JPH0743112B2 - 固形残査を燃料とする加熱炉 - Google Patents

固形残査を燃料とする加熱炉

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JPH0743112B2
JPH0743112B2 JP1132809A JP13280989A JPH0743112B2 JP H0743112 B2 JPH0743112 B2 JP H0743112B2 JP 1132809 A JP1132809 A JP 1132809A JP 13280989 A JP13280989 A JP 13280989A JP H0743112 B2 JPH0743112 B2 JP H0743112B2
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    • F23G5/44—Details; Accessories
    • F23G5/46—Recuperation of heat

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、化学プラント等において副次的に生産される
可燃性の固形残査を燃料とする加熱炉に関する。
〔従来の技術〕
例えば、テレフタール酸の製造プラントにおいて副次的
に生産される可燃性の残査には、テレフタール酸、イソ
フタール酸、安息香酸、Ｐ−トルイル酸及び副生の高沸
点化合物、廃触媒等が含まれており、これらの残査は、
常温で固形状態である。
従来、係る残査の処理方法としては、第２図のように、
重油又はガス燃料Ｆを燃料とする助燃バーナ21にて加熱
される焼却炉22の炉床23上に、残査投入口24から上記残
査を投入して焼却させる方法、或いは、第３図のよう
に、細かく粉砕された残査と水とを混合させた水スラリ
ーＳを、スラリー配管30の先端に接続させたスプレーノ
ズル25から助燃バーナ21を備えた焼却炉22′内にスプレ
ーとして焼却させる方法等がある。なお、第２図及び第
３図において、符号Ｇは、燃焼廃ガスを示している。
然しながら、上記の方法は、いずれも、重油又はガス燃
料（LPG等）Ｆを助燃料として用いているため不経済で
ある。
また、第２図の炉床型焼却炉22の場合は、炉床23上で残
査を燃焼させるため、床煉瓦が局部加熱される、という
問題がある。更に、焼却灰の排除が面倒である。
また、第３図の水スラリー使用の場合は、蒸発潜熱のた
め、更に余分な助燃料が必要となる。更にスプレーノズ
ル25からスプレーされる水スラリーＳによって焼却炉2
2′の側璧煉瓦36が急冷されると、側璧煉瓦36にクラッ
クやヒビが入る等の問題がある。
一方、上記プラントは、プラントに備えた機器類を所定
温度に保温するため、焼却炉の他に第４図のような熱媒
体加熱炉26を備えている。
この熱媒体加熱炉26は、燃料配管33から供給される重油
又はLPG等のガス燃料をバーナー34で燃焼させている
が、細かく粉砕した残査と水とを混合させた水スラリー
を燃料として使用する場合は、燃焼しなかった未燃残査
及び残査中の触媒が放射部27の炉床面に沈降する一方、
放射部27の上方に設けた熱回収部としての対流部28の加
熱管29にダストとして付着し、対流部28の伝熱性能を低
下させ、最悪の場合、燃焼ガス通路を閉塞させる。この
ため、熱媒体加熱炉26を定期的に停止して清掃する必要
がある。
特に、この種の加熱炉は、構造上、２次燃焼室を設ける
ことができない。また、燃焼室である放射部27の側璧に
加熱管30を配置しているため、炉内温度が加熱管30の部
分で下がり、未燃分が生じ易い、という問題がある。な
お、第４図において、符号31は熱媒体入口、32は熱媒体
出口、35は煙突を示している。
〔発明の解決しようとする課題〕
本発明は、係る従来の問題を解消するためになされたも
のであり、その目的は、テレフタール酸の製造プラント
等の化学プラントから排出される可燃性の残査を焼却す
ると同時に、その焼却時の熱エネルギーによって化学プ
ラントに備わった機器類の保温に使用する熱媒体の加熱
も合わせて行なうようにした固形残査を燃料とする加熱
炉を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
即ち、本発明の固形残査を燃料とする加熱炉は、燃焼室
の内側に熱媒体加熱用の管体を垂直に配設すると共に、
前記燃焼室に、細かく粉砕した可燃性の残査と重油とを
混合させて生成したオイルスラリーを燃焼させるバーナ
ーを設け、更に、前記燃焼室の下部に円錐状のコーンを
有する２次燃焼室を設け、該２次燃焼室内の温度を800
〜1000℃に保持すると共に、２次燃焼室内に滞留する燃
焼ガスの滞留時間を0.5秒以上とし、なおかつ、前記燃
焼室に並設させた対流部の下部に接続させた３次燃焼室
と前記２次燃焼室とをダクトを介して連通させることを
特徴とするものである。
〔実施例〕
以下、図面により本発明の実施例を説明する。
第１図において、１は加熱炉の燃焼室であり、この燃焼
室１を構成する筒形の側璧11の内側には、側璧11の保護
を兼ねる熱媒体加熱管15が垂直に配列されている。
この燃焼室１の天井部10にバーナー13を設け、オイルス
ラリー配管14を通ってバーナー13に供給されるオイルス
ラリー、すなわち、細かく粉砕させた可燃性固形残査と
重油とを混合させて生成したオイルスラリーを燃焼させ
るようになっている。
係る燃焼により、重油を助燃料として細かく粉砕された
可燃性固形残査が焼却される。一方、可燃性固形残査と
重油が燃焼する時に発生する熱により媒体加熱管15内を
通過する熱媒体が加熱される。
ここで、符号Ａで示す燃焼室１内の燃焼温度は、符号Ｂ
で示す２次燃焼室２内の温度が800〜1000℃になるよう
にコントロールされる。この燃焼室１内の燃焼温度は、
