JPH11263749A - (メタ)アクリレート誘導体 - Google Patents

(メタ)アクリレート誘導体

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JPH11263749A
JPH11263749A JP6744498A JP6744498A JPH11263749A JP H11263749 A JPH11263749 A JP H11263749A JP 6744498 A JP6744498 A JP 6744498A JP 6744498 A JP6744498 A JP 6744498A JP H11263749 A JPH11263749 A JP H11263749A
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JP
Japan
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meth
group
compound
methyl
acrylate derivative
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Pending
Application number
JP6744498A
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English (en)
Inventor
Junji Momota
潤二 百田
Tadashi Hara
忠司 原
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高屈折率且つ室温付近で液状である、重合性
化合物を提供すること。 【解決手段】 下記一般式(1) 【化12】 (式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2、R
3は、それぞれ同一または異なる臭素原子、アルキル基
またはアルコキシ基であり、mは置換基R2の個数を示
し0〜3の整数であり、nは置換基R3の個数を示し0
〜2の整数であり、mが2以上の整数のときはR2は異
なる原子または基であってよく、またnが2のときはR
3は異なる原子または基であってよい。)で示される
(メタ)アクリレート誘導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重合性単量体とし
て特に光学材料として有用であり、その他、塗料、イン
ク、接着剤、感光性樹脂等に有用な新規(メタ)アクリ
レート誘導体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、無機ガラスに代わる有機ガラスに
ついては種々検討されてきたが、欠点も多く、まだ十分
に満足し得る性状のものは得られていない。例えば、メ
チルメタクリレートやジエチレングリコールビス(アリ
ルカーボネート)を主成分とする単量体を重合した重合
体は、レンズ等の光学材料として使用されるが、その屈
折率は約1.50と低い。
【0003】従来より屈折率を上げるため、単量体の分
子構造中に芳香環及び硫黄原子を導入することが検討さ
れており、例えば特開昭56−166214号公報には
下記式、
【0004】
【化3】
【0005】で示されるような臭素原子含有ビスフェノ
ールジメタクリレート誘導体を重合させた樹脂が提案さ
れている。また、特開昭58−153901号公報には
下記式、
【0006】
【化4】
【0007】で示されるようなジスチリル誘導体を重合
させた樹脂が提案されている。 しかし、これら化合物
は一般的に室温下では固体であるため、高屈折率で且つ
透明な光学材料を得ようとする場合、これら化合物を室
温付近で溶解する液体の重合性化合物(以下、希釈モノ
マーとも称する)に溶解させ、その後重合させることが
必要であり、操作が煩雑になるなどの欠点から、満足の
できないものであった。また、高屈折率の透明光学材料
を得ることのできる、室温で液状の重合性化合物の例と
しては、スチレンやベンジルメタクリレートが一般的に
あげられるが、これらはいずれも屈折率が1.58程度
であるため、上記のような固体の重合性化合物と組み合
わせて屈折率が1.60以上の透明光学材料を得るに
は、満足のできないものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のような先行技術
の下で、光学的な用途に好適に使用し得る、高屈折率、
室温下で液体の重合性化合物が強く求められている。
【0009】従って、本発明が解決しようとする課題
は、高屈折率で且つ室温付近で液体の重合性化合物を提
供することである。
【0010】
【課題を解決するためのの手段】本発明者らは、上記課
題を克服すべく鋭意研究した結果、分子中にナフタレン
メタノール基を有する(メタ)アクリレート誘導体が上
記目的を達成し得る重合性化合物であることを見いだ
し、本発明を提案するに至った。
【0011】即ち、本発明は、下記一般式(1)
【0012】
【化5】
【0013】(式中、R1は水素原子またはメチル基で
あり、R2、R3は、それぞれ同一または異なる臭素原
子、アルキル基またはアルコキシ基であり、mは置換基
2の個数を示し0〜3の整数であり、nは置換基R3
個数を示し0〜2の整数であり、mが2以上の整数のと
きはR2は異なる原子または基であってよく、またnが
