JPH0748081B2 - 光学材料 - Google Patents

光学材料

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JPH0748081B2
JPH0748081B2 JP63202773A JP20277388A JPH0748081B2 JP H0748081 B2 JPH0748081 B2 JP H0748081B2 JP 63202773 A JP63202773 A JP 63202773A JP 20277388 A JP20277388 A JP 20277388A JP H0748081 B2 JPH0748081 B2 JP H0748081B2
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thiadiazole
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、特定したチアジアゾール化合物の単量体を重
合してなる光学材料に関する。
〔従来の技術〕
現在、広く用いられている光学材料としては、ジエチレ
ングリコールビスアリルカーボネートを注型重合させた
樹脂がある。しかし、この樹脂は屈折率(n0)が1.50で
あり、無機レンズに比べて小さく、無機レンズと同等の
光学特性を得るためには、レンズの中心厚、コバ厚及び
曲率を大きくする必要があり、全体的に肉厚になること
が避けられない。
この欠点を改良した高屈折率樹脂も種々提案されてい
る。例えば、ポリカーボネート、ポリスルホン系の高屈
折率樹脂が提案されている。これらの樹脂は屈折率が約
1.60と高いものの、光透過率が良く、光学的均質性に欠
け、また着色するなどの問題がある。
このため架橋性の高屈折率樹脂が種々提案されている。
例えば、特開昭61−28901号公報などにフェニル基をハ
ロゲン原子で置換したフェニルメタクリレートなどハロ
ゲン原子を多数含んだ樹脂が提案されている。しかし、
これらの樹脂は比重が大きくなり、耐候性も劣る。
また、特開昭60−197711号公報などにα−ナフチルメタ
クリレーを主成分とする高屈折率樹脂用組成物が提案さ
れている。これから得られる樹脂は高屈折率を有するも
のの、ナフチル基を有するために、耐候性が劣ってい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上のような先行技術の下で、特に光学材料に好適に使
用し得る樹脂、即ち高屈折率、良好な透明性、耐候性及
び比重が小さいなどの諸性質のバランスのとれた樹脂が
強く望まれている。
従って本発明を解決しようとする課題は、高屈折率で比
重が小さく、透明性、硬度、耐候性等に優れた、樹脂を
与える、架橋性単量体を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意研究を重
ねた結果、下記一般式で示されるチアジアゾール化合物
を重合して得た重合体が上記の諸性質を具備した優れた
樹脂であることを見い出し本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、 一般式〔I〕 で示されるチアジアゾール化合物と単独重合体の屈折率
が1.55以上であるラジカル重合可能な単量体とを共重合
してなる光学材料である。
本発明に用いるチアジアゾール化合物の前記一般式
〔I〕中、X1,X2,X3,及びX4で示されるハロゲン原子
は塩素、臭素、ヨウ素の各ハロゲン原子であり、得られ
る樹脂の耐候性の点から塩素原子及び臭素原子が好まし
い。本発明に用いるチアジアゾール化合物中に含まれる
ハロゲン原子の数は、得られる樹脂の屈折率を高くし、
比重を小さくするために0〜2の範囲であることが好ま
しい。
前記一般式〔I〕中のmは0以上の整数、nは1以上の
整数であれば良いが、m及びnが大きくなりすぎると、
屈折率を低下させる為、mは0又は1、nは1〜2の整
数が好ましい。
更に、前記一般式〔I〕中のYは、屈折率の点から が好ましい。
本発明に用いる前記一般式〔I〕で示されるチアジアゾ
ール化合物の構造は次の手段によって確認することがで
きる。
