JPH0745927B2 - 石油燃焼器の芯上下装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は灯芯式石油燃焼器の芯上下装置に関するもので
ある。

従来の技術 一般にこの種の石油燃焼器は灯芯を上下動させて燃焼・
消火を行なうようになっており、その灯芯の上下動は第
７図に示すように灯芯71にピン72を介して連係させたレ
バー73を上下動させることによって行なうようになって
いた。なお図中74はレバー73の枢支点、75は燃料タン
ク、76は芯案内筒、77は芯外筒、78は燃焼筒である。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記構成の石油燃焼器は、最近ストーブ本
体を小型化されており、それに伴ないレバー73の枢支点
74からの距離ｌが短かくなり、レバー73の僅かの操作で
灯芯71が大きく動き、使用者の燃焼量を少し調節しよう
とした場合に微調節が非常にしにくく使い勝手面では今
一歩という問題点があった。

本発明はこのような点に鑑みてなしたもので、燃焼量の
調節が容易かつ安価に行なえるようにすることを目的と
したものである。

問題点を解決するための手段 本発明は上記目的を達成するため、上下動自在な灯芯
と、この灯芯を上下動させる芯上下レバーと、上記芯上
下レバーを小刻みに駆動する芯上下微調節機構とを備
え、前記芯上下微調節機構は芯上下レバーに一体的に設
けたラックと、このラックの移動軌跡上位置に非接触に
配設した芯上下微調節用のピニオンとを有し、上記ピニ
オンはラックに対して接離かつ回動自在に設けるととも
に芯上昇用と芯下降用の二つを並設し、かつ前記二つの
ピニオンの間に一つの操作体を設け、この操作体は前記
芯上昇用と芯下降用の各ピニオン側に回動自在に枢支し
て、その回動操作により各ピニオンをラックに対し接離
かつ回動動作させることによりラックを一ピッチ刻みに
駆動するように構成したものである。

作 用 本発明は上記構成によって芯上下レバーあるいは芯上下
微調節機構のいずれによっても燃焼量を調節することが
でき、したがってまず芯上下レバーで点・消火のための
芯上下や大巾な燃焼量調節を行ない、その後芯上下微調
節機構で小刻みな燃焼量調節を容易に行なうことができ
るとともに、上記小刻みな燃焼量調節は一つの操作体で
行なうことができ、芯上下微調節機構の簡素化とコスト
ダウンが可能となる等、安価で使い勝手のよいものとな
る。

実 施 例 以下その実施例を第１図〜第６図を用いて説明する。

まず第３図、第４図において、１は芯案内筒、２は芯案
内筒１の外周に間隙をおいて配設した芯外筒、３は芯案
内筒１と芯外筒２との間に上下動自在に設けた灯芯、４
は灯芯３から気化した燃料を燃焼させる燃焼筒である。

