JPH0749669Y2 - テ−プリ−ルの逆転防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ビデオテープレコーダー用テープカセツト等
に用いられているリール逆転防止装置に関するものであ
る。

例えばビデオテープレコーダー用テープカセツトにおい
ては、保管中等にテープリールが回動してテープが緩む
ことは好ましくなく、したがつてテープが緩む方向のリ
ールの回動を防止する必要がある。そのためにテープカ
セツトには逆転防止装置が設けられている。

このようなテープリールの逆転防止用装置の従来例とし
て第２図に示すような構造のものがある。それは逆転防
止用の弾性状爪片1,2と、これら爪片1,2を一体に形成し
た、又はこれら爪片1,2を適宜手段にて固定した本体３
とよりなる逆転防止部材を、図示するようにケース内に
配置された両リール4,5の夫々の歯部4a,5a間の溝4b,5b
内に前記爪片1,2の先端が位置するように配置してあ
る。そして爪片1,2が常にリール4,5の溝4b,5b内に挿入
されているようにスプリング６により本体３を矢印Ｂ方
向に押圧している。したがつて第２図に示すテープリー
ル逆転防止装置は、矢印Ａと反対方向のリールの回転に
対してはこれを阻止し、テープが緩むことはない。又テ
ープを走行させるため等リールを回転させるためには、
回転防止解除用の孔3aを利用して本体３をスプリング６
の力に抗して矢印Ｂと反対方向に移動させる。これによ
つて爪片1,2の先端がリール4,5の溝4b,5bから抜けてテ
ープリールがいずれの方向にも自由に回転し得るように
なる。第３図，第４図は、第２図に示す従来のテープリ
ール逆転防止部材を拡大して示した図である。例えば第
４図に示すようにピン７を本体３の孔3aに挿入した後に
矢印Ｃ方向に移動することによつて本体３と共に爪片1,
2を移動させれば押え部材8,9によつて爪片1,2は第３図
に鎖線にて示すように夫々内側（リール4,5より離れる
方向）へ曲げられてその先の部分はリール4,5の歯部よ
り離れる。これによつて逆転防止は解除される。又ピン
７を除けばスプリング６により逆転防止部材の本体３は
矢印Ｂ方向に移動する。この時第３図に示すように爪片
1,2は押え部材8,9よりはずれるのでその弾性により外側
（リール側）に開いてリール4,5の溝4b,5b内に挿入され
ると共に歯部4a,5aを押してリール4,5を僅かに矢印Ａ方
向に回動せしめる。したがつてテープの緩みが解消され
張られると共に前述のように逆転が防止されるのでテー
プは張られた状態で保持される。

このような従来の逆転防止装置によればリールの矢印Ａ
と反対方向の回転を爪片1,2の先端により阻止するため
にリールの形状は鋸歯のような形状とする必要がある。
したがつてリールは、図面右側のものと左側のものとで
歯形の形状が異なるものでなければならない。そのため
に左右二種類のリールを用意しなければならない欠点を
有している。

このような欠点を除去し、平歯車のような歯形をしたテ
ープリールにおいても適用し得るようにした他の従来例
として第５図に示すような従来例も知られている。それ
は図示するように逆転防止用爪片１′,2′の先端１′a,
2′ａを夫々僅かに外側に向け突出した形状にしたもの
である。爪片１′,2′の先端をこのような形状にすれば
平歯車のような歯形のテープリールにおいても爪片
１′,2′の先端１′a,2′ａがリールの歯と歯の間の溝
内に挿入され逆転防止の作用を有することとなる。しか
しこの従来例においては爪片の先端の運動がスプリング
６の押力とそれに抗してテープの伸びがリールに伝える
反発力とにより主としてリールの回転中心へ向けての又
はその逆の方向の動きである。つまり第６図に示すよう
な運動をする。また逆転防止作用を解除している状態の
時には押え部材8,9により押えられ爪片１′,2′がすぼ
められているが、この爪片が変形されている時の応力は
爪片の根本部が極めて大である。したがつて長時間その
状態を保持すると永久変形をおこして使用し得なくなる
こともある。更に爪片が開いているものをその弾性力に
抗してすぼめるために、本体を移動させるために加える
力が大である等の欠点を有している。

本考案は、以上のような従来のものの欠点を除去するた
めになされたもので二つの爪片の形状をその根本の部分
付近が互に平行で途中より外側へ向けて屈曲せしめた形
状にしたリールの逆転防止装置を提供するものである。