(イ)赤外吸収スペクトル(IR)を測定することによ
り、3150〜2800cm-1付近にC−H結合に基づく吸収、16
50〜1600cm-1付近に末端の不飽和炭化水素基に基づく吸
収、更にYが の場合は1750〜1700cm-1付近にカルボニル基に基づく特
性吸収を観察することができる。
(ロ)1H−核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)を測定す
ることにより、前記一般式〔I〕で示される本発明に用
いる化合物中に存在する水素原子の結合様式を知ること
ができる。前記一般式〔I〕で示される化合物の1H−NM
R(δ,ppm:テトラメチルシラン基準、重クロロホルム溶
媒)の代表例として、2.5−ビス−(p−エテニルベン
ジルチオ)1.3.4−チアジアゾールについて、1H−NMRを
第1図に示す。その解析結果を示すと次の通りである。
すなわち、4.4ppmにプロトン2個分に相当する一重線が
認められベンジル基のメチレン鎖(c)によるものと帰
属できる。5.0〜5.8ppmにプロトン2個分に相当する四
重線が認められエテニル基のメチレン(a)によるもの
と帰属できる。又、6.4〜7.0ppmにプロトン1個分に相
当する四重線が認められエテニル基のメチン(b)によ
るものと帰属できる。
7.3ppmにプロトン4個分に相当する一重線が認められフ
ェニル基に置換したプロトン(d),(e),(f),
(g)によるものと帰属できる。
(ハ)元素分析によって炭素、水素、窒素、イオウ、及
びハロゲンの各重量%を求め、さらに認知された各元素
の重量%の和を100から減じることによって酸素の重量
%を算出することができ、従って該化合物の組成式を決
定することができる。
本発明に用いる前記一般式〔I〕で示される化合物の製
造方法は特に限定されるものではない。具体例は後述す
る実施例に詳述するが代表的な製造方法を記述すれば以
下の様になる。
(i)一般式〔II〕 (但し、M1は水素原子又はアルカリ金属である。)で示
される化合物と 一般式〔III〕 X5Y 〔III〕 (但し、X5は塩素原子又は臭素原子であり、RはCH2C
H2 CH2 (但し、mは0以上の整数であり、n
は1以上の整数である。)であり、lは0又は1であ
り、Yは、lが0のときには (但し、R3は水素原子又はメチル基である。)であり、
lが1のときには (但し、R3は上記と同じ)又は (但し、X1,X2,X3,及びX4は、夫々同種又は異種の水
素原子又はハロゲン原子である。)である。) で示される化合物とを反応させる方法。
(ii)一般式〔IV〕 (但し、X6は塩素原子又は臭素原子である)で示される
化合物と 一般式〔V〕 M2−CRY 〔V〕 (但し、M2は水素原子又はアルカリ金属であり、Rは
CH2CH2 CH2 (但し、mは0以上の整数であ
り、nは1以上の整数である。)であり、lは0又は1
であり、Yはlが0のときには (但し、R3は水素原子又はメチル基である。)であり、
lが1のときには (但し、R3は上記と同じ)又は (但し、X1,X2,X3,及びX4は、夫々同種又は異種の水
素原子又はハロゲン原子である。)である。
で示される化合物とを反応させる方法。
(iii)一般式〔VI〕 (但し、RはCH2CH2OCH2 (但し、mは0以
上の整数であり、nは1以上の整数である。)であ
る。) で示される化合物と 一般式〔VII〕 (但し、X7は水素基、塩素原子又はアルコキシ基であ
り、R3は水素原子又はメチル基である。)で示される化
合物とをエステル化反応させる方法。(i)、(ii)及
び(iii)によって前記一般式〔I〕で示されるチアジ
アゾール化合物を得ることができる。
原料となる前記一般式〔I〕,〔II〕,〔III〕,〔I
V〕,〔V〕,〔VI〕及び〔VII〕は、如何なる方法で得
られたものでも使用できる。
前記一般式〔I〕で示される化合物を得る反応の具体例
を例示すれば以下の通りである。
(a)一般式〔II〕で示される化合物と一般式〔III〕
で示される化合物を反応させる方法及び一般式〔IV〕で
示される化合物と一般式〔V〕で示される化合物を反応
させる方法。これらの方法は反応系から脱ハロゲン化水