2のときはR3は異なる原子または基であってよい。)
で示される(メタ)アクリレート誘導体である。
【0014】また、他の発明は、下記一般式(1)
【0015】
【化6】
【0016】(式中、R1は水素原子またはメチル基で
あり、R2、R3は、それぞれ同一または異なる臭素原
子、アルキル基またはアルコキシ基であり、mは置換基
2の個数を示し0〜3の整数であり、nは置換基R3
個数を示し0〜2の整数であり、mが2以上の整数のと
きはR2は異なる原子または基であってよく、またnが
2のときはR3は異なる原子または基であってよい。)
で示される(メタ)アクリレート誘導体を含む重合性組
成物であり、さらには、該重合性組成物を硬化させてな
る光学材料である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の一般式(1)中のR1
水素原子またはメチル基を示す。
【0018】本発明の一般式(1)中のR2、R3は、臭
素原子、アルキル基またはアルコキシ基を示す。該アル
キル基としては、炭素数に特に限定されるものではない
が、炭素数が1〜4のものが好ましく、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、n−、iso−またはte
rt−ブチル基等が挙げられる。またアルコキシ基とし
ては、炭素数に特に限定されるものではないが、炭素数
が1〜4のものが好ましく、例えばメトキシ基、エトキ
シ基またはプロポキシ基などが挙げられる。さらに
2、R3は、これらの置換基の中でも、臭素原子である
ことが高屈折率化の観点から好ましい。mは置換基R2
の個数であり0〜3の整数を示す。原料入手の容易さか
ら、好ましくは0〜1が好適である。また、nは置換基
3の個数であり0〜2の整数を示す。
【0019】一般式(1)で示される(メタ)アクリレ
ート誘導体は、高屈折率化の観点から、置換基R1が水
素原子またはメチル基であり、かつ、置換基R2、R3
臭素原子(ただし、mが0〜1、nが0〜2)であるこ
とが好ましい。
【0020】本発明の(メタ)アクリレート誘導体を具
体的に例示すると、 1)(1−ナフチル)メチルメタクリレート 2)(2−ナフチル)メチルメタクリレート 3)(1−ナフチル)メチルアクリレート 4)(2−ナフチル)メチルアクリレート 5)5,8−ジブロモ−(2−ナフチル)メチルメタア
クリレート 6)6−メトキシ−(2−ナフチル)メチルメタアクリ
レート 7)6−メチル−(2−ナフチル)メチルメタアクリレ
ート 8)4−ブロモ−(1−ナフチル)メチルメタクリレー
ト 9)4,7−ジブロモー6−メチル−(1−ナフチル)
メチルアクリレート 等を挙げることができる。
【0021】本発明の前記一般式(1)で示される(メ
タ)アクリレート誘導体の構造は次の(a)〜(c)の
手段によって確認することができる。
【0022】(a)赤外吸収スペクトル(IR)を測定
することにより、3150〜2800cm-1付近にC−
H結合に基づく吸収、1780〜1730cm-1付近に
C=O結合に基づく吸収、1650〜1600cm-1
近に末端の不飽和炭化水素基に基づく吸収を観察するこ
とができる。
【0023】(b)プロトン核磁気共鳴スペクトル(1
H−NMR)を測定することにより、分子中に存在する
プロトンの種類と個数を知ることができる。すなわち、
δ7〜8ppmにアロマティックなプロトンに基づくピ
ーク、δ5.7〜6.2ppmに末端ビニリデンプロト
ンに基づくピーク、δ5.5〜6.0ppm付近にナフ
タレンメタノール基のメチル基に基づくプロトンのピー
ク、R1がメチル基の場合はδ2ppm付近にメチル基
に基づくプロトンのピークが現れる。また、R1が水素
原子の場合は、δ5.6〜7ppmにアクリル酸エステ
ルに特有なパターンで3個のプロトンのピークが現れ
る。また、それぞれのδピーク強度を相対的に比較する
ことにより、それぞれの結合基のプロトン数を知ること
ができる。
【0024】(c)元素分析によって炭素、水素、窒
素、イオウ、ハロゲンの重量%を求めることができる。
さらに、認知された各元素の重量%の和を100から減
ずることにより、酸素の重量%を算出することができ
る。従って、相当する生成物の組成を決定することでき
る。
【0025】一般式(1)で示される(メタ)アクリレ
ート誘導体は、どのような方法により得ても良いが、代
表的な製造方法を記述すると下記の方法を挙げることが
できる。
【0026】下記一般式(2)
【0027】
【化7】
【0028】(但し、式中のR2、R3、m及びnは前記
一般式(1)における定義と同じである。)で示される
ナフタレンメタノール誘導体を、縮合剤の存在下で、メ
チル(メタ)アクリレート等のメタクリル酸エステル化
合物、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸
または(メタ)アクリル酸クロライドと反応させる方法
である。
【0029】前記縮合反応において、一般式(2)で示
されるナフタレンメタノール誘導体と前述のメタクリル
酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸無水物、(メ
タ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸クロライドと
の反応割合は、広範囲でよいが、一般にはモル比で、
