JPH0752531Y2 - 浴槽装置の強制吐出循環口 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は気泡発生機能を持った強制循環浴槽装置に適
する吐出循環口に関するものである。

［従来の技術］ 浴槽と、浴槽水を加熱する熱交換器と、浴槽水を強制循
環させる循環ポンプとを有し、これらを循環パイプによ
って連通し、循環ポンプ作動時に浴槽水を強制的に循環
して浴槽水を沸き上げる浴槽装置が知られている。そし
て、循環ポンプの循環能力を高めたものは、浴槽への吐
出循環口付近に空気孔を設けることによって空気の巻き
込みを行ない、気泡発生機能を付加することができる。

良好に気泡発生機能が作動するには、吐出循環口には口
径の小さいノズルを取り付け、該ノズルと空気巻き込み
部分の位置関係を適正位置に定め、循環ポンプの回転数
を高くして循環水量を増加し、ノズルから吐出する循環
水の流速を早くする必要がある。一方、気泡発生の為に
用いる吐出循環口や循環ポンプは、そのまま浴槽水の沸
き上げの為に使われており、気泡発生時と違う点は循環
ポンプの循環水量だけである。

この浴槽水を沸き上げるためには一定の循環水量が必要
であり、気泡発生に適する小口径のノズルから吐出する
循環水の流速は、追い焚き時でもかなり早くなってい
る。また、ノズルと空気巻き込み部分とは気泡発生に適
するように位置を固定しているから、追い焚き時の循環
水の流速でも空気を巻き込んで気泡を発生するものであ
り、しかも、巻き込まれた空気は循環水の流速がノズル
から離れた浴槽内では遅くなるから、細かい気泡になら
ず大きな泡となってボコボコ浮き上がり、入浴者にとっ
て非常に不快であった。

この為、浴槽水を沸き上げる時には空気の供給を停止す
ることが考えられ、この空気の供給を停止する構造とし
て、浴槽内から噴出パイプと一体になった吐出パイプを
循環口枠体内に押し込み、ノズルと噴出パイプとの間に
形成した空気巻き込み部分の間隙を封鎖して、浴槽水を
沸き上げる時には空気が巻き込まないようにしたものが
ある。（実開昭63−82158号参照） ［考案が解決しようとする課題］ ところで、循環口枠体から吹き出した空気が大きな気泡
となってボコボコ浮き上がることは入浴者にとって不快
ではあるが、浴槽水を沸き上げる時には浴槽内に吹き込
まれた空気が浮き上がり、浴槽水の対流を促進する作用
もあるから逆に好ましい場合もあり、循環ポンプの回転
数を落として追い焚き運転する時に、いつも電磁弁など
で空気の供給を停止することは最良の方法ではない。

この為、入浴者が操作して空気の巻き込みを停止する使
用法がのぞましいが、前記した従来例ではノズルと空気
巻き込み部分の位置関係が一定せず、入浴者がこの位置
関係を気泡発生機能として最適位置に設定し直すことは
かなり面倒であり、いつも不満足な気泡のままで使用さ
れることが多くなるものである。

［課題を解決するための手段］ この考案は常に最良の気泡発生機能を維持しながら入浴
者が気泡発生の選択ができるもので、浴槽１と熱交換器
２と循環ポンプ３とを循環パイプ４で連結し、かつ、浴
槽１へ水流を吐出する循環口枠体５内には、空気室13
と、空気室13に開口する空気孔７と、空気室13内に位置
するノズル６とを設け、該循環口枠体５の浴槽側に吐出
パイプ９の端部を開口し、かつ、ノズル６よりも大径の
噴出パイプ８を吐出パイプ９に連結し、該ノズル６の先
端は噴出パイプ８内にのぞませて、ノズル６から噴出す
る水流によって空気室13内の空気を吐出パイプ９から浴
槽１内に噴出する浴槽装置において、空気室13の側壁の
一部を筒状に形成し、前記空気孔７は空気室13の筒状壁
に開口し、かつ、空気孔７に対応する透孔10aを有する
封鎖筒10を空気室13の筒状壁に内接して設け、該封鎖筒
10には浴槽１内から操作する操作つまみ11を設け、空気
室13に流入する空気を空気孔７の開閉操作によって制御
するものである。

［作用］ この考案は浴槽水を沸き上げるための循環ポンプと、気
泡発生機能を構成するノズルから浴槽水を吐出する為の
ポンプとを共有しており、循環ポンプ３に付属したモー
ターの回転数を変更して循環ポンプ３の循環水量を変更
し、追い焚きに適する水量と、気泡発生に適する水量と
に切換している。

そして、追い焚き中に気泡がまじる不快感は入浴時に限
られるものであり、入浴中に追い焚きする時は、入浴者
が循環口枠体５に設けた操作つまみ11を回動操作するこ
とによって、循環口枠体５に内装した封鎖筒10が回動
し、透孔10aと空気孔７との位置関係が変わり、空気孔
７が閉じて空気の巻き込みが防止できたものである。

一方、入浴中に気泡を発生させて、気泡によるマッサー
ジなどを所望する時は、循環ポンプ３の回転数を高めて
循環水量を増加し、かつ、浴槽内の操作つまみ11によっ
て封鎖筒10を回転すればよく、透孔10aと空気孔７とが
一致して空気孔７が開路になれば、ノズル６から噴出す
る水流は空気室13の空気を巻き込んで、循環口枠体５の
吐出パイプ９から細かい気泡となって吹き出すものであ
る。

この発明ではノズルと空気巻き込み部分の位置関係を変
更していないから、この位置関係は常に適正であり、ポ
ンプの水量とノズルの大きさと噴出パイプの径などから
定まる適正位置にあり、最も効果のある大きさの気泡を
いつも発生させることができるようになった。

