JPH07480A - 酸素による薬液の変質を防止する薬液入りプラスチック容器の製造方法 - Google Patents

酸素による薬液の変質を防止する薬液入りプラスチック容器の製造方法

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JPH07480A
JPH07480A JP6068169A JP6816994A JPH07480A JP H07480 A JPH07480 A JP H07480A JP 6068169 A JP6068169 A JP 6068169A JP 6816994 A JP6816994 A JP 6816994A JP H07480 A JPH07480 A JP H07480A
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container
chemical liquid
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plastic container
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Tatsuo Suzuki
龍夫 鈴木
Keinosuke Isono
啓之介 磯野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 包装材料を透過する酸素を脱酸素剤で除脱し
薬液入り容器内への酸素の侵入を長期間防止した薬液入
りプラスチック容器の製造方法を提供する。 【構成】 耐熱性を有する柔軟なプラスチック材料で形
成された容器に酸素によって変質しやすい成分を含む薬
液を、容器内および薬液中の酸素を不活性ガスで置換し
て実質的に容器内および薬液中に酸素が存在しない状態
で封入し、続いて酸素の存在しない水蒸気雰囲気中で高
圧蒸気滅菌を行い、該高圧蒸気滅菌の圧力を維持したま
ま該滅菌された薬液入り容器を不活性ガス雰囲気中で冷
却し、しかる後該滅菌された容器を脱酸素剤とともに該
脱酸素剤の周囲に空間が存在するように高い酸素ガス非
透過性を有する透明の可撓性包装材料で包装、密閉す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薬液入りプラスチック
容器及びその製造方法に関する。特に、高圧蒸気滅菌及
び長期に渡って薬液の変質することのない薬液入りプラ
スチック容器及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、輸液等の医療において、内容液が
外界と接触することを防止するためにクローズドシステ
ムが用いられるようになってきている。このクローズド
システムに用いられる医療用の薬液入り容器は、重力と
容器の構造と容器の素材の柔軟性によって内容液を排出
することが必要である。また、この種の医療用の薬液入
り容器は、内容液を滅菌するために高圧蒸気滅菌に耐え
る耐熱性を有する必要がある。さらに内容液を外部から
監視できるように、透明な材料で形成されていることが
好ましい。従来の薬液入り容器は、ガラス瓶やガラスア
ンプルが中心であったが、クローズドシステムに用いる
ことができるようにプラスチック製の薬液入り容器が市
場に出ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種の薬液入りプラ
スチック容器は、内容液を滅菌するために通常は高圧蒸
気滅菌される。常温では、ガス透過性が低いプラスチッ
ク材料、例えばポリ塩化ビニルでも高圧蒸気滅菌時には
ガス透過性が高くなり、雰囲気内に存在する酸素がプラ
スチック材料で形成された容器壁を通って容器内に侵入
しやすくなる。また、常温においてもプラスチック容器
は、ガラス瓶やガラスアンプルに比べて、ガス透過性が
高いのでプラスチック容器をガスバリヤー性の高い包装
材料で包装しているが、それでも長期間保存しておくと
その雰囲気内に存在する酸素が徐々に容器壁を透過し容
器内に侵入してくる。容器内の薬液が、トリプトファン
を含む高濃度アミノ酸輸液剤や輸液用脂肪乳剤や酸素の
存在により酸化あるいは加水分解されやすい抗生物質を
含む輸液剤等の酸素によって酸化等による変質が起こり
やすい成分を含む場合には変質や変色の恐れが多い。
【0004】
【課題を解決するための手段】耐熱性を有する柔軟なプ
ラスチック材料で形成された少なくとも一つ以上の排出
口を有する容器であって、酸素によって変質しやすい成
分を含む薬液を充填したものと脱酸素剤をともに、少な
くとも前記脱酸素剤の周囲に空間が存在するように耐熱
性と高い酸素ガス非透過性を有する包装材料に封入し、
薬液中の酸素を薬液を変質させない濃度以下にした酸素
による薬液の変質を防止する薬液入りプラスチック容器
を提供することにより前記問題点を解決した。また、耐
熱性を有する柔軟なプラスチック材料で形成された少な
くとも一つ以上の排出口を有する容器に酸素によって変
質しやすい成分を含む薬液を入れ、前記容器を脱酸素剤
とともに少なくとも前記脱酸素剤の周囲に空間が存在す
るように、耐熱性と高い酸素ガス非透過性を有する包装
材料で包装し、しかる後、高圧蒸気滅菌するという製造
方法の採用により前記問題点を解決した。
【0005】また、耐熱性を有する柔軟なプラスチック
材料で形成された少なくとも一つ以上の排出口を有する
容器に酸素によって変質しやすい成分を含む薬液を入
れ、酸素の存在しない水蒸気雰囲気中で高圧蒸気滅菌を
行い、前記高圧蒸気滅菌の圧力を維持したまま前記滅菌
された薬液入り容器を不活性ガス雰囲気中で冷却し、し
かる後前記滅菌された容器を脱酸素剤とともに少なくと