1:1〜1:10、好ましくは1:1〜1:5の範囲で
ある。反応は通常−40〜80℃、好ましくは0〜70
℃の範囲で、反応時間は通常10分〜72時間で実施さ
れる。また、反応は溶媒を用いて行うのが適当であり、
その溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、トルエンなどが挙げられる。
【0030】この縮合反応は、一般的に水素化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウ
ム、ピリジン、ジエチルアミンなどの縮合剤の存在下に
行われる。かかる縮合剤は前記一般式(2)で示される
ナフタレンメタノール誘導体1モルあたり、通常0.0
1〜2モルの範囲で使用される。
【0031】また、縮合反応中の重合をさけるため、必
要に応じてメトキシハイドロキノンまたはジ−t−ブチ
ルヒドロキシトルエン(BHT)等の重合禁止剤の存在
下で縮合反応を行っても良い。そのときの重合禁止剤の
添加量はそれぞれの反応条件によるが、一般的には前記
一般式(2)で示されるナフタレンメタノール誘導体と
前述のメタクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル
酸無水物、(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル
酸クロライドの合計重量に対して、0.1〜5重量%、
好ましくは0.5〜2重量%の範囲である。
【0032】反応系から目的生成物、即ち前記一般式
(1)で示される(メタ)アクリレート誘導体を単離精
製する方法は特に限定されず、公知の方法が採用でき
る。
【0033】本発明の前記一般式(1)で示される(メ
タ)アクリレート誘導体は、高屈折率の重合性化合物で
あり、無色透明の耐熱性、耐衝撃性および耐光性に優れ
た樹脂を与える。従って、レンズ等の光学材料を得るた
めの重合性化合物として有用である。なおかつ、本発明
の(メタ)アクリレート誘導体は、室温付近で液状であ
るため、重合時に他の重合性化合物で溶解させる必要も
ない。更に、高屈折率且つ室温付近で液状であるため固
体の重合性化合物を溶解するための高屈折率の希釈モノ
マーとしても有用である。
【0034】本発明の(メタ)アクリレート誘導体を用
いて光学材料、とりわけレンズ材料を得る際、前記一般
式(1)で示される(メタ)アクリレート誘導体とラジ
カル共重合可能な不飽和単量体と共重合しても差し支え
ない。共重合可能な単量体を例示すると、次の通りであ
る。エチレングリコールジアクリレート、ジエチレング
リコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジ
メタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリ
レート、プロピレングリコールジメタクリレート、トリ
プロピレングリコールジメタクリレート、テトラプロピ
レングリコールジメタクリレート、エチレングリコール
ビスグリシジルメタクリレート、ビスフェノールAジメ
タクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキ
シエトキシフェニル)プロパン等の多価アクリル酸およ
びメタクリル酸エステル化合物;ジアリルフタレート、
ジアリルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、酒
石酸ジアリル、エポキシコハク酸ジアリル、ジアリルフ
マレート、クロレンド酸ジアリル、ヘキサフタル酸ジア
リル、ジアリルカーボネート、アリルジグリコールカー
ボネート、トリメチロールプロパントリアリルカーボネ
ート等の多価アリル化合物;1,2−ビス(メタクリロ
イルチオメチル)ベンゼン、エタンジチオールチオメタ
クリレート、ベンゼンジチオールジチオメタクリレー
ト、キシリレンジチオールジチオメタクリレート等の多
価チオアクリル酸およびチオメタクリル酸エステル;グ
リシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、β
ーメチルグリシジルメタクリレート、ビスフェノールA
−モノグリシジルエーテル−メタクリレート、4−グリ
シジルオキシメタクリレート、3−(グリシジル−2−
オキシエトシキ)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート、3−(グリシジルオキシ−1−イソプロピルオキ
シ)−2−ヒドキシプロピルアクリレート等のエポキシ
基を有するアクリル酸およびメタクリル酸エステル化合
物;ジビニルベンゼン等のラジカル重合性多官能単量体
の重合体を挙げることができる。
【0035】また、アクリル酸、メタクリル酸、無水マ
レイン酸等の不飽和カルボン酸;アクリル酸メチル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル
酸フェニル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の
アクリル酸およびメタクリル酸エステル化合物;フマル
酸ジエチル、フマル酸ジフェニル等のフマル酸エステル
化合物;メチルチオアクリレート、ベンジルチオアクリ
レート、ベンジルチオメタクリレート等のチオアクリル
酸およびチオメタクリル酸エステル化合物;スチレン、
クロロスチレン、メチルスチレン、ビニルナフタレン、