素又は脱ハロゲン化アルカリ金属させる方法である。
両化合物の仕込みモル比は必要に応じて適宜決定すれば
良いが、通常等モル使用するのが一般的である。又、該
反応において、M1及びM2が水素原子の場合には、一般に
脱ハロゲン化水素を反応系から除く為、反応系内にハロ
ゲン化水素捕捉剤として塩基を共存させることが好まし
い。該ハロゲン水素捕捉剤としての塩基は特に限定され
ず公知のものを使用することができる。一般に好適に使
用される塩基として、トリメチアミン、トリエチルアミ
ン等のトリアルキルアミン、ピリジン、テトラメチル尿
素等があげられる。また、炭酸アルカリ金属、水酸化ア
ルカリ金属等のアルカリ金属化合物を反応系内で反応さ
せ、チオラートとし脱ハロゲン化アルカリ金属させても
差しつかえない。
前記反応に際しては一般に、有機溶媒を用いるのが好ま
しい。該溶媒として好適に使用されるものを例示すれ
ば、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコー
ル類及びN,N′−ジメチルホルムアミド、N,N′−ジメチ
ルアセトアミド等のN,N′−ジアルキルアミド類等があ
げられる。
前記反応における温度は、原料の種類、溶媒の種類によ
って異なるが、一般には0℃〜溶媒を還流させる温度が
好ましい。反応時間も原料の種類によって異なるが、通
常5分から40時間、好ましくは30分から24時間の範囲か
ら選べば十分である。また反応中においては撹拌を行う
のが好ましい。
反応系から目的生成物、すなわち前記一般式〔I〕で示
される化合物を単離精製する方法は特に限定されず、公
知の方法が採用できる。
(b)一般式〔VI〕で示される化合物と一般式〔VII〕
で示される化合物とをエステル化反応させる方法。すな
わち一般式〔VII〕のX7が水酸基の場合は脱水反応、X7
が塩素原子の場合は脱塩化水素反応、X7がアルコキシ基
の場合は脱アルコール反応させる方法である。反応条件
は各方法によって異なり、脱水反応の場合には化合物の
どちらか一方を過剰に使用し、触媒として酸を用いるの
が好ましい。該触媒としては、硫酸、塩酸等の鉱酸、芳
香族スルホン酸等の有機酸、あるいは、フッ化ホウ素エ
ーテラート等のルイス酸が挙げられる。また、該反応は
平衡反応である為、副生する水を取り除くことが好まし
い。水を取り除く方法は特に限定されず、公知の方法が
採用できる。反応温度、反応時間は原料の種類、溶媒の
種類によって異なり、一般には、溶媒を還流させる温度
で、30分〜24時間が好ましい。反応系から目的物、すな
わち前記一般式〔I〕で示される化合物を単離精製する
方法は特に限定されず公知の方法が採用できる。
又、脱塩化水素反応の場合は、化合物は等モル使用し、
副生する塩化水素を反応系から除く為、反応系内に塩化
水素捕捉剤として塩基を共存させることが好ましい。
該塩化水素捕捉剤としての塩基は特に限定されず公知の
ものを使用することができる。一般に好適に使用される
塩基としてトリメチルアミン、トリエチルアミン等のト
リアルキルアミン、ピリジン、テトラメチル尿素、炭酸
ナトリウム等があげられる。該反応は有機溶媒を用いる
のが好ましい。
反応温度、反応時間は原料の種類、溶媒の種類によって
異なり、一般には−20〜100℃で5分〜12時間が好まし
い。反応系から目的生成物すなわち前記一般式〔I〕で
示される化合物を単離精製する方法は特に限定されず公
知の方法が採用できる。
脱アルコール反応の場合は、化合物のどちらか一方を過
剰に使用し、触媒として酸又は塩基を用いるのが好まし
い。該酸触媒としては硫酸、p−トルエンスルホン酸等
があげられ、塩基触媒としてはカリウム−t−ブトキシ
ド等のカリウムアルコキシド等があげられる。
また、該反応は平衡反応である為、副生するアルコール
を反応系外に取り除くのが好ましい。前記反応は、一般
に無溶媒で行われるが、原料が固体である場合は、副生
するアルコールよりも沸点の高い溶媒を用いるのが好ま
しい。
反応温度、反応時間は原料の種類、副生するアルコール
の種類によって異なるが、一般にはアルコールが留出す
る温度で30分〜24時間が好ましい。反応系から目的物、
すなわち前記一般式〔I〕で示される化合物を単離精製
