JP2949481B2 - パラウッド材の改質方法 - Google Patents
パラウッド材の改質方法Info
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- JP2949481B2 JP2949481B2 JP2591297A JP2591297A JP2949481B2 JP 2949481 B2 JP2949481 B2 JP 2949481B2 JP 2591297 A JP2591297 A JP 2591297A JP 2591297 A JP2591297 A JP 2591297A JP 2949481 B2 JP2949481 B2 JP 2949481B2
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- Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、パラウッド材(ゴム
材)の改質方法に関するものである。
材)の改質方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、家具等に利用される木材は、最
早、広葉樹は枯渇状態にあり、従って、大抵は輸入材に
頼っているのが実情であるが、世界中の木材輸出国であ
る国々は地球環境を守るため、森林保護の方針が打ち出
されており、国際熱帯木材機構(ITT)は、西暦20
00年からは「持続性管理の出来る」木材しか貿易の対
象にしないとしている。
早、広葉樹は枯渇状態にあり、従って、大抵は輸入材に
頼っているのが実情であるが、世界中の木材輸出国であ
る国々は地球環境を守るため、森林保護の方針が打ち出
されており、国際熱帯木材機構(ITT)は、西暦20
00年からは「持続性管理の出来る」木材しか貿易の対
象にしないとしている。
【0003】そこで、「持続性管理のできる木材」と
は、植林して早く育つ樹木をいい、世界各国は、この樹
木の開発に凌ぎを削っているが、これに該当する樹木と
してパラウッド材が挙げられ、地球に優しい樹木であ
る。
は、植林して早く育つ樹木をいい、世界各国は、この樹
木の開発に凌ぎを削っているが、これに該当する樹木と
してパラウッド材が挙げられ、地球に優しい樹木であ
る。
【0004】このパラウッド材は銘木〔価値のある木
材〕には該当せず、しかも、乾燥により反りや狂いが生
じ、素地研磨に時間を要し、塗装工程に入れば毛羽が立
ちやすく、さらに、色むらが出てしまい、木の目が詰ま
り難いなどの加工上の欠点があり、今まで使用してきた
木材に比べると、家具には不向きの木材であった。
材〕には該当せず、しかも、乾燥により反りや狂いが生
じ、素地研磨に時間を要し、塗装工程に入れば毛羽が立
ちやすく、さらに、色むらが出てしまい、木の目が詰ま
り難いなどの加工上の欠点があり、今まで使用してきた
木材に比べると、家具には不向きの木材であった。
【0005】しかしながら、このパラウッド材は、供給
は安定しており、繰り返して植林でき、適度の強度をも
っており、素地色が白く、目的とする材色にする場合、
制約を受けることがない等利点も備えた木材であるた
め、上記の欠点を改良して価値のある材に改質すること
が望まれる。
は安定しており、繰り返して植林でき、適度の強度をも
っており、素地色が白く、目的とする材色にする場合、
制約を受けることがない等利点も備えた木材であるた
め、上記の欠点を改良して価値のある材に改質すること
が望まれる。
【0006】また、従来木材の寸法安定には、熱処理が
効果があるとされており、木材を熱処理して改質する方
法が試みられており、燻炎法、加熱加圧法、熱圧ロール
法、高圧蒸気法、熱流動層法があるが、いずれも欠点が
あり、熱処理方法としては適当でなかった。
効果があるとされており、木材を熱処理して改質する方
法が試みられており、燻炎法、加熱加圧法、熱圧ロール
法、高圧蒸気法、熱流動層法があるが、いずれも欠点が
あり、熱処理方法としては適当でなかった。
【0007】例えば、加熱加圧処理する方法〔特開昭6
2−202986号公報〕、あるいは蒸気加熱加圧処理
を施した後に加熱加圧処理をすることにより寸法の安定
性向上を図る方法〔特開平4−135702号公報〕、
さらに、遠赤外線で加熱処理する方法〔特開平7−13
9880号公報〕がそれぞれ開示されている。
2−202986号公報〕、あるいは蒸気加熱加圧処理
を施した後に加熱加圧処理をすることにより寸法の安定
性向上を図る方法〔特開平4−135702号公報〕、
さらに、遠赤外線で加熱処理する方法〔特開平7−13
9880号公報〕がそれぞれ開示されている。
【0008】このような手段では、被処理木材は割れて
しまったり、材の内部が色付け〔表面だけが色が付く〕
されなかったり、狂いが生じたりし、思わしいものでは
なく、さらに処理した後、膨潤量が大きかったりする。
しかしながら、このパラウッド材の供給は安定してお
り、繰り返し出来ること、適度の強度があり、素地色が
白く、目的とする材色には制約を受けないことなど、使
用をするに当たり利点もあるものであるため、何とか処
理方法を求めていた。
