JPH0745344B2 - 異方性を有するBN−A▲l▼N系焼結体およびその製造方法 - Google Patents

異方性を有するBN−A▲l▼N系焼結体およびその製造方法

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JPH0745344B2
JPH0745344B2 JP63135562A JP13556288A JPH0745344B2 JP H0745344 B2 JPH0745344 B2 JP H0745344B2 JP 63135562 A JP63135562 A JP 63135562A JP 13556288 A JP13556288 A JP 13556288A JP H0745344 B2 JPH0745344 B2 JP H0745344B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、IC基板、ICパッケージ用材料ないしは電気絶
縁性放熱材料などとして利用可能な異方性を有するBN−
AlN系焼結体およびその製造方法に関する。
さらに詳しくは、熱伝導率の異方度が2以上あり、かつ
そのうちの高い方の熱伝導率の値が150W/m・k以上であ
る異方性を有するBN−AlN系焼結体およびその製造方法
に関する。
従来の技術 六方晶BN焼結体は、優れた被切削加工性、耐食性、耐熱
衝撃性、電気絶縁性などの性質を有しているため、さま
ざまな分野で広く用いられている。六方晶BN焼結体は通
常、酸化物系の助剤を用いたホットプレス法により製造
される。この方法により得られた焼結体は、六方晶BNの
層状の結晶構造に起因する構造的な異方性を有すること
が知られており(例えばセラミックス、vol.7、No.4、
p.243(1972))、熱伝導率等の物性値にも異方性が存
在する。しかしながら、異方性が存在する焼結体におい
ても熱伝導率はあまり高くなく、最高で60W/m・k程度
の値(例えばエレクトロニク・セラミックス、vol.17、
No.84、p.68(1986))が報告されているのみである。
この理由として、酸化物系の助剤ないしは助剤と他成分
との反応生成物が焼結体中に多量に存在するためである
と考えられている。
一方、AlN焼結体の熱伝導率の向上については、IC基板
用材料、ICパッケージ材料向けの材料開発を目的として
盛んに研究が行われており(例えば特開昭61−270264、
特開昭62−36069、特開昭62−41766など)、室温におけ
る熱伝導率が110〜195W/m・k程度の高い値が報告され
ている。しかしながらAlN焼結体は通常の構造用セラミ
ックスと同様、切削加工が困難であり、所望の形状に加
工する際に時間を要し、かつコスト高となるという欠点
を有している。
そこでAlN焼結体の高熱伝導率を維持しつつ、主として
焼結体の被切削加工性を向上させるためAlNに六方晶のB
Nを複合させた焼結体やその製造方法に関する発明が開
示されている。例えば特開昭60−195059には、AlN、B
N、およびII a族金属、III a族金属化合物からなり、破
断面が多角状のAlN粒子が充填され、その粒界の一部ま
たは全部に薄層状のBNが介在する焼結体に関する記述が
ある。
この焼結体の特徴として、普通工具で高速切削加工でき
る、いわゆるマシーナブルセラミック複合焼結体である
と述べている。また、焼結体は均質で、等方的であり、
熱伝導率の例として55〜122W/m・k程度の値を報告して
いる。
また、本発明者らの出願による特願昭62−329626には、
BN40〜95重量部、AlNとAlONの合計量5〜60重量部、お
よびカルシウム化合物、イットリウム化合物のうちの少
なくとも1種の0.01〜5重量部よりなる複合焼結体、お
よびその加圧加熱法による製造方法に関する記述があ
る。該焼結体の特徴としては、熱伝導率、電気絶縁性、
低熱膨張率、低誘電率で機械加工性に優れることなどを
あげている。熱伝導率の例としては40〜135W/m・k程度
の値を報告している。
しかしながら、これらの焼結体においては、優れた被切
削加工性は有しているものの、熱伝導率の値が最高でも
135W/m・kであり、IC基板、ICパッケージ用材料、ある
いは電気絶縁性放熱材料などへの応用を考えた場合、十
分な熱伝導率であるとはいい難い。
一方、特開昭58−32073には、AlNに立方晶ないしは六方