α−メチルスチレン、α−メチルスチレンダイマー、ブ
ロモスチレン等のビニル化合物が挙げられる。
【0036】さらには、エタンジチオール、プロパント
リオール、ヘキサンジチオール、ペンタエリスリトール
テトラキスチオグリコレート、キシレンジイソシアネー
ト、p−フェニレンジイソシアネート等の多価イソシア
ネート化合物とエチレングリコール、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA等の
多価アルコール化合物または前記した多価チオール化合
物との付加重合体が挙げられる。これらの原料モノマー
は1種または2種以上混合して使用できる。
【0037】本発明において、光学材料とりわけレンズ
材料を得る際、その単量体の組成比は前記一般式(1)
で示される(メタ)アクリレート誘導体の割合が、5〜
60重量%、特に5〜40重量%の範囲で使用するのが
好ましい。
【0038】本発明の前記一般式(1)で示される(メ
タ)アクリレート誘導体を含む重合性組成物の重合方法
は特に限定的でなく、公知の注型重合方法を採用でき
る。重合開始手段は、種々の過酸化物やアゾ化合物など
のラジカル重合開始剤の使用、または紫外線、α線、β
線、γ線等の照射あるいは両者の併用によって行うこと
ができる。代表的な重合方法を例示すると、エラストマ
ーガスケットまたはスペーサーで保持されているモール
ド間に、ラジカル重合開始剤を含む前記の重合性組成物
を注入し、空気炉で硬化させた後、取り出す注型重合が
採用される。
【0039】ラジカル重合開始剤としては、特に限定さ
れず、公知のものが使用できるが、代表的なものを例示
すると、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾ
イルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウ
ロイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド等のジ
アシルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシジカーボネ
ート、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパ
ーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル;ジイソ
プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘ
キシルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチル
オキシカーボネート等のパーカーボネート類;2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス
(4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス
(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス
(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)等のアゾ化合
物である。該ラジカル重合開始剤の使用量は、重合条件
や開始剤の種類、前記の重合性組成物の種類や組成によ
って異なり、一概に限定できないが、一般には、全単量
体100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲で
用いるのが好適である。
【0040】重合条件のうち、特に温度は得られる樹脂
の性状に影響を与える。この温度条件は、開始剤の種類
と量や単量体の種類に影響を受けるので、一概には限定
できないが、一般的に比較的低温で重合を開始し、ゆっ
くりと温度を上げていき、重合終了時に高温下に硬化さ
せるいわゆるテーパ型の2段重合を行うのが好適であ
る。
【0041】重合時間も温度と同様に各種の要因によっ
て異なるので、予めこれらの条件に応じた最適の時間を
決定するのが好適であるが、一般に2〜40時間で重合
が完了するように条件を選ぶのが好ましい。
【0042】また紫外線を用いた公知の光重合によって
も同様に注型重合が実施できる。この際には、光重合開
始剤としてベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベ
ンゾインブチルエーテル、ベンゾフェノール、アエトフ
ェノン4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ジエトキシ
アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニルプロパン−1−オン、ベンジルメチルケタール、
1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−
2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン、2−イソプロピルチオオキサ
ントン等が挙げられる。これら光重合開始剤は、全単量
体100重量部に対して0.001〜5重量部の範囲で
用いるのが一般的である。
【0043】勿論、前記重合に際し、離型剤、紫外線吸
収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、着色防止剤、帯電防
