JPH0753142Y2 - カセツト式テ−プレコ−ダ−の操作レバ−ロツク装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案は、カセット式テープレコーダーに関し、特に操
作レバーのロック装置に係る。

（ロ）従来の技術 カセットと呼ばれる容器内に磁気テープが収納されてい
るカセットテープを使用するカセット式テープレコーダ
ーが普及しているが、斯かるテープレコーダーの中には
再生、早送り及び巻戻等の基本的機能に加えて再生しな
がら巻戻し動作を行なうレビュー又は再生しながら早送
りを行なうキューと呼ばれる機能を備えたものがある。
斯かるレビュー又はキュー動作はテープレコーダーが再
生動作状態にあるとき即ち再生用操作レバーが動作位置
にあるとき巻戻し用操作釦又は早送り用操作釦を操作す
ることによって行なわれるが、このとき再生用操作レバ
ーの動作位置におけるロックが解除されないようにする
と共に巻戻し用操作釦又は早送り用操作釦が動作位置に
ロックされないようにする必要がある。更に停止状態に
あるとき即ち再生用操作レバーが非動作位置にあるとき
巻戻し操作又は早送り操作をすると巻戻し用操作釦又は
早送り用操作釦が動作位置にロックされるように構成す
る必要があり、斯かる動作を行なう技術としては、例え
ば実公昭53−24253号公報に開示されたものがある。

（ハ）考案が解決しようとする問題点 前述した公報における各操作レバーのロック動作はロッ
ク板に設けられているピンに対する各操作レバーに形成
されている穴の傾斜突起の形状を変化させることによっ
て即ちロックに要するロック板の変位量の差を利用して
行なわれている。斯かるロック板の変位量の差を利用す
る技術は再生用操作レバーや巻戻し用操作レバーの動作
位置への変位量が大きなカセット式テープレコーダーに
実施することは出来るものの超小型のテープレコーダー
のように各操作レバーの変位量が小さいテープレコーダ
ーには適していないものであった。本考案は、超小型の
テープレコーダーに適したロック装置を提供しようとす
るものである。

（ニ）問題点を解決するための手段 本考案のロック装置は、再生操作時動作位置に変位せし
められると共に駆動機構を再生状態にする再生用操作レ
バーと、巻戻し及びレビュー操作時動作位置に変位せし
められると共に駆動機構を巻戻し状態にする巻戻し用操
作レバーと、回動可能に取付けられていると共にスプリ
ングによりロック位置方向へ付勢され、且つ前記再生用
操作レバー及び巻戻し用操作レバーに設けられている係
合片と各々係合し該再生用操作レバー及び巻戻し用操作
レバーを動作位置にロック保持する第１ロック部及び第
２ロック部が形成されているロック部材とより構成され
ている。

（ホ）作用 本考案は、再生用操作レバー及び巻戻し用操作レバーを
動作位置にロック保持するべく設けられている第１ロッ
ク部及び第２ロック部の形成位置をロック部材の回動支
点の近くと離れた位置にすることによって巻戻し用操作
レバーのロック及び非ロックを選択的に行なうようにし
たものである。

（ヘ）実施例 図面は何れも本考案に関し、第１図は停止状態を示す平
面図、第２図は再生状態を示す平面図、第３図は巻戻し
状態を示す平面図である。図において、（１）は固定基
板（図示せず）に矢印（Ａ）及び（Ｂ）方向への変位を
可能に取付けられていると共にスプリング（２）によっ
て非動作位置である矢印（Ｂ）方向へ付勢されている再
生用操作レバーであり、再生用操作釦（３）が取付けら
れていると共に該再生用操作レバー（１）の動作位置に
おけるロック動作時作用する係合片（４）が形成されて
いる。（５）は前記再生用操作レバー（１）に形成され
ている作動片であり、駆動機構等を再生動作状態にする
作用を有している。（６）は固定基板に矢印（Ａ）及び
（Ｂ）方向への変位を可能に取付けられていると共にス
プリング（７）によって非動作位置である矢印（Ｂ）方
向へ付勢されている巻戻し用操作レバーであり、巻戻し
用操作釦（８）が取付けられていると共に該巻戻し用操
作レバー（６）の動作位置におけるロック動作時作用す
る係合片（９）が形成されている。（10）は前記巻戻し
用操作レバー（６）に形成されている作動片であり、駆
動機構を巻戻し動作状態にすると共に再生動作状態にあ
るときには磁気テープに接触した状態にある磁気ヘッド
を該磁気テープより離れる方向へ少しく変位せしめる作
用を有している。（11）は固定基板に軸（12）によって
回動可能に取付けられていると共にスプリング（13）に
よって時計方向であるロック位置方向に付勢されている
ロック部材であり、前記再生用操作レバー（１）に形成
されている係合片（４）と係合し該再生用操作レバー
（１）を動作位置にロック保持する第１ロック部（14）
及び前記巻戻し用操作レバー（６）に形成されている係
合片（９）と係合し該巻戻し用操作レバー（６）を動作
位置にロック保持する第２ロック部（15）が形成されて
いる。前記第１ロック部（14）は前記ロック部材（11）
の回動支点である軸（12）の近くに形成され、第２ロッ
ク部（15）は前記軸（12）より離れた位置に形成されて
おり、前記再生用操作レバー（１）がロック部材（11）
の第１ロック部（14）によって動作位置にロック保持さ
れているとき巻戻し用操作レバー（６）の係合片（９）
と第２ロック部（15）との係合動作が行なえないように
構成されている。（16）は固定基板に設けられている規
制ピンであり、前記ロック部材（11）のロック位置方向
への回動変位位置を規制する作用を有している。以上の
如く本考案のロック装置は構成されおり、次に動作につ
いて説明する。