晶のBNを最大30重量%まで配合し、これを成形した後、
真空中ないしは非酸化性雰囲気中で焼結するか、あるい
はホットプレス焼結することにより高熱伝導率で電気絶
縁性の焼結体を得ている。この焼結体は85〜195W/m・k
程度の熱伝導率を有すると報告されている。しかしなが
ら、焼結体の異方性や普通工具等による切削加工性に関
する記載は見あたらない。
またこれらのAlN−BN複合焼結体にも製造方法によって
はBN焼結体と同様BNの構造異方性に起因する構造異方
性、および物性の異方性が存在する場合がある(特開昭
62−56377)ものの、これまではこの異方性をなくすた
めの製造方法や、異方性の極めて小さい材料についての
利用方法が検討されてきた。
発明が解決しようとする課題 発明者らは、BN焼結体の構造異方性を維持したままで、
AlNを配合することにより、AlNの配合量がある範囲にお
いて、優れた切削加工性は維持されたままで、3次元直
交座標軸のある1軸方向は熱伝導率がそれほどよくない
ものの、残りの2軸方向、換言すればある平面内の熱伝
導率が飛躍的に向上することを見出し、本発明を完成さ
せるに至った。
本発明は、優れた被切削加工性を有し、かつ3次元空間
のある2軸方向においては150W/m・k以上の高熱伝導率
を示す異方性を有するBN−AlN系複合焼結体およびその
製造方法に関する。
課題を解決するための手段 すなわち、本発明は(1)六方晶窒化ほう素20〜80重量
部、窒化アルミニウム80〜20重量部のあわせて100重量
部、および焼結助剤0.2〜5重量部よりなり、熱伝導率
の異方度が2以上あり、かつ高い方の熱伝導率の値が15
0W/m・K以上である異方性を有するBN−AlN系焼結体に
関する。
(2)また平均粒子径が5μm超の六方晶窒化ほう素粉
末20〜80重量部、窒化アルミニウム粉末80〜20重量部の
あわせて100重量部、および焼結助剤0.2〜5重量部から
なる混合粉末を真空中あるいは不活性ガス気流中、1700
〜2200℃、5〜50MPaでホットプレスすることを特徴と
する上記1項に記載の異方性を有するBN−AlN系焼結体
の製造方法に関する。
作用 以下、本発明について詳述する。
本発明の異方性を有するBN−AlN系焼結体は、六方晶窒
化ほう素粉末20〜80重量部と窒化アルミニウム80〜20重
量部の合わせて100重量部、および焼結助剤0.2〜5重量
部よりなる。六方晶窒化ほう素と窒化アルミニウムの合
計量に対して、窒化ほう素が20重量%近くの組成におい
ては、焼結体の曲げ強さ、ビッカース硬度が比較的大き
く、また熱膨張係数が比較的大きく、かつ異方性が比較
的小さい焼結体を得ることができる。逆に窒化ほう素が
80重量%近くの組成においては、焼結体は顕著な異方性
を示し、ある2次元平面では比較的低熱膨張で、かつ被
切削加工性が極めて良好な焼結体を得ることができる。
組成がこれらの範囲をこえて、窒化ほう素が20重量%未
満では、焼結体の異方性が顕著でなくなり、高い方の熱
伝導率も窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率とほぼ等し
くなり、また構成成分がほとんど窒化アルミニウムとな
るため、被切削加工性がさほど良くない焼結体となる。
また窒化ほう素が80重量%超の焼結体では、曲げ強さが
小さく、熱伝導率も低いものとなる。
本発明の異方性を有する焼結体は、第1図の焼結体の模
式図に示した様に、z軸方向に薄片状の窒化ほう素粒子
が配向、積層した構造を有する。このため、熱伝導率等
の物性値に異方性が生じる。ここで異方度という数字を
考える。この異方度とは、第1図におけるz軸方向の熱
伝導率とx軸およびy軸を含む平面(xy平面)上の任意
のある方向の熱伝導率の比、すなわち、xy平面上の任意
のある方向の熱伝導率/z軸方向の熱伝導率、である。ホ
ットプレス加圧軸をz軸方向にとった場合、z軸方向に
BNの積層が生じ、この方向は熱伝導率が悪い方向とな
る。一方、x軸、y軸およびこの両軸を含む平面(xy平
面)は高熱伝導率を示す。本発明の焼結体では熱伝導率
以外にも曲げ強さ、熱膨張係数、ビッカース硬度等の物
性値にも異方性が存在するが、本明細書中でいう異方度
とは、あくまでも熱伝導率についてのみ考える。
本発明の焼結体は2以上の異方度を有し、かつ高い方
(x軸およびy軸を含む平面(xy平面)上の任意のある