する方法は特に限定されず公知の方法が採用できる。
本発明に用いる前記一般式〔I〕で示される化合物は高
屈折率で比重が小さく、透明性、硬度、耐候性等に優れ
た樹脂を与える架橋性単量体として有用である。また、
該化合物は常温で固体又は粘稠な液体であり、重合して
得られる樹脂の屈折率、光学的、均質性を保持するた
め、その単独重合体の屈折率が1.55以上のラジカル重合
可能な液状不飽和単量体と共重合するのが好ましい。該
不飽和単量体の例をあげると次の通りである。尚アクリ
レート及びメタアクリレートを総称して(メタ)アクリ
レートと記す。
フェニル(メタ)アクリレート、モノクロロフェニル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート
等の(メタ)アクリレート;スチレン、クロロスチレ
ン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ジビニルベン
ゼン、メチルスチレン、メトキシスチレン等のスチレン
類;ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレート
等のアクリル化合物類等及びこれらの混合物である。
本発明において光学材料とりわけレンズ材料を得る際、
該単量体の組成割合は、それぞれの単量体の種類によっ
て好適な割合がある為に一概に限定できないが、総じて
一般式〔I〕で示される化合物が20〜80重量%の範囲が
好ましく用いられ、より好ましくは30〜70重量%の範囲
で使用される。前記一般式〔I〕で示される化合物の使
用量が20重量%未満になると本発明の目的である高屈折
率樹脂が得られにくく、また、架橋が十分に進まない為
に耐衝撃性、耐熱性が低下する傾向がみられる。
前記の単量体組成物を用いて高屈折率樹脂を得る重合方
法は、特に限定的でなく、公知の注型重合方法を採用で
きる。重合開始手段は、種々の過酸化物やアゾ化合物等
のラジカル重合開始剤の使用、又は紫外線、α線、β
線、γ線等の照射或いは両者の併用によって行うことが
できる。代表的な重合方法は例示すると、エラストマー
ガスケットまたはスペーサーで保持されているモールド
間に、ラジカル重合開始剤を含む前記の単量体組成物を
注入し、空気炉中で硬化させた後、取出せばよい。
ラジカル重合開始剤としては、特に限定されず、公知の
ものが使用できるが、代表的なものを例示すると、ベン
ゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキ
サイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオ
キサイド、アセチルパーオキサイド等のジアシルパーオ
キサイド;t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネー
ト、t−ブチルパーオキシネオデカネート、クミルパー
オキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート等のパーオキシエステル;ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシ
ジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボ
ネート等のパーカーボネート;アゾビスイソブチロニト
リル等のアゾ化合物である。該ラジカル重合開始剤の使
用量は、重合条件や開始剤の種類、前記の単量体組成物
の組成によって異なり、一概に限定はできないが、一般
には、単量体組成物100重量部に対して0.01〜10重量
部、好ましくは0.01〜5重量部の範囲で用いるのが好適
である。
重合条件のうち、特に温度は得られる高屈折率樹脂の性
状に影響を与える。この温度条件は、開始剤の種類と量
や単量体組成物の種類によって影響を受けるので、一概
に限定できないが、一般的に比較的低温下で重合を開始
し、ゆっくりと温度をあげて行き、重合終了時に高温下
に硬化させる所謂テーパ型の2段重合を行うのが好適で
ある。重合時間も温度と同様に各種の要因によって異な
るので、予めこれらの条件に応じて最適の時間を決定す
