JPH0754396A - 柱・梁の接合工法 - Google Patents

柱・梁の接合工法

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JPH0754396A
JPH0754396A JP20630593A JP20630593A JPH0754396A JP H0754396 A JPH0754396 A JP H0754396A JP 20630593 A JP20630593 A JP 20630593A JP 20630593 A JP20630593 A JP 20630593A JP H0754396 A JPH0754396 A JP H0754396A
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Kazuhisa Sueoka
和久 末岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スリーブ継手に注入するグラウト材の硬化を
待つことなく次工程の梁や床の建て込み作業を行える作
業効率の良い柱・梁の接合工法を提供する。 【構成】 プレキャストコンクリート製柱(以下、柱)
10の底部10bから突出させた柱主筋11の下端に、
下端側が開口したスリーブ継手12を取り付けておく。
柱主筋11を柱頭10aから突出させた下階の柱10上
に、柱梁接合用のパネルゾーンPを形成するようにプレ
キャストコンクリート製梁(以下、梁)20を載架す
る。パネルゾーンにおいて下階の柱主筋11をスリーブ
継手12に差し込んで上階の柱10を建て込む。パネル
ゾーンP内にコンクリートを打設した後、あるいはコン
クリート打設と並行してスリーブ継手12内にグラウト
材を注入して、上下階の柱主筋11を接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鉄筋コンクリート製
の柱と梁との接合工法に関し、より詳しくは、上下階の
プレキャストコンクリート製の柱に埋め込まれた柱主筋
をスリーブ継手を用いて接合するようにした柱・梁の接
合工法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の柱・梁の接合工法としては、図
7に示すように、下端部に配置されるスリーブ継手1と
このスリーブ継手1に中途まで挿通された柱主筋2とが
コンクリート内に埋設されてなる上階のプレキャストコ
ンクリート製柱3を、スラブ面4から突出した下階の柱
主筋2を上記スリーブ継手1内に差し込んで建て込んだ
後、各スリーブ継手1内にモルタルなどのグラウト材を
注入して、上下の柱主筋2を接合するようにしたものが
ある。
【0003】また、図8に示すように、下階の柱6の上
方の梁間領域すなわち柱・梁接合用のパネルゾーンPの
上端部に、上記柱6の柱主筋8が中途まで挿通されたス
リーブ継手7を埋め込み、このスリーブ継手7に、上階
の柱6の下端から突出した柱主筋8を上記スリーブ継手
7に差し込んで上記上階の柱6を建て込んだ後、各スリ
ーブ継手7内にグラウト材を注入して、上下の柱主筋8
を接合するようにしたものがある。
【0004】上記いずれの場合も、上階の柱3,6の建
て込みはパネルゾーンP内を含めて床面までのコンクリ
ート打設が完了した後に行われている。
【0005】ところで、パネルゾーン内での上下柱の柱
主筋を接続する方法としては、これらの柱主筋を互いに
一定長さ重ね合わせて接続する重ね継手による方法もあ
るが、この重ね継手を用いる方法は、重ね合わせる分だ
け柱頭あるいは柱底部から突出させる柱主筋の長さを長
くしなければならないため、搬送に不便を来たす上、パ
ネルゾーンにおける鉄筋量の増大によりコンクリートの
打設が困難だという欠点がある。これに対し、スリーブ
継手を用いる方法は、柱主筋を突き合わせるのみで長さ
方向に重ねないので、重ね継手の使用による上述の不都
合がなく、従って、このスリーブ継手による柱主筋の接
続方法はこれからますます利用されると考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スリー
ブ継手に注入されるグラウト材は、それが十分硬化して
その強度を発現するまでに一定の養生期間が必要とされ
る。したがって、その間は建て込んだ柱の上部で梁や床
の建て込み作業を行うことができない。グラウト材が十
分硬化していない状態では、それらの作業によって発生
する振動によって継手の強度が低下してしまうからであ
る。