熱媒体加熱管15への伝熱量、換言すれば、バーナー13の
火炎の大きさを加減することによりコントロールされ
る。
また、固形残査は、バーナー13の目詰まり防止、及び完
全燃焼を期すため、10メッシュ以下の微粒子に粉砕する
ことが望ましい。また、細かく粉砕された可燃性固形残
査と重油との混合割合は、1:1又はそれ以上のオイル量
とすることが望ましい。
上記燃焼室１の下部には、円錐状のコーンを有する２次
燃焼室２を接続させている。この２次燃焼室２は、その
下部に円錐状の灰溜め室３及び灰排出口４を有してい
る。
上記燃焼室１に並設させた筒形の対流部20の下部には、
３次燃焼室６が配設されている。この３次燃焼室６と前
記２次燃焼室２とは、煙道ダクト５を介して連通されて
いる。また、３次燃焼室６は、２次燃焼室２と同様に、
その下部に円錐状の灰溜め室３及び灰排出口４を有して
いる。
更に、対流部20の上部は、煙道ダクト７を介して煙突９
に連通しており、煙道ダクト７の途中に配した誘引ブロ
アー８によって排ガスが大気中に放出されるようになっ
ている。
上記した熱媒体加熱管15の一端は、熱媒体出口配管19に
接続し、他の一端は、クロスオーバー配管18を介して対
流部20内の加熱管16の下端部に接続している。また、加
熱管16の上端は熱媒体入口配管17に接続している。
次に、加熱炉の作用について説明する。
細かく粉砕された可燃性固形残査と重油とを混合させた
オイルスラリーを、燃焼室１の天井10に設けたバーナー
13によって燃焼させると、重油を助燃料として細かく粉
砕された可燃性固形残査が焼却される。
その際、可燃性固形残査と重油が燃焼するときに発生す
る熱により燃媒体加熱管15内を通過する熱媒体が加熱さ
れる。
上記のように、細かく粉砕された可燃性固形残査は、重
油を助燃料として燃焼室１内で完全に焼却されるが、仮
に、未燃残査が生じた場合、未燃残査は、800〜1000℃
に保持された２次燃焼室２内に0.5秒以上滞留する間に
完全に燃焼する。
燃焼ガスは、符号Ｃで示される煙道ダクト５内を通って
符号Ｄで示す３次燃焼室６内に導入され、３次燃焼室６
内で、更に、完全燃焼が期されると同時に、飛散灰がキ
ャッチされる。このため、煙突９より排出される排ガス
中のダスト量は、100〜150mg/Nm3以下となり、電気集塵
機等の除塵装置が不要になる。
燃焼ガスは、その後、対流部加熱管16にて燃媒体を予熱
した後、誘引ブロアー８にて誘引され、煙突９から大気
中に排出される。
一方、熱媒体は、燃焼室１内で加熱される前に、対流部
20内に設置された加熱管16内を通過する間に予熱され
る。
〔発明の効果〕
上記のように、本発明は、燃焼室の内側に熱媒体加熱用
の管体を垂直に配設すると共に、前記燃焼室に、細かく
粉砕した可燃性の残査と重油とを混合させて生成したオ
イルスラリーを燃焼させるバーナーを設け、更に、前記
燃焼室の下部に円錐状のコーンを有する２次燃焼室を設
け、該２次燃焼室内の温度を800〜1000℃に保持すると
共に、２次燃焼室に滞留する燃焼ガスの滞留時間を0.5
秒以上とし、なおかつ、前記燃焼室に並設させた対流部
の下部に接続させた３次燃焼室と前記２次燃焼室とをダ
クトを介して連通させるから、次のような多くの効果を
奏する。
即ち、従来、別個に設置されていた熱媒体加熱炉と残査
焼却炉とが一体となり、運転操作が容易になると共に、
運転要員を削減できる。また、建設費も削減できる。
更に、残査の保有している熱エネルギーを有効活用が計
れ、使用燃料を節減できる。本実施例では、加熱炉用の
重油を約12％節約できたばかりでなく、焼却炉用の重油
は不要にすることができた。
更に、煙突から大気中に放出されるダスト量を100〜150
mg/Nm3以下に押さえることができた。
【図面の簡単な説明】
第１図は本発明に係る固形残査を燃料とする加熱炉の概
略図、第２図及び第３図は従来の残査焼却炉の断面図、
第４図は従来の熱媒体加熱炉の断面図である。 １……燃焼室、２……２次燃焼室、５……煙道ダクト、
６……３次燃焼室、13……バーナー、15……熱媒体加熱
管、20……対流部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲田 正弘 東京都中央区築地５丁目６番４号 三井造 船株式会社内 (72)発明者 政岡 利昭 山口県玖珂郡和木町和木６丁目１番２号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 安孫子 亨 山口県玖珂郡和木町和木６丁目１番２号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 高橋 健治 山口県玖珂郡和木町和木６丁目１番２号 三井石油化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭52−126078（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】燃焼室の内側に熱媒体加熱用の管体を垂直
    に配設すると共に、前記燃焼室に、細かく粉砕した可燃
    性の残査と重油とを混合させて生成したオイルスラリー
    を燃焼させるバーナーを設け、更に、前記燃焼室の下部
    に円錐状のコーンを有する２次燃焼室を設け、該２次燃
    焼室内の温度を800〜1000℃に保持すると共に、２次燃
    焼室内に滞留する燃焼ガスの滞留時間を0.5秒以上と
    し、なおかつ、前記燃焼室に並設させた対流部の下部に
    接続させた３次燃焼室と前記２次燃焼室とをダクトを介
    して連通させることを特徴とする固形残査を燃料とする
    加熱炉。
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