JPH0752914Y2 - 窓の角度調整器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、窓枠にヒンジした窓と窓枠との間に設けら
れて、開いた窓を開放角度で固定する場合に用いられる
ようにした窓の角度調整器に関する。

従来の技術 ビル等の建物の窓に付設されているこの種の角度調整器
は、一般に、窓枠に固定されるブラケットに、ストッパ
ーを備えた開放操作部を水平方向への回転を自在にして
備え、ストッパーと着脱する掛止凹部を具えて上記開放
操作部を摺動自在に貫通するアームの先端を窓に固定さ
れるブラケットに枢着して、ストッパーと掛止凹部との
嵌合によってアームの中間を所定位置に掛止し、窓と窓
枠とを斜めに結ぶアームによって開放角度を支持するよ
うに構成している。

また、例えば実開昭61−25470号公報のように、窓枠に
掛止凹部を具えたガイドレール型のブラケットを固定
し、窓側に先端を枢着したアームの基端に、上記掛止凹
部を着脱するストッパーを備えた押釦式の開放操作部を
設けて、該アームの基端と一体にレール上を移動させ
て、窓の開放角度を固定するか、または、逆に、掛止凹
部付きのレールを窓側に固定し、窓枠にアームの基端を
枢着して、該アームの先端に備えた開放操作部を上記レ
ールに摺動自在に連結することによって、屋内側へアー
ムの自由端を突出させないようにしたものもある。

考案が解決しようとする課題 上記のように構成した窓の角度調整器は、いずれも、窓
を開放角度に支持するアームと、このアームを所定位置
に掛止する掛止凹部と、この掛止凹部に嵌合するストッ
パーを昇降自在に備えた開放操作部とを有する。しかし
て、従来の開放操作部に備えられたストッパーは、ねじ
の回転により昇降するものと、復元ばねに抗して押釦式
にストッパーを昇降させる構成を有する。

ねじ式の前者にあっては、アームを掛止したり開放する
ストッパーの操作に手間がかかって時間を要する欠点が
あり、後者においては、復元ばねに抗して直にストッパ
ーを押し下げるために強い力を要し、弱小者の操作には
適し難いという欠点がある。そのために、大きな力を要
さずに簡単にストッパーの開放を行えるようにすること
が課題となっていた。

課題を解決するための手段 そこで本考案は、窓の開放角度を支持するアームと、こ
のアームを所定位置に掛止する掛止凹部と、この掛止凹
部に嵌合するストッパーを昇降自在に備えた開放操作部
とを有する窓の角度調整器において、上記ストッパーと
開放操作部との嵌合部に、該ストッパーの昇降行程に見
合うリフトを具えた傾斜溝とピンとからなる円筒カム構
造と、ストッパーを常時前記掛止凹部との嵌合方向に付
勢する復元ばねとを設け、該ストッパーの先端に操作ハ
ンドルを取り付けたことを特徴とする窓の角度調整器を
提供するものである。

作用 本考案は、上記のようにストッパーの昇降を傾斜溝とピ
ンとからなる円筒カム構造のリフトによって行わせるよ
うにしたので、ストッパーの回転操作角をきわめて小さ
くすることができ、アームの開放固定操作に手間を要さ
ない。また、ストッパーの回転操作は、先端に取り付け
た操作ハンドルによって行われるので、挺子の応用によ
り小さな力で操作できる。

実施例 図面に示す実施例は、窓枠側に開放操作部を固定的に設
置して、掛止凹部を具えたアームを開放操作部に摺動自
在に貫通させ、その先端を窓側に枢着した場合のもの
で、以下に本考案をこの実施例について説明する。

