JPH0742984Y2 - 印篭式紙箱 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は印籠式紙箱に関し、特に、粉末の洗剤等を収納
するのに適した印籠式紙箱に関する。

〈従来の技術〉 従来、粉末洗剤等を収納する紙箱は、内容物を取り出す
際、紙箱上部の一部または全部を破り、手に持って振り
出したり、計量スプーン等ですくい出したりしていた。
近年では、洗剤の濃縮化に伴い、紙箱が小型化され、胴
部と蓋部が別体の、被せ蓋式の紙箱が多く用いられるよ
うになってきている。

〈考案が解決しようとする課題〉 上述した被せ蓋式の紙箱から内容物を取り出す際には、
蓋部を取り外すのであるが、この取り外した蓋部を手に
持っていたり、どこかへ置くような作業は、わずらわし
く、また蓋部を紛失する恐れもあり、このような紙箱は
使い勝手のよいものではなかった。そこで本考案は、上
述のようなわずらわしさのない、使い勝手のよい紙箱を
提供するものである。

〈課題を解決するための手段〉 すなわち本考案は、胴部が胴部外壁と胴部内壁との二重
壁からなり、蓋部が前記胴部上端の周囲を完全に覆う被
せ蓋となって、内壁と嵌合する印籠式紙箱であって、前
記蓋部と胴部外壁が切り離し可能に一体に形成されてな
り、かつ蓋部と胴部とを連結する保持連結板を、胴部内
壁に連設したことを特徴とする、印籠式紙箱である。

〈作用〉 本考案において、蓋部と胴部は切離し可能に一体に形成
されており、使用する際両者を切離すことにより初めて
開封が可能となる。

蓋部は印籠式であり、蓋部を取り外すことにより胴部は
上部の全面が開放されるが、蓋部は、胴部内壁に連設さ
れた保持連結板により胴部に連結されており、開封時に
は蓋部は前記保持連結板によって胴部後上方に斜めに懸
垂状態で保持される。

〈実施例〉 次に、図面を参照して本考案を説明する。第１図は本考
案の一実施例の開蓋状態を示す斜視図、第２図は同実施
例組立前の展開平面図である。

本考案の紙箱は、胴部（１）と蓋部（２）からなり、両
者は保持連結板（３）で連結されている。

胴部（１）は、胴部外壁（４）と胴部内壁（５）から構
成され、胴部内壁（５）が胴部外壁（４）よりも上方に
突出した印籠式となっている。蓋部（２）は、前記胴部
内壁（５）に被着され、かつ使用前には胴部外壁（１）
と一体に形成されている。また、蓋部（２）は、前記胴
部内壁（５）のうちの後板に連設された保持連結板
（３）を介して胴部（１）に連結されている。

この実施例は、第２図に示すブンクス板（Ａ）１枚によ
り作成することができる。

第２図のブランクス板（Ａ）は、胴部外壁（４）を構成
する外壁板（11）、（12）、（13）、（14）の一方側部
に、胴部内壁（５）を構成する内壁板（21）、（22）、
（23）、（24）を連設し、さらにその側部に貼着板（2
5）を連設している。前記外壁板（11）、（12）、（1
3）、（14）の下方には、それぞれ底板（31）、（3
2）、（33）、（34）が連設され、また、上方には２条
の半切線（41）、（42）により区画形成される切取片
（45）を介して、蓋部（２）の周壁を構成する周縁板
（51）、（52）、（53）、（54）が連設されている。さ
らに、前記周縁板（51）、（52）、（53）、（54）の上
方には、蓋部天板（61）、（62）、（63）、（64）が連
設されている。なお、前記周壁板（54）には、切線（5
6）により内壁板（21）と区画される、周壁板（54）と
同周壁板（51）を貼着するための貼着片（55）が連設さ
れている。また、胴部内壁（５）のうち後板となる内壁
板（24）の上方には、保持連結板（３）が連設されてお
り、さらにその上方の先端には、貼着片（35）が連設さ
れている。

切取片（45）は、使用者が使用時に切取って開封するた
めのもので、補強のためのテープ部材（図示せず）を貼
着することが好ましい。なお、蓋部天板（64）に設けら
れた切欠部（65）は、後述する本ブランクス板（Ａ）組
立の際の機械による自動組立を可能とするものである。

このブランクス板（Ａ）は、下記のようにして組み立て
ることができる。

まず、内壁板（21）、（22）、（23）、（24）および貼
着板（25）をそれぞれ折曲線を介して折曲げ、貼着板
（25）を内壁板（21）に貼着して胴部内壁（５）を形成
する。次いで外壁板（11）、（12）、（13）、（14）を
折曲げ、外壁板（11）を内壁板（21）に貼着し、胴部外
壁（４）を形成する。この際、周壁板（51）、（52）、
（53）、（54）も同時に折曲げられ、また、貼着片（5
5）が周壁板（51）に貼着される。

次に、保持連結板（３）を折曲げ、蓋部天板（61）、
（63）を折込み、さらに蓋部天板（62）、（64）を折曲
げそれぞれ貼着する。このとき、保持連結板（３）に連
設された貼着板（35）を、蓋部天板により形成された蓋
部（２）の内天面の前面側に貼着する。

この状態で、底板側から内容物を充填する。その後、底
板（31）、（32）、（33）、（34）を折曲げ、貼着し、
本考案の紙箱が完成する。

本考案の紙箱を開封するには、前記切取片（45）を切取
り、蓋部（２）と胴部（１）を切離し（第３図（ａ）参
照）、蓋部（２）を上方に引き上げる。この後、保持連
結板（３）の規制に従い蓋部（２）を後方に移動させれ
ば、蓋部（２）は胴部（１）の後上方に、斜めに懸垂状
態で保持される（第３図（ｂ）参照）。

上述した実施例は、ブランクス板１枚で構成されている
が、必要に応じて胴部内壁（５）を別体の部材を用いて
形成してもよい。

〈考案の効果〉 本考案による印籠式紙箱は、上述した通り、胴部が胴部
外壁と同部内壁との二重壁からなっているので、粉末洗
剤ような、ある程度重量があり変形しやすい内容物を入
れた場合にも胴が膨れるのを防止することができ、また
蓋部は胴部上端の周囲を完全に覆う被せ蓋であるので粉
末洗剤等の漏れを防止することができる。さらに、開封
の際には胴部と蓋部を完全に切離した状態で、蓋部を胴
部後上方に保持することができるので、内容物を取出す
際に蓋部が妨げになることがなく、また蓋部を紛失する
恐れもない。また、蓋部の開封、保持のための操作はス
ムーズに行なうことができ、従来の紙箱に比べて使い勝
手のよいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の開蓋状態を示す斜視図、第
２図は同実施例の展開平面図、第３図（ａ），（ｂ）は
同実施例の開封状態を示す側面説明図である。 （１）……胴部、（２）……蓋部 （３）……保持連結板、（４）……胴部外壁 （５）……胴部内壁、（Ａ）……ブランクス板

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】胴部が胴部外壁と胴部内壁との二重壁から
   なり、蓋部が前記胴部上端の周囲を完全に覆う被せ蓋と
   なって、内壁と嵌合する印籠式紙箱であって、前記蓋部
   と胴部外壁が切り離し可能に一体に形成されてなり、か
   つ蓋部と胴部とを連結する保持連結板を、胴部内壁に連
   設したことを特徴とする、印籠式紙箱。
2. 【請求項２】前記保持連結板が、胴部内壁の後板に連設
   され、その先端に連結された貼着片が、前記蓋部内天面
   の前面側に貼着されることを特徴する、実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の印籠式紙箱。