JPH075389U - ライス類入り乾燥インスタント成型スープ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】スープ２にアルファー化したライス１を添加
し、凍結乾燥処理を行い、具材またはゲル化形成物のい
ずれかまたはともに添加する。具材としては鮭肉３、わ
かめ４のごとき魚介類、藻類その他野菜類、果実類、豆
類、いも類、きのこ類、鳥獣肉類を、またゲル化形成物
として寒天、ゼラチン等をそれぞれ使用する。 【効果】外形上の見栄えがよく、持ち運びが容易で崩れ
難く、熱湯の注入または水を入れ電子レンジの使用によ
り簡単に復元できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は乾燥インスタントスープに係わり、詳しくはその乾燥インスタントス ープの中にライス類、あるいはライス類と具材が一体化し凍結乾燥されたもので あって、それは一体化せる状態としたことにより、形状が見た目にもきれいで、 しかもコンパクトな状態であるので持ち運びが容易で崩れ難く、熱湯を注ぐか、 または水を入れ電子レンジを使用して、手間をかけずに簡単に復元させて喫食で きるライス類入り乾燥インスタント成型スープに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から乾燥インスタントスープとして、固形ブイヨンスープ、粉末顆粒状ス ープ、粉末顆粒状スープに乾燥具材もしくはレトルト具材等の添付されたカップ 入り、もしくはアルミラミネート包材等に同一パックされたスープがある。 また、味噌汁等で凍結乾燥方法によるインスタント具材入り成型スープも市場 に流通しているが、それらは単体で食されることを前提とせずに、あくまでもラ イス、パン等の付け合わせとして提供するものであると考えられてきたためボリ ューム感を有していない。

【０００３】 更に、既に知られているスープとして、アルミラミネート包材の中に粉末スー プ、乾燥具材、ライス類または２〜３ｃｍ前後の少量の短めんもしくはパスタ類 が同一パックされ、鍋に入れ水から煮込むタイプのものがあるが、それは調理時 間も長くかかり面倒であるとともに、具材、ライス類がスープにまぎれて商品的 に見劣りする。また市販の缶詰スープの中には、ライス類またはパスタ類の入っ ているものもあるが、高温、高圧処理をしているため具材の色調も悪く、見た目 にも、また食感的、商品的にも見劣りするものと認められる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、現在、食生活が年々多様化する状況のもとで、消費者からの多くの 要望、志向として、健康食品であり、しかも手軽に取扱える食品が求められてい ることに着目して提供することにある。すなわち、具体的には、空腹感を一時的 に満たすような食品、または食間のつなぎとして喫食したい時、弁当の類と一緒 に何か飲物が欲しい時等にふさわしい食品、海外旅行等における携行用としてス ープ感覚で食べられ、コンパクトで持ち運びが容易であると同時に崩れ難く、即 座に取り出せて簡単に復元し、しかもそれは風味豊かでボリュームのある食材に ついての要望がある。しかしながら、従来それを満足するに足りるものがなかっ た。本考案者は前記要望を充足できるライス類入り乾燥インスタント成型スープ について提供する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するために、本考案におけるライス類入り乾燥インスタント成 型スープは、スープにアルファー化したライス類を添加し、凍結乾燥したもので ある。 該ライス類には、米、麦、ワイルドライス、そばの実、モロコシ、キビ、ひえ 、あわ、はと麦、ライ麦等が挙げられる。 そして、具材として、野菜類、果実類、豆類、いも類、魚介類、鳥獣肉類、き のこ類、藻類、ワンタン、パスタ、春雨、油揚げ、てんぷら、もち、あられ、わ さび等のスパイス、梅干し等の生もしくは加熱処理、加工処理した具材を添加す ることが好ましい。 またゲル化形成物を添加することも更に好ましいことであり、ゲル化形成物と しては、寒天、ペクチン、ゼラチンまたは澱粉等の糊料が挙げられる。 図面上、１はライス、２はスープ、３は鮭肉、４はわかめ、５はあられを例示 してある。なお、図示を省略したが、本考案は、商品としての流通段階では、ア ルミ等のラミネートフィルムで密封包装され、または発泡スチロールカップ等の 容器に収納して包装されるものである。

【０００６】

【作用】

本考案は、スープにアルファー化したライス類を添加し、凍結乾燥されるもの である。 更に具材またはゲル化形成物のいずれかまたはともに添加される。

【０００７】

【実施例】

次に本考案を更に具体的に説明するために実施例を挙げる。 実施例１ アルファー化したライス２０ｇをトレーに充填し、更にそのトレー中に乾燥ベ ーコン２ｇ、乾燥人参０．５ｇ、乾燥ポテト１ｇ、乾燥パセリ０．０５ｇを入れ た。そこへ液体濃縮洋風スープ５５ｇを注ぎ入れ、凍結し、乾燥した。仕上がっ たライス入り乾燥インスタント成型スープは、ベーコン、人参、ポテト、パセリ の具材の彩りも鮮やかで壊れもなく成型された。これを家庭にあるマグカップに 入れ、熱湯２００ｃｃを注ぎ４分後に喫食したところ、スープの風味豊かで、具 材の彩り鮮やかなボリュームたっぷりなリゾット風ライス入り洋風スープが出来 上がった。