次に上記灯芯３を上下動させる手動操作の芯上下機構５
について同じく第３図、第４図を用いて説明する。まず
６は上記灯芯３を上下動させる芯上下体（以下芯上下レ
バーと称す）で、灯芯３とは適当な連係手段を介してそ
の一端部を連係させてある。この芯上下レバー６は芯上
下基板７にピン８（第１図参照）によってその途中を回
動自在に枢支してある。９は上記芯上下レバー６ととも
にピン８によって芯上下基板７に枢支した点火レバー
で、その一端部9aによって点火装置（図示せず）を作動
させ灯芯３を点火するようになっており、点火動作後は
自動的に元の位置に復帰するようになっている。10はこ
の点火レバー９と同様芯上下レバー６とともにピン８に
よって芯上下基板７に枢支した芯上下板で、芯上下レバ
ー６と適当な手段によって連係するようになっている。
11は上記芯上下板10を上方位置（灯芯降下位置）方向へ
附勢するバネで、芯上下板10の端部と芯上下基板７との
間に引掛けてある。12は前記芯上下板10を下方位置（灯
芯上昇位置）に保持するロック板で、ピン12aによって
回動自在に枢支してある。このロック板12は芯上下板10
に植設したピン13が挿通する長孔14が形成してあり、そ
の長孔14の終端部に係止部14aを形成して前記ピン13を
係止するようになっている。すなわち芯上下レバー６の
押し下げ（灯芯上昇方向）により、芯上下レバー６と適
当な手段によって連係させてある芯上下板10が下向きに
回動する（芯上下板10のピン13が長孔14に沿って下降し
その長孔14の終端にきた）時、上記ピン13が係止部14a
に嵌合してバネ11の附勢力にもかかわらずその位置で芯
上下板10をロックするようになる。15はロック板12に取
付けた板バネ、16はこの板バネ15に鎖17を介して連係さ
せた震動消火用の重りで、芯上下基板７に設けた受台18
上に立設してある。この重り16は地震があると揺動し鎖
17を介して板バネ15すなわちロック板12を回動させる。
これによって長孔14の係止部14aからピン13が離脱し、
バネ11の附勢力によって芯上下板10が上向き回動する。
この時芯上下板10は芯上下レバー６と連係されているこ
とにより芯上下レバー６も上向き回動し、灯芯３が降下
して消火する。この時上方位置まで復帰したピン13が板
バネ15を押圧して鎖17を引張り、倒れている重り16を元
の状態に戻す。19は緊急消火ボタンで消火ボタン支軸19
aに枢支されており、重り16と同様ロック板12を回動さ
せるようになっている。

次に第１図，第２図，第５図A,B,Cを用いて芯上下微調
節機構20を説明する。まず21は略Ｌ状のサブレバーで、
一端を芯上下レバー６にビス締めし、他端は上記ピン８
と同心軸関係にあるサブレバー支点軸22に回動自在に枢
支してあり、途中にはラック23が一体的に取付けてあ
る。すなわちサブレバー21は芯上下レバー６の回動運動
に連係して同じ回動運動をするようになっており、サブ
レバー21は取付けられたラック23も同じ回動運動をす
る。25はベース体で、上記芯上下基板７に一体的に取付
けてある。26は操作体で、その軸受部26aを上記ベース
体25に設けられた操作体支点軸27に回動自在に嵌入して
ある。28は芯上げ用スライド体、29は芯下げ用スライド
体であり、芯上げ用スライド体28は上記ベース体25に設
けられた軸受30内に摺動自在に嵌合し、芯下げ用スライ
ド体29は軸受31内に摺動自在に嵌合してある。32は上記
ラック23と対向する位置に設けられた芯上げピニオン
で、上記芯上げスライド体28に支軸33により枢支してあ
る。34は芯上げピニオン32と同じくラック23と対向する
位置に設けられた芯上げピニオンで、上記芯下げ用スラ
イド体29に支軸35により枢支してある。36はスライド戻
しバネで、ベース体25に設けられたバネ支軸37に装着さ
れ、一端を支軸33に係当させ他端を支軸35に係当させて
ある。37は支軸33に装着された芯上げピニオン戻しバネ
で、一端を芯上げスライド体28に係当させ他端を芯上げ
ピニオン32に係合させてある。38は支軸35に装着された
芯下げピニオン戻しバネで、一端を芯下げスライド体29
に係当させ他端を芯下げピニオン34に係合させてある。
以上説明した芯上げ，芯下げ用スライド体28,29,支軸3
3,35,芯上げ，芯下げピニオン32,34,スライド戻しバネ3
6,芯上げ，芯下げピニオン戻し37,38,ラック23によりク
ラック機構24を構成している。

次に上記のように構成された石油燃焼器の芯上下装置に
ついて以下その動作を説明する。

まず第１図，第３図の使用前の状態から芯上下レバー６
を押し下げると、第４図に示すように灯芯３が燃焼位置
へと上昇するとともに点火レバー９を介して点火装置
（図示せず）が作動し、前記灯芯３を点火する。そして
点火レバー９が元の状態に復帰する。この時芯上下レバ
ー６に一体的に取付けられたサブレバー21も芯上下レバ
ー６と同じ回動運動を行ない、上記サブレバー21に取付
けられたラック23は芯上下微調節機構20の芯上げ，芯下
げピニオン32,34と対向するようになる。