しまったり、材の内部が色付け〔表面だけが色が付く〕
されなかったり、狂いが生じたりし、思わしいものでは
なく、さらに処理した後、膨潤量が大きかったりする。
しかしながら、このパラウッド材の供給は安定してお
り、繰り返し出来ること、適度の強度があり、素地色が
白く、目的とする材色には制約を受けないことなど、使
用をするに当たり利点もあるものであるため、何とか処
理方法を求めていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明は、
上記の欠点を除去するために発明されたものであり、熱
処理手段を、『高温度の熱風を循環して処理する』と具
体的に特定することにより、従来不適当であった木材を
家具の素材として利用でき、その後の狂いが少なく、材
色も内部まで同じように色付き、毛羽立ちすることな
く、木の目の目詰まりがよくなり、乾燥により反りや狂
いの少ない素材を得ることのできるパラウッド材の改質
方法を開発することにある。
上記の欠点を除去するために発明されたものであり、熱
処理手段を、『高温度の熱風を循環して処理する』と具
体的に特定することにより、従来不適当であった木材を
家具の素材として利用でき、その後の狂いが少なく、材
色も内部まで同じように色付き、毛羽立ちすることな
く、木の目の目詰まりがよくなり、乾燥により反りや狂
いの少ない素材を得ることのできるパラウッド材の改質
方法を開発することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、パラウッド
材の改質手段を、高温度の熱風を循環させる手段に特定
し、必要時間かけて熱処理することにより材質の改質を
するものである。
材の改質手段を、高温度の熱風を循環させる手段に特定
し、必要時間かけて熱処理することにより材質の改質を
するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、この発明の一実施例を詳述
すると、循環槽内に、厚み27mm〜45mm、幅100m
m、長さ1000mmの被処理材(パラウッド材)を一定
の間隔を保持して複数配置しておき、該循環槽内部に1
90°〜210°の高温度熱風を循環させて、処理時間
2.5時間かけて熱処理するものである。
すると、循環槽内に、厚み27mm〜45mm、幅100m
m、長さ1000mmの被処理材(パラウッド材)を一定
の間隔を保持して複数配置しておき、該循環槽内部に1
90°〜210°の高温度熱風を循環させて、処理時間
2.5時間かけて熱処理するものである。
【0012】
【発明の効果】この発明によると、200℃の高温熱風
で2.5時間熱処理した試験材を、平成8年7月9日よ
り同年9月21日までの75日間、室内にて自然状態で
放置しておき、毎日、該試験材の厚さと幅とを測定し
た。それと共に、熱処理しない未処理材も同時に測定し
た。そしてASEを算出した。その結果は次の通り寸法
安定性にも効果があった。 ASE=(D0 −D)÷D0 ×100 D0 =未処理の膨潤率 D=熱処理材の膨潤率 幅方向=27.8 厚さ方向=13.8
で2.5時間熱処理した試験材を、平成8年7月9日よ
り同年9月21日までの75日間、室内にて自然状態で
放置しておき、毎日、該試験材の厚さと幅とを測定し
た。それと共に、熱処理しない未処理材も同時に測定し
た。そしてASEを算出した。その結果は次の通り寸法
安定性にも効果があった。 ASE=(D0 −D)÷D0 ×100 D0 =未処理の膨潤率 D=熱処理材の膨潤率 幅方向=27.8 厚さ方向=13.8
【0013】また、熱処理温度と剪断強さは下記の表1
のとおりである。
のとおりである。
【0014】
【表1】 比重0.65g/cm2 の時単位;kg/cm2 〔いずれも処
理時間が2.5時間〕
理時間が2.5時間〕
【0015】尚、190℃より温度が低いと、材色が優
れず、付加価値が付かないし、毛羽立ち削減の効果もな
く、指定の処理温度内では210℃を超えると被処理材
は劣化し、家具用としての適正なる強度でなくなり、パ
ラウッド材を、190°〜210°の高温度熱風循環法
が、比較的厚い部材も損傷がなく、比較的均一に処理で
きることが判明した。
れず、付加価値が付かないし、毛羽立ち削減の効果もな
く、指定の処理温度内では210℃を超えると被処理材
は劣化し、家具用としての適正なる強度でなくなり、パ
ラウッド材を、190°〜210°の高温度熱風循環法
が、比較的厚い部材も損傷がなく、比較的均一に処理で
きることが判明した。
【0016】次に、接着力テストは、下記の表2のとお
りである。〔単位:kgf/cm 2 〕
りである。〔単位:kgf/cm 2 〕
【0017】
【表2】
【0018】尚、試料は、未処理材は輸入したパラウッ
ド集成材であり、比重0.534〜0.685までのも
のは、熱処理材であり、25mmの板を未処理材と同様の
水性ビニールウレタンで接着したものである。そして、
これは常態ブロック剪断テストの結果である。
ド集成材であり、比重0.534〜0.685までのも
のは、熱処理材であり、25mmの板を未処理材と同様の
