JPH0756298Y2 - 受ローラからの外れロープ戻し装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ロープトロリ式クレーンのガーダに沿って
間隔をおき配設されたロープ支持用の受ローラからロー
プが外れた場合に、ロープを受ローラ上に戻すための外
れロープ戻し装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、ロープトロリ式のコンテナクレーンでは、トロリ
横行移動範囲が大きくてロープが弛むのを防止するため
に、ロープを支持する受ローラをガーダに沿って間隔を
おき配設していた（特開昭63−74892号公報参照）。

〔考案が解決しようとする課題〕

ロープは吊具の自重等で張られて鍔付きの受ローラの所
定位置に載っているか、或いは受ローラの所定位置に設
けられた浅い周溝と係合して載っているに過ぎないか
ら、強風時等にロープが受ローラから外れて受ローラ支
持装置の下側に回り込むことがあり、こうなるとロープ
は中々受ローラ上に戻らない。ロープが受ローラから外
れたことに気が付かずにトロリを横行前進させると、受
ローラ支持装置は外れた巻上ロープで持ち上げられるこ
とになり、受ローラ支持装置の破損、巻上ロープの損傷
が発生するという不都合を免れなかった。

〔考案の目的〕

この考案は前記課題を解決するためになしたもので、ロ
ープ自体の張力でロープ戻し動作を発生させてロープを
自動的に受ローラ上に戻すことができるようにすること
を目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

この考案の受ローラからの外れロープ戻し装置は、図示
する如く、ガーダ２に沿って間隔をおきロープ支持用の
受ローラ11を配設したロープトロリ式クレーンにおい
て、前記受ローラ11のガーダ長手方向側の近傍位置に、
外周部にほぼ円弧状のガイド面18が形成された扇形ガイ
ド14を並設し、この扇形ガイド14の中心部は、受ローラ
11のロープ支持装置（Ａ、Ｂ、Ｃ）より反ロープ外れ方
向側かつ下側の位置に偏位して回転可能に取り付けられ
ると共に、前記扇形ガイド14、受ローラ11のロープ支持
位置（Ａ、Ｂ、Ｃ）より下方にガイド面18が常にあるよ
うに保持するストッパー24を設けたことを特徴としてお
り、かかる構成によって前記目的を達成するものであ
る。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を図面に沿って説明する。

図中１はトロリで、ガーダ２上に横行移動可能に設けら
れている。

３、４及び３′、４′はガーダ２上の巻上装置５から繰
り出されたロープで、夫々ガーダ２の一端部に設けたシ
ーブ６、６′に掛けられてトロリ１上に設けたシーブ
７、７′或いは10、10′に掛けられた後、吊具８上に設
けたシーブ９、９′に掛けられ、更にトロリ１上に設け
たシーブ７、７′、10、10′に掛けられた後、ガーダ２
の他端部に固定されている。

これらのロープ３、４及び３′、４′を介してトロリ１
から吊具８が吊持されている。これによって、ロープ
３、４および３′、４′は吊具８の重量等によってガー
ダ２に沿って張られ、後述する受ローラ11の所定位置上
に支持されている。

受ローラ11は、ガーダ２に設けたブラケット12に軸支さ
れてガーダ２に沿って間隔をおき配設されている。

この受ローラ11のロープ支持位置には、前記２本のロー
プ３、４（または３′、４′）を係合支持する浅い周溝
13が形成されている。尚、係合するロープ本数が２本で
あるから、周溝13は２本（Ａ、Ｂ）でも良いが、前記の
ようなロープの張り方からトロリ１を挟みガーダ方向の
一側と他側とで１ピッチずれているため、周溝13は３本
（Ａ、Ｂ、Ｃ）となっている。

14は扇形ガイドで、ほぼ扇形に形成された２枚の面板15
を対向して配置し、これら面板15の中心部をボス16を介
して連結し、かつ面板15の円弧状外周部を湾曲板17を介
して連結している。前記湾曲板17の表面に側面視ほぼ円
弧状のガイド面18を形成し、また面板15の反ロープ外れ
方向側部に切欠部19を介して対向する一対の係止部20、
21を形成している。

この扇形ガイド14の中心部（ボス16）は、前記受ローラ
11のロープ支持位置（Ａ、Ｂ、Ｃ）より反ロープ外れ方
向側かつ下側の位置に偏位してガーダ２に設けたブラケ
ット12に軸23を介して回転可能に取り付けられ、前記受
ローラ11のガーダ方向側の近傍位置に並設されている。