第１図に示した状態は停止状態であり、再生用操作レバ
ー（１）及び巻戻し用操作レバー（６）は非動作位置に
ある。斯かる状態にあるとき再生用操作釦（３）を押圧
操作すると、再生用操作レバー（１）がスプリング
（２）の付勢力に抗して動作位置である矢印（Ａ）方向
へ変位せしめられる。前記再生用操作レバー（１）が矢
印（Ａ）方向へ変位すると該操作レバー（１）に形成さ
れている係合片（４）がロック部材（11）に形成されて
いる第１ロック部（14）と係合し、該再生用操作レバー
（１）は第２図に示したように動作位置にロック保持さ
れる。前記再生用操作レバー（１）が動作位置にロック
保持されると該再生用操作レバー（１）に形成されてい
る作動片（５）の働きによって駆動機構等が再生動作を
行なう状態となり、テープレコーダーの再生動作状態が
構成される。また斯かる再生動作状態にあるときロック
部材（11）は前記再生用操作レバー（１）の係合片
（４）によって反時計方向に少しく変位せしめられた状
態にある。斯かる再生動作状態にあるときに停止操作を
すると停止用操作レバー（図示せず）の働きによってロ
ック部材（11）がスプリング（13）の付勢力に抗して非
ロック位置である反時計方向に回動変位せしめられる。
前記ロック部材（11）が反時計方向に回動変位すると第
１ロック部（14）と再生用操作レバー（１）に形成され
ている係合片（４）との係合が解除されるため、該再生
用操作レバー（１）はスプリング（２）の付勢力によっ
て矢印（Ｂ）方向である非動作位置に変位せしめられ
る。斯かる動作が行なわれてテープレコーダーは再生動
作状態より停止状態に復帰せしめられる。このように再
生動作状態への切換及び再生動作状態より停止状態への
切換動作は行なわれるが、次にレビュー動作について説
明する。斯かるレビュー動作は、テープレコーダーが第
２図に示した再生動作状態にあるときに巻戻し用操作釦
（８）を操作することによって行なわれる。前記巻戻し
用操作釦（８）を操作すると巻戻し用操作レバー（６）
がスプリング（７）の付勢力に抗して動作位置である矢
印（Ａ）方向へ変位せしめられる。斯かる動作によって
巻戻し用操作レバー（６）が動作位置に変位すると該巻
戻し用操作レバー（６）に形成されている作動片（10）
の働きによって駆動機構が再生動作を行なう状態より巻
戻し動作を行なう状態に切換えられると共に磁気ヘッド
が磁気テープより離れる方向へ変位せしめられてテープ
レコーダーはレビュー動作状態になる。そして、斯かる
状態にあるときロック部材（11）の第２ロック部（15）
は巻戻し用操作レバー（６）に形成されている係合片
（９）と係合不可能な位置にあるため該巻戻し用操作レ
バー（６）は動作位置にロック保持されることはない。
従って、使用者が巻戻し用操作釦（８）への操作力を断
つと巻戻し用操作レバー（６）がスプリング（７）の付
勢力によって矢印（Ｂ）方向である非動作位置に復帰せ
しめられ、第２図に示した状態即ち再生動作状態にな
る。再生動作状態にあるときに巻戻し操作を行なった場
合の動作即ちレビュー動作は、前述したように行なわれ
るが、次に停止状態にあるときに巻戻し操作を行なった
場合の動作について説明する。テープレコーダーが停止
状態にあるとき即ち第１図に示した状態にあるときに巻
戻し用操作釦（８）を操作すると巻戻し用操作レバー
（６）がスプリング（７）の付勢力に抗して動作位置で
ある矢印（Ａ）方向へ変位せしめられる。前記巻戻し用
操作レバー（６）が矢印（Ａ）方向へ変位すると該操作
レバー（６）に形成されている係合片（９）がロック部
材（11）に形成されている第２ロック部（15）と係合
し、該巻戻し用操作レバー（６）は第３図に示したよう
に動作位置にロック保持される。前記巻戻し用操作レバ
ー（６）が動作位置にロック保持されると該巻戻し用操
作レバー（６）に形成されている作動片（10）の働きに
よって駆動機構が巻戻し動作を行なう状態になり、テー
プレコーダーの巻戻し動作状態が構成される。斯かる巻
戻し動作状態にあるときに停止操作をすると停止用操作
レバーの働きによってロック部材（11）がスプリング
（13）の付勢力に抗して非ロック位置である反時計方向
に回動変位せしめられる。前記ロック部材（11）が反時
計方向に回動変位すると第２ロック部（15）と巻戻し用
操作レバー（６）に形成されている係合片（９）との係
合が解除されるため、該巻戻し用操作レバー（６）はス
プリング（７）の付勢力によって矢印（Ｂ）方向である
非動作位置に変位せしめられる。斯かる動作が行なわれ
てテープレコーダーは、第３図に示した巻戻し動作状態
より第１図に示した停止状態に復帰する。