水性ビニールウレタンで接着したものである。そして、
これは常態ブロック剪断テストの結果である。
【0019】また、試験片は断面積5cm2 であり、熱処
理条件は、210℃で2.5時間〔多少前後に幅を有し
ても可〕、循環させて熱処理したものである。
理条件は、210℃で2.5時間〔多少前後に幅を有し
ても可〕、循環させて熱処理したものである。
【0020】この結果からも、熱処理材の接着強度が上
がっていて、この方法は接着強度の向上にも効果がある
ことがわかり、極めて有益なるものである。
がっていて、この方法は接着強度の向上にも効果がある
ことがわかり、極めて有益なるものである。
【0021】数回に亘る、工場生産の中で、パラウッド
処理材は、毛羽立ちが少なく研磨性に優れていることが
判明した。これまで塗装前に、研磨して仕上げるために
は、♯180と♯240の2種類のペ−パ−を使い研磨
しなければ、毛羽立ちが取れず、その上に塗装すると、
塗料の吸い込みにムラが出来、仕上げは悪く、出願人の
会社の品質基準に合格しなかったが、この処理材は、♯
2401工程で、塗装しても品質基準には合格出来、研
磨工数も半減出来、高温熱風処理によって材表面の毛羽
が焼け落ち、その面に続く面が、結晶化して木材組織が
ポ−ラスなものから精密な組織に変わったため、研磨性
に目立った効果が認められた。
処理材は、毛羽立ちが少なく研磨性に優れていることが
判明した。これまで塗装前に、研磨して仕上げるために
は、♯180と♯240の2種類のペ−パ−を使い研磨
しなければ、毛羽立ちが取れず、その上に塗装すると、
塗料の吸い込みにムラが出来、仕上げは悪く、出願人の
会社の品質基準に合格しなかったが、この処理材は、♯
2401工程で、塗装しても品質基準には合格出来、研
磨工数も半減出来、高温熱風処理によって材表面の毛羽
が焼け落ち、その面に続く面が、結晶化して木材組織が
ポ−ラスなものから精密な組織に変わったため、研磨性
に目立った効果が認められた。
【0022】数回に亘る、工場生産の中で、塗装工程の
内、下塗り工程はこれまでは2工程を経て、上塗り工程
に進んでいた。この処理材は、1工程で上塗り工程に進
めることが出来、下塗り工程1工程の削減が可能になっ
た。これは研磨性が良くなり、材表面が緻密になり、塗
料の吸い込みが少なくなったためと考えられ、塗装工程
で、工程の削減が可能になった。
内、下塗り工程はこれまでは2工程を経て、上塗り工程
に進んでいた。この処理材は、1工程で上塗り工程に進
めることが出来、下塗り工程1工程の削減が可能になっ
た。これは研磨性が良くなり、材表面が緻密になり、塗
料の吸い込みが少なくなったためと考えられ、塗装工程
で、工程の削減が可能になった。
Claims (1)
- 【請求項1】 パラウッド材を、190°〜210°の
高温度の熱風を循環させ、処理時間2.5時間で熱処理
することを特徴とする改質方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2591297A JP2949481B2 (ja) | 1997-01-24 | 1997-01-24 | パラウッド材の改質方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2591297A JP2949481B2 (ja) | 1997-01-24 | 1997-01-24 | パラウッド材の改質方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10202611A JPH10202611A (ja) | 1998-08-04 |
JP2949481B2 true JP2949481B2 (ja) | 1999-09-13 |
Family
ID=12178998
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2591297A Expired - Fee Related JP2949481B2 (ja) | 1997-01-24 | 1997-01-24 | パラウッド材の改質方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2949481B2 (ja) |
-
1997
- 1997-01-24 JP JP2591297A patent/JP2949481B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10202611A (ja) | 1998-08-04 |
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Legal Events
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Year of fee payment: 12 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110709 |
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