方向の熱伝導率)の熱伝導率の値が150W/m・k以上であ
る。これらの特性を満たす組成の範囲としては、窒化ほ
う素の含有量が窒化ほう素と窒化アルミニウムの合計量
の20〜80重量%である。窒化ほう素単味の焼結体におい
てもこの異方性は存在するが、熱伝導率はそれほど高く
なく最高60W/m・k程度であり、150W/m・k以上という
熱伝導率は窒化アルミニウムを20重量%以上80重量%ま
で配合することによって初めて達成されるものである。
焼結体を構成する結晶粒の粒径、特に窒化ほう素の粒径
は焼結体の異方度大きな影響を及ぼす。本発明の焼結体
を構成する窒化ほう素の平均粒径は1μm以上であり、
好ましくは5μm超である。平均粒径1μm以上の窒化
ほう素粒子から構成される焼結体の組成を変えたときの
熱伝導率の変化については実施例で詳述するが、窒化ア
ルミニウムの含有率を増加させた時、高い方の熱伝導率
の値は窒化ほう素が75〜50重量%程度で最大値を示す。
さらに窒化アルミニウムの含有率を増加させると、この
高い方の熱伝導率の値は徐々に減少し、しだいに窒化ア
ルミニウム焼結体の熱伝導率の値に近づく。
一方、低い方の熱伝導率、すなわち第1図におけるz軸
方向の熱伝導率の変化は、窒化ほう素が50重量%程度ま
ではほぼ一定の値を示すが、窒化アルミニウムが50重量
%以上になるとしだいにこの熱伝導率の値は大きくなっ
て窒化アルミニウム焼結体の値に近づき、異方性が解消
される傾向をとる。
この熱伝導率の変化を異方度でみると、異方度は窒化ほ
う素が75〜50重量%程度の組成で最大となり、その値は
おおむね10以上、大きい場合には15程度にも達する。窒
化ほう素50重量%程度より窒化アルミニウムの含有率が
多くなると異方度はしだいに小さくなり、窒化ほう素20
重量%−窒化アルミニウム80重量%程度で異方度がおよ
そ2となる。
一方、平均粒径1μm未満の窒化ほう素粒子から構成さ
れる焼結体の異方度について簡単に述べる。平均粒径約
0.1μmの窒化ほう素粒子から構成される焼結体の異方
度は本発明の焼結体の1/5〜1/10程度に減少する。した
がってある特定の組成範囲において、異方度が2以上
で、高い方の熱伝導率が150W/m・k以上となる。また平
均粒径が約0.01μmの窒化ほう素粒子から構成される焼
結体の場合、異方度はほとんど1に等しくなり、組成比
による熱伝導率の変化としては窒化アルミニウムの含有
率が増加するに従って熱伝導率が単調に増加するという
傾向を示す。すなわち、本発明の異方性を有する焼結体
は、焼結体を構成する窒化ほう素粒子の平均粒径が1μ
m以上であると窒化ほう素の含有率が20〜80%という組
成範囲において、所望の熱伝導率、および異方度を容易
に達成することができる。ただし、ここでいう窒化ほう
素粒子の粒径とは、薄片状の窒化ほう素粒子の平面方向
の大きさであり、厚さ方向の大きさではない。
この粒径による効果は、平均粒子径が5μm超で特に顕
著である。
また、焼結体には、焼結助剤として従来公知の酸化カル
シウム、炭化カルシウム、カルシウムシアナミド、酸化
イットリウム、炭化イットリウム、あるいはこれらと他
成分との反応生成物を0.2〜5重量部含有する。
以下に、本発明の異方性を有するBN−AlN系焼結体を最
も好適に製造しうる方法について述べる。平均粒子径が
5μm超の六方晶窒化ほう素20〜80重量部、窒化アルミ
ニウム80〜20重量部のあわせて100重量部、および焼結
助剤0.2〜5重量部からなる混合粉末を真空中あるいは
不活性ガス気流中、1700〜2200℃,5〜50MPaでホットプ
レスする製造方法である。
窒化アルミニウム原料粉末はこれまでに公知のものが使
用可能であるが高熱伝導率化の観点から平均粒径2μm
以下、酸素含有率3.0wt%以下が好ましく、酸素含有率
1.5wt%以下が特に好ましい。
窒化ほう素原料粉末もこれまでに公知のものが使用可能
であるが、平均粒径が5μm超の粉末を用いることで本
発明の焼結体を好適に製造することができる。しかしな
がら平均粒径1μm未満の原料粉末を用いた場合におい
ても、焼結助剤、ホットプレス条件などを工夫すること
により本発明の焼結体を製造することが可能である。な
お、用いる窒化ほう素原料粉末の純度はできるだけ高い
方が好ましい。
焼結助剤としては、酸化カルシウム、炭化カルシウム、
カルシウムシアナミド、酸化イットリウム、炭化イット