【0007】そこで、この発明の目的は、スリーブ継手
を使用して上下階の柱主筋を接合するようにした柱・梁
の接合工法において、スリーブ継手に注入するグラウト
材が硬化するのを待つことなく次の梁や床の建て込み作
業を行うことのできる作業効率の良い柱・梁の接合工法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の柱・梁の接合工法は、まず、プレキャス
トコンクリート製柱の底部から突出させた柱主筋の下端
に、下端側が開口したスリーブ継手を取り付けておき、
次に、柱主筋を柱頭から突出させた下階のプレキャスト
コンクリート製柱上に、柱梁接合用のパネルゾーンを形
成するようにプレキャストコンクリート製梁を載架し、
次に、上記パネルゾーンにおいて上記下階のプレキャス
トコンクリート製柱の柱主筋を上記スリーブ継手に差し
込んで上記プレキャストコンクリート製柱を建て込み、
次に、上記パネルゾーン内にコンクリートを打設し、次
に、上記スリーブ継手内にグラウト材を注入して、上下
階の柱主筋を接合することを特徴としている。
【0009】グラウト材の注入管および排出管は、パネ
ルゾーンの型枠内側面に突出させて設けることもできる
が、作業性をよくするために、請求項2に記載の発明
は、上記パネルゾーン内にコンクリートを打設する前に
上記スリーブ継手にグラウト注入管およびグラウト排出
管を上方に向けて取り付け、上記パネルゾーン内へのコ
ンクリート打設と同時にスラブコンクリートを打設し、
上記グラウト注入管およびグラウト排出管の先端を打設
されたスラブ面から突出させたことを特徴としている。
【0010】また、スリーブ継手内へのグラウト材の注
入は請求項1に記載の如くパネルゾーン内にコンクリー
ト打設をした後でもよいが、より一層のスリーブ継手強
度の向上を図るために、請求項3に記載の発明は、ま
ず、プレキャストコンクリート製柱の底部から突出させ
た柱主筋の下端に、下端側が開口したスリーブ継手を取
り付けておき、次に、柱主筋を柱頭から突出させた下階
のプレキャストコンクリート製柱上に、柱梁接合用のパ
ネルゾーンを形成するようにプレキャストコンクリート
製梁を載架し、次に、上記パネルゾーンにおいて上記下
階のプレキャストコンクリート製柱の柱主筋を上記スリ
ーブ継手に差し込んで上記プレキャストコンクリート製
柱を建て込み、次に、上記パネルゾーン内にコンクリー
トを打設すると共に、上記スリーブ継手内にグラウト材
を注入して、上下階の柱主筋を接合することを特徴とし
ている。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1または
3に記載の発明において、上記下階のプレキャストコン
クリート製柱の柱頭から突出している柱主筋の先端部に
ねじ切り部を形成すると共に、上記スリーブ継手の外径
以上の直径を有するナットを上記ねじ切り部に上下移動
可能に設け、さらに上記ナットの上面にパッキン材を取
り付けたことを特徴としている。
【0012】
【作用】従来は上下階の柱主筋の接合がスリーブ継手内
に注入されたグラウト材のみにより行われていたのに対
し、本発明によれば、パネルゾーンに突出した上下階の
柱主筋の接合は、上階の柱の建て込みの後にパネルゾー
ンに打設されるコンクリートならびにスリーブ継手内に
注入されるグラウト材とにより行われる。グラウト材は
コンクリート打設後に注入するので、グラウト材を注入
する時点では上下階の柱主筋は硬化したコンクリートに
よってパネルゾーン内に固定されていることになる。し
たがって、グラウト材が硬化しない前に次の階の梁や床
の建て込み作業を行っても、継手の強度はその作業によ
る振動の影響を受けにくい。したがって、コンクリート
が硬化してしまえば、グラウト材の注入作業と並行し
て、次の階の梁や床の建て込み作業を行うことができ
る。つまり、本発明の柱・梁の接合工法を用いれば、従
来の工法に比して、グラウト材の注入作業時間ならびに
グラウト材の養生期間分だけ作業時間を短縮することが
でき、作業効率が高まる。
【0013】請求項2の発明によれば、グラウト注入管
およびグラウト排出管の先端は、コンクリート打設後に
はスラブ面から突出した状態にあるので、グラウト材の
配管との接続が簡単に行え、また、型枠を解体すること
なく、そのままスラブ面上でグラウト材の注入作業が行
える。これに対して、グラウト注入管およびグラウト排
出管の先端がパネルゾーンの側方にくるようにした場合
には、グラウト材配管との接続に手間がかかる上、パネ
ルゾーンの型枠を解体してからでないとグラウト注入工
