JPH0745431B2 - 2−ヒドロキシナフタリン−6−カルボン酸の製造方法 - Google Patents

2−ヒドロキシナフタリン−6−カルボン酸の製造方法

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JPH0745431B2
JPH0745431B2 JP62186027A JP18602787A JPH0745431B2 JP H0745431 B2 JPH0745431 B2 JP H0745431B2 JP 62186027 A JP62186027 A JP 62186027A JP 18602787 A JP18602787 A JP 18602787A JP H0745431 B2 JPH0745431 B2 JP H0745431B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、β−ナフトールカリウムと二酸化炭素との反
応による2−ヒドロキシナフタリン−6−カルボン酸の
製造方法の改良に関する。
従来の技術 2−ヒドロキシナフタリン−6−カルボン酸は全芳香族
ポリエステルの重要な原料であり、特に加工性や流動性
の優れた液晶ポリマーや高弾性率で耐熱性の優れた樹脂
もしくは繊維を得るために必要な成分である。
2−ヒドロキシナフタリン−6−カルボン酸の製造法に
関しては例えば、古くは米国特許第1593816号明細書(1
926年)等、比較的最近では、特開昭57−95939号公報お
よび特開昭57−212139号公報等に開示された方法が知ら
れている。
しかしながら、これらの方法によっては、2−ヒドロキ
シナフタリン−6−カルボン酸を高収率かつ高選択率で
得ることはできなかった。
本発明者らは先に、β−ナフトールから2−ヒドロキシ
ナフタリン−6−カルボン酸の工業的大量生産法を確立
するための研究を行なった結果、反応温度に適した二酸
化炭素圧を選択するとともに、生成するβ−ナフトール
を反応媒体によって系外へオーバーフロー方式で除去さ
せながら反応を行なうことによって、目的物が比較的収
率よく、しかも高選択率で得られることを究明した(特
公昭59−35911号公報参照)。
一方、上記のコルベーシュミット反応においては、β−
ナフトールの芳香核にカリウム原子が結合した中間体が
水の存在によって分解してβ−ナフトールに戻ると考え
られている。従って、この反応においては、β−ナフト
ールとカリウム源とを水溶液中で反応させ、次いでβ−
ナフトールカリウムを脱水した後、二酸化炭素と反応さ
せることが常識とされ、この脱水度が目的物の収率や選
択率を左右すると考えられていた。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら、本発明者は、反応中に生成するβ−ナフ
トールや2−ヒドロキシナフタリン−3−カルボン酸ま
たは系中に残存するカリウム源に起因して反応中に生成
する水(例えば下記の反応式(i)〜(v)参照)およ
びβ−ナフトールカリウム中に残存する水も2−ヒドロ
キシナフタリン−6−カルボン酸の収率および選択率に
影響を及ぼすことを見出し、このような生成水および残
存水をβ−ナフトールと共に反応中に系外へ除去させる
ことによって目的物の収率と選択率が従来法よりもさら
に改良されることを究明して本発明を完成した: (iv)2KOH+2CO2→K2CO3+H2Oまたは KOH+CO2→KHCO3;2KHCO3→K2CO3+H2O+CO2 問題点を解決するための手段 即ち、本発明は、β−ナフトールカリウムと二酸化炭素
を、加熱加圧下でβ−ナフトールカリウムを実質的に溶
解しない反応媒体の存在下において、生成するβ−ナフ
トールおよび系中の水を蒸気相へ移行させて反応系外へ
除去しながら反応させることを特徴とする2−ヒドロキ
シナフタリン−6−カルボン酸の製造方法に関する。