リウムなどの公知のものが使用できる。六方晶窒化ほう
素と窒化アルミニウムの合計量に対して、これらの化合
物のうちの少なくとも1種を0.2〜5重量%添加し、混
合粉末を得る。助剤の添加量は0.2重量%未満では助剤
としての機能が十分に発揮されず、5重量%超では得ら
れた焼結体中に残留する助剤ないしは助剤と他成分との
反応生成物の量が過多となるため熱伝導率の低下がおこ
る。また焼結体の熱伝導率、とりわけ高い方の熱伝導率
の値は焼結助剤の添加量に敏感であるため注意して添加
量を決定する必要がある。
原料および焼結助剤の混合には、ボールミルなどの公知
の方法による乾式混合、湿式混合が使用可能であるが、
好ましくは湿式混合である。湿式混合に用いられる分散
媒体は特に限定されず、アルコール類、炭化水素類、ケ
トン類が好適で用いられる。水は窒化物粉末と反応して
アンモニアガスを発生させる可能性があるため、特に必
要がある場合を除き、用いない方が良い。
本発明の焼結体を得るための焼結には一軸加圧であるホ
ットプレス法を用いる。プレス成形した後の常圧焼結、
HIPの如き等方的な加圧焼結法は、BN粒子の配向・積層
が起こらなかったり、あるいは起こっても不十分であっ
たりするため、焼結方法として好ましくない。ホットプ
レス焼結を行う際には、得られた粉末をそのまま黒鉛製
ダイスに充填する。あるいは5MPa以上の圧力で一軸成形
した後、一軸成形のプレス軸がホットプレスのプレス軸
と一致する様にダイスに充填する。一軸成形のプレス圧
は高いほどホットプレス焼結後の焼結体の異方度が大き
くなり、高い方の熱伝導率の値はより大きくなり、低い
方の熱伝導率の値はより小さくなる傾向にある。混合粉
末を静水圧下で高圧プレス(例えば2ton/cm2)成形した
後、ダイスに充填し、ホットプレス焼結を行うと、焼結
体の異方性が減少し、より等方的な焼結体となる(例え
ば特開昭62−56377)。
ホットプレス焼結は1700〜2200℃、5〜50MPaの条件で
行う。1700℃未満では所望の物性値、特に熱伝導率の高
い焼結体が得られないためであり、2200℃超では経済的
でない。また加圧の圧力が5MPa未満では、焼結体の緻密
化やBN粒子の配向を起こすのに不十分な場合があり、50
MPa超ではホットプレスの際に使用できるダイスが限定
される。また焼結の際の雰囲気は、窒化物の酸化を防ぐ
ため窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気とすることが好ま
しい。しかしながら、ある特定の焼結助剤を用いた場合
には、真空中で焼結を行うことにより、これらの焼結助
剤ないしは焼結助剤と他成分との反応生成物が比較的す
みやかに系外へ放出され、結果として熱伝導率が向上す
る場合があり、この様な場合には真空中で焼結すること
が好ましい。
BN粒子の配向・積層に起因する焼結体の異方性、および
その結果としてし生じる高い熱伝導率はこれまで述べて
きた製造方法により達成される。
さらに詳細をつけ加えると、ホットプレス焼結の際に焼
結助剤として添加した酸化カルシウム、炭化カルシウ
ム、カルシウムシアナミドは、窒化アルミニウム表面に
不可避的に生成している酸化アルミニウムと反応し、カ
ルシウム・アルミニウム酸化物となり、1400℃程度から
溶融しはじめる。また酸化イットリウム、炭化イットリ
ウムを添加した場合には同じく酸化アルミニウムと反応
し、アルミニウム・イットリウム酸化物となり、1700℃
以上で溶融をはじめる。
これらの溶融物はしだいに窒化ほう素や窒化アルミニウ
ムをとり囲む状態となり、窒化物粒子の表面に残存する
酸化物層とほぼ完全に反応して粒子表面の純化を行い、
焼結体の熱伝導率を向上させる。またこの溶融物の存在
により、粒子間の緻密化は、再配列、溶融−析出、
合体というプロセスを経る、いわゆる液相焼結によっ
て進行する。この液相が関与した緻密化のメカニズムに
より、一軸加圧によるBNの配向・積層を助長し、ホット
プレス圧力軸と平行な方向にほぼ完全に窒化ほう素粒子
が積層し、異方性を有する焼結体が得られる。
また本発明の異方性を有するBN−AlN系焼結体は、窒化
ほう素の含有率が20〜80重量%のいずれの組成において
も機械的な加工が容易である。
以下、本発明を実施例を用いて説明するが、本発明はか
かる実施例にのみ限定されるものではない。