程に入れないので、本発明に比して作業性が劣る。
【0014】請求項1の発明ではスリーブ継手内のグラ
ウト材が未硬化の状態で次の階の梁や床の建て込み作業
を行うことになるので、スリーブ継手は多少ともそのよ
うな建て込み作業の振動の影響を受けることになる。こ
れに対して、請求項3の発明によれば、グラウト材はコ
ンクリートの打設と共に注入されるので、コンクリート
の硬化と並行してグラウト材が硬化する。グラウト材と
コンクリートの硬化時間は種類によっても異なるが、グ
ラウト材の硬化時間は一般にコンクリートのそれと同じ
か、短い。したがって、パネルゾーンのコンクリートが
硬化した時点では、スリーブ継手内のグラウト材も硬化
してしまっている。したがって、振動を伴う次の階の梁
や床の建て込み作業をコンクリート硬化後直ちに行って
も、スリーブ継手に対するその振動の影響は請求項1の
発明よりも更に小さくなる。また、それゆえ、より高い
接合強度が得られる。また、グラウト材の注入・養生工
程はコンクリートの打設・養生工程と並行して行われ、
しかも、その打設・養生期間内に終了するので、従来の
工法に比べて、グラウト材の注入作業時間ならびにグラ
ウト材の養生期間分だけ作業時間が短縮される。
【0015】請求項4の発明によれば、ナットの直径は
スリーブ継手の外径以上なので、下階の柱主筋のねじ切
り部をスリーブ継手内に挿入したとき、各スリーブ継手
は、パッキン材を介して対応するナットに支持される。
そして、ナットの位置を調整することによって、上階の
柱のレベル調整が行われる。このレベル調整は一部のナ
ットのみによって行うことができる。また、スリーブ継
手の開口はナットの上側に取り付けられたパッキン材に
よって密閉される。したがって、コンクリートの打設を
グラウト材に注入前に行った場合にはコンクリートの分
離水がスリーブ継手内に侵入するのが防止されると共
に、グラウト材がスリーブから漏出するのが防止される
ので、グラウト材はスリーブ内に良好に充填される。
【0016】
【実施例】以下、この発明を図示の実施例により詳細に
説明する。
【0017】図1は本発明の接合工法によって接合され
たプレキャストコンクリート製柱(以下、単に柱と言
う。)10とプレキャストコンクリート製梁(以下、単
に梁と言う)20を示す縦断面図、図2はパネルゾーン
Pの横断面構造を示した図1のII−II線断面図、図3は
図1中IIIで示された部分の拡大図で、柱主筋の継手部
分を詳細に示した図である。
【0018】柱10はフルプレキャスト柱で、図2に示
すように、4隅および側壁面に沿って複数の柱主筋11
がコンクリートに埋め込まれている。各柱主筋11は柱
10の柱頭10aおよび底部10bからそれぞれ突出し
ており、それぞれの突出部分の先端には、図3に詳細に
示されるように、ねじ切り部11a,11bが形成され
ている。
【0019】上階の柱11の底部10bから突出した柱
主筋11のねじ切り部11bには、スリーブ継手12が
螺合しており、スリーブ継手12のねじ切り部11bに
対する軸方向の位置はナット13によって固定される。
【0020】下階の柱10の柱頭10aから突出した柱
主筋11のねじ切り部11aには、スリーブ継手12の
外径以上の直径を有する大径ナット14がねじ切り部1
1aに沿って移動可能に設けられており、このナット1
4の上面には、シール材つまりパッキン材15が取り付
けられている。
【0021】図1,3に示された状態では、下階の柱主
筋11のねじ切り部11aはスリーブ継手12内に差し
込まれており、スリーブ継手12はパッキン材15を介
して大径ナット14に支持されている。パッキン材15
によって、スリーブ12の開口端である下端は密閉され
る。
【0022】上記スリーブ継手12の下部および上部に
はそれぞれグラウト材の注入口16および排出口17が
形成されており、これらの口16,17にはそれぞれグ
ラウト注入管18およびグラウト排出管19が取り付け
られている。グラウト注入管18およびグラウト排出管
19は、後述するように、上階の柱10の建て込みが完
了した後、パネルーゾンP内にコンクリートを打設する
前に取り付けられたもので、パネルゾーンPのコンクリ
ートおよびスラブコンクリートの打設後には、それら各
管18,19の先端は、図1に示すように、コンクリー
トスラブ面30よりも上に出ている。
【0023】なお、各柱10のコンクリートに埋め込ま
れた柱主筋11の回りには、パネルーゾンPにおけるの
と同様に、フープ筋33が互いに間隔をあけて配筋され
ている。
