒成分(C)として1,2−ジクロロエタン1
50mgおよび前記a)で得た固体触媒成分(A)150mgを
含有するスラリーを順次添加した。オートクレーブ内圧
を1kg/cm2Gに調節した後、水素16kg/cm2を加えて全圧が
20kg/cm2Gになるように連続的にエチレンを加えて60分
間重合を行い低分子量重合体を製造した。この反応器の
気相部と液相部をそれぞれ少量採取し、重合体の分子量
及びエタン量を測定した。
次いでこの反応器の気相部を窒素で置換し、内温と内圧
をそれぞれ75℃、1.0kg/cm2Gとした後、水素1.0kg/cm2
を加えて全圧が5kg/cm2Gになるように連続的にエチレン
を加えて45分間重合を行ない高分子量重合体を製造し
た。重合終了後冷却し、未反応ガスを追い出してポリエ
チレンを取り出し濾過により溶媒から分離して乾燥し
た。得られた重合体は2170gであった。また各段の生成
量はエチレン流量により把握した結果、生成比率は、前
段の低分子量重合体については50wt%、後段の高分子量
重合体についても50wt%であった。
低分子量重合体の重量平均分子量は33000であった。ま
たエタンの副生率は、0.043%であった。さらに、この
重合体粉末をスクリュー径25mmの押出機にて、ペレット
化したが、このペレットのMIは0.062、HLMI/MIは180で
あった。また、このペレットをバランスフィルム製膜機
で製膜成形したところ、バブルの安定性が良く、しわや
たるみがなくフィッシュアイの発生の少ない良好なフィ
ルムが得られた。
実施例19 a)固体触媒成分(A)の調製 撹拌装置を備えた容量1.6lのオートクレーブに、無水塩
化マグネシウム19.0g(0.2モル)、ジメチルジエトキシ
シラン29.6g(0.2モル)およびチタンテトラブトキシド
47.6g(0.14モル)を加え、さらにヘキサン200mlを加え
た後、ゆっくりと120℃まで昇温し2時間撹拌した。
引き続き45℃でエチルアルミニウムジクロリドの50%ヘ
キサン溶液350ml(1.2モル)を3時間かけて加えた。す
べてを加えた後、60℃で1時間撹拌を行い、固体触媒成
分(A)を得た。この固体触媒成分(A)のチタン含有
量は10.4wt%であった。
b)エチレンの重合 上記a)で得た固体触媒成分(A)を用いて実施例18と
同様のエチレン重合を2段重合法により実施し、製膜評
価を行った。
その結果、1860gの重合体が得られ、低分子量重合体の
重量平均分子量は38000で、エタンの副生率は、0.061%
であった。またMIは0.058、HLMI/MIは190であった。さ
らに、この重合体ペレットをバランスフィルム製膜機で
製膜成形したところ、バブルの安定性が良く、しわやた
るみがなくフィッシュアイの発生に少ない良好なフィル
ムが得られた。
実施例20 a)固体触媒成分(A) 撹拌装置を備えた容量1.6lのオートクレーブに、n−ブ
タノール86.6g(1.17モル)を入れ、これにヨウ素0.5
g、金属マグネシウム粉末11g(0.45モル)およびチタン
トリブトキシクロライド70g(0.23モル)を加え、さら
にヘキサン450mlを加えた後80℃まで昇温し、発生する
水素ガスを排除しながら窒素シール下で1時間撹拌し
た。引き続き120℃まで昇温して1時間反応を行い、マ
グネシウム−チタン溶液を得た。
内容積500mlのフラスコに、上記溶液のマグネシウム換
算0.060モルを加え、45℃に昇温し、イソブチルアルミ
ニウムジクロリドの50%ヘキサン溶液106mlを2時間か
けて加えた。すべてを加えた後、60℃で1時間撹拌を行
った。生成物をヘキサンで洗浄し、ヘキサンに懸濁した
固体触媒成分(A)を得た。その一部を採取し分析した
ところチタンは9.6重量%であった。
b)エチレンの重合 上記a)で得た固体触媒成分(A)を用いて実施例18と
同様のエチレン重合を2段重合法により実施し、製膜評
価を行った。
その結果、2420gの重合体が得られ、低分子量重合体の
重量平均分子量は37000で、エタンの副生率は、0.051%
であった。またMIは0.070、HLMI/MIは160であった。さ
らに、この重合体ペレットをバランスフィルム製膜機で
製膜成形したところ、バブルの安定性が良く、しわやた
るみがなくフィッシュアイの発生の少ない良好なフィル
ムが得られた。