止剤、蛍光染料、染料、顔料、フォトクロミック化合
物、香料等の添加剤は必要に応じて選択して使用するこ
とができる。
【0044】また上記の方法で得られる樹脂は、その用
途に応じて以下のような処理を施すこともできる。即
ち、分散染料などの染料を用いる染色、シランカップリ
ング剤やケイ素、ジルコニウム、アンチモン、アルミニ
ウム等の酸化物のゾルを主成分とするハードコート剤
や、有機高分子体を主成分とするハードコート剤による
ハードコーティング処理や、SiO2、TiO2、ZrO
2等の金属酸化物の薄膜の蒸着や有機高分子体の薄膜の
塗布等による反射防止処理、帯電防止処理等の加工及び
2次処理を施すことも可能である。
【0045】
【発明の効果】本発明の(メタ)アクリレート誘導体
は、高屈折率で、しかも室温下で液状であり、他の固体
重合性化合物の溶解性が高く、さらに、無色透明の耐熱
性、耐衝撃性及び耐光性に優れた樹脂を与える単量体と
して有用である。
【0046】このため、本発明の(メタ)アクリレート
誘導体の単独重合体または該誘導体と不飽和単量体との
共重合体は有機ガラス、特に光学材料として有用であ
り、例えば、眼鏡レンズ、光学機器レンズ等の光学レン
ズとして最適であり、また、プリズム、光ディスク基
盤、光ファイバー等の用途に好適に使用できる。
【0047】
【実施例】以下、本発明を具体的に説明するために、実
施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。実施例中の「部」は「重量部」
である。以下に実施例及び比較例で使用する化合物の略
号について説明する。
【0048】1)ラジカル重合性単量体 TB:
【0049】
【化8】
【0050】3S4G:
【0051】
【化9】
【0052】GMA:グリシジルメタクリレート α−MS:α−メチルスチレン α−MSD:α−メチルスチレンダイマー 2)重合開始剤 パーブチルND:t−ブチルパーオキシネオデカネート
(商品名:パーブチルND、日本油脂(株)社製) パーオクタO:1,1,3,3−テトラメチルブチルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサネート(商品名:パーオク
タO、日本油脂(株)社製) なお、実施例において得られた一般式(1)で示される
(メタ)アクリレート誘導体、及び該誘導体を用いた樹
脂は、下記の試験法によって諸物性を測定した。
【0053】(1)IRスペクトル BIO−RAD製DIGILAB FTS−7型フーリ
エ変換赤外分光光度計を用い、KBr法または液膜法を
用いて測定した。
【0054】(2)1H−NMRスペクトル 試料をCDCl3に希釈し、テトラメチルシランを内部
標準として測定した。
【0055】(3)元素分析 (株)柳本製作所製 CHNコーダ MT−2型を用
い、炭素、水素、窒素、イオウ及びハロゲンの分析を行
った。
【0056】(4)屈折率及びアッベ数 アタゴ(株)製アッベ屈折計を用いて、20℃における
屈折率及びアッベ数を測定した。接触液にはブロモナフ
タリンまたはヨウ化メチレンを使用した。
【0057】(5)外観 目視により色及び透明性を判定した。
【0058】(6)比重 ミラージュ貿易(株)製電子比重計(ED−120T
型)を用いて測定した。
【0059】(7)耐光性 スガ試験機(株)製ロングライフキセノンフェードメー
ター(FAC−25AX−HC型)中に試料を設置し、
100時間キセノン光を露光した後、スガ試験機(株)
製色差計(SM−4型)で試料のYIを測定し、初期の
YIに対する増加分△YIで示した。
【0060】(8)耐衝撃性 厚さ2mm、直径65mmの試験板に127cmの高さ
から鋼球を自然落下させ、該試料板が破損したときの鋼
球の重さが20g以下の場合を1、20〜40gの場合
を2、40〜60gの場合を3、60〜80gの場合を
4、80g以上の場合を5で評価した。
【0061】(9)耐熱性 成型した樹脂をフレームにはめ込み、120℃に加熱し
た後、枠ずれのないものを○、枠ずれのあるものを×で
評価した。
【0062】実施例1 温度計、撹拌機及び滴下ロートを備え付けた3つ口フラ
スコに1−ナフタレンメタノール50g(0.32mo
l)、メチルメタクリレート100g(1mol)、メ
トシキハイドロキノン1g(0.008mol)及び炭
酸カリウム1g(0.007mol)を仕込み、ヘキサ
ン100mlに溶解し、70℃に加熱した。反応中は、
よく撹拌を行い、さらに留去してくるメタノールを分
離、除去して、10時間反応を行った。反応終了後、固
体を濾別し、濾液の溶媒を減圧下で留去した。その後ト
ルエン200mlを加え、よく混合溶解させ、その有機
層を希塩酸及び希炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、
水洗した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶
媒を減圧下で留去することにより、淡黄色の液体を得
た。この液体をクロロホルムに溶解し、シリカカラム処
理した後、溶媒を減圧下で留去した。そこにトルエン2
00mlを加え溶解させた後、活性炭3gを添加し、室
温下で30分撹拌した。活性炭を濾別後、濾液の溶媒を
減圧下で留去したところ、無色の液体63gを得た。
【0063】このもののIRスペクトルにおいて、16
