JPH0745265Y2 - パチンコ機における景品球の抜取り装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、景品球払出装置から大
量に払い出される景品球を迅速に下部球受皿に抜き取る
ことができる景品球の抜取装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のパチンコ機は、景品球流出通路の
下端が、前飾板に開設され上部球受皿と連なる賞球口に
接続され、また上部球受皿の流下端底面に平板部材によ
り開閉される抜取孔を開設し、該抜取孔は上部球受皿の
裏面に形成される球通路を介して下部球受皿と連通させ
ている。

【０００３】そして、遊技終了後は、上部球受皿に溜っ
た景品球と共に景品球流出通路に溜っている景品球まで
も、上部球受皿内を通過させ、その流下端底面に開放さ
れる抜取孔を開設して下部球受皿に導き、別途用意した
球箱に抜き取るようにしていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】ところで、電動式の大
型役物を備えたパチンコ機にあっては、大当り状態にな
ると一度に多くのセーフ球を発生させ、何千発もの景品
球を払い出すようにしており、このためゲーム終了後
も、しばらくの間は景品球払出装置が作動して景品球の
払出しを続けている。

【０００５】しかるに、前記上部球受皿はその流下端側
が、打球発射部へ打球を１個づつ供給する関係上、打球
が一列に縦列する程度の幅に狭められており、しかも抜
取孔も景品球が１個通過できる程の大きさしかないの
で、前記状態においては景品球払出装置から順次払い出
される景品球を上部球受皿を介して抜き取るに長い時間
が掛かり、面倒で煩しいものであった。

【０００６】そこで、本考案は上記課題を考慮して考案
されたもので、景品球払出装置から払い出される景品球
を上部球受皿を介さず迅速に抜き取ることができるパチ
ンコ機における景品球の抜取装置を提供することを目的
とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本考案のパチンコ機における景品球の抜取り装置
は、景品球払出装置から払い出される景品球を上部球受
皿に導く景品球流出通路の底面に、下部球受皿と連通す
る球抜取口を開設し、該球抜取口にパチンコ機の前面か
ら操作することにより該球抜取口を開閉するシャッター
板を設け、該シャッター板を開放して景品球流出通路に
払い出される景品球を前記球抜取口から直接下部球受皿
に導くようにした。

【０００８】

【作用】パチンコ機の前面からの操作により、シャッタ
ー板を作動させて球抜取口を開放し、景品球払出装置か
ら払い出される景品球を抜取口から下方に導き、直接下
部球受皿に放出させる。

【０００９】

【実施例】以下、本考案に係るパチンコ機における景品
球の抜取装置の一実施例を図面に基づき詳述する。図１
はパチンコ機下部の前面から見た斜視図、図２は同ガラ
ス枠及び前面板を開いた状態を示す斜視図である。

【００１０】図において、１はパチンコ機本体、２はそ
の前面枠である。３は該前面枠２の前面に開閉自在に装
着されるガラス枠、４はガラス枠３の下方に位置した前
面板で、この前面板４の前面に上部球受皿５が装着され
ている。６は上部球受皿５の余剰球を受け入れる下部球
受皿である。

【００１１】前記前面板４には一側に上部球受皿５の皿
部７と連なる賞球口８を開設し、その裏面に該賞球口８
を囲い後面を開放した箱枠状の接続管９を取着してい
る。また、前面板４の裏側には景品球払出装置（図示せ
ず）から払い出される景品球を上部球受皿５に導く景品
球流出通路１０が形成され、該景品球流出通路１０の終
端は前記接続管９に合致するようにしている。

【００１２】前記前面板４の裏側には、該前面板４で覆
われる球発射部１１が設けられ、該球発射部１１には発
射レール１２が備えられる。１３は発射レール１２の上
端下方に開設され、戻り球などを下部球受皿６に送出す
るファール球回収口である。また、該ファール球回収口
１３の一側には通路部１４が形成されている。

【００１３】前記、上部球受皿５は、図３及び図４に示
すように皿部７と該皿部７の前面に取着されるカバー部
材１５とで構成される。前記皿部７には図３に示すよう
に打球が一列に並ぶ整列通路１６が形成されており、そ
の整列通路１６の下流端に球抜孔１７が開設され、その
球抜孔１７の下面に整列通路１６に対して直交する方向
に移動自在な球抜き弁１８が設けられている。