尚本実施例では、再生動作状態より巻戻し動作を行なう
レビュー動作について説明したが、再生動作状態より早
送り動作を行なうキュー動作も同様に行なうように構成
することは勿論可能である。

（ト）考案の効果 本考案のロック装置は、再生用操作レバー及び巻戻し用
操作レバーを動作位置にロックするロック部材を回動可
能にすると共に再生用操作レバー及び巻戻し用操作レバ
ーを各々動作位置にロック保持する第１ロック部及び第
２ロック部の形成位置を前記ロック部材の回動支点の近
くと離れた位置にすることによって巻戻し用操作レバー
の動作位置におけるロック及び非ロックを選択的に行な
うようにしたので各操作レバーの動作位置への変位量を
小さくすることが出来、本考案はカセット式テープレコ
ーダーの小型化に適したものである。

【図面の簡単な説明】

図面は何れも本考案のロック装置に関し、第１図は停止
状態を示す平面図、第２図は再生状態を示す平面図、第
３図は巻戻し状態を示す平面図である。 主な図番の説明 （１）……再生用操作レバー、（４）（９）……係合
片、（６）……巻戻し用操作レバー、（11）……ロック
部材、（14）……第１ロック部、（15）……第２ロック
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】再生機能及び再生しながら巻戻しするレビ
   ュー機能を有するカセット式テープレコーダーにおい
   て、再生操作時動作位置に変位せしめられると共に駆動
   機構を再生状態にする再生用操作レバーと、巻戻し及び
   レビュー操作時動作位置に変位せしめられると共に駆動
   機構を巻戻し状態にする巻戻し用操作レバーと、回動可
   能に取付けられていると共にスプリングによりロック位
   置方向へ付勢されているロック部材と、該ロック部材に
   形成されていると共に前記再生用操作レバーが動作位置
   に変位したとき該再生用操作レバーに設けられている係
   合片と係合し該再生用操作レバーを動作位置にロック保
   持する第１ロック部と、前記巻戻し用操作レバーが動作
   位置に変位したとき該巻戻し用操作レバーに設けられて
   いる係合片と係合し該巻戻し用操作レバーを動作位置に
   ロック保持すると共に前記第１ロック部よりも前記ロッ
   ク部材の回動支点から遠くに位置するべく該ロック部材
   に形成されている第２ロック部とより成り、前記再生用
   操作レバーが前記ロック部材に形成されている第１ロッ
   ク部により動作位置にロック保持された状態にあると
   き、該ロック部材を非ロック位置方向へ少し回動変位せ
   しめ、以って第２ロック部による巻戻し用操作レバーの
   動作位置におけるロック保持動作を不可能にしたことを
   特徴とするカセット式テープレコーダーの操作レバーロ
   ック装置。