るのが好適であるが、一般に2〜40時間で重合が完結す
るように条件を選ぶのが好ましい。
勿論、前記重合に際し、離型剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、着色防止剤、帯電防止剤、ケイ光染料、染料、顔
料等の各種安定剤、添加剤は必要に応じて選択して使用
することが出来る。
さらに、上記の方法で得られる高屈折率樹脂は、その用
途に応じて以下のような処理を施すことも出来る。即
ち、分散染料などの染料を用いる染色、シランカップリ
ング剤やケイ素、ジルコニア、アンチモン、アルミニウ
ム等の酸化物のゾルを主成分とするハードコート剤や、
有機高分子体を主成分とするハードコート剤によるハー
ドコーティング処理や、SiO2,TiO2,ZrO等の金属酸化物
の薄膜の蒸着や有機高分子体の薄膜の塗布等による反射
防止処理、帯電防止処理等の加工及び2次処理を施すこ
とも可能である。
〔効果〕
本発明に用いるチアジアゾール化合物は高屈折率で比重
が小さく透明性硬度、耐候性等に優れた樹脂を与える架
橋性単量体として有用である。該化合物と不飽和単量体
との共重合により得られる共重合体である高屈折率樹脂
は、有機ガラスとして有用であり、例えば、メガネレン
ズ、光学機器レンズ等の光学レンズとして最適であ
り、;プリズム;光ディスク基板;光ファイバー等の用
途に好適に使用することができる。
〔実施例〕
以下、本発明を具体的に説明するために、実施例を挙げ
て説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
尚、実施例において得られた及び高屈折率樹脂は、下記
の試験法によって諸物性を測定した。
(1)屈折率 アッベの屈折計を用いて20℃における屈折率を測定し
た。接触液には、ブロモナフタリンを使用した。
尚、チアジアゾール化合物の屈折率は液状の不飽和単量
体に溶解し外挿法により求めた。
(2)硬度 ロックウェル硬度計を用い、厚さ2mmの試験片について
L−スケールでの値を測定した。
(3)外観 目視により判定した。
(4)耐候性 スガ試験機(株)製ロングライフキセノンフェードメー
ター(FAC-25AX-HC型)中に試料を設置し、100時間キセ
ノン光を露光した後、試料の着色の程度を目視で観察
し、ポリスチレンに比べ着色の程度の低いものを○、同
等のものを△、高いものを×で評価した。
尚以下の実施例で使用した不飽和単量体は下記の記号で
表した。但し〔 〕内は単独重合体の屈折率である。
St:スチレン1.590 ClSt:クロロスチレン(o体、m体の混合物)1.610 CVB:ジビニルベンゼン1.615 PhMA:フェニルメタクリレート1.571 BzMA:ベンジルメタクリレート1.568 ClBzMA:モノクロロベンジルメタクリレート(o体m体
混合物1.582 製造例1 2.5−ビス(p−エテニルベンジルチオ)−1.3.4−チオ
ジアゾールの製造 2.5−ジメルカプト−1.3.4−チアジアゾール15g(0.1mo
l)をN,N′−ジメチルホルムアミド150mlに溶解し、p
−クロロメチルスチレン32.0g(0.21mol)を加え水浴中
に設置した。次いで炭酸カリウム29.0g(0.21mol)を徐
々に添加した。1時間撹拌した後、該反応混合物を水30
0mlにあけた。300mlのクロロホルムで抽出した後、クロ
ロホルム層を2N−塩酸50mlで1回洗浄し、次いで、水50
mlで2回洗浄した。クロロホルム層を無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、クロロホルムを減圧下で留去した後、残
渣をメタノールで再結晶し、18.6gの結晶を得た。
得られた結晶の赤外スペクトル(島津製作所製IR-440IN
FRARED SPECTROPHOTOMETER)を測定した結果は、第2図
に示す通りであり、3150〜2900cm-1にC−Hに基づく吸
収、1640cm-1に末端の不飽和炭化水素基に基づく吸収を
観察することができる。
その元素分析値はC62.77%,H4.72%,N7.35%,S25.16%
であって、組成式C10H18N2S3に対する計算値であるC62.