本発明方法は、β−ナフトールカリウムと二酸化炭素と
の反応を、加熱加圧下でβ−ナフトールカリウムを実質
的に溶解しない反応媒体の存在下において行なう。
反応に用いるβ−ナフトールカリウムは充分脱水されて
いることが必要で、β−ナフトールとアルカリ性カリウ
ム化合物から常法により調製することができる。アルカ
リ性カリウム化合物としては、炭酸カリウム特に水酸化
カリウムが好ましい。β−ナフトールはアルカリ性カリ
ウム化合物1当量に対し0.97〜1.03モルの範囲で用いら
れ、約1.00モルが好ましい。β−ナフトールとアルカリ
性カリウム化合物とは容易に反応するが、β−ナフトー
ルと例えば水酸化カリウム水溶液との反応によりβ−ナ
フトールカリウムの濃厚溶液を得ることができる。β−
ナフトールカリウムは実質的に無水にする必要があるの
で、例えば窒素などの不活性ガスの気流下、常圧、若干
の減圧または加圧下に、240℃以上、好ましくは250〜30
0℃に加熱して脱水する。β−ナフトールカリウムは融
点が約235℃であり、前記の加熱温度においてそれ自体
液状であるので、反応媒体の不在下で連続的にまたは回
分的に脱水することができる。このように脱水工程に反
応媒体を用いない場合は、比重差の大きい反応媒体とβ
−ナフトールカリウムとを均一に混合するための強力な
撹拌操作および装置が不要となるので有利である。ま
た、脱水工程に反応媒体を用いない場合には、β−ナフ
トールと二酸化炭素との反応系内に正確な比率および適
当な温度で前記の反応媒体を送入することができ、β−
ナフトールカリウムと二酸化炭素との反応熱の除去を容
易にし、温度調節を良好にできて目的物の収率および選
択率が向上できるので好ましい。しかし、β−ナフトー
ルカリウムおよび/またはその脱水の工程を前記の反応
媒体の存在下に回分式または連続式に行なうこともでき
る。
β−ナフトールカリウムと二酸化炭素との反応は230〜3
50℃、好ましくは240〜320℃の反応温度および1〜20kg
/cm2(G)、好ましくは2〜16kg/cm2(G)の範囲内で
反応温度に対応した二酸化炭素の圧力下に行なう。例え
ば、260℃では2〜7kg/cm2(G)、280℃では2〜10kg/
cm2(G)の反応温度および二酸化炭素圧力の選択が好
ましい。
本発明に用いられる反応媒体はβ−ナフトールカリウム
を実質的に溶解しないもので、常温における比重が0.6
〜1.5、好ましくは0.7〜1.4のものである。このような
反応媒体としては脂肪族、脂環族もしくは芳香族の炭化
水素またはそれらの残基を有するエーテル類が適する。
例えば軽油、燈油、ガソリン、潤滑油、白油、アルキル
ベンゼン類、アルキルナフタリン、ジフェニル、ジフェ
ニルアルカン、アルキリジフェニル、トリフェニル類、
水素化トリフェニル類、ジフェニルエーテル、アルキル
フェニルエーテル、アルキルジフェニルエーテルなど、
およびこれらの混合物が挙げられる。沸点範囲が150〜4
00℃、特に180〜400℃の反応媒体が好ましい。
反応媒体は、通常はβ−ナフトールカリウムの重量に対
して0.5倍以上、好ましくは0.5〜10倍、特に1〜5倍の
量で用いられる。β−ナフトールカリウムの調製(すな
わちβ−ナフトールとアルカリ性化合物の反応)および
/またはその脱水にも反応媒体を使用するときは、水と
共沸する量だけ多く使用することが好ましい。
本発明の特徴は、上記のβ−ナフトールカリウムと二酸
化炭素との反応を、加熱加圧下でβ−ナフトールカリウ
ムを実質的に溶解しない反応媒体の存在下において行な
うに際して、生成するβ−ナフトールと共に液相中に存
在する水を蒸気相へ移行させて反応系外へ速やかに除去
することである。
本発明者らによる前記の製造方法(特公昭59−35911号
公報参照)においては、β−ナフトールを水の溶解量が
悪い軽油等の反応媒体と共に系外へオーバーフローさせ