も前記脱酸素剤の周囲に空間が存在するように高い酸素
ガス非透過性を有する包装材料で包装するという製造方
法の採用により前記問題点を解決した。
【0006】本発明者らは、高圧蒸気滅菌時及び滅菌後
も長期に渡って薬液が変質することがない薬液入りプラ
スチック容器及びその製造方法を開発すべく種々検討し
た結果、耐熱性を有する柔軟なプラスチック材料で形成
された少なくとも一つ以上の排出口を有する容器に薬液
を入れたものと脱酸素剤をともに、少なくとも前記脱酸
素剤の周囲に空間が存在するように耐熱性と高い酸素ガ
ス非透過性を有する包装材料に封入することにより、高
圧蒸気滅菌時に包装材料が酸素を透過しやすい状態にな
っても薬液が変質することがないこと、また、滅菌後も
長期に渡って薬液が変質することがないこと等を見い出
し本発明を完成するに至った。
【0007】本発明の薬液を収容する容器は、高圧蒸気
滅菌に供されるから、滅菌の温度に耐え得る耐熱性を有
する柔軟なプラスチック材料で形成する必要がある。さ
らに、強度、耐水蒸気透過性及び透明性に優れているこ
とが好ましい。このような条件を満足するプラスチック
材料には、軟質ポリ塩化ビニル、架橋されたエチレン−
酢酸ビニル共重合体、直鎖状低密度ポリエチレン等が含
まれる。
【0008】上記プラスチック容器に収容される酸素に
よって変質しやすい成分を含む薬液には、少なくとも一
種の高カロリー液剤成分(経中心静脈栄養成分)特にト
リプトファンを含む高濃度アミノ酸輸液剤や脂肪乳剤、
また酸素の存在により酸化あるいは加水分解されやすい
抗生物質を含む輸液剤等が含まれる。
【0009】上記プラスチック容器に前記薬液を分注す
る。このとき、容器内及び薬液中を不活性ガスで置換し
て実質的に容器内及び薬液中に酸素が存在しないように
して封をするのが好ましい。例えば、プラスチック容器
に薬液を注入後、薬液内に不活性ガスをバブリングする
ことにより容器内及び薬液中に酸素が存在しないように
する方法でもよいし、また、予め不活性ガスで置換され
た薬液を不活性ガスと共に注入し、容器内及び薬液中に
酸素が存在しないようにする方法でもよい。また、用い
られる不活性ガスは種々あるが、コストの面から窒素ガ
スが好ましい。
【0010】次に、上記薬液入りプラスチック容器を脱
酸素剤とともに少なくとも前記脱酸素剤の周囲に空間が
存在するように、耐熱性と高い酸素ガス非透過性を有す
る包装材料で包装する。前記脱酸素剤をその周囲に空間
が存在しないように包装材料で包装すると、脱酸素剤の
酸素除脱効果が悪くなり、高圧蒸気滅菌時または保存時
に、上記プラスチック容器内の薬液が酸素により変質し
やすくなる。前記脱酸素剤の周囲に空間を存在させる方
法は、上記薬液入りプラスチック容器と脱酸素剤を包装
材料に入れるとき、空気や不活性ガス等を入れる方法
や、脱酸素剤を片面から他面に連通する孔を有する構造
体で覆う方法や、凹凸を有する板の上に脱酸素剤と薬液
入りプラスチック容器を位置させ包装材料に入れる方法
や、包装材料に凸部を設ける方法や、トレー部とシート
状蓋体から構成される包装材料を用いる方法等がある。
【0011】また、脱酸素剤を用いる量は、高圧蒸気滅
菌時及び長期保存中に、薬液中において、薬液の酸素で
の酸化等による変質が起こらない酸素濃度を保つことが
できる量が必要である。例えば、400mlの高濃度ア
ミノ酸輸液剤を入れたプラスチック容器の場合は、酸素
吸収量が10ml以上が必要であり、酸素吸収量が10
0ml以上の脱酸素剤を用いることが好ましい。
【0012】前記脱酸素剤としては、鉄等の金属および
ハロゲン化金属からなる粉末状のもの、アスコルビン酸
やカテコールを主剤とした有機系のものが知られてい
る。これらの脱酸素剤は、三菱瓦斯化学(株)[商品
名:エージレス]やその他のメーカー数社から市販され
ている。これら脱酸素剤のなかには、酸素吸収のみを行
うものと、酸素吸収と同時に炭酸ガスを放出するものが
ある。トレー部とシート状蓋体から構成される包装材料
を用いるときには、酸素吸収と同時に炭酸ガスを放出す
る脱酸素剤を用いるのが好ましい。すなわち、脱酸素剤
により包装材料内の酸素を除脱すると包装材料内の圧が
下がり、ピンホールの発生等の問題が生じる危険性があ
るので、酸素吸収と同時に炭酸ガスを放出すれば包装材
料内の圧力を一定に保つことができるからである。
【0013】また、脱酸素剤の作用としては、前記包装
材料を透過した酸素を除脱しプラスチック容器内に酸素
が侵入しないようにする作用と、高圧蒸気滅菌前にプラ
スチック容器内と薬液中の酸素をプラスチック容器壁を
経て除脱する作用がある。
【0014】前記耐熱性と高い酸素ガス非透過性を有す
る包装材料は、エチレン−ビニルアルコール共重合体フ
ィルムやポリ塩化ビニリデンフィルムの層を有する三層
ラミネートフィルムやアルミニウム層を有するラミネー
トフィルムがある。アルミニウム層を有するラミネート
フィルムは不透明であるが、その酸素ガス非透過性能は
湿度による影響を受けない。また、前記合成樹脂製の三
層ラミネートフィルムは、透明であるので包装材料内の
薬液の異物検査や変質度合いの検査等を容易に行うこと
ができるが、その酸素ガス非透過性能は湿度による影響
を受けやすい。そこで、上記薬液入りプラスチック容器
を包装材料で包装後、高圧蒸気滅菌するときには、この
三層ラミネートフィルムの外層は、ポリアミド樹脂等の
耐熱性があり比較的水蒸気透過性の高い樹脂をラミネー
トすることが好ましい。すなわち、後述の高圧蒸気滅菌
時に中間層のエチレン−ビニルアルコール共重合体フィ
ルムやポリ塩化ビニリデンフィルムの層が吸湿し酸素ガ
スを透過しやすくなるので、外層に比較的水蒸気透過性
の高い樹脂を用いることにより短時間で吸湿した水分を