【０００８】 実施例２ アルファー化したライス４０ｇをトレーに充填し、更にそのトレー中に乾燥ち んげん菜０．５ｇ、乾燥しいたけ０．５ｇ、乾燥鶏肉１．０ｇ、乾燥たまご０． ５ｇを入れた。２％ゼラチン溶液９０ｃｃを７０℃に加温し粉末中華スープの素 １０ｇを添加溶解させ、トレー中に注ぎ入れ冷却させた後、凍結し、乾燥した。 仕上がったライス入り乾燥インスタント成型スープは、ちんげん菜、しいたけ、 鶏肉、たまごの具材の彩りも鮮やかで壊れもなく成型された。これを発泡スチロ ールカップに入れ、水２００ｃｃを注ぎ５００ワット電子レンジにて５分調理し た後に喫食したところ、スープの風味豊かで、具材の彩り鮮やかなボリュームた っぷりな中華粥風ライス入り中華スープが出来上がった。

【０００９】 実施例３ アルファー化したライス２０ｇをトレーに充填し、更にそのトレー中に生しい たけ３ｇ、生わかめ５ｇ、液卵５ｇを入れた。２％ゼラチン溶液７０ｃｃを７０ ℃に加温し粉末和風スープの素１０ｇを添加溶解させ、トレー中に注ぎ入れ冷却 させた後、凍結し、乾燥した。仕上がったライス入り乾燥インスタント成型スー プは、しいたけ、わかめ、卵の具材の彩りも鮮やかで壊れもなく成型された。こ れを家庭にあるマグカップに入れ、熱湯２００ｃｃを注ぎ４分後に喫食したとこ ろ、スープの風味豊かで、具材の彩り鮮やかなボリュームたっぷりな雑炊風ライ ス入り和風スープが出来上がった。

【００１０】 実施例４ アルファー化したライス１００ｇをトレーに充填し、更にそのトレー中に乾燥 鮭５ｇ、乾燥わかめ１ｇ、あられ３ｇを入れた。２％ゼラチン溶液８０ｃｃを７ ０℃に加温し粉末和風スープの素１０ｇを添加溶解させ、トレー中に注ぎ入れ冷 却させた後、凍結し、乾燥した。仕上がったライス入り乾燥インスタント成型ス ープは、鮭、わかめ、あられの具材の彩りも鮮やかで壊れもなく成型された。こ れを家庭にある茶わんに入れ、熱湯２００ｃｃを注ぎ４分後に喫食したところ、 スープの風味豊かで、具材の彩り鮮やかなボリュームたっぷりなお茶漬け風ライ ス入り和風スープが出来上がった。

【００１１】

【考案の効果】

第１に、本考案は、ライス類と、それに彩り、味わいを増すための具材がスー プとともにひとつにまとめて成型された成型スープであり、それは、アルミ等の ラミネートフィルムで密封包装され、喫食時家庭にあるマグカップ、コーヒーカ ップ等に入れ、熱湯を注いで数分で復元させるなり、あるいは水を入れ電子レン ジを使用して簡単に復元、喫食できるものである。

【００１２】 第２に、本考案によれば、即席ライス類、スープおよび生または加熱処理、乾 燥処理した具材は、ゲル化形成物を使用することにより、成型のためのアルミ等 の金属型容器、スチロール等のプラスチック容器等に収納して凍結工程に移行す る際、その移送中に多少の揺動、衝撃を受けても凝固し流動性を失っているので 、その後の凍結および乾燥段階で内容物の崩壊、容器内での片寄り等の異常発生 を抑制し作業性が向上する。殊に、ゼラチンを採用した場合（なお、ゼラチン溶 液は比較的温かいうちにライス類等と混合することが必要である。）、その混合 後、常温条件下に静置することにより、凝固し流動性を失うので、移送中の多少 の揺動があっても安定的に好ましい状態のもとに固定化しており、その後の凍結 および乾燥の段階でのトラブルはなく、凍結乾燥製品に異常をきたすことはない ので、不良品の発生が極度に減少し作業性に優れることになるものである。

【００１３】 第３に、本考案の成型スープの喫食時、９０℃以上の熱湯を注いで復元するが 、ゼラチン溶液は水との親和力の大きい親水性コロイドであるので容易に溶解し 、滑らかで粘性をほとんど感じることなく、異和感を有せずに喫食できる。 またゼラチンは健康食品として純度の高い良質のタンパク質であり、それはア レルギー性がないため、アレルギー体質の人のタンパク源としてよく、低カロリ ーである。更には、ゼラチンがアミノ酸の結合体であって、ゼラチンそのものに 不純物がないため、コクのある調味料として良好な味を引き出す良い成分でもあ り、喫食性、呈味性、栄養面で優れている。

【００１４】 第４に、本考案において、ライス類の量を増減することにより、商品的にぞう すい、お茶漬け、粥に至るまで多様化した商品として対応可能なライス類入り成 型スープとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示すものである。

【符号の説明】

１ ライス ２ スープ ３ 鮭肉 ４ わかめ ５ あられ

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スープにアルファー化したライス類を添
   加し、凍結乾燥したライス類入り乾燥インスタント成型
   スープ。
2. 【請求項２】 野菜類、果実類、豆類、いも類、魚介
   類、鳥獣肉類、きのこ類、藻類、ワンタン、パスタ、春
   雨、油揚げ、てんぷら、もち、あられ、わさび等のスパ
   イス、梅干し等の生もしくは加熱処理、加工処理した具
   材を添加した請求項１のライス類入り乾燥インスタント
   成型スープ。
3. 【請求項３】 ゲル化形成物を添加し、凍結乾燥した請
   求項１または２記載のライス類入り乾燥インスタント成
   型スープ。
4. 【請求項４】 ライス類として米、麦、ワイルドライ
   ス、そばの実、モロコシ、キビ、ひえ、あわ、はと麦、
   ライ麦等である請求項１、２または３記載のライス類入
   り乾燥インスタント成型スープ。
5. 【請求項５】 ゲル化形成物として、寒天、ペクチン、
   ゼラチンまたは澱粉等の糊料である請求項１、２または
   ３記載のライス類入り乾燥インスタント成型スープ。