［実施例］ 以下実施例を示す図により構成を説明すると、１は浴
槽、２は風呂釜用の熱交換器、３は循環ポンプ、５は浴
槽１へ循環水が吐出する循環口枠体、12は浴槽水が吸い
込まれる吸入循環口であり、浴槽１の吸入循環口12と熱
交換器２、熱交換器２と循環ポンプ３、循環ポンプ３と
浴槽１の循環口枠体５との間を循環パイプ４で接続して
いる。この為、循環ポンプ３を作動すると浴槽１の水は
強制的に熱交換器２に送られ、熱交換器２で加熱した水
は循環ポンプ３を介して浴槽１に吐出され、浴槽水を沸
き上げることができる。

13は循環口枠体５内に形成する空気室、６は循環口枠体
５内の空気室13に向けて取り付けたノズル、７はノズル
６の周辺の空気室13に開口する空気孔、９は循環口枠体
５の浴槽１側の正面に開口する吐出パイプ、８はノズル
６よりも大径の噴出パイプであり、該噴出パイプ８は端
部を吐出パイプ９と連結し、前記ノズル６の先端が噴出
パイプ８内にのぞませてある。

この為、ノズル６と噴出パイプ８との間隙で構成する空
気巻き込み部分の位置関係が適正であれば、循環ポンプ
３の回転数を高めて循環水量を増加すると、ノズル６か
ら吐出する循環水の流速が早くなり、空気孔７から空気
室13に入った空気はノズル６から噴出パイプ８内に吐出
する水流に巻き込まれ、空気まじりの循環水となって浴
槽１内に吹き出し、細かい気泡で浴槽１を満たすもので
ある。

ところで、ノズル６と噴出パイプ８との間隙を気泡発生
機能がうまく働くように適正位置に設定してある時に
は、循環ポンプ３の回転数を低くして循環水量を減少さ
せても、空気室13の空気はノズル６から吐出する水流に
巻き込まれ、浴槽１に気泡が吹き出すものであり、しか
も、この巻き込まれた空気は循環水の流速が弱いから、
細かい気泡にならず大きな泡となってボコボコ浮き上が
り、入浴者にとって非常に不快であった。

この考案は入浴中に追い焚きしても気泡を発生させない
ようにするもので、空気室13の側壁の一部を筒状に形成
し、前記空気孔７はこの筒状部に開口している。10は空
気室13の筒状壁に内接して設けた封鎖筒、10aは封鎖筒1
0の空気孔７に対応する部分に設けた透孔、11は循環口
枠体５の前面板から浴槽１内に突出して設けた操作つま
みであり、該操作つまみ11は封鎖筒10に取り付けてあ
る。

従って、該封鎖筒10の操作つまみ11を浴槽１内から操作
すると、封鎖筒10は回動して、空気孔７と透孔10aとが
一致せず、空気孔７から空気室13に空気の流通がなくな
るので、吐出パイプ９から循環水だけが浴槽１に吹き出
すものである。そして、ノズル６と噴出パイプ８は固定
しており、ノズル６と空気巻き込み部分の位置関係を変
更していないから、この位置関係は常に適正であり、再
び操作つまみ11を操作して空気孔７と透孔10aとが一致
すれば、最も効果のある大きさの気泡をすぐに発生させ
ることができるようになった。

［効果の説明］ 以上のようにこの考案は、循環口枠体５内に封鎖筒10を
設け、該封鎖筒10の透孔10aが空気孔７に開閉してお
り、該封鎖筒10は浴槽１内から操作するから、水流の弱
い追い焚き中に入浴する時には、操作つまみ11の操作に
よって簡単に不要な空気の巻き込みが防止でき、入浴中
の追い焚きが快適にできるようになったものである。

また、入浴中に気泡発生機能を利用する為に操作つまみ
11を操作すれば、ノズル６と噴出パイプ８との位置関係
は常に細かい気泡が出る最適位置に固定してあるから、
最も効果のある大きさの気泡をすぐに発生させることが
できるようになるものである。

更に、浴槽１内から手動で行なう気泡発生の切換操作に
係る必要部品は、従来品と比べて封鎖筒10に関係する部
品の追加だけでり、コストアップもほとんどなく、非常
に製造しやすくなったものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案品の断面図、第２図は浴槽装置の配管
図である １……浴槽、２……熱交換器、３……循環ポンプ、４…
…循環パイプ、５……循環口枠体、６……ノズル、７…
…空気孔、８……噴出パイプ、９……吐出パイプ、10…
…封鎖筒、10a……透孔、11……操作つまみ、12……吸
入循環口、13……空気室

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】浴槽１と熱交換器２と循環ポンプ３とを循
   環パイプ４で連結し、かつ、浴槽１へ水流を吐出する循
   環口枠体５内には、空気室13と、空気室13に開口する空
   気孔７と、空気室13内に位置するノズル６とを設け、該
   循環口枠体５の浴槽側に吐出パイプ９の端部を開口し、
   かつ、ノズル６よりも大径の噴出パイプ８を吐出パイプ
   ９に連結し、該ノズル６の先端は噴出パイプ８内にのぞ
   ませて、ノズル６から噴出する水流によって空気室13内
   の空気を吐出パイプ９から浴槽１内に噴出する浴槽装置
   において、 空気室13の側壁の一部を筒状に形成し、前記空気孔７は
   空気室13の筒状壁に開口し、かつ、空気孔７に対応する
   透孔10aを有する封鎖筒10を空気室13の筒状壁に内接し
   て設け、該封鎖筒10には浴槽１内から操作する操作つま
   み11を設け、空気室13に流入する空気を空気孔７の開閉
   操作によって制御する浴槽装置の強制吐出循環口。