蒸散させやすくすることができ、その結果短時間でもと
の高い酸素ガス非透過性に復元するからである。この三
層ラミネートフィルムの内層には、水蒸気透過性の低い
樹脂をラミネートすることが好ましい。すなわち、上記
プラスチック容器内の薬液が容器壁を透過しても、この
シートの内層が水蒸気透過性の低い樹脂であれば、中間
層のエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムやポ
リ塩化ビニリデンフィルムがほとんど吸湿することがな
く、この包装材料は高い酸素ガス非透過性を保つことが
できるからである。この内層には未延伸ポリプロピレン
フィルムや未延伸ポリエチレンフィルムをラミネートす
ることが好ましく、熱溶着性が良好となる。
【0015】さらに、高圧蒸気滅菌後、オーブン等の乾
燥機内で前述の三層ラミネートフィルムが吸湿した水分
を積極的に蒸散させることが好ましい。さらに、前述の
乾燥を不活性ガス雰囲気中で行うのがより好ましい。す
なわち、三層ラミネートフィルムの酸素ガス非透過性が
短時間で復元するので、薬液の酸素での酸化等による変
質を、より確実に、より長期間防止することができる。
【0016】また、包装材料として、上述の三層ラミネ
ートフィルムを片面に、あるいはトレー部とシート状蓋
体から構成される包装材料にあってはトレー部またはシ
ート状蓋体に用い、一方他の面あるいはトレー部または
シート状蓋体の残部には上述のエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体フィルムのかわりにアルミニウム層を有す
るラミネートフィルムを用いてもよい。このようにすれ
ば、包装材料の片面あるいはトレー部またはシート状蓋
体のどちらか一方が透明になるので、包装材料内の薬液
の異物検査や変質度合いの検査等を容易に行うことがで
き、また酸素ガス非透過性能の湿度による影響を少なく
することができる。
【0017】また、上述の透明な三層ラミネートフィル
ムを用いる場合、薬液によっては紫外線によって変質し
やすいものがあるので、三層ラミネートフィルムの少な
くとも一層には、ベンゾフェノン系やサリチル酸フェニ
ル系等の紫外線吸収剤を含有させたり、あるいは紫外線
を透過させにくくするために着色したりすることが好ま
しい。
【0018】次に、上記のごとく包装材料で包装した薬
液入りプラスチック容器を高圧蒸気滅菌する。滅菌方法
としては、オートクレーブ、タワーオートクレーブ、ロ
ートマット等が用いられる。高圧蒸気滅菌時にその雰囲
気中に酸素ガスが存在し前記包装材料が酸素ガスを透過
しやすい状態にあっても、前記脱酸素剤によって前記包
装材料を透過した酸素を除脱するので、プラスチック容
器内の薬液は酸素によって変質することはない。また、
オートクレーブの場合、高圧蒸気滅菌時の圧力をその雰
囲気中に不活性ガスを導入することによって維持するこ
とがより好ましい。タワーオートクレーブ及びロートマ
ットの場合、水中を不活性ガスで置換し酸素が実質的に
存在しない状態にすることがより好ましい。用いる不活
性ガスは窒素ガスが好ましい。
【0019】このようにして製造された包装材料で包装
された薬液入りプラスチック容器は、長期間の保存にお
いても内部の薬液の酸素での酸化等による変質が殆ど起
こらない。
【0020】また、別の方法で酸素による薬液の変質を
防止する薬液入りプラスチック容器を製造することがで
きる。まず、上記のように薬液入りプラスチック容器を
作製する。次に、この薬液入りプラスチック容器を高圧
蒸気滅菌する。滅菌方法としては、前述のようにオート
クレーブ、タワーオートクレーブ及びロートマット等が
用いられる。オートクレーブの場合、高圧蒸気滅菌時及
び滅菌後の冷却時の圧力を、その雰囲気中に不活性ガス
を導入することによって維持する。タワーオートクレー
ブ及びロートマットの場合、水中を不活性ガスで置換
し、薬液入りプラスチック容器内に酸素が侵入しないよ
うにする。用いる不活性ガスは窒素ガスが好ましい。
【0021】滅菌後、上記薬液入りプラスチック容器を
脱酸素剤とともに、少なくとも前記脱酸素剤の周囲に空
間が存在するように、高い酸素ガス非透過性を有する包
装材料で包装する。脱酸素剤をその周囲に空間が存在し
ないように包装材料で包装すると、前述のように脱酸素
剤の酸素除脱効果が悪くなり、滅菌後の保存時にプラス
チック容器内の薬液が酸素での酸化等による変質が起こ
りやすくなる。また、前記脱酸素剤の周囲に空間を存在
させる方法は、前述のように上記薬液入りプラスチック
容器と脱酸素剤を包装材料に入れるときに、同時に空気
や不活性ガスを入れる方法や、脱酸素剤を片面から他面
に連通する孔を有する構造体で覆う方法や、凹凸を有す
る板の上に脱酸素剤と薬液入りプラスチック容器を乗せ
包装材料に入れる方法や、包装材料に凸部を設ける方法
や、トレー部とシート状蓋体から構成される包装材料を
用いる方法等がある。
【0022】前記高い酸素ガス非透過性を有する包装材
料には、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム
やポリ塩化ビニリデンフィルムの層を有する三層ラミネ
ートフィルムや、アルミニウム層を有するラミネートフ
ィルムがある。透明性を有する三層ラミネートフィルム
では、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムの
内層には、未延伸のポリプロピレンフィルムや未延伸の
ポリエチレンフィルムをラミネートすることが好ましく
熱融着性が良好となる。さらにエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体フィルムの外層には、外部雰囲気中の水分