24はストッパーで、扇形ガイド14の係止部20、21間に位
置するようにブラケット12に設けられており、係止部2
0、21を係止可能で、かつこれら係止部20、21との係止
によって受ローラ11のロープ支持位置（Ａ、Ｂ、Ｃ）よ
り下方にガイド面18が常にあるように扇形ガイド14を保
持可能となっている。

25は固定ガイドで、後述するように受ローラ11から外れ
たロープがその張力で持ち上がる際に前記扇形ガイド14
に当たらない場合に扇形ガイド14のガイド面18の下部に
ロープを導けるように扇形ガイド14に隣接して配設され
ている。

以上の構成において、ロープ３、４（又は３′、４′）
が強風に煽られて２本とも又はその内の一本だけが受ロ
ーラ11のロープ支持位置からはずれ、その後、吊具８の
重量等で掛かかる張力によって受ローラ11の下方から上
方に持ち上がる。

扇形ガイド14は中心部に設けたボス16を介して軸23から
自重でぶら下がり、係止部20を介してストッパー24によ
りガイド面18が受ローラ11のロープ支持位置（Ａ、Ｂ、
Ｃ）の下方に常に位置するように保持されているから、
外れたロープＰは上方に持ち上がって扇形ガイド14のガ
イド面18に確実に当接する。

扇形ガイド14の中心部（ボス16）は受ローラ11のロープ
支持位置（Ａ、Ｂ、Ｃ）より下側の位置に偏位し、この
中心部を中心としてガイド面18が側面視ほぼ円弧状に形
成されているが、このガイド面18の下部での当接では、
ガイド面18とロープＰとの間には大きな摩擦抵抗が生じ
るから、ロープＰはガイド面18に滑ることなく当接し、
扇形ガイド14にはガイド面18を介してロープＰから持上
げ力が作用する。

扇形ガイド14の中心部（ボス16）は受ローラ11のロープ
支持位置（Ａ、Ｂ、Ｃ）より反ロープ外れ方向側の位置
に偏位しているから、ロープＰより持ち上げられてこれ
らとの当接位置を保持しながら扇形ガイド14は中心部を
中心として上方に回動する。そして、係止部21を介して
ストッパー24により扇形ガイド14の回動が停止される。

ストッパー24により受ローラ11のロープ支持位置（Ａ、
Ｂ、Ｃ）より下方にガイド面18が常にあるように保持さ
れている。しかも、前記した通り受ローラ11のロープ支
持位置（Ａ、Ｂ、Ｃ）より下側の位置に偏位した扇形ガ
イド14の中心部を中心としてガイド面18が側面視ほぼ円
弧状に形成されているから、ガイド面18との当接位置を
保持しながらロープＰが扇形ガイド14により上方に移動
され、ガイド面18とロープＰとの間の摩擦抵抗が小さく
なっている。従って、ストッパー24により扇形ガイド14
の回動が停止されると、ロープＰはガイド面18を上方に
滑って扇形ガイド14から外れ、元のロープ支持位置に戻
る。扇形ガイド14はロープＰが外れると、自重で元の位
置に戻る。

〔考案の効果〕

以上の通り、この考案は、ロープ自体の張力でロープ戻
し動作を生じる扇形ガイドを受ローラに並設し、この扇
形ガイドによって受ローラから外れたロープを自動的に
戻すことができるから、受ローラ支持装置の破損、ロー
プの損傷を確実に防止することができると共に、既存設
備にも容易に適用でき、しかも設備費も安価で済む。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す正面図、第２図は第
１図のＤ〜線に沿う平断面図、第３図は第２図のＥ〜線
に沿う拡大断面図、第４図は第３図の左側面図、第５図
はクレーンの概略的な側面図、第６図は平面図である。 ２……ガーダ、３、４、３′、４′……ロープ、11……
受ローラ、12……ブラケット、13……周溝、14……扇形
ガイド、15……面板、16……ボス、17……湾曲板、18…
…ガイド面、20、21……係止部、23……軸、24……スト
ッパー、25……固定ガイド．

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ガーダに沿って間隔をおきロープ支持用の
   受ローラを配設したロープトロリ式クレーンにおいて、
   前記受ローラのガーダ長手方向側の近傍位置に、外周部
   にほぼ円弧状のガイド面が形成された扇形ガイドを並設
   し、この扇形ガイドの中心部は、受ローラのロープ支持
   位置より反ロープ外れ方向側かつ下側の位置に偏位して
   回転可能に取り付けられると共に、前記扇形ガイドを、
   受ローラのロープ支持位置より下方にガイド面が常にあ
   るように保持するストッパーを設けたことを特徴とする
   受ローラからの外れロープ戻し装置。