83%,H4.71%,N7.33%,S25.13%に良く一致した。
また1H‐NMR(JEOL社製JNM-PMX60SINMR-SPECT ROMETE
R)(δ,ppm:テトラメチルシラン基準、重クロロホルム
溶媒)の測定結果を第1図に示した。その解析結果を示
すと次の通りである。
すなわち、4.4ppmにプロトン2個分に相当する一重線が
認められベンジル基のメチレン鎖(c)によるものと帰
属できる。5.0〜5.8ppmにプロトン2個分に相当する四
重線が認められエテニル基のメチレン(a)によるもの
と帰属できる。又6.4〜7.0ppmにプロトン1個分に相当
する四重線が認められエテニル基のメチン(b)による
ものと帰属できる。7.3ppmにプロトン4個分に相当する
一重線が認められフェニル基に置換したプロトン
(d),(e),(f),(g)によるものと帰属でき
る。
上記の結果から単離生成物が、2.5−ビス(pエテニル
ベンジルチオ)−1.3.4−チアジアゾールであることが
明らかになった。
収率は、2.5−ジメルカプト−1.3.4−チアジアゾールに
対して、48.7%(0.0487mol)であった。
更に屈折率を外挿法により求めたところnD 201.666であ
った。
製造例2 2.5−ビス(メタクリロキシエチルチオ)−1.3.4−チア
ジアゾールの製造 2.5−ビス(β−ヒドロキシエチルチオ)−1.3.4−チア
ジアゾールの23.8g(0.1mol)にクロロホルム150ml、ピ
リジン17.4g(0.22mol)を加え、氷水中に設置した。次
いで、メタクリル酸クロライド23.0g(0.22mol)を徐々
に添加した。1時間撹拌した後、室温にもどし、更に1
時間撹拌した。該反応混合物を水200mlにあけ、クロロ
ホルム150mlを加えた。クロロホルム層を2N−水酸化ナ
トリウム水溶液50mlで1回洗浄し、次いで水50mlで2回
洗浄した。クロロホルム層を無水硫酸マグネシウムで乾
燥し、クロロホルムを減圧下で留去した後、残渣をイソ
プロピルアルコールで再結晶し12.4gの結晶を得た。
得られた結晶の赤外吸収スペクトルを測定した結果は第
4図に示す通りである。
その元素原籍値はC44.86%,H4.83%,N7.53%,S25.70%
であって、組成式C14H18N2S3O4に対する計算値であるC4
4.92%、H4.81%,N7.49%,S25.67%に良く一致した。
また、1H−NMR(δ,ppm:テトラメチルシラン基準、重ク
ロロホルム溶媒の測定結果を第3図に示した。その解析
結果を示すと次の通りである。
すなわち、1.9ppmにプロトン3個分に相当する一重線が
認められ、メタクリロイル基のメチル(b)によるもの
と帰属できる。3.4〜3.7ppmにプロトン2個分に相当す
る三重線が認められ、エチルチオ基のイオウ原子側のメ
チレン(d)によるものと帰属できる。4.3〜4.6ppmに
プロトン2個分に相当する三重線が認められ、エチルチ
オ基のエステル側のメチレン(c)によるものと帰属で
きる。5.5〜6.1ppmにプロトン2個分に相当する二重線
が認められ、メタクリロイル基のメチレン(a)による
ものと帰属できる。
上記の結果から単離生成物が、2.5−ビス(メタクリロ
イルオキシエチルチオ)−1.3.4−チアジアゾールであ
ることが明らかになった。
収率は2.5−ジメチルカプト−1.3.4−チアジアゾールに
対し33.2%(0.0332mol)であった。
更に屈折率を外挿法により求めたところnD 201.563であ
った。
製造例3 2.5−ビス(m−エテニルベンジルチオ)−1.3.4−チア
ジアゾールの製造 2.5−ジブロモ−1.3.4−チアジアゾール24.4g(0.1mo
l)をN,N′−ジメチルアセトアミド150mlに溶解し、m
−メルカプトメチルスチレン33.0g(0.22mol)と重合禁
止剤としてt−ブチルカテコール1.0gを加えた。還流さ
せて、3時間反応させた後、該反応混合物を水300mlに
あけた。300mlのクロロホルムで抽出した後、クロロホ
ルム層を2N−水酸化ナトリウム水溶液50mlで1回洗浄
し、次いで水50mlで2回洗浄した。
クロロホルム層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、クロ
ロホルムを減圧下で留去した後、残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーによって精製し、無色粘稠液体5.