以上図示する実施例にもとづいて本考案のリール逆転防
止装置の詳細な内容を説明する。第１図は本考案のリー
ル逆転防止装置の平面図で、10は本体、11,12は爪片で
ある。これらの爪片11,12は、本体10への取付け部分で
ある根本付近11a,12aが第１図に示すように互にほぼ平
行（本体10の移動方向にほぼ平行）な方向を向いている
と共に途中にて屈曲せしめられて根本より離れた部分11
b,12bは夫々外側へ向けられた形状をしている。

この実施例において実線にて示す逆転防止位置からこれ
を解除するために本体10を図面において下方向（矢印方
向）に移動させる時、はじめは爪片11,12の根元付近11
a,12aが本体の移動方向にほぼ平行であるため、爪片11,
12は押え部材13,14により押えられることなくそのまま
の状態にて移動する。更に本体10を移動させると爪片1
1,12の開いた部分11b,12bが押え部材13,14にて押されて
爪片はすぼめられ、爪片の先端はテープリールより離れ
る。更に本体10を移動すれば第１図に鎖線にて示すよう
になる。このようにして逆転防止機能は解除される。逆
に第１図において鎖線位置より本体を前進せしめると爪
片11,12は次第に開かれ爪の先端はリールの溝内に挿入
される。更に爪片の根本付近11a,12aが押え部材13,14の
位置に達し爪片11,12はそのままの状態を保持しながら
移動し実線にて示す位置に達する。この時爪片の先端が
リールを押しＡ方向に僅かに回動せしめる。これによつ
て逆転防止機能をそなえることとなる。

第１図に示す本考案の逆転防止装置の上述の動作の間に
爪片の先端は、根本付近から平行に伸びた直線部が屈曲
部から開く方向にわん曲してたわんで第７図に示すよう
な曲線に沿つた動きをし、リールの歯と歯の間に挿入さ
れた後はリールの回転中心０とは異なる方向へ移動す
る。これは従来のものの第６図に示すような回転中心０
の方向へのほぼ直線的な動きとは異なつている。

以上説明したように本考案の逆転防止装置によれば、ま
ず爪片の先端部分が開かれリールの歯と歯の間の溝に挿
入され、更に爪片の根本付近が互いにほぼ平行であるの
で開かれた状態にて爪片が前進してリールを僅かに回転
せしめることによつてテープを巻き込むので緩みのない
状態で保持される。その際の爪片の先端の動きは、リー
ル外周円の接線に近い方向であるため、テープの緩みを
防止するための巻き上げ効果が大である。また爪片の根
本付近が互に平行で途中から屈曲しており又押え部材が
爪片に接しているので、逆転防止機能を解除する時、爪
片の先端は、リールの歯と歯の間より直ちに退避し、逃
げの速度が速い。更に爪片が上記のような形状であるか
ら移動の際の抵抗が少なく、リール溝との係合によって
たわんだ爪自体に弾性力があるためスプリングによる本
体への押圧力は弱くてもよく、したがつてピン７による
移動のための力も弱くてよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のテープリール逆転防止装置の平面図、
第２図乃至第５図は従来の逆転防止装置の構成を示す
図、第６図は従来例の逆転防止装置の爪片の先端の動き
を示す図、第７図は本考案の逆転防止装置の爪片の先端
の動きを示す図である。 10……本体、11,12……爪片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】比較的接近されて配置された周辺に歯部を
   有する二つのリールと、前記両リールの間に配置された
   移動可能な本体とこれに取付けられた二つの弾性を有す
   る爪片を有する逆転防止部材と、前記二つの爪片の外面
   に係合し前記逆転防止部材の移動により両爪片を内側へ
   たわませる二つの押え部材と、前記逆転防止部材を押圧
   するスプリングとを備え、前記スプリングにより前記逆
   転防止部材を押すことによって前記爪片の先が前記リー
   ルの歯部を押してリールを僅かな量だけテープ締り方向
   に回転させると共に逆方向の回転を阻止するようにした
   逆転防止装置において、前記両爪片をその根本付近が前
   記二つの押え部材間の間隔にほぼ等しい間隔で互にほぼ
   平行で途中にて屈曲して互に開いた形状とし、これによ
   り前記爪片のほぼ平行な箇所が前記二つの押え部材間を
   移動する時該爪片の先が両リール外周円のほぼ接線方向
   に移動するようにしたことを特徴とするテープリールの
   逆転防止装置。