【００１４】前記球抜き弁１８は、後方へ突出する平行
な２本の腕１８ａ，１８ｂを一体に有し、そのそれぞれ
の腕１８ａ，１８ｂの先端部分にピン１８１ａ，１８１
ｂを突設している。この球抜き弁１８は、図５に示すよ
うに支持板１９に軸２０ａ，２０ｂで枢着され、かつ連
結杆２１にて相互に連結された等長の第１リンク片２２
ａ及び第２リンク片２２ｂの一端の軸孔２３ａ，２３ｂ
にピン１８１ａ，１８１ｂをそれぞれ嵌入して枢支連結
されている。そして、第１リンク片２２ａの軸２０ａに
ばね２４を巻装してこれの一端を支持板１９に係止し、
他端を第１リンク片２２ａに係止することによって該第
１リンク片２２ａを図６に示す矢印方向に弾発し、これ
によって球抜き弁１８を常に球抜孔１７の閉塞位置に維
持するようにしている。

【００１５】なお、連結杆２１は、球抜き弁１８が球抜
孔１７を閉塞する位置でその側面を球抜き弁１８のピン
１８１ｂに当接させてストッパーの用を果すようになっ
ている。２５は皿部７の下方の垂直部分に形成された横
長の開口溝で、該開口溝２５から球抜き弁１８を球抜孔
１７に臨ませるようにしている。また開口溝２５の両側
位置には支持板１９の両側端を嵌合して定位置に位置決
めし、かつ固定保持するためのガイド部２６，２６が形
成されている。

【００１６】一方、カバー部材１５の前面部分には皿部
７の球抜孔１７に対応する位置に開口２７が形成され、
その開口２７に後面開放の中空状のプッシュ体２８を前
後方向へ押圧自在に嵌挿している。このプッシュ体２８
は両側面に形成した突条２９ａ，２９ｂを開口２７の両
側内面のガイド溝２７ａ，２７ａに内側から嵌合するこ
とによりカバー部材１５に対して外れないように支持さ
れている。またプッシュ体２８の両側内面には帯片状の
係合部３０ａ，３０ｂが一体に形成されており、図６に
示すように一方の係合部３０ａを第１リンク片２２ａの
他端部２２１ａに当接させ、他方の係合部３０ｂを第２
リンク片２２ｂの他端部２２１ｂに当接させている。

【００１７】これによって、プッシュ体２８は、第１リ
ンク片２２ａ及び第２リンク片２２ｂのばね作用により
常に後方へ付勢されて図６に示すようにカバー部材１５
の前面と同一面に位置されている。その他、図中３１は
皿部７の前面縁に取着される球抜通路樋、３２ａ及び３
２ｂは第１リンク片２２ａ及び第２リンク片２２ｂの上
面に突設されたピンで、連結杆２１の両側の透孔２１
ａ，２１ｂにそれぞれ嵌入して第１リンク片２２ａ及び
第２リンク片２２ｂを相互に枢支連結する。

【００１８】３３は前記上部球受皿５内で、球抜き弁１
８の近傍に取着され、後記するシャッター板３７のソレ
ノイド４５を作動するリミットスイッチである。該リミ
ットスイッチ３３の作動片３４は前記第１リンク片２２
ａのピン１８１ａ側先端部２２’ａと対向して位置さ
せ、図７に示すように、第１リンク片２２ａの回動によ
り作動片３４を押圧してリミットスイッチ３３がＯＮ動
作するようにしている。

【００１９】しかして、前記前面板４の裏側で、賞球口
８を囲う接続管９の下面に賞球口８の横幅と等しい球抜
取口３５を開設し、該球抜取口３５には両側後端部を支
軸３６，３６により軸支し前方へ回動自在なシャッター
板３７を設ける。また、シャッター板３７の下側に接続
管９の両側壁９ａ，９ｂ間に軸承する回動軸３８を設
け、該回動軸３８に支持体３９を固着する。該支持体３
９は回動軸３８の回転に伴う起立した状態で前記シャッ
ター板３７を下から支承して該シャッター板３７を略水
平に保持する。前記回動軸３８は一端を側壁９ｂから突
出させると共に、その先端に回動軸３８と平行なピン４
０を突設した腕片４１をＬ字状に固着する。

【００２０】前記側壁９ｂには回動軸３８の前側に、該
回動軸３８と平行なピン４２を先端に突設した短杆４３
を固着する。４４は両端に設けた透孔４４ａ，４４ａに
前記各ピン４０，４２を嵌入したクランク杆であり、中
央に縦溝４４ｂを設ける。また、前記クランク杆４４の
下方に前記リミットスイッチ３３のＯＮ動作により励磁
するソレノイド４５を垂直に配置し、該ソレノイド４５
のプランジャー４５ａ先端を前記クランク杆４４の縦溝
４４ｂに挿通してビス４６で固着する。前記球抜取口３
５は、下方の前記通路部１４に連なり、ファール回収口
１３を介して下部球受皿６と連通させている。