実施例1 平均粒子径6μmの六方晶窒化ほう素粉末、平均粒子径
1.8μm以下の窒化アルミニウム粉末、および焼結助剤
として炭化カルシウムを第1表に示した割合で配合し、
ボールミル中で24時間、アセトンを溶媒として湿式混合
を行った。
得られた粉末を乾燥した後、黒鉛製ダイスに充填し、毎
分2の窒素気流中、1800℃で2時間、40MPaの圧力で
ホットプレス焼結を行った。冷却速度は10℃/minとし
た。
得られた焼結体の嵩密度、熱伝導率、熱膨張係数、曲げ
強さ、ビッカース硬度、比誘電率、電気抵抗率の測定を
行った。焼結体には異方性が存在するため、熱伝導率、
熱膨張係数、曲げ強さ、ビッカース硬度についてはホッ
トプレス圧力軸に垂直方向、平行方向の値を並記した。
嵩密度は水を用いたアルキメデス法により、熱伝導率は
レーザーフラッシュ法により、ビッカース硬度は荷重1
〜5kgを用い、熱膨張係数は酸化アルミニウム(コラン
ダム)焼結体を標準物質とした示差方式により0〜400
℃の平均値をそれぞれ測定し、曲げ強さはJIS規格に準
じた3点曲げ強さである。
結果を第1表に示す。第1表からわかる様に、窒化ほう
素の含有率が80〜20重量%の範囲では異方度が2.1〜13.
6と顕著な異方性が認められ、また高い方の熱伝導率が
いずれの組成範囲においても150W/m・k以上を示してい
る。窒化ほう素含有量の減少とともに熱膨張係数の異方
性は緩和される傾向にある。また曲げ強さはホットプレ
ス圧力軸に垂直、平行の両方の値とも窒化ほう素含有量
の減少とともに増加する傾向にある。しかしながらこの
強度の両方の値の比はいずれの組成においてもほぼ一定
で約2である。ビッカース硬度はやはり窒化ほう素含有
率の減少とともに増加するが、窒化ほう素含有率が特に
50重量%程度を境にして急激な増加を示し、異方性もし
だいに緩和されることがわかる。
実施例2 六方晶窒化ほう素原料を平均粒径10μmの粉末とし、ま
た焼結助剤として酸化イットリウムを添加し、実施例1
と同様の方法によりホットプレス焼結を行った。得られ
た焼結体の物性値を第1表に示す。いずれの組成におい
ても実施例1とほぼ同様の効果が得られている。熱伝導
率は高い方の値が、いずれも150W/m・k以上、異方度は
2.1〜14.2であった。
発明の効果 以上述べた如く、本発明の複合セラミックス焼結体は、
BN粒子の配向・積層に起因する異方性が存在し、3次元
直交座標のある1軸方向は熱伝導率がそれほど高くない
ものの、残りの2軸方向およびこれらを含む平面内にお
ては熱伝導率が極めて高い。
加えて、機械的な被切削加工性が良好であるため幅広い
応用が可能であり、特にIC基板、ICパッケージ用材料、
ないしは電気絶縁性放熱材料などとして好適な材料であ
り、産業上きわめて有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図はホットプレス焼結体を模式的に示した図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−122772(JP,A) 特開 昭60−195059(JP,A) 特開 昭61−21977(JP,A) 特開 昭62−56376(JP,A) 特開 昭62−65980(JP,A) 特開 昭63−260866(JP,A) 特公 昭52−30163(JP,B2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】六方晶窒化ほう素20〜80重量部、窒化アル
    ミニウム80〜20重量部のあわせて100重量部、および焼
    結助剤0.2〜5重量部よりなり、熱伝導率の異方度が2
    以上あり、かつ高い方の熱伝導率の値が150W/m・K以上
    である異方性を有するBN−AlN系焼結体。
  2. 【請求項2】平均粒子径が5μm超の六方晶窒化ほう素
    粉末20〜80重量部、窒化アルミニウム粉末80〜20重量部
    のあわせて100重量部、および焼結助剤0.2〜5重量部か
    らなる混合粉末を真空中あるいは不活性ガス気流中、17
    00〜2200℃、5〜50MPaでホットプレスすることを特徴
    とする請求項(1)に記載の異方性を有するBN−AlN系
    焼結体の製造方法。
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