JPS6250724B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、熱分解部と燃焼部とを備え、都市ご
みなどの有機物原料を熱分解する熱分解装置の、
燃焼部における流動層式燃焼方法に関するもので
ある。

従来、都市ごみ、下水スラツジ等の有機物を高
温で熱分解し、ガスや油を回収する場合、熱分解
残渣として発生するチヤーのうち比重が小さいも
のはガスに同伴されて、熱分解塔より排出された
後にサイクロンにて捕集され燃焼塔へ供給され
る。一方比重の大きなチヤーは熱媒体中に残り熱
媒体とともに連絡部を介して燃焼塔に移動する。

熱分解塔より排出されたチヤーのうち粒径の小
さなものはサイクロンで補集されずに逸散しガス
を冷却して得られるドレン中に捕捉される。これ
らのチヤーはタールとともにドレン中より分離・
回収され、有効な熱源として燃焼塔に供給され
る。

こうして熱分解塔においては熱媒体は熱分解の
ために降温し、その熱分量を補なうために燃焼塔
においてはチヤーやタール等を燃焼させ熱媒体の
再熱を行なう。こうした二塔循環式熱分解装置に
おいては、原料の含水率がある値以上であると生
成したチヤー及びタールを全量燃焼させてもそれ
だけでは熱量が不足するので、不足分を熱分解ガ
スで補うことが考えられた。

従来の熱分解ガスの燃焼は流動層の上方に設け
られた昇温用ガスバーナを用いて行なわれたが、
次のような問題点があつた。すなわちその燃焼量
が多量であると火炎の直射を受ける部分が局部的
に過熱され、熱媒体として珪砂等を使用した場合
に熱媒体が燃結するという現象が発生する。

この焼結という現象は、原料中に塩が多量に含
まれるとさらに一層起りやすくなる。燃焼部分が
次第に成長するとバーナの出口部分を閉塞して終
には運転不能となる。又は燃焼物が流動層中に落
下すると、流動化を阻害することになる。こうし
た焼結物は形が大きく又かたいので壊すことも系
外に排出することも容易でない。

本発明は、流動層中に熱分解生成ガスを空気を
混ぜずかつ分散して吹き込んで燃焼せしめること
によつて、従来の方式の上記の欠点を除き、局部
的な過熱を防ぎ、燃焼部分が発生せず、かつ燃焼
効率を向上せしめる流動層式燃焼方法を提供する
ことを目的とするものである。

本発明は、熱分解部、燃焼部を有し、その間を
熱媒体を循環せしめて、都市ごみなどの有機物原
料を熱分解する熱分解方法において、前記燃焼部
中に燃焼用兼流動化用の空気を分散せしめて供給
して熱媒体による流動層を形成せしめ、該燃焼部
流動層中に、熱分解により生成された熱分解生成
ガスを燃焼用の空気とは別に、かつ流動層内に広
く分散せしめて吹き込んで燃焼せしめ、熱媒体の
加熱を行なうことを特徴とする流動層式燃焼方法
である。

本発明を二塔循環式熱分解装置に適用した場合
の実施例につき図面を用いて説明すれば、第１図
は二塔循環式熱分解装置であり、１は原料の熱分
解を行なう熱分解塔、２は熱媒体の再熱を行なう
燃焼塔でエゼクター部３内のノズル７より空気を
吹き込み熱媒体を揚送管６を通じて揚送し、上部
で流動層を形成している。

二塔間は熱媒体を充填した連絡管４，５で連絡
し、ガスシールをすると共に矢印の方向に移動層
を形成している。１２は原料供給用のフイーダ、
１４はサイクロンでここで捕集されたチヤーはフ
イーダ１３により燃焼塔２に供給され、熱媒体再
熱のための熱源として燃焼される。フイーダ１３
は熱分解ガスを冷却して得られるドレンから回収
されるチヤー・タールの供給も行なう。８は流動
化ガス入口、９は揚送空気入口、１０は生成ガス
出口、１１は排ガス出口、１７はガスバーナであ
る。