【0024】一方、梁20は、柱10と同様にフルプレ
キャストのもので、図1に示すように、パネルゾーンP
を挟んで対向する梁20の端面から長手方向に突出して
いる梁下端主筋21は、パネルーゾンPにおいて、水平
方向に一部重複し、かつその先端が上方に折り曲げられ
ている。
【0025】なお、図1において、22は梁スターラッ
プ筋、40は柱支持具である。柱支持具40は、柱10
を建て込んでから少なくともコンクリートを打設してし
まうまでの間柱10を保持しておくためのもので、柱支
持具40の一端40aは柱10にアンカーによって固定
される一方、多端40bは、予め梁20のコンクリート
に打ち込んでおいた金具41に接続される。
【0026】次に、図5を参照しながら上記柱10と梁
20の接合工法について説明する。
【0027】 まず下階の柱10を建て込む。柱頭1
0aから突出している柱主筋11の周囲のフープ筋33
はこの柱10を建て込む前に組まれたものである。各柱
主筋11には、パッキン材15を備えた大径ナット14
が取り付けられている。
【0028】 次に、梁20を下階の柱10上に載架
する。その後、上階の柱10を建て込む。前述したよう
に、この上階の柱10の底部10bから突出させた柱主
筋11の下端には、下端側が開口したスリーブ継手12
が固定されており、このスリーブ継手12に下階の柱主
筋11を差し込むことによって、上階の柱10を建て込
むのである。この際に、4隅の大径ナット14の位置を
調整することによって上階の柱10のレベル調整を行
う。4隅のスリーブ継手12はこのレベル調整と同時に
パッキン材15によって密閉されることになる。レベル
調整が完了すると、他の大径ナット14を回転させて対
応するスリーブ継手12にパッキン材15を押し付け、
全てのスリーブ継手12を密閉する。
【0029】このように、パッキン材15によってスリ
ーブ継手12を密閉しておくことにより、後のコンクリ
ート打設工程において、コンクリートの分離水がスリー
ブ継手12内に侵入することを防止することができ、ま
た、グラウト材の注入工程においては、グラウト材がス
リーブ継手12から漏出するのを防止することができ
る。
【0030】 次に、スリーブ継手12の注入口16
ならびに排出口17にグラウト注入管18ならびにグラ
ウト排出管19をそれぞれ取り付ける。このとき、グラ
ウト注入管18およびグラウト排出管19の先端は続い
て打設されるコンクリートの床面すなわちスラブ面30
よりも突出するようにしておく。
【0031】続いて、梁上端主筋23をスターラップ筋
22内に通して配筋する。次に、型枠を設置して、パネ
ルゾーンPにコンクリートを打設すると共に、スラブコ
ンクリートの打設を行う。
【0032】 上記の工程で打設したコンクリート
が硬化した後、柱支持具40を取り外し、コンクリート
スラブ面30から突出しているグラウト注入管18の先
端にグラウト材の配管32を接続して、グラウト材をス
リーブ継手12内に注入する。グラウト注入管18およ
びグラウト排出管19の先端がコンクリートスラブ面3
0から突出しているため、配管32の接続が簡単に行な
える上、型枠を取り外さなくても、注入作業が行えるた
め、作業性がよい。グラウト材の注入は、グラウト排出
管19からグラウト材が排出されるまで続けられる。
【0033】上記柱支持具40はグラウト材硬化後に取
り外してもよい。この方が、グラウト注入および養生に
並行して行われる次の階の梁や床の建て込み作業による
スリーブ継手への振動の影響を小さくできる。
【0034】こうして、上下階の柱10と梁20とが一
体化されて、それらの接合が完了する。なお、上記工程
におけるグラウト材注入作業の開始と並行して、上階
の柱10の上方で上記の工程(梁20の載架)が開始
される。これは、グラウト材の注入時には、上下階の柱
主筋11がパネルゾーンPに打設されたコンクリートに
よって既に固定されてしまっており、柱10の上部で振
動を伴う作業を行っても、継手強度に低下が生じにくい
ためである。このように、グラウト材の注入工程と並行
して次の工程を行うことができるため、上記従来の接合
工法よりも作業時間を短縮することができる。
【0035】なお、図4に示した接合工法においては、
グラウト材の注入工程をコンクリートの打設工程の後に
行ったが、両工程を並行して行ってもよい。この場合
も、グラウト材の注入工程を単独で行うのではないの
で、図4に示した実施例同様、従来に比べて、作業時間
を短縮することができる。また、グラウト材はコンクリ
