JPH0750117Y2 - クランプ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はプレス機のベッド上などに取付けるプレス型
などを固定するクランプ装置に関するものである。

〔従来の技術〕 プレス機において、そのベッド上に金型あるいはダイセ
ットの下枠などを固定するクランプ装置は公知である。

この公知のクランプ装置において、そのクランプ爪を作
動させる駆動手段として、手動操作によるカム式のもの
は、カムの回転軸芯がクランプ爪の揺動中心である横軸
と平行になっている。

そして、上記カムの端部のハンドル係合部をクランプ本
体の側面から突出させ、この係合部に係合させたハンド
ルによりカムを回動してクランプ爪を作用させるもので
ある。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記のような従来のクランプ装置はカムによるクランプ
爪の後部のリフトがきわめて小さいので、クランプ爪の
先端でクランプし得る部材の厚みの許容範囲が著しく小
さいという問題がある。

この考案の課題は上記のような従来のクランプ装置の問
題点に鑑みて、クランプ爪の支点となる横軸を回動させ
ることによりクランプ爪の先端の昇降範囲を拡大したク
ランプ装置を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

上記の課題を解決するためにこの考案はクランプ装置の
爪を本体に対して取付ける横軸の一部を偏心軸とし、こ
の偏心軸により前記クランプ軸を揺動自在に支承せし
め、横軸の他の部分にウオームホイルを形成し、本体に
回動自在で昇降不可に装着したウオームギヤを上記ウオ
ームホイルに噛合させ、上記ウオームギヤの上端の係合
部を本体上に露出させたクランプ装置を提供する。

〔作用〕

この考案は上記の構成であるから、従来のクランプ装置
と同様にクランプ爪の先端部の下側に金型やダイセット
の側縁のような被加圧物を入れ、カムの外端の係合部に
係合したハンドルを操作してカムを回動すると、カムに
よりクランプ爪の後端下部が押し上げられるので、同爪
の先端部がその下側の被加圧物を加圧してベッド上など
に固定する。

そして、被加圧物の厚みが大きい場合は本体上に露出し
ている係合部に六角レンチなどを係合させてウオームギ
ヤを所定方向に回すと、ウオームギヤに噛合しているウ
オームホイルが横軸と共に回動してクランプ爪の先端が
上昇する。

また、被加圧物の厚みが薄くなるとウオームギヤを逆に
回せばよい。

〔実施例〕

図面に示す実施例において、１はプレス機のベッドなど
の基板で、この基板上の倒立Ｔ字形の溝２に本体４の下
部の倒立Ｔ字形の係合部３をスライド自在に係合させ
る。

上記係合部３の下面中央から本体４の中央部へ向けて設
けた縦向きの凹孔５には押下軸６を昇降自在に挿入し、
バネ７により押下する。

８は本体４の後端面下部寄りから上記凹孔５に達するよ
うに設けた前向きの孔で、この孔８に回動自在に挿入
し、抜け止めを施した軸10の先端の偏心ピン11を上記押
下軸６の後側の係合凹所12に係合させる。

また、上記軸10の後端には、操作レバー13を固定し、こ
のレバー13により軸10を回すと、偏心ピン11と凹所12の
係合を介して押下軸６が上下するようにし、同押下軸６
が下降したとき、溝２の底部に押下軸６の下端が圧着し
てその反力で係合部３の左右の張出部の上側が溝２の左
右の張出部の下側に圧着して本体４を基板１上に固定す
る。

また、上記の反対に押下軸６を上昇させてその下端を溝
２の底部から離すと本体４は溝２に沿って自由に移動す
る。

15は本体４を横断する横軸で、その両端の偏心軸16を本
体４の両側面から突出させて、ここにそれぞれクランプ
爪17を揺動自在に支承せしめる。

上記横軸15の両端の偏心軸16は同芯であり、その各端部
にはクランプ爪17の抜け止め用座金18をネジ止めする。

また、横軸15の中央にはウオームホイル20を一体に形成
し、このホイル20の一部が露出する縦孔21を本体４の上
部から所定深さに形成する。

22はウオームギヤで、上記縦孔21に回転自在に挿入する
とともに、横軸15のウオームホイル20に噛合させ、ウオ
ームギヤ22の下端の突軸23を縦孔21の底部の凹孔にはめ
る。

上記ウオームギヤ22の上端に一体に形成した小径の係合
部24は縦孔21の上端開口内に露出させる。

上記係合部24の外側には、間にナミワッシャ26を挟んだ
上下のリング25をはめ、縦孔21の上端近くの内周に設け
た周溝に弾性を有する止め輪27を装着してウオームギヤ
22の上下移動を阻止する。