【００２１】本考案の景品球の抜取装置は上記構成から
なり、次に作用を説明する。上部球受皿５に一定量の景
品球が貯溜され、しかも景品球払出装置から順次景品球
が景品球流出通路１０を介して上記球受皿５に払い出さ
れる状態において、球抜きするに、まず上部球受皿５の
プッシュ体２８を指で前方に押圧する。これにより、係
合部３０ａ，３０ｂによって第１リンク片２２ａ及び第
２リンク片２２ｂが図６鎖線で示すようにばね２４の弾
発に抗して回動し、同時に第１リンク片２２ａ及び第２
リンク片２２ｂに連結される球抜き弁１８が整列通路１
６に対して直交する方向であり、かつ後方向に移動して
図７に示すように球抜孔１７を開放するもので、これに
よって皿部７の景品球は球抜孔１７から球抜通路樋３１
に落下し、更に下部球受皿６に払い出されて球抜きする
ことができる。

【００２２】同時に、図７に示す如く、第１リンク片２
２ａのピン１８１ａ側先端部２２’ａで作動片３４を押
動し、リミットスイッチ３３をＯＮ動作させる。これに
伴い、前記前面板４裏側のソレノイド４５が励磁してプ
ランジャー４５ａが下動する。更に、クランク杆４４が
短杆４３を中心として下方に回動すると共に回動軸３８
を回転させ、図１０に示すように支持体３９を下傾させ
る。これにより、シャッター板３７はその支持を失い、
下方に傾動して球抜取口３５を開放させる。そして、景
品球流出通路１０に払い出される景品球を総て球抜取口
３５内に落下させ、通路部１４並びにファール回収口１
３を介して下部球受皿６に導く。

【００２３】また、前記プッシュ体２８から指を離すと
第１リンク片２２ａ及び第２リンク片２２ｂがばね２４
の弾発力によって図６に示す実線位置に回動復帰し、同
時に球抜き弁１８が前方向に移動して球抜孔１７を閉塞
する。なお、プッシュ体２８は第１リンク片２２ａ及び
第２リンク片２２ｂのそれぞれ他端部２２１ａ，２２１
ｂで押されて図６に示す実線位置に復帰する。

【００２４】同時に、作動片３４が開放されてリミット
スイッチ３３がＯＦＦ状態となり、ソレノイド４５を消
磁させる。該ソレノイド４５の消磁によってプランジャ
ー４５ａが上動し、クランク杆４４を上方に回動して回
動軸３８を逆回転させ、支持体３９の上傾動作によりシ
ャッター板３７を押し上げほぼ水平位置に復帰させ、球
抜取口３５を閉塞する。

【００２５】このように、パチンコ機の前面からの操作
により球抜取口３５を開放させ、景品球の抜取りを迅速
に行う。なお、本実施例においては、景品球流出通路か
ら払い出される景品球と上部球受皿内の景品球を同時に
抜き取るようにしたが、別個に抜き取るようにしても良
いことは勿論である。

【００２６】

【考案の効果】以上述べたように、本考案に係る景品球
の抜取り装置によれば、景品球流出通路の底面に下部球
受皿と連通する球抜取口を開設し、該球抜取口にシャッ
ター板を設け、パチンコ機の前面から操作して前記球抜
取口を開放するようにしたので、景品球流出通路に払い
出される景品球を上部球受皿を介することなく全て下部
球受皿に直接抜き取ることができる。これにより景品球
の抜き取り作業が極めて迅速且つ円滑に行なうことがで
き、面倒で煩しい手間が解消されるという利益を遊技客
にもたらすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】パチンコ機前面の一部を示す斜視図。

【図２】同ガラス枠と前面板を開いて示す斜視図。

【図３】上部球受皿の平面図。

【図４】同分解斜視図。

【図５】球抜き弁と第１，第２リンク片の関連構成を示
す斜視図。

【図６】球抜孔の閉塞状態を示す上部球受皿の一部断面
図。

【図７】球抜孔の開放状態を示す上部球受皿の一部断面
図。

【図８】球抜取口を閉塞した状態を示す前面板裏面の斜
視図。

【図９】球抜取口を開放した状態を示す前面板裏面の斜
視図。

【図１０】シャッター板の作用を示す前面板の断面図。

【符号の説明】

４ 前面板 ５ 上部球受皿 ６ 下部球受皿 ８ 賞球口 １０ 景品球流出通路 ３５ 球抜取口 ３７ シャッター板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 景品球払出装置から払い出される景品球
   を上部球受皿に導く景品球流出通路の底面に、下部球受
   皿と連通する球抜取口を開設し、該球抜取口にパチンコ
   機の前面から操作することにより該球抜取口を開閉する
   シャッター板を設け、該シャッター板を開放して景品球
   流出通路に払い出される景品球を前記球抜取口から直接
   下部球受皿に導くようにしたことを特徴とするパチンコ
   機における景品球の抜取り装置。