の影響を少なくするために、二軸延伸ポリプロピレンフ
ィルム、ポリエステルフィルム等をラミネートすること
が好ましい。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
オレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ
アミド等の厚みの大きな包装材料を用いることもでき
る。この方法によれば、プラスチック容器の原料として
包装材料とブロッキングが起こりやすい架橋されたエチ
レン−酢酸ビニル共重合体を用いることができる。
【0023】以上のようにして製造された本発明による
薬液入りプラスチック容器は、長期の保存にも内部の薬
液の酸素での酸化等による変質が殆ど起こらない。
【0024】
【実施例】次に、図面に基づいて本発明を詳細に説明す
る。第1図に示すように、本発明の薬液入りプラスチッ
ク容器11は、プラスチック容器12、包装材料13、
脱酸素剤14、薬液15から構成される。プラスチック
容器12は、既述の柔軟なプラスチック材料で作製され
るが、なかでも水蒸気透過性の低い直鎖状低密度ポリエ
チレンが適している。このプラスチック容器12は、種
々の方法で作製される。例えば、直鎖状低密度ポリエチ
レンのインフレーション成形によって得たチューブ状の
シートの一方の開放端は熱溶着し、プラスチック容器を
懸垂するための懸垂口を設け、他方の開放端に排出口を
挿入し熱溶着する方法、直鎖状低密度ポリエチレンの押
出成形によって得られたシート二枚を重ね合わせ、その
周縁部を熱溶着する方法、直鎖状低密度ポリエチレンで
上端部に小口径の排出口とそれに続く容器部を有するブ
ロー成形品を成形し、そのブロー成形品の側方周縁部ま
たは/及び下方周縁部の近傍を熱溶着することによって
得る方法等がある。これらの方法のうち、ブロー成形品
を用いる方法が排出口部を熱溶着していないので、漏れ
の危険性が無いので最適であり、本実施例ではこの方法
を用いた。既述の薬液15を排出口16から注入する。
このとき、注入する薬液15は実質的に酸素が存在しな
いようにしてあり、注入する直前にプラスチック容器1
2内を窒素置換し、その直後薬液と窒素ガスを同時に注
入する。注入後、排出口16の開口部をプラスチック材
料で密封しゴム栓を装着し、さらにゴム栓外表面を無菌
維持するために、使用時に容易に剥離することができる
ようにプラスチックフィルムをシールする。
【0025】次に薬液15を収容したプラスチック容器
12を脱酸素剤14とともに、既述の包装材料13に入
れる。このとき、脱酸素剤14を片面から他面に連通す
る孔を有する構造体17で覆って一緒に入れ封入する。
また、包装材料13内の気体に少なくとも50%以上の
湿度をもたせた。
【0026】次に、この薬液入りプラスチック容器11
を実質的に酸素の存在しない水蒸気よりなる雰囲気中で
高圧蒸気滅菌する。この滅菌は、例えばオートクレーブ
によって行われる。薬液入りプラスチック容器11を複
数個の単位でオートクレーブ内に収容する。ついで、ボ
イラーからスチームをオートクレーブ内に所定時間導入
してオートクレーブ内の空気を排出する。排出後、所定
温度のスチームをオートクレーブ内に導入し滅菌する。
滅菌中のオートクレーブ内の圧力を確保するために、不
活性ガスを適宜導入する。滅菌後、オートクレーブ内に
所定量の冷却水を導入し薬液を充分に冷却し取り出す。
【0027】第2図に、本発明の別の薬液入りプラスチ
ック容器21を示す。薬液入りプラスチック容器21
は、プラスチック容器22、包装材料23、脱酸素剤2
4、薬液25から構成される。プラスチック容器22
は、第1図のものと同様にブロー成形品を用いて作製し
た。さらに、排出口26から薬液25を注入する方法も
第1図のものと同様にして行った。
【0028】次に、薬液25を収容したプラスチック容
器22を実質的に酸素の存在しない水蒸気よりなる雰囲
気中で高圧蒸気滅菌する。この滅菌は、例えばオートク
レーブによって行われる。薬液入りプラスチック容器を
複数個の単位でオートクレーブ内に収容する。ついで、
ボイラーからスチームをオートクレーブ内に所定時間導
入してオートクレーブ内の空気を排出する。排出後、所
定温度のスチームをオートクレーブ内に導入し滅菌す
る。滅菌中のオートクレーブ内の圧力を確保するため
に、不活性ガスを適宜導入する。滅菌後、オートクレー
ブ内に所定量の冷却水を導入し薬液を充分に冷却する。
【0029】冷却後、既述の包装材料23に薬液入りプ
ラスチック容器を入れる。このとき、窒素ガスを充填し
て封入する。
【0030】また第3図(a)、(b)に示すように、
凹凸を有する板37の上に、脱酸素剤34と薬液入りプ
ラスチック容器を乗せ、包装材料33に入れることによ
り、脱酸素剤34の酸素除脱効果を高めることもでき
る。
【0031】実施例1 必須アミノ酸を主成分とする濃度12%のアミノ酸輸液
を、直鎖状低密度ポリエチレン製のバッグに充填した。
アミノ酸輸液中及びバッグ内を窒素置換し実質的に酸素
が存在しない状態にし、排出口を直鎖状低密度ポリエチ
レンフィルムで密封しゴム栓を装着して、その上をポリ
プロピレンとポリエチレンをブレンドした樹脂をラミネ
ートしたポリエステルフィルムで封をした。
【0032】この薬液入りバッグを、二軸延伸ナイロン
フィルム(厚さ20μm)を外層としエチレン−ビニル
アルコール共重合体フィルム(厚さ20μm)を中間層
とし未延伸ポリプロピレンフィルムを内層とする三層ラ
ミネートフィルムで包装した。このとき、脱酸素剤(商
品名:エージレス 三菱瓦斯化学(株)製)を同封し、
窒素ガスを充填して脱酸素剤が薬液入りバッグと包装材
料に密着しないように封入した。この包装材料で包装さ