35cm-1にC=C結合に基づく吸収、1720cm-1
にC=O結合に基づく吸収が認められた(図1)。
【0064】また、このものの1H−NMRスペクトル
では、δ7.3〜8.1ppm付近にナフタレン環由来
の7Hプロトンのピークが、δ5.5〜6.1ppm付
近に末端ビニリデン基の2Hプロトンとナフタレンメタ
ノールのメチル基に由来する2Hプロトンのピークが、
δ2.0ppm付近にメチル基に由来する3Hプロトン
のピークが確認された(図2)。
【0065】さらに、この化合物の元素分析は、C7
9.60%、H6.20%およびO14.20%であっ
て、C15H14O2に対する計算値であるC79.6
5%、H6.19%およびO14.16%にきわめてよ
く一致した。
【0066】上記の結果から、得られた液体が、下記の
構造式で示される(1−ナフチル)メチルメタクリレー
トであることを確認した。
【0067】
【化10】
【0068】実施例2〜9 実施例1において原料である1−ナフタレンメタノール
並びにメチルメタクリレートを表1に示した種々の化合
物に変更した他は、実施例1と同様の方法により、種々
の(メタ)アクリレート誘導体を合成した。結果を表1
に示した。なお、得られた化合物のIRスペクトル、N
MRスペクトル及び元素分析値を表2に記した。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】実施例10 実施例1で得られた(メタ)アクリレート誘導体20重
量部、TB45重量部、3S4G22重量部、GMA5
重量部、α−MS8重量部、α−MSD1重量部、ラジ
カル重合開始剤として、パーオクタO0.4重量部及び
パーブチルND0.5重量部を添加してよく混合した。
この混合液をガラス板とエチレン−酢酸ビニル共重合体
とからなるガスケットで構成された鋳型の中に注入し、
注型重合を行った。重合は空気炉を用い、30℃から9
0℃まで17時間かけて徐々に温度を上げていき、90
℃で5時間保持した。重合終了後、鋳型を空気炉から取
り出し、放冷後、重合体を鋳型のガラスから取り出し
た。
【0074】得られた重合体は無色透明であり、屈折率
(nD20)1.597、アッベ数32、比重1.35で
あり、耐光性、耐熱性は○であり、耐衝撃性の程度は4
であった。
【0075】実施例11〜24 実施例1〜9で得られた(メタ)アクリレート誘導体の
単独重合もしくは共重合可能なビニル単量体との共重合
を、実施例10と同様の重合方法で行った。結果並びに
そのときの共重合組成を表3に示した。
【0076】比較例1,2 実施例10において用いた実施例1で得られた(メタ)
アクリレート誘導体を、ベンジルメタクリレートまたは
スチレンに代えた以外は、実施例10と同様に行った。
結果を表3に示した。
【0077】
【表5】
【0078】
【表6】
【0079】
【表7】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実施例1で得られた本発明の(メ
タ)アクリレート誘導体の赤外吸収スペクトルのチャー
トである。
【図2】 図2は、実施例1で得られた本発明の(メ
タ)アクリレート誘導体の1H−核磁気共鳴スペクトル
のチャートである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2、R
    3は、それぞれ同一または異なる臭素原子、アルキル基
    またはアルコキシ基であり、mは置換基R2の個数を示
    し0〜3の整数であり、nは置換基R3の個数を示し0
    〜2の整数であり、mが2以上の整数のときはR2は異
    なる原子または基であってよく、またnが2のときはR
    3は異なる原子または基であってよい。)で示される
    (メタ)アクリレート誘導体。
  2. 【請求項2】 下記一般式(1) 【化2】 (式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2、R
    3は、それぞれ同一または異なる臭素原子、アルキル基
    またはアルコキシ基であり、mは置換基R2の個数を示
    し0〜3の整数であり、nは置換基R3の個数を示し0
    〜2の整数であり、mが2以上の整数のときはR2は異
    なる原子または基であってよく、またnが2のときはR
    3は異なる原子または基であってよい。)で示される
    (メタ)アクリレート誘導体を含む重合性組成物。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の重合性組成物を硬化させ
    てなる光学材料。
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KR100944227B1 (ko) * 2007-12-17 2010-02-24 제일모직주식회사 방향족 산 분해성 기를 갖는 (메타)아크릴레이트 화합물 및감광성 고분자 및 레지스트 조성물
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KR100952465B1 (ko) 2007-12-18 2010-04-13 제일모직주식회사 방향족 (메타)아크릴레이트 화합물 및 감광성 고분자, 및레지스트 조성물

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