8gを得た。
得られた液体の赤外吸収スペクトルを測定したところ、
3150〜2900cm-1にC−H結合に基づく吸収、1640cm-1
末端の不飽和炭化水素基に基づく吸収を示した。
その元素分析値は、C62.79%,H4.68%,N7.40%,S25.13
%であって組成式C10H18N2S3に対する計算値であるC62.
83%,H4.71%,N7.33%,S25.13%に良く一致した。
また1H−NMR(δ,ppm:テトラメチルシラン基準、重クロ
ロホルム溶媒)の測定結果を第5図に示した。その解析
結果を示すと次の通りである。
すなわち、4.4ppmにプロトン2個分に相当する一重線が
認められベンジル基のメチレン鎖(c)によるものと帰
属できる。5.0〜5.8ppmにプロトン2個分に相当する四
重線が認められエテニル基のメチレン(a)によるもの
と帰属できる。又、6.4〜7.0ppmにプロトン1個分に相
当する四重線が認められ、エテニル基のメチン(b)に
よるものと帰属できる。7.2〜7.5ppmにプロトン4個分
に相当する多重線が認められフェニル基に置換したプロ
トン(d),(e),(f),(g)によるものと帰属
できる。
上記の結果から単離生成物が2.5−ビス(m−エテニル
ベンジルチオ)−1.3.4−チアジアゾールであることが
明らかになった。
収率は2.5ジブロモ1.3.4チアジアゾールに対して15.2%
(0.0152mol)であった。
更に屈折率を外挿法により求めたところnD 201.662であ
った。
製造例4 製造例1〜3において詳細に記述したのと同様な方法に
より、第1表に記載したチアジアゾール化合物を合成し
た。尚第1表には合成したチアジアゾールの性状、元素
分析結果及び屈折率も併せて記した。
実施例1 製造例1で合成した2.5−ビス(pエテニルベンジルチ
オ)−1.3.4−チアジアゾール60重量部と不飽和単量体
としてスチレン40重量部の混合物100重量部に対してチ
ジカル重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサネート1重量部を添加しよく混合した。この
混合液をガラス板とエチレン−酢酸ビニル共重合体とか
ら成るガスケットで構成された鋳型の中へ注入し、注型
重合を行った。重合は、空気炉を用い、30℃から90℃で
18時間かけ、徐々に温度を上げて行き、90℃に2時間保
持した。重合終了後、鋳型を空気炉から取出し、放冷
後、重合体を鋳型のガラスからとりはずした。
得られた重合体は無色透明であり、屈折率1.661、比重
1.18、硬度115であり、耐候性も○であった。
実施例2 製造例2で合成した2.5−ビス(メタクリロキシエチル
チオ)−1.3.4−チアジアゾールを60重量部と不飽和単
量体としてスチレン40重量部の混合物を用いた以外、実
施例1と同様に実施した。
得られた重合体は無色透明であり屈折率1.600比重1.2
3、硬度110であり、耐候性も○であった。
実施例3 実施例1で合成した2.5−ビス(pエテニルベンジルチ
オ)−1.3.4−チアジアゾール及び第2表に示す不飽和
単量体から成る混合物を用いた以外、実施例1を全く同
様に実施した。得られた重合体の物性を測定して第2表
に示した。
実施例4 第3表に示すチアジアゾール化合物及び不飽和単量体か
ら成る混合物を用いた以外、実施例4と全く同様に実施
した。得られた重合体の物性を測定して第3表に示し
た。
【図面の簡単な説明】
第1図、第3図及び第5図は、夫々実施例1,2及び3で
得られた本発明の化合物の1H−核磁気共鳴スペクトルで
あり、第2図及び第4図は、実施例1及び2で得られた
本発明の化合物の赤外吸収スペクトルである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式 示されるチアジアゾール化合物と単独重合体の屈折率が
    1.55以上であるラジカル重合可能な単量体との共重合し
    てなる光学材料。
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