図において、１は窓枠（図示省略）の框に取り付けられ
る枠側ブラケット、２はブラケット１上に水平方向への
回転を自在にして一体に備えられたブロック形の開放操
作部、３は開放操作部２を貫通して、先端３′を、窓
（図示省略）に固定される窓側ブラケット４に揺動自在
に枢着したアーム、５はアーム３の基端側に配設した３
個の掛止凹部で、5aは閉止用凹部、5bは開放角度40°用
凹部、5cは開放角度53°用凹部である。６は開放操作部
２内に上方から昇降自在に嵌合してアーム３の上面に下
端を係合し、上記各掛止凹部５と着脱するストッパー、
７はストッパー６と開放操作部２との嵌合部８内に設け
た円筒カム構造である。この円筒カム構造７は、第１図
に示すように嵌合部８に嵌合して側面からねじ10によっ
て固定されるスリーブ９に長孔状に形成した傾斜溝ａ
と、ストッパー６の側面に設けたピンとからなり、スト
ッパー６に60°の回転が与えられると、前記各掛止凹部
５からストッパー６が脱出するカムリフトを備えてい
る。11はスリーブ９の上部内側に装着されてストッパー
６を上記掛止凹部５との嵌合方向に付勢する復元ばね、
12は、同じく第１図に示すように角軸に形成したストッ
パー６の上端に裏面の角孔を嵌合して側面から止めねじ
13で固定されるレバー型の操作ハンドルである。

上記のように構成したこの角度調整器は、操作ハンドル
12を円筒カム構造７に設定した所定の角度に回転すると
ストッパー６が上昇して掛止凹部５との嵌合を脱し、ア
ーム３の摺動が可能になる。そして、窓を所定の角度に
開くと復元ばね11に付勢されてアーム３の上面を摺接し
ていたストッパー６が当該角度に設けた掛止凹部５に自
動的に嵌合し、ストッパー６に摺動を阻止されたアーム
３の突っ張りによって窓をその開放角度に支持する。

なお、この実施例は、前述のように、窓の開き角度に応
じて伸縮するアームに掛止凹部を設けて、該アームの開
放操作部を窓枠側に固定的に設置した場合のものである
が、アームを一定長さに保って、掛止凹部を具えたレー
ル上に開放操作部を摺動させるようにした場合にも適用
できる。また、この実施例は、ストッパーの上昇によっ
て掛止凹部からの脱出を行うように構成しているが、円
筒カムの傾斜溝と復元ばねの付勢方向を逆に使ってスト
ッパーを下降させることにより掛止凹部からの脱出を行
うようにする場合もある。また、円筒カム構造は、傾斜
溝をストッパー側に、ピンを開放操作部側に設ける場合
もある。

考案の効果 以上のように、窓の開放角度を支持するアームを、開放
操作部に復元ばねを備えて昇降自在に設けたストッパー
と、それと着脱する掛止凹部との嵌合によって固定する
ようにした窓の角度調整器において、本考案は、ストッ
パーの昇降を開放操作部内に設けた傾斜溝とピンとから
なる円筒カム構造によって行わせるようにしたので、該
ストッパーの回転操作角を小さくして手間を短くし、さ
らに、ストッパーの先端に回転操作用のハンドルを取り
付けることによって、復元ばねの力に対する操作力を軽
減し、それによって角度調整器を備えた窓の開放操作を
きわめて容易にすることができるという実用的効果を得
たものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図はその分解
斜視図、第２図はストッパーがアームに設けた閉止用凹
部に嵌合する閉鎖状態の一部切欠側面図、第３図は操作
ハンドルの回転操作により閉鎖状態からストッパーが上
昇してアームの固定を開放した状態を示す一部切欠側面
図である。 １…枠側ブラケット、２…開放操作部、３…アーム、
３′…先端、４…窓側ブラケット、５（5a,5b,5c）…掛
止凹部、６…ストッパー、７…円筒カム構造、ａ…傾斜
溝、ｂ…ピン、８…嵌合部、９…スリーブ、10…ねじ、
11…復元ばね、12…操作ハンドル、13…止めねじ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】窓の開放角度を支持するアーム３と、この
   アーム３を所定位置に掛止する掛止凹部５と、この掛止
   凹部５に嵌合するストッパー６を昇降自在に備えた開放
   操作部２とを有する窓の角度調整器において、上記スト
   ッパー６と開放操作部２との嵌合部８に、該ストッパー
   ６の昇降行程に見合うリフトを具えた傾斜溝ａとピンｂ
   とからなる円筒カム構造７と、ストッパー６を常時前記
   掛止凹部５との嵌合方向に付勢する復元ばね11とを設
   け、該ストッパー６の先端に操作ハンドル12を取り付け
   たことを特徴とする窓の角度調整器。