ートと同時、あるいはそれよりも早く硬化するので、コ
ンクリートが硬化した時点では、スリーブ継手12内の
グラウト材も硬化してしまっている。したがって、図4
に示した実施例よりも、スリーブ継手12への次の階の
梁や床の建て込み作業の振動の影響をさらに小さくで
き、接合強度をさらに増大することができる。
【0036】上記実施例で使用した梁20のようにフル
プレキャストの梁の場合には、図5に示すように、パネ
ルゾーンPに対向する端面に切り欠き部24を設けれ
ば、パネルゾーンPへのコンクリートの打設を容易に行
うことができる。
【0037】また、上記実施例では、柱10はフルプレ
キャストコンクリート製のものを用いたが、図6に示す
ように、中空の外殻プレキャスト柱を用いてもよい。な
お、図6中、(a)に示したものは、そのc−c断面図
からわかるように、上記実施例と同様、外殻コンクリー
ト内に複数の柱主筋11が周方向に間隔をあけて埋め込
まれたもの、(b)に示したものは、そのd−d断面図
からわかるように、外殻コンクリートの4隅のみに柱主
筋11が埋め込まれたものである。これらの外殻プレキ
ャスト柱はフルプレキャスト柱に比べて軽いので搬送作
業や、建て込み作業が楽になる。
【0038】また、梁20は、上記実施例で使用したフ
ルキャストのものの外、スラブ面側が開いた断面U型の
外殻プレキャスト梁を用いることができる。この場合
も、柱の場合と同様に、フルプレキャストのものに比べ
て軽いので、搬送作業や梁載架作業が楽になる。
【0039】
【発明の効果】以上より明らかなように、この発明の請
求項1の柱・梁の接合工法は、下階の柱の柱頭から柱主
筋を突出させると共に、上階の柱の底部から突出させた
柱主筋の下端に、下端側が開口したスリーブ継手を取り
付け、このスリーブ継手に上記下階の柱主筋を差し込ん
で上階の柱を建て込んで、パネルゾーンへのコンクリー
ト打設を行った後に、スリーブ継手へのグラウト材注入
を行うようにしているので、グラウト材注入前に、上下
階の柱から突出している柱主筋をパネルゾーン内の硬化
したコンクリートによって固定することができる。した
がって、スリーブ内のグラウト材が硬化する前に次の階
の梁や床の建て込み作業を行っても、継手強度の低下は
生じにくいので、、グラウト材の注入作業と並行して、
次の階の梁や床の建て込み作業を行うことができる。つ
まり、本発明の柱・梁の接合工法を用いれば、従来の工
法に比して、グラウト材の注入作業時間ならびにグラウ
ト材の養生期間分だけ作業時間を短縮することができ、
作業効率が高まる。
【0040】請求項2の発明によれば、グラウト注入管
およびグラウト排出管の先端をスラブ面上に突出させて
いるので、グラウト材配管との接続が行い易い上、型枠
を解体することなくグラウト材の注入作業にとりかかる
ことができ、作業性がよい。
【0041】請求項3の発明によれば、コンクリートと
同時かそれよりも早く硬化するグラウト材をコンクリー
トの打設と共に注入するので、パネルゾーンのコンクリ
ートの硬化と同時あるいはそれよりも早くスリーブ継手
内のグラウト材を硬化させることができ、グラウト材が
硬化した状態で、振動を伴う次の階の梁や床の建て込み
作業を行うことができる。したがって、スリーブ継手へ
のその振動の影響を、グラウト材が未硬化の状態で次の
階の梁や床の建て込み作業を行うことになる請求項1の
発明よりも更に小さくすることができる。また、それゆ
え、より高い接合強度を提供することができる。また、
グラウト材の注入・養生工程はコンクリートの打設・養
生工程と並行して行われ、しかも、その打設・養生期間
内に終了するので、従来の工法に比べて、グラウト材の
注入作業時間ならびにグラウト材の養生期間分だけ作業
時間を短縮することができ、作業効率が高まる。
【0042】請求項4の発明によれば、下階の柱主筋に
取り付けられた各ナットの直径はスリーブ継手の外径以
上なので、これらのナットによってスリーブ継手を支持
することができる。また、上記ナットは柱主筋のねじ切
り部に上下移動可能に取り付けられているので、ナット
の位置を調整することによって、上階の柱のレベル調整
を行なうことができる。このレベル調整は一部のナット
のみによって行うことができる。さらに、各ナットの上
側にはパッキン材が取り付けられているので、各スリー
ブ継手の開口をこのパッキン材によって密閉することが
できる。したがって、コンクリート打設をグラウト材注
入に先行させる場合にはコンクリートの分離水がスリー
ブ継手内に侵入するのを防止できると共に、グラウト材