る方式を採用するために、系中に存在する水を効果的に
系外へ除去することは困難である。
本発明においては、β−ナフトールと水を蒸気相へ移行
させて反応系外へ除去させる方法は特に限定的ではない
が、次の手法が例示される。
(1)反応中に系内のガスを時々排気し、新たに加圧CO
2を導入する。
(2)反応中に系内のガスを連続的に排気しながら系内
の圧力を低下させないように加圧CO2を追加する。この
際CO2を反応液中に分散させると反応を促進すると共に
β−ナフトールおよび水の系外除去を促進する。
(3)反応容器に接続した冷却管によって系内のガスを
凝縮させ、凝縮液を連続的もしくは間欠的に反応系外へ
除去する(CO2ガスは回収して反応容器へ戻す)。
β−ナフトールおよび水を上記の方法によって効率よく
速やかに蒸気相へ移行させて反応系外へ除去するために
は、特に約250〜300℃の反応温度においてβ−ナフトー
ルカリウムを分散させるが実質的に溶解させず、しかも
反応圧を大幅に上昇させるほどの高い蒸気圧をもたない
実質上反応に関与しない前記反応媒体の存在下でβ−ナ
フトールカリウムと二酸化炭素との反応を充分に撹拌し
ながら行なう。
上記の反応操作は回分式または連続式のいずれの方式で
行なってもよい。
なお、上記のβ−ナフトールカリウムと二酸化炭素との
反応においては、反応液中にカリウム源、例えば炭酸カ
リウム、炭酸水素カリウム、アルキル炭酸カリウム、ア
ルコキシカリウム、アルキルカリウム、硫酸カリウム等
を、該反応中に遊離するβ−ナフトールに対して約1〜
1.5モル倍存在させると、β−ナフトールを再びβ−ナ
フトールカリウムにもどして二酸化炭素との反応に関与
させることができるだけでなく、β−ナフトールが関与
する前記の脱水反応が抑制されるので、特に目的物の収
率を向上させる点で好ましい。
仕上げ処理は例えば次のように行なう。二酸化炭素との
反応終了後、混合物に水を加え、硫酸、塩酸などの酸に
よりpHを6.5〜8に調節して未反応のβ−ナフトールカ
リウムをβ−ナフトールとして遊離させる。その前また
はその後に反応媒体層を分離し、水層から必要に応じβ
−ナフトールおよび樹脂状物を含むタール層を液状で沈
降させて分離し、分離されたタール層を水洗したのち、
洗液を加水系に戻す。前記の水層を110℃以下で液状の
疎水性溶液を用いて抽出する。抽出溶媒としては炭化水
素、ハロゲン化炭化水素、ニトロ化炭化水素、エーテル
類、ケトン類、炭素数4以上のアルコールなどが用いら
れる。水層の容量の0.3〜2倍量の抽出溶媒を用い、30
〜110℃で抽出する。反応媒体層中のβ−ナフトールは
そのまま循環使用し、あるいは反応媒体層および抽出層
中のβ−ナフトールに水酸化カリウム水溶液を作用させ
てβ−ナフトールカリウム水溶液として回収することが
好ましい。また、抽出層またはタール層中のβ−ナフト
ールは減圧蒸留などにより回収できる。回収されたβ−
ナフトールカリウム水溶液およびβ−ナフトールは原料
調製工程に返送し、循環使用することができる。
こうして抽出したのち目的物を取り出すため、抽出後の
水層のpHを約3〜5、好ましくは約3.5〜4.5にして酸折
すると、高純度の2−ヒドロキシナフタリン−6−カル
ボン酸が析出する。この酸析母液をさらにpH約1〜3、
好ましくは約1.5〜2.5にして酸析すると、2−ヒドロキ
シナフタリン−6−カルボン酸と2−ヒドロキシナフタ
リン−3−カルボン酸との混合物が得られる。両酸の分
別は、有機溶媒またはこれに水を加えたもので洗浄する
などの方法により容易に行なうことがでる。また、目的
物の用途によっては、前記の抽出後の水層のpHを直ちに
約3以下にして酸析すればよい、このような酸析工程の
簡便化は本発明の方法によって、2−ヒドロキシナフタ
リン−6−カルボン酸の選択率および収率が向上して達
成されたことである。
以下、本発明を実施例によって説明する。
実施例1 1のオートクレーブ中にβ−ナフトールカリウム70%
