JPH0750168Y2 - うもれ木製造装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、人工的にうもれ木状素
材を作る木材の加熱処理に際して使用するうもれ木製造
装置に係るものである。

【０００２】

【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】従来自
然に生成されたうもれ木は適度に炭化が進行して硬化し
ており、且つ磨くと光沢が出る為高級家具材や高級装飾
材として珍重されている。

【０００３】本考案は、木材加熱処理タンク内にヒータ
ーのような加熱装置を併設せず、別装置で生成した熱風
のみを木材加熱処理タンク内に強制循環導入して処理木
材の表面をムラ無く加熱して人工的にうもれ木状素材を
量産する際使用する全方向に熱風を満遍無く供給し、且
つ処理木材をムラ無く加熱することのできるうもれ木製
造装置を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本考
案の要旨を説明する。

【０００５】木材加熱処理タンクａに熱風生成装置ｂと
ブロワーｃを併設して木材加熱処理タンクａ内に熱風を
強制循環送風する循環系路１を形成し、熱風通過孔４を
散在状態に穿設した二枚の多孔板５'・５'を間隙を置い
て対設し、この対向多孔板５'・５'の間に補強板５"を
配設して処理木材２を載置する積載支承枠５を形成し、
この積載支承枠５に熱風通過間隙３を設け、この熱風通
過間隙３を設けた積載支承枠５を木材加熱処理タンクａ
内に多段に積んだ処理木材２間に配設し、木材加熱処理
タンクａの熱風導入側と熱風導出側とに樹液除去板９を
配設したことを特徴とするうもれ木製造装置に係るもの
である。

【０００６】

【作用】図示した実施例について説明すると、熱風生成
装置ｂで生成した熱風をブロワーｃにより木材加熱処理
タンクａ内に循環系路１により強制循環送風せしめて木
材加熱処理タンクａ内の多段に積み上げた処理木材２を
熱風で加熱処理する。

【０００７】この際多段に積載する処理木材２の間に積
載支承枠５を介在せしめ、この積載支承枠５に形成した
熱風通過間隙３や熱風通過孔４に熱風を通過せしめるこ
とにより処理木材２の表面をムラ無く加熱し、循環送風
に当たって樹液除去板９によって樹液を排除するから清
浄な熱風で良好にうもれ木の状態に加熱処理できる。

【０００８】

【実施例】本案品は、木材の加熱処理法に使用するもの
で、木材の加熱処理法は、循環系路１に木材加熱処理タ
ンクａと熱風生成装置ｂとブロワーｃを設けて木材加熱
処理タンクａ内に熱風を強制循環送風するように設け、
木材加熱処理タンクａ内に多量の処理木材２を収納する
際熱風通過間隙３や熱風通過孔４を設けた積載支承枠５
を介在せしめて処理木材２を多段に積載し、木材加熱処
理タンクａ内にヒーターを設けずに循環熱風のみで加熱
処理せしめることを特徴とするうもれ木製造装置に係る
ものである。この際、木材と木材との間隙を形成する熱
風通過間隙３は５〜３０ｍｍ程度が望ましくそれに見合
うように積載支承枠５を設定する。

【０００９】図示した積載支承枠５は２例を示してい
る。

【００１０】第３図は上下の多孔板５'・５'との間の間
隙に補強板５"を適当間隔を置いて縦設して熱風通過間
隙３を５ｍｍ〜３０ｍｍ程度形成し、上下の多孔板５'
・５'と補強板５"の全面に散在状態に熱風通過孔４を穿
設した実施例を示したもので、積載支承枠５は金属製，
樹脂製，繊維製などの通風良好な多孔板であればどのよ
うな構造のものを採用しても良い。

【００１１】第４図は、多孔板５'・５'を左右に間隙を
置いて対設し、その間に補強板５"を縦設した実施例で
ある。

【００１２】また、不活性ガスの熱風を採用できるよう
に木材加熱処理タンクａに不活性ガス発生装置11を付設
し、Ｏ₂を排除する真空排気装置10を設けた場合を図示
している。

【００１３】木材加熱処理タンクａ内の熱風導入部６と
熱風導出部７に樹液を捕捉して除去する多数の樹液捕捉
孔８を穿設した樹液除去板９を設け、下方にドレーン部
９'を形成し、樹液タンク９"に溜めるように構成するこ
とが望ましい。

【００１４】熱風生成装置ｂは多数本のヒーター12を併
設して熱風を生成するが、ボイラーを使用した熱交換方
式の熱風生成装置ｂを採用しても良い。

【００１５】図中符号13は気圧計、14は安全弁、15はバ
ルブである。

【００１６】

【考案の効果】本考案は上述のように、循環系路に木材
加熱処理タンクと熱風生成装置とブロワーを設けて木材
加熱処理タンク内に熱風を強制循環送風するように設
け、木材加熱処理タンク内に多量の処理木材を収納する
際、熱風通過間隙や熱風通過孔を設けた積載支承枠を介
在せしめて処理木材を多段に積載し、木材加熱処理タン
ク内に熱風を供給して加熱処理せしめると、処理木材は
ブロワーにより強制循環せしめられる熱風で乾燥され、
ヒーター加熱のように木材が焼けたり焦げたりすること
なく、多段に積み上げられた処理木材が積載支承枠の介
在により満遍無く全方向から加熱され温度差のムラが生
じないから平均に加熱処理が進行されることになる。

【００１７】また、この熱風の強制循環送風の際、樹液
除去板により樹液が排除されるから所望通りの色調を有
する自然のうもれ木同様な寸法安定性の高いうもれ木状
素材が量産されることになる。

【００１８】このうもれ木状素材を磨くと光沢のある美
しい炭化肌の状態が得られ、高級家具材，多種の装飾材
に使用できるなど秀れた特長を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の積載木材加熱処理用空気通過ブロック
を使用する木材の加熱処理法を実施するうもれ木製造装
置の説明図である。

【図２】木材加熱処理タンク内に積載する処理木材の斜
視図である。

【図３】積載支承枠５の１例を示した斜視図である。

【図４】積載支承枠５の１例を示した斜視図である。

【符号の説明】

１ 循環系路 ２ 処理木材 ３ 熱風通過間隙 ４ 熱風通過孔 ５ 積載支承枠 ５' 多孔板 ５" 補強板 ９ 樹液除去板 ａ 木材加熱処理タンク ｂ 熱風生成装置 ｃ ブロワー

フロントページの続き (72)考案者 相沢 智 東京都大田区南六郷３丁目22番25号 株式 会社アキコ内 (56)参考文献 特開 昭54−64601（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−51308（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−135004（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−63105（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−97482（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 木材加熱処理タンクに熱風生成装置とブ
   ロワーを併設して木材加熱処理タンク内に熱風を強制循
   環送風する循環系路を形成し、熱風通過孔を散在状態に
   穿設した二枚の多孔板を間隙を置いて対設し、この対向
   多孔板の間に補強板を配設して処理木材を載置する積載
   支承枠を形成し、この積載支承枠に熱風通過間隙を設
   け、この熱風通過間隙を設けた積載支承枠を木材加熱処
   理タンク内に多段に積んだ処理木材間に配設し、木材加
   熱処理タンクの熱風導入側と熱風導出側とに樹液除去板
   を配設したことを特徴とするうもれ木製造装置。