がスリーブから漏出するのを防止できるので、グラウト
材をスリーブ内に良好に充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の柱梁接合工法によって接合されたプ
レキャストコンクリート製柱とプレキャストコンクリー
ト製梁を示す縦断面図である。
【図2】 図1のII-II線断面図である。
【図3】 図1中IIIで示された部分の拡大図である。
【図4】 本発明の柱梁接合工法を説明する工程図であ
る。
【図5】 本発明の柱梁接合工法によって接合されたプ
レキャストコンクリート製柱とプレキャストコンクリー
ト製梁を示す縦断面図である。
【図6】 本発明の柱梁接合工法に使用される別のプレ
キャストコンクリート製柱を示した図で、(a),
(b)はそれぞれ異なる外殻プレキャストコンクリート
製柱の正面図、(c)は(a)のc−c断面図、(d)
は(b)のd−d断面図である。
【図7】 従来の柱梁接合工法によって接合されたプレ
キャストコンクリート製柱と梁を示した縦断面図であ
る。
【図8】 別の従来の柱梁接合工法によって接合された
プレキャストコンクリート製柱と梁を示した縦断面図で
ある。
【符号の説明】
10…プレキャストコンクリート製柱、 11…柱主筋、11a,11b…ねじ切り部、 12…スリーブ継手、 13…ナット、 14…大径ナット、 15…パッキン材、 16…注入口、 17…排出口、 18…グラウト注入管、 19…グラウト排出管、 20…プレキャストコンクリート製梁、 21…梁下端主筋、 22…スターラップ筋、 23…梁上端主筋、 24…切り欠き部、 30…コンクリートスラブ面、 32…グラウト材配管、 33…フープ筋、 40…柱支持具 P…パネルゾーン。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 まず、プレキャストコンクリート製柱の
    底部から突出させた柱主筋の下端に、下端側が開口した
    スリーブ継手を取り付けておき、 次に、柱主筋を柱頭から突出させた下階のプレキャスト
    コンクリート製柱上に、柱梁接合用のパネルゾーンを形
    成するようにプレキャストコンクリート製梁を載架し、 次に、上記パネルゾーンにおいて上記下階のプレキャス
    トコンクリート製柱の柱主筋を上記スリーブ継手に差し
    込んで上記プレキャストコンクリート製柱を建て込み、 次に、上記パネルゾーン内にコンクリートを打設し、 次に、上記スリーブ継手内にグラウト材を注入して、上
    下階の柱主筋を接合することを特徴とする柱・梁の接合
    工法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の柱梁の接合工法におい
    て、上記パネルゾーン内にコンクリートを打設する前に
    上記スリーブ継手にグラウト注入管およびグラウト排出
    管を上方に向けて取り付け、上記パネルゾーン内へのコ
    ンクリート打設と同時にスラブコンクリートを打設し、
    上記グラウト注入管およびグラウト排出管の先端を打設
    されたスラブ面から突出させたことを特徴とする柱・梁
    の接合工法。
  3. 【請求項3】 まず、プレキャストコンクリート製柱の
    底部から突出させた柱主筋の下端に、下端側が開口した
    スリーブ継手を取り付けておき、 次に、柱主筋を柱頭から突出させた下階のプレキャスト
    コンクリート製柱上に、柱梁接合用のパネルゾーンを形
    成するようにプレキャストコンクリート製梁を載架し、 次に、上記パネルゾーンにおいて上記下階のプレキャス
    トコンクリート製柱の柱主筋を上記スリーブ継手に差し
    込んで上記プレキャストコンクリート製柱を建て込み、 次に、上記パネルゾーン内にコンクリートを打設すると
    共に、上記スリーブ継手内にグラウト材を注入して、上
    下階の柱主筋を接合することを特徴とする柱・梁の接合
    工法。
  4. 【請求項4】 請求項1または3に記載の柱梁の接合工
    法において、上記下階のプレキャストコンクリート製柱
    の柱頭から突出している柱主筋の先端部にねじ切り部を
    形成するとともに、上記スリーブ継手の外径以上の直径
    を有するナットを上記ねじ切り部に上下移動可能に設
    け、さらに上記ナットの上面にパッキン材を取り付けた
    ことを特徴とする柱・梁の接合工法。
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