水溶液252g、炭酸カリウム26.2gおよび軽油365gを入
れ、撹拌下、260℃で3時間脱水処理を行なった。留出
軽油は反応液中に戻し、系内の圧力はCO2ガス圧が3kg/c
m2(G)に保持されるように加圧し、他方のノズルから
CO2ガスを72l/hrで排気させつつ、ガス状のβ−ナフト
ールと水を冷却して除去した。
次いで、β−ナフトールカリウムとCO2との反応を265℃
で6時間行ない、冷却管中に軽油、β−ナフトールおよ
び水が凝縮されていることを確認後、反応混合物を冷却
し、加水した。軽油層を分液後、水層を酸析して2−ヒ
ドロキシナフタリン−6−カルボン酸を得た。
該カルボン酸の収率および選択率を以下の表−1に示
す。
実施例2 冷却管(300cc)を取付けたオートクレーブ(1)内
において、実施例1と同様の条件で反応を行なった。
この場合、凝縮物は冷却管の下部から系外へ除去し、排
気されたCO2はオートクレーブの上部に接続された冷却
管上部を経て反応系内に戻した。
得られた2−ヒドロキシナフタリン−6−カルボン酸の
収率と選択率を表−1に示す。
実施例3 50lのオートクレーブ中にβ−ナフトール8.7kg、軽油22
kg、48%苛性カリ7kgおよび炭酸カリウム0.9kgを仕込
み、撹拌下、260℃で5時間加熱して脱水、乾燥β−ナ
フトールカリウムを得た。留出軽油は脱水後、再び反応
系内へ戻した。
次いで反応温度を265℃にし、CO2ガスをガス圧が3.0kg/
cm2(G)に保たれるようにしながら系内へ導入すると
共に、系内のガスを4Nm3/hrで系外へ排出させ、冷却管
によって凝縮させた(凝縮液に含まれる軽油の一部は反
応系内へ戻した)。CO2ガスは凝縮物を除去後、圧縮器
を通して反応中に戻した。
反応を6時間行なった後、反応混合物を100℃まで冷却
し、加水し、分液した。油層からは未反応のβ−ナフト
ールを回収し、水層のpHを3.5にして2−ヒドロキシナ
フタリン−6−カルボン酸を沈澱させた(収率および選
択率を表−1に示す)。
実施例4 50lのオートクレーブを2台連接し、実施例3のように
して調製して軽油に分散させたβ−ナフトールカリウム
を8kg/hrで第1のオートクレーブ内へ供給した。両方の
オートクレーブの温度を269℃に設定し、CO2ガス圧を2.
9kg/cm2(G)に保ち、K2CO3を含むβ−ナフトールカリ
ウムが沈澱しないようにCO2ガスを液中に分散させなが
ら撹拌を行い、軽油層を第1のオートクレーブから第2
のオートクレーブ内に移動させながら蒸発するβ−ナフ
トールと水を冷却除去し、軽油の一部はそれぞれの反応
液へ戻した。反応液中に分散させたCO2ガスは凝縮物を
除去後、循環器を通して反応系中に戻した。
次いで第2のオートクレーブから反応液を8kg/hrの割合
で連続的に抜きとり、実施例3と同様の処理に付して2
−ヒドロキシナフタリン−6−カルボン酸を得た(収率
および選択率を表−1に示す)。
実施例5〜8 反応温度を255℃(実施例5)、265℃(実施例6)、27
0℃(実施例7)または280℃(実施例8)とする以外は
実施例2と同様にして2−ヒドロキシナフタリン−6−
カルボン酸を得た(収率および選択率を表−1に示
す)。
実施例9〜11 反応温度を270℃に設定し、反応圧力を2kg/cm2(G)
(実施例9)、8kg/cm2(G)(実施例10)または4kg/c
m2(G)(実施例11)にする以外は実施例2と同様にし
て2−ヒドロキシナフタリン−6−カルボン酸を得た
(収率および選択率を表−1に示す。)。
実施例12および13 軽油をβ−ナフトールカリウムの重量の3倍使用し、β
−ナフトールカリウムに対するK2CO3のモル比を1.3と
し、反応時間を3時間とするか(実施例12)、または軽
油をβ−ナフトールカリウムの重量と等量使用し、β−
ナフトールカリウムに対する炭酸カリウムのモル比を1.