れた薬液入りバッグを115℃で40分間高圧蒸気滅菌
をした。滅菌時及び冷却時に圧力を保持するために、オ
ートクレーブ内に窒素ガスを所定量導入した。冷却後、
包装材料で包装された薬液入りバッグを取り出した。こ
のようにして、所望の薬液入りプラスチック容器を破袋
することなく得た。
【0033】実施例2 実施例1と同様にして薬液入りバッグを作製した。この
薬液入りバッグを115℃で40分間高圧蒸気滅菌をし
た。滅菌時及び冷却時に圧力を保持するために、オート
クレーブ内に窒素ガスを所定量導入した。冷却後、この
薬液入りバッグを、二軸延伸ポリプロピレンフィルム
(厚さ20μm)を外層としポリ塩化ビニリデンをコー
ティングしたポリアミドフィルム(20μm)を中間層
とし未延伸ポリプロピレンフィルムを内層とする三層ラ
ミネートフィルムで包装した。このとき、脱酸素剤(商
品名:エージレス 三菱瓦斯化学(株)製)を湿度60
%の空気とともに封入して所望の薬液入りプラスチック
容器を得た。
【0034】比較例1 脱酸素剤を用いなかったこと以外は、実施例1と同様に
して薬液入りプラスチック容器を得た。
【0035】比較例2 脱酸素剤が薬液入りバッグと包装材料に密着するような
形態で封入したこと以外は、実施例1と同様にして薬液
入りプラスチック容器を得た。
【0036】比較例3 脱酸素剤が薬液入りバッグと包装材料に密着するような
形態で封入したこと以外は、実施例2と同様にして薬液
入りプラスチック容器を得た。
【0037】比較例4 包装材料として、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(厚
さ20μm)を外層としエチレン−ビニルアルコール共
重合体フィルム(厚さ20μm)を中間層とし未延伸ポ
リプロピレンフィルムを内層とする三層ラミネートフィ
ルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして薬液入
りプラスチック容器を得た。
【0038】以上のようにして得られた薬液入りプラス
チック容器内の薬液の変質の度合いを調べるために可視
光(420nm)の透過率を測定し、その結果を表1に
示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】 滅菌中及び滅菌後の保存中に酸素による容器内の薬液
の変質を防止し、安定な状態で薬液を保存することがで
きる。 プラスチック製であるので、軽く運搬に便利である。 柔軟な薬液入りプラスチック容器は、クローズドシス
テムに用いることができ、空気感染を防止できる。 包装材料は透明性を有するので、異物検査や保存状態
の観察等を行うのが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸素による薬液の変質を防止する薬液
入りプラスチック容器の第一実施例を示す模式正面図で
ある。
【図2】本発明の酸素による薬液の変質を防止する薬液
入りプラスチック容器の第二実施例を示す模式正面図で
ある。
【図3】(a)は本発明の酸素による薬液の変質を防止
する薬液入りプラスチック容器の第三実施例を示す模式
正面図であり、(b)は同実施例の III−III 模式横断
面図である。
【符号の説明】 11,21,31…薬液入りプラスチック容器 12,22,32…プラスチック容器 13,23,33…包装材料 14,24,34…脱酸素剤 15,25,35…薬液 16,26,36…排出口 17…………………連通する孔を有する構造体 37…………………凹凸を有する板
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年4月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薬液入りプラスチック
器の製造方法に関する。特に、高圧蒸気滅菌及び長期
に渡って薬液の変質することのない薬液入りプラスチッ
ク容器の製造方法に関する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【課題を解決するための手段】耐熱性を有する柔軟なプ
ラスチック材料で形成された少なくとも一つ以上の排出
口を有する容器に酸素によって変質しやすい成分を含む
薬液を入れたものと脱酸素剤がともに、高い酸素ガス非
透過性を有する透明包装材料で包装、密閉され、該包装
材料を透過する僅かな酸素を該脱酸素剤で除脱し該容器
内への酸素の侵入を長期間防止した薬液入りプラスチッ
ク容器の製造方法であって、耐熱性を有する柔軟なプラ
スチック材料で形成された少なくとも一つ以上の排出口
を有する容器に酸素によって変質しやすい成分を含む薬
液を、容器内および薬液中の酸素を不活性ガスで置換し
て実質的に容器内および薬液中に酸素が存在しない状態
で封入し、続いて酸素の存在しない水蒸気雰囲気中で高
圧蒸気滅菌を行い、該高圧蒸気滅菌の圧力を維持したま
ま該滅菌された薬液入り容器を不活性ガス雰囲気中で冷
却し、しかる後該滅菌された容器を脱酸素剤とともに少
なくとも該脱酸素剤の周囲に空間が存在するように高い
酸素ガス非透過性を有する透明の可撓性包装材料で包
装、密閉することを特徴とする、前記酸素による薬液の
変質を防止する薬液入りプラスチック容器の製造方法を
採用することにより前記問題点を解決した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】削除
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】本発明者らは、高圧蒸気滅菌時及び滅菌後
も長期に渡って薬液が変質することがない薬液入りプラ