第２図は燃焼塔２の流動層部の詳細を示したも
ので、１５は熱分解ガスを、空気を混ぜず、かつ
流動層内に広く分散して吹き込む吹き込み口を備
えたパイプグリツド、１６は燃焼兼流動化用空気
用のパイプグリツドで熱分解ガス及びフイーダ１
３にて供給されるチヤー及びパイプグリツド１５
で吹き込まれる熱分解ガス等の燃焼に用いられ
る。１８はガスホルダーで精製された熱分解ガス
が貯蔵され、ブロワ１９にて昇圧して使用する２
０，２１はブロワ、２２，２３，２４，２５は流
量調節弁である。

このような構造の実施例において、燃焼物が発
生しそうな条件では、助燃に必要な熱分解ガスの
１部を流動層上方のガスバーナ１７にて燃焼させ
残りの大部分を、分散機構としてのパイプグリツ
ド１６の上方に、流動層中に設けた専用のパイプ
グリツド１５より供給し、チヤー・タールととも
に流動層中で燃焼させる。

この場合、熱分解ガスは空気を混じない状態で
吹き出されるので、燃焼は吹き出し口に集中する
ことなく、また、パイプグリツド１５により吹き
出し口自体も燃焼塔２の断面に広く分布している
ので、燃焼は流動層の中に広く分布して行なわ
れ、しかも熱分解生成ガス自体も熱媒体の流動化
に大きく寄与して流動化を活発となし、燃焼効率
を向上せしめる。

この結果局部的な過熱が発生しないために従来
におけるが如き燃焼が起きないことが実験的に明
らかとなつた。この場合ガスバーナ１７を一部燃
焼させるということはチヤー・タールの燃焼を完
結させるための補助的手段であるが、場合によつ
ては不要としてもよい。

又、条件によつては熱媒体に焼結の恐れがない
場合にはむろん熱分解ガスは全量ガスバーナ１７
にて燃焼させることが可能である。

ここでいう条件というのは例えば助燃に用いる
熱分解ガス量が少ない場合、熱媒体の再熱温度が
低い場合さらに熱媒体として使用温度範囲におい
ては焼結が起きないような物質（アルミナ等）を
使用する場合等が考えられる。

本発明により、流動層の全体にわたつて燃焼が
行なわれ、局部的な過熱を生ずることなく、ま
た、熱分解生成ガスによる流動化作用により流動
層の動きが一層活発になり、また、加熱用の燃料
を特に外部から必要とせず、従つて焼結等のトラ
ブルを防止し、しかも熱効率のよい流動層式燃焼
方法を提供することができ、設備の信頼性上、安
全に関し極めて大なる効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は熱分解
装置の塔本体の構成のフロー図、第２図は燃焼塔
流動層部を示す説明図である。 １……熱分解塔、２……燃焼塔、３……エゼク
ター部、４，５……連絡管、６……揚送管、７…
…ノズル、８……流動化ガス入口、９……揚送空
気入口、１０……生成ガス出口、１１……排ガス
出口、１２，１３……フイーダ、１４……サイク
ロン、１５，１６……パイプグリツド、１７……
ガスバーナ、１８……ガスホルダー、１９，２
０，２１……ブロワ、２２，２３，２４，２５…
…流量調節弁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 熱分解部、燃焼部を有し、その間を熱媒体を
   循環せしめて、都市ごみなどの有機物原料を熱分
   解する熱分解方法において、前記燃焼部中に燃焼
   用兼流動化用の空気を分散せしめて供給して熱媒
   体による流動層を形成せしめ、該燃焼部流動層中
   に、熱分解により生成された熱分解生成ガスを燃
   焼用の空気とは別に、かつ流動層内に広く分散せ
   しめて吹き込んで燃焼せしめ、熱媒体の加熱を行
   なうことを特徴とする流動層式燃焼方法。