3とし、反応時間を8時間とする(実施例13)以外は実
施例2と同様にして2−ヒドロキシナフタリン−6−カ
ルボン酸を得た(収率および選択率を表−1に示す)。
比較例1 β−ナフトール84gを出発物質とし、常法によってβ−
ナフトールカリウムを調製し、1−および2−イソプロ
ピルナフタレンを媒体として脱水処理を行なった。この
脱水処理で留出した1−および2−イソプロピルナフタ
レンを乾燥したβ−ナフトールカリウムと混合した。
この反応液をオートクレーブ内に入れ、温度265℃、CO2
ガス圧3kg/cm2(G)の条件下で16時間反応を行なって
2−ヒドロキシナフタリン−6−カルボン酸を得た(収
率および選択率を表−1に示す)。
比較例2 48%水酸化カリウム溶液を用いてβ−ナフトールを処理
し(14.4kg/hr)、得られたβ−ナフトールカリウムを
軽油に分散させ(18.2kg/hr)、実施例4と同様にして
反応を行なった(但し、冷却管は設置せず、β−ナフト
ールは軽油のオーバーフローによって第2のオートクレ
ーブから系外へ除去した)。
得られた2−ヒドロキシナフタリン−6−カルボン酸の
収率および選択率を表−1に示す。
比較例3 実施例1と同じ反応条件下でCO2ガスの流れがなく、β
−ナフトールと水を系外に除去することなく、オートク
レーブ中で回分反応を行った。
得られた2−ヒドロキシナフタリン−6−カルボン酸の
収率および選択率を表−1に示す。
実施例14 50lのオートクレーブ中にβ−ナフトール8.7kg、媒体と
してTS−900(サームエス900、新日鉄化学(株)製、沸
点364℃、蒸気圧0.21kg/cm2abs・280℃;水素化トリフ
ェニル)22kg、48%苛性カリ7kgおよび炭酸カリウム0.9
kgを仕込み、撹拌下260℃で5時間加熱して脱水、乾燥
し、β−ナフトールカリウムを得た。
留出したTS−900は脱水後再び反応系内に戻した。
次いで、反応温度を285℃にし、CO2ガスをガス圧3kg/cm
2に保ちながら系内に導入すると共に、系内のガスを6Nm
3/hrで系外に排出させ、冷却管によって、凝縮させた。
(凝縮液に含まれるTS−900の一部は反応系外に戻し
た。) CO2ガスは凝縮物除去後、圧力器を通して反応中に戻し
た。反応は6時間行い、反応混合物は100℃に冷却後、
加水分解し、分析を行い、2−ヒドロキシナフタリン−
6−カルボン酸を単離した。
収率 52% 選択率 99% 軽油に比べ、沸点が高くかつ蒸気圧の比較的低い媒体を
用いることにより、β−ナフトールの留出量は変らず、
媒体の留出量が少なくなり、操作熱量が少なくてよいの
で経済的である。
発明の効果 本発明によれば、β−ナフトールカリウムと二酸化炭素
との反応において、反応中に生成して前記の各種の副反
応に関与するβ−ナフトールおよび目的生成物の収率低
下の一つの原因となる系中の水が蒸気もしくは凝縮液と
して速やかに系外に除去されるので、従来法に比べて2
−ヒドロキシナフタリン−6−カルボン酸の収率だけで
なく、選択率も改良される。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】β−ナフトールカリウムと二酸化炭素を、
    加熱加圧下でβ−ナフトールカリウムを実質的に溶解し
    ない反応媒体の存在下において、生成するβ−ナフトー
    ルおよび系中の水を蒸気相へ移行させて反応系外へ除去
    しながら反応させることを特徴とする2−ヒドロキシナ
    フタリン−6−カルボン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】反応を230〜350℃、1〜20kg/cm2(G)で
    行なう第1項記載の製造方法。
  3. 【請求項3】蒸気相へ移行させたβ−ナフトールおよび
    水を蒸気もしくは凝縮液として反応系外へ除去する第1
    項記載の製造方法。
  4. 【請求項4】反応媒体が沸点150〜400℃を有する第1項
    記載の製造方法。
  5. 【請求項5】反応媒体が脂肪族、脂環族もしくは芳香族
    炭化水素またはこれらの残基を有するエーテル類である
    第1項記載の製造方法。
  6. 【請求項6】反応媒体が常温における比重0.6〜1.5を有
    する第1項記載の製造方法。
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