実施例21 a)固体触媒成分(A)の調製 撹拌装置を備えた容量1.6lのオートクレーブに、ジエト
キシマグネシウム10g(0.087モル)とクロルベンゼン10
0mlを入れ、これに四塩化チタン100gをクロルベンゼン1
00mlで希釈した溶液を25℃で加え、引き続き60℃で30分
間撹拌した。これをヘキサンで洗浄した後、再度四塩化
チタン100gとクロルベンゼン100mlの溶液を加え、110℃
で1時間撹拌した。これをヘキサンで洗浄した後、さら
に四塩化チタン100gとクロルベンゼン100mlの溶液を加
え、110℃で1時間撹拌した。生成物をヘキサンで洗浄
し、ヘキサンに懸濁した固体触媒成分(A)を得た。そ
の一部を採取し分析したところチタンは10.3重量%であ
った。
b)エチレンの重合 上記a)で得た固体触媒成分(A)を用いて実施例18と
同様のエチレン重合を2段重合法により実施し、製膜評
価を行った。
その結果、1400gの重合体が得られ、低分子量重合体の
重量平均分子量は31000で、エタンの副生率は、0.032%
であった。またMIは0.073、HLMI/MIは160であった。さ
らに、この重合体ペレットをバランスフィルム製膜機で
製膜成形したところ、バブルの安定性が良く、しわやた
るみがなくフィッシュアイの発生の少ない良好なフィル
ムが得られた。
【図面の簡単な説明】
図−1は本発明に係わる触媒調製工程を示すフローチャ
ート図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高い活性を有するチーグラー型触媒および
    水素の存在下に、エチレンまたはエチレンとα−オレフ
    ィンを重合体の融点未満の反応温度で重合させるポリエ
    チレンの製造方法において、該触媒が、 (A)(i)金属マグネシウムとアルコールとからなる
    反応剤、マグネシウムの酸素含有有機化合物およびハロ
    ゲン化マグネシウム化合物の群から選ばれた少なくとも
    1種のマグネシウム含有反応剤と、遷移金属の酸素含有
    有機化合物および遷移金属のハロゲン含有化合物の群か
    ら選ばれた少なくとも1種の4価のチタン化合物を含む
    遷移金属含有反応剤とを、少なくとも1方の反応剤は化
    学構造式中にC−O−M(式中、Mはマグネシウムまた
    は遷移金属元素を表す)結合を有するものであるように
    選択し、反応させて得られた生成物と (ii)少なくとも1種の有機アルミニウムジハライド とを反応させることによって得られた固体触媒成分
    (A)と、 (B)有機アルミニウム化合物から選ばれた少なくとも
    1種の触媒成分(B)と、 (C)ハロゲン化炭化水素化合物の群から選ばれた少な
    くとも1種の触媒成分(C)と から成ることを特徴とするポリエチレンの製造方法。
  2. 【請求項2】高い活性を有するチーグラー型触媒および
    水素の存在下に、エチレンまたはエチレンとα−オレフ
    ィンを重合体の融点未満の反応温度で重合させるポリエ
    チレンの製造方法において、該触媒が、 (A)(i)金属マグネシウムとアルコールとからなる
    反応剤、マグネシウムの酸素含有有機化合物およびハロ
    ゲン化マグネシウム化合物の群から選ばれた少なくとも
    1種のマグネシウム含有反応剤と、遷移金属の酸素含有
    有機化合物および遷移金属のハロゲン含有化合物の群か
    ら選ばれた少なくとも1種の4価のチタン化合物を含む
    遷移金属含有反応剤とを、少なくとも1方の反応剤は化
    学構造式中にC−O−M(式中、Mはマグネシウムまた
    は遷移金属元素を表す)結合を有するものであるように
    選択し、反応させて得られた生成物と (ii)少なくとも1種のケイ素化合物 (iii)少なくとも1種の有機アルミニウムジハライド とを反応させることによって得られた固体触媒成分
    (A)と、 (B)有機アルミニウム化合物から選ばれた少なくとも
    1種の触媒成分(B)と、 (C)ハロゲン化炭化水素化合物の群から選ばれた少な
    くとも1種の触媒成分(C)と から成ることを特徴とするポリエチレンの製造方法。
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