本体４の上端後部にはクランプ爪押しバネ30の中央部を
ネジ止めし、その両端部31を第１図のように湾曲して左
右のクランプ爪17の後端上に圧着させる。

32は本体４の後部を横断するカム取付孔で、この孔32に
カム33を回動自在に装着する。

カム33は円形断面のカム軸34の両端部に形成した等角螺
旋カムで、このカム軸34は取付孔32に回動自在にはま
り、両端に６角形などのハンドル係合部35が形成してあ
る。

また、カム軸34の中央には周溝36を形成し、この周溝36
には、本体４の後部のネジ孔にねじ込んだ係止ピン37の
内端を係合させてカム軸34の抜け止めとする。

前記両クランプ爪17の後端下部は斜面38となり前記カム
33の上部に接触する。

上記実施例の作用を説明すれば、第１図のようにカム33
が不作用位置にあるとき、すなわち、カム33の低い部分
が斜面38の下面に接しているときは、クランプ爪17の先
端部14は上っている。

この状態で、押下軸６を上げて溝２内の係合部３を本体
４とともにスライドさせ、基板１上の被加圧部材として
のプレス型の側縁28上にクランプ爪17の先端部14を進出
させたのち、押下軸６を下げ、ついで、係合部35にハン
ドルを係合させてカム33を回動すると、カム33の外周が
斜面38に接触しつつ摺動して、同斜面38を押し上げる。

上記のように斜面38を押上げられたクランプ爪17の先端
部14は下がり、側縁28を基板１上へ押圧して固定する。

また、側縁28の押圧解除の操作は係合部35に係合させた
ハンドルによりカム33を締付け時の逆に回動すれば、カ
ム33による斜面38の押し上げが解除されるので、バネ30
によりクランプ爪17の後部が押し下げられ、先端部14は
側縁28から離れる。

また、図面は第１図のように偏心軸16が最も上昇した状
態を示しており、このとき、クランプ爪17の先端部14と
基板１の間は最も広くなっている。

従って、図の場合よりも側縁28が薄くなって、基板１と
先端部14の間が広すぎる場合は、ウオームギヤ22の上端
係合部24の６角形の凹孔に係合させたレンチなどでウオ
ームギヤ22を回動して偏心軸16を下方へ移動させる。

偏心軸16が下方へ移動すると、クランプ爪17がその後端
の斜面38とカム33の接触点を支点として下方へ回り先端
部14が第１図の鎖線の位置まで下って肉の薄い側縁28に
適した高さになる。

〔考案の効果〕

この考案は上記のようにプレスのベッドなどの基板上に
固定した本体にクランプ爪を揺動自在に取付ける横軸の
一部を偏心軸とし、この偏心軸により前記クランプ軸を
揺動自在に支承せしめたものであるから横軸を回すこと
により、クランプ爪の先端部の位置を、締付ける材料の
厚みに適する高さに調整できるものであるが、特にこの
考案の場合、クランプ爪の支点となる横軸の所定の部分
にウオームホイルを形成し、本体に回動自在で昇降不可
に装着したウオームギヤを上記ウオームホイルに噛合さ
せ、上記ウオームギヤの上端の係合部を本体上に露出さ
せたことにより、必要に応じてウオームギヤを右または
左に回すと、前記横軸がウオームホイルを介して回動
し、偏心軸が上方または下方に移動してクランプ爪の先
端部を任意所望の高さとするので、クランプ爪の先端部
の位置調整がきわめて容易であり、ウオームホイル側か
らはウオームギヤを回せないので、調整後にクランプ爪
の高さが勝手に変るおそれがないなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す側面図、第２図は同上
の平面図、第３図は縦断側面図、第４図は後面図であ
る。 １……基板、４……本体、15……横軸、16……偏心軸、
17……クランプ爪、20……ウオームホイル、22……ウオ
ームギヤ、24……係合部、33……カム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】基板上に固定した本体にクランプ爪を横軸
   によって揺動自在に取付け、本体の後方には、前記クラ
   ンプ爪の後端を上下させるカムを設けたクランプ装置に
   おいて、前記横軸の一部を偏心軸とし、この偏心軸によ
   り前記クランプ軸を揺動自在に支承せしめ、横軸の他の
   部分にウオームホイルを形成し、本体に回動自在で昇降
   不可に装着したウオームギヤを上記ウオームホイルに噛
   合させ、上記ウオームギヤの上端の係合部を本体上に露
   出させたクランプ装置。