スチック容器の製造方法を開発すべく種々検討した結
果、耐熱性を有する柔軟なプラスチック材料で形成され
た少なくとも一つ以上の排出口を有する容器に薬液を
入する際、実質的に容器内および薬液中に酸素が存在し
ないようにし、その上で、酸素の存在しない水蒸気雰囲
気中で高圧蒸気滅菌に付し、かつ、該高圧蒸気滅菌済み
薬液入り容器と脱酸素剤をともに、少なくとも前記脱酸
素剤の周囲に空間が存在するように耐熱性と高い酸素ガ
ス非透過性を有する包装材料に封入することにより、高
圧蒸気滅菌時に包装材料が酸素を透過しやすい状態にな
っても薬液が変質することがないこと、また、滅菌後
は、該包装材料内に設けられた該脱酸素剤を含む空間が
該包装材料を透過してくる僅かな酸素も除脱することに
より長期に渡って薬液が変質することがないこと等を見
い出し本発明を完成するに至った。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】削除
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】削除
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】削除
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】削除
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】削除
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】削除
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】次に、上記薬液入りプラスチック容器を
圧蒸気滅菌処理する。滅菌方法としては、オートクレー
ブ、タワーオートクレーブ及びロートマット等が用いら
れる。オートクレーブの場合、高圧蒸気滅菌時及び滅菌
後の冷却時の圧力を、その雰囲気中に不活性ガスを導入
することによって維持する。タワーオートクレーブ及び
ロートマットの場合、水中を不活性ガスで置換し、薬液
入りプラスチック容器内に酸素が侵入しないようにす
る。用いる不活性ガスは窒素ガスが好ましい。高圧蒸気
滅菌時に該容器が酸素ガスを透過しやすく、かつ薬液が
変質しやすい状態にあっても、高圧蒸気滅菌雰囲気は実
質的に無酸素状態であり、かつ前記薬液は実質的に無酸
素状態で充填されているので、プラスチック容器内の薬
液は酸素により変質することはない。また、高圧蒸気滅
菌後、乾燥機内で前記容器が吸湿した水分を積極的に蒸
散させることが好ましい。さらに、該乾燥を不活性ガス
雰囲気中で行うのがより好ましい。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】滅菌後、上記薬液入りプラスチック容器を
脱酸素剤とともに、少なくとも脱酸素剤の周囲に空間
が存在するように、高い酸素ガス非透過性を有する包装
材料で包装する。脱酸素剤をその周囲に空間が存在しな
いように包装材料で包装すると、脱酸素剤の酸素除脱効
果が悪くなり、滅菌後の保存時にプラスチック容器内の
薬液が酸素での酸化等による変質が起こりやすくなる。
また、前記脱酸素剤の周囲に空間を存在させる方法は
記薬液入りプラスチック容器と脱酸素剤を包装材料に
入れるときに、同時に空気や不活性ガスを入れる方法
や、脱酸素剤を片面から他面に連通する孔を有する構造
体で覆う方法や、凹凸を有する板の上に脱酸素剤と薬液
入りプラスチック容器を乗せ包装材料に入れる方法や、
包装材料に凸部を設ける方法や、トレー部とシート状蓋
体から構成される包装材料を用いる方法等がある。
た、脱酸素剤を用いる量は、長期保存中に、薬液中にお
いて、薬液の酸素での酸化等による変質が起こらない酸
素濃度を保つことができる量が必要である。即ち、包装
材料と容器の間の脱酸素剤を含む空間から酸素を除脱し
実質的な無酸素層を形成し、かつ、保存中に包装材料を
透過し侵入する僅かな酸素を該無酸素層で除脱し容器内
に酸素が侵入しないようにし、また、薬液中の酸素を容
器壁を経て除脱する量であり、例えば、400mlの高
濃度アミノ酸輸液剤を入れたプラスチック容器の場合
は、酸素吸収量が10ml以上が必要であり、酸素吸収
量が100ml以上の脱酸素剤を用いることが好まし
い。前記脱酸素剤としては、鉄等の金属およびハロゲン
化金属からなる粉末状のもの、アスコルビン酸やカテコ
ールを主剤とした有機系のものが知られている。これら
の脱酸素剤は、三菱瓦斯化学(株)[商品名:エージレ
ス]やその他のメーカー数社から市販されている。これ
ら脱酸素剤のなかには、酸素吸収のみを行うものと、酸
素吸収と同時に炭酸ガスを放出するものがある。トレー
部とシート状蓋体から構成される包装材料を用いるとき
には、酸素吸収と同時に炭酸ガスを放出する脱酸素剤を
用いるのが好ましい。すなわち、脱酸素剤により包装材
料内の酸素を除脱すると包装材料内の圧が下がり、ピン
ホールの発生等の問題が生じる危険性があるので、酸素
吸収と同時に炭酸ガスを放出すれば包装材料内の圧力を
一定に保つことができるからである。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】前記高い酸素ガス非透過性を有する包装材
料には、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム
やポリ塩化ビニリデンフィルムの層を有する三層ラミネ
ートフィルムや、アルミニウム層を有するラミネートフ
ィルムがある。透明性を有する三層ラミネートフィルム
では、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムの
内層には、未延伸のポリプロピレンフィルムや未延伸の
ポリエチレンフィルムをラミネートすることが好ましく
熱融着性が良好となる。さらにエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体フィルムの外層には、外部雰囲気中の水分
の影響を少なくするために、二軸延伸ポリプロピレンフ
ィルム、ポリエステルフィルム等をラミネートすること
が好ましい。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
オレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ
アミド等の厚みの大きな包装材料を用いることもでき
る。この方法によれば、プラスチック容器の原料として
包装材料とブロッキングが起こりやすい架橋されたエチ
レン−酢酸ビニル共重合体を用いることができる。
た、上述の透明な三層ラミネートフィルムを用いる場
合、薬液によっては紫外線によって変質しやすいものが
あるので、三層ラミネートフィルムの少なくとも一層に
は、ベンゾフェノン系やサリチル酸フェニル系等の紫外
線吸収剤を含有させたり、あるいは紫外線を透過させに
くくするために着色したりすることが好ましい。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】削除
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】次に、この薬液入りプラスチック容器12
を実質的に酸素の存在しない水蒸気よりなる雰囲気中で
高圧蒸気滅菌する。この滅菌は、例えばオートクレーブ
によって行われる。薬液入りプラスチック容器12を複
数個の単位でオートクレーブ内に収容する。ついで、ボ
イラーからスチームをオートクレーブ内に所定時間導入
してオートクレーブ内の空気を排出する。排出後、所定
温度のスチームをオートクレーブ内に導入し滅菌する。
滅菌中のオートクレーブ内の圧力を確保するために、不
活性ガスを適宜導入する。滅菌後、オートクレーブ内に
所定量の冷却水を導入し薬液を充分に冷却し取り出す。
次にプラスチック容器12を脱酸素剤14とともに、既
述の包装材料13に入れる。このとき、脱酸素剤14を
片面から他面に連通する孔を有する構造体17で覆って
一緒に入れ封入する。また、包装材料13内の気体に少
なくとも50%以上の湿度をもたせた。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】冷却後、既述の包装材料23に脱酸素剤2
4と共に薬液入りプラスチック容器22を入れる。この
とき、窒素ガスを充填して封入する。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】削除
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】削除
【手続補正26】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】実施例 必須アミノ酸を主成分とする濃度12%のアミノ酸輸液
を、直鎖状低密度ポリエチレン製のバッグに充填した。
アミノ酸輸液中及びバッグ内を窒素置換し実質的に酸素
が存在しない状態にし、排出口を直鎖状低密度ポリエチ
レンフィルムで密封しゴム栓を装着して、その上をポリ
プロピレンとポリエチレンをブレンドした樹脂をラミネ
ートしたポリエステルフィルムで封をした。 この薬液入
りバッグを115℃で40分間高圧蒸気滅菌をした。滅
菌時及び冷却時に圧力を保持するために、オートクレー
ブ内に窒素ガスを所定量導入した。冷却後、この薬液入
りバッグを、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ2
0μm)を外層としポリ塩化ビニリデンをコーティング
したポリアミドフィルム(20μm)を中間層とし未延
伸ポリプロピレンフィルムを内層とする三層ラミネート
フィルムで包装した。このとき、脱酸素剤(商品名:エ
ージレス 三菱瓦斯化学(株)製)を湿度60%の空気
とともに封入して所望の薬液入りプラスチック容器を得
た。
【手続補正27】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】比較例1 脱酸素剤を用いず、高圧蒸気滅菌を薬液入りバックを包
装材料で包装後に行ったこと以外は、実施例1と同様に
して薬液入りプラスチック容器を得た(脱酸素剤を用い
ず、包装前の薬液入りバックを高圧蒸気滅菌した場合と
ほぼ同等と見做すことができる)
【手続補正28】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】削除
【手続補正29】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】比較例 脱酸素剤が薬液入りバッグと包装材料に密着するような
形態で封入したこと以外は、実施例と同様にして薬液
入りプラスチック容器を得た。
【手続補正30】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】削除
【手続補正31】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】
【表1】
【手続補正32】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により得られた酸素による薬液の変質を
防止する薬液入りプラスチック容器の一例を示す模式正
面図である。