以上のようにして芯上げ，点火動作が完了する。燃焼が
始まると燃焼量の調節は上記芯上下レバー６の上下動に
より行なうことができるが、芯上下微調節機構20を操作
しての燃焼量の調節について第５図Ａ〜第５図Ｃを用い
て説明する。まず第５図Ａに示すように灯芯３が燃焼位
置にセットされると上記ラック23は、前述した如く芯上
げピニオン32と芯下げピニオン34と対向する位置にセッ
トされる。燃焼量を絞る場合には第５図Ｃに示すように
ベース体25に設けられた操作体26を矢印Sa方向（灯芯降
下方向）に操作すると当接片26bが芯下げ用スライド体2
9の突出片29aを押し、芯下げ用スライド体29はベース体
25に設けた軸受31内を矢印Faのように摺動し、芯下げ用
スライド体29を枢支された芯下げピニオン34は通常な非
連係状態にあるラック23に係合してそのまま矢印Ｄ方向
に回動し、ラック23を矢印Ｅ方向に押し上げることとな
る。その結果、上記ラック23が取付けられているサブレ
バー21を介して芯下レバー６もまた矢印Ｅ方向に押し上
げられることになり、よって灯芯３は降下することにな
る。この時、操作体26を１回矢印Sa方向に操作すると芯
下げピニオン34はラック23の歯を一枚だけ送るような寸
法関係にされている。芯下げピニオン34がラック23の歯
を一枚送り終えると、芯下げ用スライド体29は支軸35に
係当されているスライド戻しバネ36の附勢力により第５
図Ａに示す元の状態に戻ると共に、操作体26も元の状態
に戻り、芯下げピニオン34とラック23の噛み合いは外れ
る。また芯下げピニオン34は芯下げピニオン戻しバネ38
が常に矢印Ｃ方向に附勢されていることにより元の状態
に復帰する。すなわちクラッチ機構24の働きによって芯
上下機構５の芯上下レバー６との連係が切離され元の状
態に復帰する。以上のような操作により灯芯３を小刻み
に降下させ、少しずつ燃焼量を絞ることができる。

次に燃焼量を増加させる場合には、第５図Ｂに示すよう
に芯下げ用支点軸27に回動自在に嵌入された操作体26を
矢印Sb方向に操作すると、当接片26cが芯上げ用スライ
ド体28の突出片28aを押し、芯上げ用スライド体28はベ
ース体25に設けた軸受30内を矢印Fbのように摺動し、芯
上げ用スライド体28に枢支された芯上げピニオン32は通
常は非連係状態にあるラック23に係合してそのまま矢印
Ｈ方向に回動し、ラック23を矢印Ｊ方向に押し下げる。
すなわち芯上下レバー６を矢印Ｊ方向に押し下げること
になり、よって灯芯３は上昇することとなる。この時、
芯下げ時と同じく操作体26を１回押すと芯上げピニオン
32はラック23の歯を一枚だけ送るような寸法関係にされ
ている。芯上げピニオン32がラック23の歯を一枚送り終
えると、芯上げ用スライド体28は支軸33に係当されてい
るスライド戻しバネ36の附勢力により第５図Ａに示す元
の状態に戻ると共に、操作体26も元の状態に戻り、芯上
げピニオン32とラック23の噛み合いは外れる。また芯上
げピニオン32は芯下げピニオン戻しバネ37が常に矢印Ｋ
方向に附勢されていることにより元の状態に復帰する。

以上のようにこの燃焼器では芯上下機構５による燃焼量
の調節と芯上下微調節機構20による燃焼量の調節を行な
うことができ、芯上下機構５と芯上下微調節芯上下機構
20は通常非連係状態にあるので、芯上下機構により自由
に灯芯３を下げて消火することができる。

またこの実施例では芯上げ，芯下げピニオン32,34と対
向するようにセットされるラック23は芯上下ストローク
の全域ではなく一部、すなわち燃焼が正常に維持される
範囲内、例えば排ガス特性（CO/CO2）がJIS規格内に納
まる範囲内にのみ長さに設定してある。すなわちラック
23の最下段の歯23aの位置は上記灯芯３が正常燃焼を行
なえる高さ以下には芯下げピニオン34がラック23の歯を
送ることができない位置にしてある。同様にラック23の
最上段の歯23bの位置は上記灯芯３が正常燃焼を行なえ
る高さ以上にはピニオン32がラック23の歯を送ることで
きない位置にしてある。したがって操作体26の芯上げ，
芯下げ操作を数回繰り返して芯上げ，芯下げピニオン3
2,34が最下段の歯23aあるいは最上段の歯23bを送るとそ
れ以上灯芯３を上下動させることができなくなり、安心
して燃焼量の微調節ができる。

第６図は本実施例の芯上下装置を用いた石油燃焼器の一
例を示すが、39は上記ベース体25に取付けられた扉、40
は上記点火レバー９先端に取付けられた点火つまみ、41
は上記芯上下レバー６先端に取付けられた芯上下つまみ
である。使用者の操作手順としては、まず扉39を開けて
その内側にある点火つまみ40と芯上下つまみ41を押し上
げ、灯芯３への点火を行ない、燃焼が始まると芯上下つ
まみ41、あるいは操作体26により燃焼量の調節を行なう
のである。

このようにこの実施例では一つの操作体で芯上げ，芯下
げ操作を行なうことにより構成を簡素化できる利点があ
る。

なお上記実施例は本発明の目的を達成する一例として示
したものであり、本発明の目的を達成するものであれば
どのように構成してもよいものである。

発明の効果 以上実施例の説明では明らかなように本発明の芯上下装
置は、芯上下レバーの他に芯上下微調節機構を用いて小
刻みに芯上下できるようにしているので、芯上下機構で
点・消火の為の芯上下や大巾な燃焼量調節を行なった後
に、芯上下微調節機構で小刻みな燃焼量調節ができ、し
かもその調節は容易にできる。また芯上下レバーと微調
節機構が通常は非連係であるのでそれぞれの機構で自由
に燃焼量調節ができ、例えばカロリーの微調節をモータ
駆動方式としていて、モータが故障したような時でも芯
上下レバーにより芯上下操作を行なうことができ安全性
が高いものとなる。

加えて上記小刻みな燃焼量調節は一つの操作体で行なう
ことでき、芯上下微調節機構の簡素化が図れるととも
に、安価で使い勝手のよいものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第９図は本発明の実施例における石油燃焼器の
芯上下装置を示し、第１図は芯上下機構と芯上下微調節
機構の要部断面斜視図、第２図は同分解斜視図、第３図
は点火前の芯上下機構の側面図、第４図は点火後の芯上
下機構の側面図、第５図Ａは芯上下微調節機構の操作前
の要部断面側面図、第５図Ｂは芯上下微調節機構の芯上
げ時の要部断面側面図、第５図ｃは芯上下微調節機構の
芯下げ時の要部断面側面図、第６図は本発明実施例の石
油ストーブの本体斜視図、第７図は従来例を示す断面図
である。 ３……灯芯、５……芯上下機構、６……芯上下レバー、
20……芯上下微調節機構、21……サブレバー、23……ラ
ック、24……クラッチ機構、26……操作体、32……芯上
げピニオン、34……芯下げピニオン、36……スライド戻
しバネ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上下動自在な灯芯と、この灯芯を上下動さ
   せる芯上下レバーと、上記芯上下レバーを小刻みに駆動
   する芯上下微調節機構とを備え、前記芯上下微調節機構
   は芯上下レバーに一体的に設けたラックと、このラック
   の移動軌跡上位置に非接触に配設した芯上下微調節用の
   ピニオンとを有し、上記ピニオンはラックに対して接離
   かつ回動自在に設けるとともに芯上昇用の芯下降用の二
   つを並設し、かつ前記二つのピニオンの間に一つの操作
   体を設け、この操作体は前記芯上昇用と芯下降用の各ピ
   ニオン側に回動自在に枢支して、その回動操作により各
   ピニオンをラックに対し接離かつ回動動作させることに
   より前記ラックを一ピッチ刻みに駆動する石油燃焼器の
   芯上下装置。