【図2】本発明により得られた酸素による薬液の変質を
防止する薬液入りプラスチック容器の他の例を示す模式
正面図である。
【図3】(a)は本発明により得られた酸素による薬液
の変質を防止する薬液入りプラスチック容器の他の例
示す模式正面図であり、(b)は同例の III−III 模式
横断面図である。
【符号の説明】 11,21,31…薬液入りプラスチック容器 12,22,32…プラスチック容器 13,23,33…包装材料 14,24,34…脱酸素剤 15,25,35…薬液 16,26,36…排出口 17…………………連通する孔を有する構造体 37…………………凹凸を有する板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61J 1/00 390 S

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性を有する柔軟なプラスチック材料
    で形成された少なくとも一つ以上の排出口を有する容器
    に酸素によって変質しやすい成分を含む薬液を入れたも
    のと脱酸素剤がともに、高い酸素ガス非透過性を有する
    透明包装材料で包装、密閉され、該包装材料を透過する
    僅かな酸素を該脱酸素剤で除脱し該容器内への酸素の侵
    入を長期間防止した薬液入りプラスチック容器の製造方
    法であって、耐熱性を有する柔軟なプラスチック材料で
    形成された少なくとも一つ以上の排出口を有する容器に
    酸素によって変質しやすい成分を含む薬液を、容器内お
    よび薬液中の酸素を不活性ガスで置換して実質的に容器
    内および薬液中に酸素が存在しない状態で封入し、続い
    て酸素の存在しない水蒸気雰囲気中で高圧蒸気滅菌を行
    い、該高圧蒸気滅菌の圧力を維持したまま該滅菌された
    薬液入り容器を不活性ガス雰囲気中で冷却し、しかる後
    該滅菌された容器を脱酸素剤とともに少なくとも該脱酸
    素剤の周囲に空間が存在するように高い酸素ガス非透過
    性を有する透明の可撓性包装材料で包装、密閉すること
    を特徴とする、前記酸素による薬液の変質を防止する薬
    液入りプラスチック容器の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記容器内と薬液中に実質的に酸素が存
    在しない状態にする方法が、酸素によって変質しやすい
    成分を含む薬液を容器に注入後、該薬液内に不活性ガス
    をバブリングすることにより行う特許請求の範囲第1項
    記載の酸素による薬液の変質を防止する薬液入りプラス
    チック容器の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記容器内と薬液中に実質的に酸素が存
    在しない状態にする方法が、薬液中の酸素をあらかじめ
    不活性ガスで置換し、該薬液を不活性ガスと共に容器に
    注入することにより行う特許請求の範囲第1項記載の酸
    素による薬液の変質を防止する薬液入りプラスチック容
    器の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記用いる脱酸素剤が、片面から他面に
    連通する孔を有する構造体で覆われているものである特
    許請求の範囲第1項ないし第3項いずれか一項に記載の
    酸素による薬液の変質を防止する薬液入りプラスチック
    容器の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記脱酸素剤を前記包装材料に封入する
    際、脱酸素剤を凹凸を有する板上に位置させて包装材料
    に封入する特許請求の範囲第1項ないし第3項いずれか
    一項に記載の酸素による薬液の変質を防止する薬液入り
    プラスチック容器の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記滅菌した薬液入り容器を包装材料に
    封入する際、不活性ガスを包装材料に同時に封入する特
    許請求の範囲第1項ないし第5項いずれか一項に記載の
    酸素による薬液の変質を防止する薬液入りプラスチック
    容器の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記滅菌した薬液入り容器を包装材料に
    封入する際、包装材料内の気体に少なくとも50%以上
    の湿度を持たせる特許請求の範囲第1項ないし第6項い
    ずれか一項に記載の酸素による薬液の変質を防止する薬
    液入りプラスチック容器の製造方法。
JP6068169A 1994-03-14 1994-03-14 酸素による薬液の変質を防止する薬液入りプラスチック容器の製造方法 Expired - Lifetime JPH0790038B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006136490A (ja) * 2004-11-11 2006-06-01 Terumo Corp 塩酸リトドリン注射液製剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006136490A (ja) * 2004-11-11 2006-06-01 Terumo Corp 塩酸リトドリン注射液製剤
JP4598484B2 (ja) * 2004-11-11 2010-12-15 テルモ株式会社 塩酸リトドリン注射液製剤

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